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# Vol.10『[実践] 理念経営Labo』（2024 SUMMER 7-9）

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人と組織の可能性を発見する研究誌理念経営実践Vol.10Labo2024SUMMER7-9［特集］人を活かす経営現場に育む納得感がお客様の笑顔につながるハウステンボス会長執行役員坂口克彦理念と絆を深める仕組みで成長戦略へ“ねじ”を巻く日東精工代表取締役会長兼CEO材木正己自分に合った上司選びで能力を最大限に発揮さくら構造代表取締役社長田中真一［松下幸之助経営塾志の実践］セムコ代表取締役社長宗田謙一朗［道をひらく～私の流儀～］三和化工紙代表取締役社長三井貴子

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『［実践］理念経営Labo』刊行にあたって現代の企業や組織において、経営理念を経営の軸に据えることの重要性はますます高まっています。一つには、資本主義社会のあり方が問い直され、企業の果たすべき責任がよりいっそう重視されつつあることが挙げられます。たとえば、行きすぎた株主重視の反省から、企業には社会的な課題解決が一段と強く求められるようになりました。ESG（環境、社会、ガバナンス）投資やSDGs（持続可能な開発目標）への関心の高まりからも、その傾向は明らかです。また、従来の経営理念に加えて新たに「パーパス」（存在意義）を掲げる企業も数多く出てきました。一方で、政府による働き方改革の推進、雇用慣行の変化、特に最近は新型コロナ感染症拡大をきっかけとしたリモートワーク導入促進の流れの中で、働く人々の価値観においても多様化が進み、組織を統合するための経営理念の役割も見直されています。私どもPHP理念経営研究センターは、複雑化する環境においても企業や組織が活力を持って高品質な商品やサービスを創出し、持続的な発展を遂げてゆくために、新たな理念経営のあり方を追求することを年に設立いたしました。この使命はパナソニックグループ創業者で弊社PHP研究所創設者でもある松下幸之助の「思い」から発しています。松下は、昭和7（1932）年5月5日、「人々の日常生活の必需品を充実豊富にして、その生こんしん活内容を改善拡充する。松下電器製作所はこの使命の達成を究極の目的とし、今後一層渾身の力を振るまいしんい、一路邁進せんことを期す」という趣旨の自社の「真使命」を宣言し、パナソニックグループを世界へと飛翔させました。また終戦後の世の乱れ、人心の荒廃を思い知らされたところから、「繁栄を通じて、平和と幸福を実現する」（PeaceandHappinessthroughProsperity）との思いに立ち、昭和21（1946）年11月3日にPHP研究所を設立いたしました。「初めに思いありき」の言葉通り、松下のいずれの事業活動もすべて「思い」を原点とした理念経営にほかなりません。こうした考えに立ち、PHP理念経営研究センターの情報発信の場として『［実践］理念経営Labo』をこのたび刊行いたします。誌名に「Labo」（ラボ）とつけたのは、本誌を生きた「理念経営の研究室」とし、より先端的な課題への取り組みに挑みたいとの思いがあってのことです。理念経営に挑戦している経営の現場を現代的見地にもとづいて取材し、理念実践の新たな指針を創出することを目指して誌面づくりに尽力していきたいと考えています。読者の皆様には、ぜひとも「Labo」の共同研究者として情報、ご感想を賜り、明日の「理念経営」のあり方に一石を投じるべくご支援、ご指導をお願いいたしたく存じます。2022年4月PHP理念経営研究センター代表渡邊祐介

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Contents──2024SUMMER7-9（Vol.10）特集人を活かす経営【Interview】現場に育む納得感がお客様の笑顔につながる“大変なときだからこそ”成功した意識改革【Interview】理念と絆を深める仕組みで成長戦略へ“ねじ”を巻く従業員の人間力と満足度を高める幸せ経営【Interview】自分に合った上司選びで能力を最大限に発揮構造設計者の価値向上を目指す松下幸之助経営塾【志の実践】チームコーチングで組織を活性化成功体験を生かしてコンサルティング業にも進出へ【塾生通信】日に新たSeries【道をひらく～私の流儀～】学び合いを楽しみ強い組織を育む“お家騒動”、工場火災を克服し、社員とともに成長する元教員社長【松下幸之助生誕130年成功の金言】商売は成功するものと決まっている【プロ・ファシリテーターが斬る!!組織づくり・人づくりのヒント】教えすぎない教育【特別動画案内】MOVIEGALLERYハウステンボス会長執行役員坂口克彦6日東精工代表取締役会長兼CEO材木正己10さくら構造代表取締役社長田中真一14セムコ代表取締役社長宗田謙一朗1822三和化工紙代表取締役社長三井貴子2428PHP研究所経営共創事業本部本部長的場正晃3234誌面内容がよりよくわかる特別動画を右のQRコードからご視聴いただけます。動画は随時追加予定。メルマガにてご案内します。（メルマガ登録はP35下をご参照ください）

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［特集］人を活かす経営

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「物をつくる前に人をつくる」――。その考え方をモットーとして人材を育てることに力を注いだパナソニックグループ創業者の松下幸之助は、人間を“ダイヤモンドの原石のようなもの”ととらえ、それぞれにもつ可能性を引き出し、磨き上げることを重視した。「人間はだれもが、磨けばそれぞれに光る、さまざまなすばらしい素質をもっている。だから、人を育て、活かすにあたっても、まずそういう人間の本質というものをよく認識して、それぞれの人がもっているすぐれた素質が生きるような配慮をしていく。それがやはり、基本ではないか。もしそういう認識がなければ、いくらよき人材がそこにあっても、その人を人材として活かすことはむずかしいと思う」（『人を活かす経営』PHPビジネス新書）人材を「資本」としてとらえ、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」が求められる今、それぞれの人材がもつ力を磨き、輝かせる仕組みや組織風土をいかにして生み出し、定着させるかがカギとなるだろう。本特集では、「人財」の育成に取り組み、組織の成長へ導くリーダーの考え方から、人を活かすマネジメントを学ぶ。

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Interview現場に育む納得感がお客様の笑顔につながる“大変なときだからこそ”成功した意識改革ハウステンボス株式会社会長執行役員坂口克彦さかぐち・かつひこ＊1955年、富山県高岡市出身。’79年、新潟大学工学部卒業後、ユニ・チャーム株式会社に入社。営業や人事部門、海外子会社の責任者を経験後、取締役常務執行役員、企画本部長兼グローバル人事総務本部長を歴任。2014年、株式会社エイチ・アイ・エスに移籍し、取締役常務執行役員CSR担当、本社人事本部長等を務める。’19年、澤田秀雄氏の後を受け、ハウステンボス株式会社代表取締役に就任。顧客志向で社員のモチベーションを大切にする経営を目指し改革に取り組む。’23年10月より現職。’24年5月、長崎県公立大学法人理事長に就任。ハウステンボス株式会社本社：長崎県佐世保市／開業：1992年／事業内容：テーマパーク事業、ホテル事業、レストラン事業、物販事業、発電・売電等エネルギー関連事業コロナ禍で「不要不急」とされた観光業。長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」も逆境に陥ったが、“大変なときだからこそ”を合言葉に社内の意識改革に取り組み、全員経営を実現。若手を中心とした「部門横断プロジェクト」による新たな魅力づくりで、コロナ禍前をしのぐ活況を生み出している。現場の納得感を重視してようてい改革を成功に導いた坂口克彦会長に、その要諦をうかがった。取材・構成：平林謙治写真提供：ハウステンボス心からの笑顔でウェルカム！納得すれば頑張れるハウステンボスへお越しになったことがある方なら、きっと頷うなずいてくださるのではないでしょうか。中世のオランダを再現した“本物”の街並みに世界一のイルミネーション、咲き誇る四季の花々や大迫力のアトラクションなど、当パークにはあまた数多の見どころがありますが、来場者からそれらに勝るとも劣らないほど高く評価されているのが、ホストクルー（従業員）の“笑顔”です。広い場内のどの施設やアトラクションでも、お客様を見かけたら、笑顔で両手を振ってウェルカム！私も開園時には入口で手を振って、お客様をお迎えしています。2019年の就任以来、ほぼ毎朝欠かさずに。そういうと、「トップが率先垂範するからホストクルーも従っている」と思われるかもしれませんね。でもそれは違うんです。彼ら彼女らはそうすることに価値があると本気で思っているから、納得してお客様に手を振っているのです。心から笑っているのです。その本気や納得感は観る側にもちゃんと伝わるのでしょう。最近は明るく楽しそうなホストクルーの姿に憧れて入社を志望する学生もすご6［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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特集人を活かす経営く増えてきました。私は確信しています。人は、自分の仕事に価値があると納得すれば、頑張れるのだと。業種はまったく違いますが、前職のユニ・チャーム時代に副社長を務めた台湾の子会社でも、それを再認識する経験をしました。赴任当初、製品への毛髪混入によるクレームが多発し、シェアも低迷したことから、現地の工場長らが「従業員に帽子の着用を徹底し、守らないものは厳しく罰する」と言い出したんですね。罰なんて設けても、上司がいなければ誰も守りませんよ。かえって現場の士気を下げるだけです。そうではなく、従業員に自分たちのつくっているものがどれだけ素晴らしいか、価値があるかを教えて納得してもらわなければいけない。そこで、他社製品との比較実験をして見せたんです。もう驚くやら、喜ぶやら。みんなの目の色が変わりましたね。「こんなに素晴らしい製品なのに、君たちの髪の毛が入ったらどう思う？」と聞くと、口々に「もったいない！」と。誰もが進んで着帽するようになったのは言うまでもありません。「君は正しい、自信を持て」認めてくれた師との出会い振り返ると、ユニ・チャームでは私自身が“異端児”で、若い頃から納得しないことはやりたくない。やらされると身が入らないタイプでしたね。だからこそ、目の前の仕事になんとか自分なりに意味を見出し、納得して働こうとしたものです。入社は1979年。GMS（総合スーパー）が急拡大していた時期で、私たち営業の新人は、休日も新店オープンの手伝いに駆り出されました。やることといったら、特売のトイレットペーパーやティッシュの袋詰め。同期はみんな不満タラタラですよ。「正社員なのに、なぜこんなことをやらされるのか」と。でも、愚痴ばかりこぼしていても仕方ありません。自分は何のためにこの店に来ているのかと考えたら、私がバイヤーに好印象を与えることでユニ・チャームの評価が上がり、自社の営業担当も商談が進めやすくなる、そこに頑張る価値があるんじゃないかと。そう思い至って、朝は同業他社の誰よりも早く入店し、夜も最後まで居残って店の掃除などを手伝いました。部下を預かるようになってからも、「納得しない仕事はしなくていい」と教えるような上司でした。納得した仕事は、失敗しても一生懸命反省するから次につながるんですね。実際に一人ひとりが納得して働くことで成長し、チームの業績が上がる経験も何度となくしてきました。“異端児”の私のそうした考え方は、社内ではともすると「青臭い」「きれいごとだ」と反発を招きがちでしたが、あるとき、「君は正しい、自信を持ってやりなさい」と肯定し、後押ししてくれる人に初めて出会いました。監査役としてユニ・チャームに入ってこられた、松下電器産業（現パナソニック）元副社長の平田雅彦さんです。私が執行役員の頃ですから20年以上も前のことですが、平オランダ情緒にあふれるフラワーロード田さんが初めて参加された取締役会での衝撃は今も忘れません。その場で事業報告をしていた営業本部長が、専務や常務から散々詰められていたんですよ。「なぜ数字が行かないんだ！」と。それをじっと聞いていた平田さん。おもむろに「発言していいですか」と手を挙げて、こうかっぱ喝破されたのです。「あなたたちは専務でしょ？常務でしょ？専務や常務なら詰めるだけが能じゃない。『こういうことはやってみたのか』『こういう人に知恵を借りたのか』と、アドバイスの一つでもしたらどうですか。『なぜ数字が行かないんだ！』と言うだけなら、今日初めて会議に出た私でも言えますよ」――その瞬間、心のかいさい中で快哉を叫びました。「何のためにこの仕事があるのか」を突き詰め、納得して働く誠実な姿勢よりも、いわゆる社内政治と「数字をつくる」ことばかりが優先される風潮に、私自身、違和感を抱いていたからです。積極的に家族・友人に勧めることができない以来、私は平田さんを経営の“師”と仰ぎ、執行役員以上を対象に毎月実施されていたマンツーマンの「経営指導会」に通い詰めまし［実践］理念経営Labo2024SUMMER7

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各所のホストクルーが素敵な笑顔でお客様を迎えるた。なかでも印象的だったのが、「会社の利益はお客様の『ありがとう』の表れ」という教えです。ユニ・チャームでは、シェアは40%以上、利益率は10%以上とトップダウンで数字の話が降りてくるのですが、その理由についてはあまり語られませんでした。平田さんの考えでは、売上はお客様の数で、利益はお客様の感謝の証だと。だから、利益が多いことは何も悪いことではないし、利益を増やそうと思ったら、それだけお客様に喜ばれ、支持されるような価値を誠実に提供していくほかに道はない。そこに嘘があってはならないと言われて、すごふく腑に落ちたんですよ。ところが、現実の会社には、結構嘘が多い。着任当初のハウステンボスも、実はそういう感じでした。平田さんが当時の親会社だったエイチ・アイ・エスの社外取締役でもあり、その縁で私に白羽の矢が立ったのですが、中に入ると、とにかく現場が暗くて、暗くて……。ホストクルーが自分のやっていることに納得していない。価値を感じていない。だから、本来は皆ハウステンボスが好きで入社したはずなのに、当時は離職率が高い傾向にありました。表向きは「給料が安い」「休みが少ない」が退職の主な理由でした。でも、面談をしてよく聞いてみると、「家族や友人が来てくれると申し訳ない気持ちになる」とまで言うんですね。納得して働きたいのに、知り合いには勧めたくない商材も「仕事だから」「会社の命令だから」売らなきゃいけない。そうすると、ストレスを感じます。本来、お客様に日頃のストレスを発散していただく側の人間がストレスを感じながら働いている――そこには嘘があるでしょう。その嘘こそが、彼ら彼女らが辞める本当の理由でした。ご存じの通り、私の前任者は18年連続赤字だったハウステンボスの業績を黒字転換させたエイチ・アイ・エス創業者の澤田秀雄さんです。澤田さんのようなカリスマ経営者は直観的な判断や発想が素晴らしいのですが、部下にはなぜそれがいいのかわかりにくい。澤田さんに頼り切ってしまうことで自分で考えなくなってしまうんですね。「やらされるのではなく納得して働こう」「家族や友人に誇れる仕事をしよう」――カリスマでも何でもない私は、新天地でもまずこう呼びかけるところから始めました。大変なときだからこそ現場の知恵で会社を一新はたして最初は「社長、何きれいごとを言っているんですか」と冷たあざなえる縄い反応でしたが、禍福は糾ごとの如し。就任翌年から始まったコロナ禍で潮目は大きく変わりました。みぞう観光業にとっては未曽有の大打撃、大変な事態です。しかし大変、大変と騒ぐだけでは何も変わりません。大変なときにはそれを、みずかかてらを鍛える糧ととらえ、「大変なときだからこそできることはないか」という視点を持つべきでしょう。コロナ禍という危機をチャンスへと変えるために、私は次の4つの「だからこそ」を社員に示しました。・大変なときだからこそ、お客様に心からの感謝の気持ちを持つことができる・大変なときだからこそ、強い覚悟を持つことができる・大変なときだからこそ、初心にかえ還って本質を見つめ直すことができる・大変なときだからこそ、部門の壁を破って、一丸となることができる医療が体を健康にするように、観光業は本来、心を健康にする極めて重要な仕事です。コロナ禍では「不要不急」だと言われましたが、そう言われたことでかえって社員の心にはら火がつき、上の4項目も肚に落ちるようになったと思います。それを具現化した成果の一つが、「部門横断プロジェクト」。若手が組織間の壁を越えて集まり、知恵を出8［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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特集人を活かす経営幻想的な街並みを満喫できる絶景イルミネーションし合うために立ち上げた取り組みです。ハウステンボスでは、コロナ禍でも新しいアトラクションやイベントを次々と導入しました。その多くが本プロジェクトから生まれ、現在も好評を博しています。最初はガス抜きと見る向きもあったようですが、若手からの様々な提案は、現行の中期経営計画にもすべて織り込みました。さらに、それらが実際の戦略にどう反映されているかを、各責任者の口からメンバーにきちんと説明するまでがワンセット。トップダウン型の意思伝達に慣れ切っていた社員には相当インパクトがあったのでしょう。その場は感動に包まれ、「ここまで現場の声を聞いてもらえるとは」と涙を流す若手も現れました。「自分の仕事に納得して働く」という文化を醸成するうえで、大きな転換点になったことは間違いありません。評価・表彰制度も従来の“数字至上主義”から脱却し、現在は「会社の価値を高めるためにどんな知恵や行動を提供したか」といった内容を重視しています。数字の縛りから解放されたことで、組織のムードは俄ぜん然ポジティブになりましたね。勤続年数の長い社員には、「以前は言われたことをやるという意識が強かったけれど、自分たちで考えるようになった。そこが坂口さんにがなって一番変わった点」とよく言われます。そうそう、私は社内で「坂口さん」と呼ばれているんですよ。「社長」と呼ばれるのが嫌いなもので（笑）。価値を語れる説得力こそがリーダーシップの要諦社員の意識や働き方の変化は業績にも反映されています。コロナ禍で落ち込んだ入場者数、売上とも順調に回復。昨年9月には、5年後をめどに年間入場者数をコロナ禍前の8割増となる300万人程度まで増やす成長戦略を発表しました。また、何よりも嬉しいのは各種のお客様満足度調査で評価が高まり、ホストクルーの接客に対するお褒めの言葉をたくさんいただくようになったことです。「人は納得すれば頑張る」がきれいごとではなく、成果に資する正しい組織改革のロジックであることの証左だといっていいでしょう。離職率は3分の1程度まで低下しました。昨年からは思い切った処遇の改善にも取り組み、平均6％の賃上げを2年連続で実施。休日も年間8日増やし、さらに休暇取得しやすいように今年の年始には4日連続で休園日を設けました。コロナ禍による減収減益の中で処遇改善は難しく、収束したタイミングでの実施となりましたが、本当はもっと前から、社長就任時からやりたかったのです。社員に誇りや納得感を持って働いてもらいたくても、処遇がよくないままでは十分に得られない。やる気にブレーキがかかるだけですからね。もっとも、処遇そのものは衛生要因で動機づけ要因にはなりません。給料を最優先する人はより高い給料を求めて離れていく傾向もあるので、やはり私の経験上、仕事の「価値」で頑張れる人の集団をつくるほうがうまくいくと思います。では、そのためにリーダーには何が求められるか。これはもう「説得力」の一語につきます。自分たちの仕事がいかに価値のあることか、どれだけのお客様に「ありがとう」と感謝されているかを現場にきちんと納得してもらうのが、幹部・上司のあるべき姿です。リーダーシップとは、決して自分の思い通りに人を動かすことではありません。むしろ、みずから納得して動いてもらえるように「価値」を語れる説得力こそがリーダーの要諦。私はそのことを伝えるために、みずから当社のマネジメント職約400人を対象にくり返し研修を行なってきました。“わたしが、本来のわたしらしい状態に戻れる空間”――これはハウステンボスが「何のために社会に存在するのか」を定めたパーパスです。文中の「わたし」とはお客様のことであると同時に、ここで働く私たちのことでもあります。ホストクルーには誰よりも自分自身に誠実であってほしい。嘘のない、心からのハッピーな笑顔でお客様をお迎えしてほしい。私たちが私たちの価値に納得できなければ、お客様に納得してもらえるはずがありません。L［実践］理念経営Labo2024SUMMER9

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Interview理念と絆を深める仕組みで成長戦略へ“ねじ”を巻く従業員の人間力と満足度を高める幸せ経営日東精工株式会社代表取締役会長兼CEO材木正己ざいき・まさみ＊1950年京都府生まれ。舞鶴工業高等専門学校機械工学科卒業。’71年日東精工株式会社に入社。ファスナー事業部技術部長、取締役ファスナー事業部副事業部長などを務め、2006年和光株式会社代表取締役社長に就任。’09年日東精工取締役ファスナー事業部長、’11年代表取締役常務を経て、’13年代表取締役社長に就任。’23年より現職。’18年「京都府産業功労者」受彰、’21年「旭日双光章」受章。京都経営者協会副会長、公益社団法人京都工業会常任理事などを務める。日東精工株式会社本社：京都府綾部市／創業：1938年／事業内容：工業用ファスナー（ねじ）、産業用機械、計測制御機器などの開発・製造・販売あやべ京都府綾部市を拠点にグローバル展開し、グループ約2000名の従業員を擁する日東精工は、地方創生の地域中核を担い注目される東証プライム市場上場企業だ。世界トップクラスの生産量と高い技術を誇る工業用ねじ製品とねじ締め機、流量計などを一貫して手がけ、メディカル製品の開発にも取り組む。その成長戦略を支える独自の人財教育について材木正己会長に話をうかがった。構成：塚田有香写真提供：日東精工人財の雇用と育成に徹する世界屈指のねじメーカー1938年に京都府綾部市で設立した当社は現在、ファスナー事業、産機事業、制御システム事業、メディカル事業の4つの事業を展開しています。工業用ねじの開発・製造・販売を行なうファスナー事業では、ゆるみ止めねじや0.6㎜径の極小ねじ、自動車業界のEV化に適した異種金属接合部品など、付加価値の高いオンリーワンの製品を製造し、自動車や家電、精密機器業界などに、お客様のニーズに合わせたオーダーメイドの締結部品を提供しています。産機事業では自動ねじ締め機のパイオニアとして、「お客様の働き方を変える」をコンセプトにねじ締め機や自動組立機械を、制御システム事業では計測・制御・検査機器をそれぞれ開発・製造・販売しています。モノづくりには欠かすことのできない締結技術をトータルソリューションで支える事業形態は、世界でけうも稀有な存在であり、日東精工の大きな強みとなっています。当社の創業精神は「地域産業の発展と、人財の雇用と育成」です。綾ようさん部では古くから養蚕が盛んで、繊維産業が発展しました。当時の繊維産業は女性が活躍する職場であり、必然的に当地において女性の雇用が積極的に行なわれてきました。それゆえ、「地域産業発展のために女性も男性も活躍できる職場をつくることが大切」との見地から、男性も技術や能力を高められる会社を10［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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特集人を活かす経営1円玉の上にのる0.6㎜径の極小ねじ設立しようという地元有力者の高い志によってつくられたのが日東精工です。まさに「地域産業発展のため、人財の雇用と育成」を目的に設立された会社です。以来、その創業精神を継承し、地域産業の発展、社会貢献を使命として、綾部市を本拠に現在は海外9拠点でグローバルに展開して事業拡大に努めています。私はよく経営のポリシーにおいて「幸せ経営」「絆経営」という言葉で表現します。人と人との絆を大切にしてお互いに成長し、ともに喜びを得て幸せになることを目指しています。というのも、いくら業績が好調でも、従業員を幸せにできない会社が世の中に貢献することなどできないと考えるからです。会社が成長しているのに、従業員の給与や待遇が見合っていないとしたら、それは経営者の失態でしょう。従業員が物心ともに豊かになり、頑張った人がきちんと報われる温かい会社にしたい。それが私の想いです。この想いはお客様や協力会社との関係においても変わりません。自社もうだけが儲かればいいと考えるのではなく、取引先に喜んでいただけること、お役に立てることは何かを考え実行する。双方にとってメリットのあるWin-Winの関係を築くことで皆様との絆が深まり、多くのご依頼をいただけるのです。地域に対しても、綾部市内の野球場や市民センターにはネーミングライツ（命名権）で協力し、維持管理費の支援をさせていただき、市内の図書館に児童図書を毎年寄贈するなど、皆様のお役に立つことを目指しています。社会貢献は身の丈に合ったことを一過性ではなく継続することが何より大切だと考えています。少し変わった貢献の施策としては、「受験生応援ゆるみ止めねじ」と銘打ったグッズを毎年希望者に贈呈しています。「気持ちをゆるめない」「集中力持続」のシンボルとして贈呈する取り組みは、10年間継続しており、総計5万個以上になります。これらの取り組みは利益に結びつくものではありませんが、「希望の大学に合格しました」「受験生の孫にプレゼントしたら喜んでくれた」などのお礼が届くたびに、従業員の誇りやモチベーション向上につながっていると実感しています。利他の心で従業員やお客様、地域の方々のために役立ってこそ、事業がうまくいき、会社の成長につながる。当社とかかわるすべての人を幸せにしてこその成長戦略であり、持続可能な経営が実現できると考えています。独自のテキストと制度で経営理念を仕事に活かす成長戦略を実行するうえで何より大事なのは、会社を支えてくれる人財を育てることです。私たちは創業精神にもとづいて人財教育に特に力を入れています。たとえば、当社には独自に作成した教育テキストがあります。それぞれの等級やキャリアに応じて学習すべき内容をまとめたものです。社内で統一されたテキストを用いて知識や能力を安定的に向上させることを目的として2005年に導入しました。テキストは教育だけではなく、昇格試験の筆記試験の出題にも使用しています。初級者用には『リーダーハンドブック』、マネジメント層には『経営幹部のガイドライン』、当社のモノづくりの歴史や考え方をまとめた『ザ・プロフェッショナルへの道』、当社の企業理念である「我らの信条」について解説した『我らの道』の計4冊になります。特に『我らの道』は、日東精工グループ全従業員に配付しています。理念を間違った解釈で継承しないよう、文章化することで正しく理解しグループ従業員全員が当社の理念や思想を共通言語として語れるようにするためです。理念を「絵に描いた餅」にしないためには、手に取って繰り返し読むことができ、またみずからの仕事に理念をどう落とし込むかを考えることが大切なのです。そのため、毎年2月の創立月間には、『我らの道』を使用して従業員一人ひとりが理念を自身の業務にどう落とし込むかを考え、それを職場内研修で共有する取り組みを実施しています。また、経営トップがグループ会社を訪問し、みずから理念についての講師を務めています。『我らの道』はグループ従業員共有の動画学習コンテンツにおいてもプログラム化しています。いつでもどこでも視聴できるなど、「繰り返し」と「身近さ」が理念浸透には不可欠だと考えているからです。教育単位制度による「学び続ける風土」の醸成当社の人財育成の支柱となるのが「教育単位制度」です。ルールは明［実践］理念経営Labo2024SUMMER11

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4冊のオリジナルテキスト快で、「各自年間、教育単位20単位以上を取得する」というものです。従業員に提供する教育プログラムには、たとえば「職場内研修○単位」「通信教育修了○単位」「資格取得○単位」と、細かく単位が設定されています。教育以外でも「改善提案」「QCサークル活動」「ボランティア活動」などに教育単位が設定されています。知識や能力だけでなく、改善への取り組みや社会貢献なども単位に含むことで、会社として従業員の「人間力向上」を目標としていることを示唆しています。この教育単位制度はキャリアや役職に関係なく、新入社員から執行役員までを対象にしています。それは「学び続ける風土」の醸成を目指すためです。従業員は年間20単位以上取得を目標に計画的に受講し、上司は部下に支援や教育機会を付与します。実人あたりの教育単位取得は、平均30～40単位となっており、2023年でみると20単位以上の取得％です。この制度は1978年に導入し、アップデートを重ねながら実施しています。人事制度とも連動しており、昇格・昇進条件として運用しています。「頑張っている人が報われる」という考え方は、当社の人事制度の根幹となるものです。教育もまた「自分で考えて実施すること」「自己啓発を計画的に頑張っていること」が「当たり前」のものとなるようにしていきたいと思っています。もう一つ、特徴的な教育に「社内技能検定」があります。製造メーカーである当社では、技能向上と技能伝承は何よりも重要であると考えます。そのためにはプログラム化した教育と、明確な技能の基準を設けて製造部門の従業員を評価し、奨励することが必要になります。当社の事業である「ねじ製造」「流量計製造」等は独自の技能が必要となり、公的な技能検定で評価測定することが困難であったため、2000年に「社内技能検定」を整備導入しました。現在では当社の海外現地法人でも取り組んでいます。また、持続可能な企業となるためには、次世代の経営層を育成することも重要です。これからはグローバルな視座で経営をすることが不可欠で、幹部社員にはできるだけ海外勤務で経験を積むようなキャリアパスを用意しています。同時に、海外の拠点や工場から優秀な人財を日本に年間ほど経営を学んでもらい、現地法人の幹部として育成する取り組みも行なっています。私もタイやインドネシアに駐在した経験がありますが、外国では日本の常識が通用しないため、異文化の環境で多くの修羅場を経験しました。その際、通常とは異なる手段、考え方、人脈などあらゆる面で試行錯誤を重ね、経営者としての意思決定力が鍛えられたと思います。教育制度による知識やスキル習得のインプットと、経験や実践のアウトプットによって人財は育つというのが私の考えです。よい経験を与えることも人財育成にとって大切なファクターであるといえるでしょう。従業員の満足度を数値化外部の評価で経営を測るただし、制度や仕組みさえつくれば人財が育つわけではありません。大事なのは、私たち経営者が愛情を持って従業員の成長を見守ることです。私もまだ若手だった頃、幹部社員に気にかけてもらって大変嬉しかった思い出があります。人を育てるにはまず経営者やマネージャーが部下に関心を持ち、各自のよいところを見つけて伸ばそうとする意識が必要と考えています。しかし、経営者がよかれと思ってしたことが、必ずしも従業員に喜ばれるとは限りません。特に最近は私たち昭和世代と若い世代の価値観にギャップがあることも多く、自分の感覚だけに頼ると、相手が望んでいないことを押しつけてしまう危険性があります。従業員の頑張りに報いるには、相手が何を望み、何を課題と感じているかを経営者が理解することが不可欠です。会長の私も社長の荒賀（誠氏）も毎月工場を回って現場の人たちとコミュニケーションをとるようにしています。経営幹部は意識的に従業員に声をかけるよう努めなければなりません。役職が上がるほど利他の心を持って、それを行動や姿勢で示さないといけないのです。また、社長はＭＶＶミーティング（ＭＶＶ＝ミッション、バリュー、ビジョン）という従業員との座談会を約2カ月に1度行なっています。大規模なタウンホールミーティング（経営陣と従業員との対話集会）でひざはなく、小人数の従業員と膝をつき合わせる対話をしています。社長と12［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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特集人を活かす経営従業員が直接対話して、何が本当に相手のためになるかを理解し、会社としてできることとできないことを率直に伝え、お互いに納得する。それが絆経営の本質といえます。加えて1年に1度「従業員満足度調査」を実施しており、従業員が会社経営に対して満足しているかを客観的に把握しています。海外を含むグループ会社においても、エンゲージメント調査を行なっています。「従業員満足度調査」は全従業員を対象とし、無記名での回答であるそんたくため忖度や遠慮は不要で、リアルで率直な結果を把握することができます。結果の数値は社内報ですべて公表しており、課題については若手社員がプロジェクトチームを形成して解決策を提案し、実際にその提案を採用したこともあります。会社はそこで働く従業員のものですので、よい会社、組織にするために従業員にも意見や知恵を出して参画してもらいます。会社と従業員が対等でもたれ合うことなく、ともに成長する組織をつくり上げることこそが理想の経営だと思います。私が客観的指標を重視するのは、人間誰しも自分には甘くなってしまうからです。経営者が自分ではよくやっているつもりでも、他者の視点から見れば評価がまるで違うことはよくあります。そのため外部からの評価認定にも積極的にチャレンジしており、「健康経営銘柄」「なでしこ銘柄」「プラチナくるみん」「健康経」「えるぼし認定」等、多数の認定を取得しています。外部機関の厳しい調査をクリアして「日東精工はいい会社だ」と納得していただける経営をしなければいけないと思うからです。お陰様で当社は離職率が低く、定年までキャリアを築く従業員が多く在籍しています。それは長年にわたり正社員採用にこだわり、雇用を大切に扱ってきたからだと思います。新卒採用時に「知人が日東精工はいい会社だと言っていた」「説明会で社員の雰囲気がよかった」などを理由に、当社への入社を決めてくれる学生が多いと聞いています。これはまさに創業精神「人財の雇用と育成」、企業理念「我らの信条」の実践に歴代の経営者や従業員が誠実に努めてきた結果だと思います。「弥栄経営」を掲げ目標に向けて1歩ずつ前進ビジネスの基本は「不易流行」といいますが、軸となる企業理念「我らの信条」を大切にし、それにより人財がしっかりと育ってくれているお陰で、日東精工は新しい成長戦略に挑むことができます。事業は突然、花が咲き果実が実るものではありません。時代の流れの一手先の「種まき」が重要です。新製品売上高比率30％を目標値として、今後伸長が予測される技術・分野をターゲットに、研究開発に日々取り組んでいます。新規事業として成果が目前にある医療、環境、高齢社会を支えるヘルスケア、人手不足の解消につながるロボット分野には特に力を入れています。成長戦略を進めるにあたって、肝いやさかになるのは「弥栄経営」の考え方です。これは何事も昨日より今日、今日より明日と、1歩ずつ確実に前進をするということです。「大胆に」「一気に」改革する、飛躍するといＭＶＶミーティングに参加した従業員と荒賀社長（前列右）うのは、組織や経営に過度な負荷がかかり、思わぬ副作用を生じる場合があります。リスクヘッジの観点からも「弥栄経営」の考え方を大切にしています。ただし「弥栄経営」の目標値は、大胆に高く掲げることが重要です。その高い目標値を目指して、現状とのギャップを確実にクリアしていくことで、必ずゴールに辿り着けると確信しています。高い目標を掲げ、次世代のために種をまき、未来の業績を伸ばしていく。これが従業員やお客様を幸せにする方程式です。日東精工が成長を遂げ、売上や利益を従業員に還元しお客様との取引を拡大することで、当社にかかわるすべての人たちを幸せにするのが経営者の務めです。「人財育成」は従業員だけの話ではありません。私自身もまだまだ勉強しなければならないと思っています。私を含めた取締役会、役員メンバー全員が3～4カ月に1度は外部講師から研修を受けています。トップは従業員を幸せにするという大事な使命を負っているのですから、結果を出すために学び続けるのは当然です。これからも創業精神と企業理念を不易とし、次世代への事業戦略を確実に実践して、持続可能な会社づくまいしんりに邁進していきます。L［実践］理念経営Labo2024SUMMER13

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Interview自分に合った上司選びで能力を最大限に発揮構造設計者の価値向上を目指すさくら構造株式会社代表取締役社長田中真一たなか・しんいち＊北海道出身。札幌市内の進学高校に上位の成績で入学するも大学受験に失敗。バーテンダーや布団販売で商売の経験を積んだのち建築専門学校に進学する。そこで構造設計に興味を持ち、卒業後、構造設計事務所に入社。延べ400棟の設計を担当した後、独立する。2006年、さくら構造を創業。年間の耐震設計棟数は700棟を超え、さくら構造を国内有数の高耐震設計企業へと成長させる。また耐震設計アドバイザーとして多くの実績を持つ。関東大震災から100年目の’23年には、地震に強い暮らしをつくるサービス「TSUYOKU」を開始。耐震建築家、一級建築士、構造設計一級建築士。さくら構造株式会社本社：北海道札幌市／創業：2006年／事業内容：構造設計・耐震診断・免震・制震・地震応答解析・構造躯体最適化SVシステム・構造コンサルティング取材・構成：長尾梓写真提供：さくら構造さっこん超売り手市場と言われる昨今、新卒社員の「スピード離職」が話題となっている。その多くは、配属先や仕事内容、上司と合わない、いわゆる「配属ガチャ」「上司ガチャ」に外れたことが理由だという。そんな中、部下を徹底的にサポートする「ドラゴンマネジメント」や、部下が上司を選ぶ「上司選択制度」など、ユニークな取り組みを次々に導入し、社員のモチベーションを上げ、離職率の低下に成功した企業がある。札幌に本社を置く構造設計事務所・さくら構造だ。社長の田中真一氏に、制度導入の経緯とその効果について詳しくうかがった。黒子の存在が見直された耐震偽装事件「建築設計」と聞くと一般的に、安藤忠雄さんや隈研吾さんのような、建物をデザインする建築家やデザイナーをイメージする人が多いでしょう。これは「意匠設計」と呼ばれる職種で、建築主からの要望を受け、デザインや間取りを設計する人たちです。実はそれ以外に、空調や電気などのインフラを設計する「設備設計」、そして基礎や骨組みを設計する「構造設計」があり、大きく者で1つの建物を設計しています。当社はこのうちの「構造設計」を担う設計事務所です。マンション、オフィスビル、テナント、倉庫、工場、学校、病院など、全国各地のあらゆる建物を、地震等を受けても倒壊しないように、数学の関数や解析を用いながら設計するのです。そのため構造設計者は“理系の建築士”と呼ばれることもあります。私は地元札幌の設計事務所に勤務したのち、実家の六畳一間で個人事業として独立、構造設計の仕事をしていました。当時は建物の設計図に14［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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特集人を活かす経営構造設計者の名前を書く欄がなく、いわゆる建築家やデザイナーだけが署名をしていました。つまり、われわれ構造設計者は正式な設計者として認められておらず、陰の存在だったのです。当然ながら報酬も低い。そうした状況をとにかく変えたくて、「構造設計者の価値向上」という夢を掲げていました。独立から半年ほど経った2005年秋、世間を揺るがせたある事件が起きました。建物の建設費を抑えるために、コンクリートなどの量を減らすよう構造計算書を偽装していたことが発覚した「耐震偽装事件」です。建築基準法に定められた耐震基準を満たさない建物がいくつも建設されていたとわかり、人命にもかかわると大きな社会問題になったので、記憶にある方も多いでしょう。皮肉にもこの事件をきっかけに構造設計の重要性が見直され、黒子扱いだった構造設計者も責任者として設計図に署名するというルールに変わったのです。今考えると当たり前の話ですが、当時の私にとっては大きな出来事でした。翌年には構造設計一級建築士制度が創設され、構造設計が高度になる大規模な建物は、この資格を持った者がみずから設計ないしは確認することが義務付けられました。構造設計一級建築士とは、一級建築士の資格取得後5年間、構造設計の業務に従事した後、定められた講習課程を修了する必要があるというハードルの高い資格で、国内でもまだ1万人ほどしかいません。一級建築士が38万人近くいることを考えると、希少性が高い資格になります。このように、少しずつではありますが、事件を機に構造設計を取り巻く環境が改善されてきました。それまでの報酬では社員に給料を支給できる自信がなかったため、ずっと独りでやっていくつもりでしたが、将来的に業界が変わっていくと確信できたので、2006年にさくら構造を設立することにしたのです。独立時に掲げた「構造設計者の価値向上」という夢は、現在ではさくら構造のポリシーに引き継がれています。技術と心身両面でサポート“ドラゴン”が孤立を防ぐ構造設計者はエンジニア職なので、みな自分の技術を高めることを重要視します。スペシャリストになるためには厳しいトレーニングが必要ですし、何があっても最後までやり遂げる力も養わなければなりません。そうするとどうしても孤立しやすくなります。特にわれわれの仕事は納期が厳格に決められており、お客様と約束した日程を自分たちの都合で勝手にずらすことはご法度。後の工程にかかわる全員に迷惑がかかってしまいます。また、新しい事案に遭遇しても、自分で勉強してうまく決着させなければならない。思い通りにいかないまま独りで抱え込み、プロジェクトが炎上（トラブルが発生し、管理不能な状態に陥ること）してしまうケースが多く見られ、辛くて脱落す班長を中心に皆で助け合い、気にかけ合う文化を構築して孤立を防ぐる若者もいました。それを解決しようと始めたのが「ドラゴンマネジメント」という考え方です。ネーミングは当時流行っていたゲームから拝借しました。ゲーム内のデッキやパズルを組み替える作業が、部下の炎上時に班長がやるべき作業と似ていたからという安易な理由です（笑）。班長をドラゴンに見立て、班員をサポートする仕組みとして導入しました。ドラゴンマネジメントには、技術面をサポートする「テクニカルマネジメント」と、精神面や身体面をサポートする「ウェルビーイングマネジメント」の2種類があります。炎上したらギブアップして助けを求めてもいい、誰かが炎上したときにはドラゴンをはじめみんなで助け合って解決しようというのがテクニカルマネジメント。ドラゴンを中心として互いに寄り添い、今誰がどんな状況でどんなことを考えているのか、何か困っていることはないか気にかけ合おうというのがウェルビーイングマネジメントです。たと今の時代には適切な喩えではないかもしれませんが、前者はトラブルが起きたときに行動で助けてくれる“お父さん”、後者はいつも気にかけ支えてくれる“お母さん”のようなイメージですね。どちらか一方だけではなく、どちらの役割も重要だと考えています。さらに、「こういうときにはこうしよう」といった具体例を「ドラゴンマネジメントマニュアル」として言語化しました。あわせて、テキストだと読まない人のためにわかりやすく動画化し、YouTubeでも公開しています。導入後、特にテクニカルマネジメントに関しては目に見えて効果があ［実践］理念経営Labo2024SUMMER15

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りました。自分で最後までやり切れないときがあってもいいというのを会社が公式に認めたことで「助けて」が言いやすくなった。またドラゴン側も、メンバーに「手伝ってやれ」と言いやすくなったと聞いています。仕事の性質上、炎上というのはどうしてもたまに起きてしまうものなので、そのときに「みんなでなんとか乗り越えよう」と切り替えられるようになり、心理的安全性が生まれたことが、このマネジメントの最大の効果だったと思っています。今ではドラゴンたちの意識の中にしっかりと定着しているので、私から声かけをしなくても「炎上が起きればドラゴンマネジメントを発動」ということが自然とできています。「上司選択制度」を導入離職率が大幅減にドラゴンマネジメントの次の改革として、6年ほど前、設計部に「上司選択制度」を導入しました。文字通り部下（班員）が上司（班長）を選ぶことのできる制度です。これを始めた背景には、構造設計者の深刻な人材不足がありました。昨今の少子化で人材確保に難航している企業は多いでしょうが、構造設計の場合はそれだけではない根本的な問題があったのです。冒頭で申し上げたように、構造設班長それぞれの能力や特性を可視化した「班長活用マニュアル」計というのは世間一般にはあまり知られておらず、どちらかというと地味な職種です。建築業界で多くの人が目指すのは、花形職種である現場監督や施工管理、設計であればデザイナー。構造設計は最後の最後です。また、数学を使うので苦手意識を持つ人もいます。大学で構造設計の授業についていけない子も多い。結果、構造設計の面白さに気づくまでに脱落してしまい、職種として選ぶ若者が少なくなるわけです。そんな中で残った貴重な人材が、入社後、上司とウマが合わずに退職してしまうという出来事がありました。仕事もできる子だったのに、上司との相性という理由だけでエンジニアの道を諦めることになってしまったのが非常に申し訳なくて、なんとか改善しなければと思い導入したのがこの制度でした。上司を選ぶといっても、一緒に仕事をしたことがなければどんな人物なのかわかりませんし、選びようがありません。そこで、8人ほどいる上司側の能力や性格、特性等を可視化した「班長活用マニュアル」をつくり、それを全社員に配付し見てもらって、どの班長の下なら自分の特性を生かせそうか、伸ばしたいことが学べそうかを選んでもらうことにしたのです。構造設計というと、関数や解析を使うことから答えが1つで機械的な印象があり、設計者の個性とは無縁に思われるかもしれませんが、実際はむしろアートに近い世界です。クライアントの希望と安全性を両立させるために知識や経験をフル活用するので、人の数だけ答えがあります。働く環境によっても変わりますし、事務所の個性がものすごく出る世界なのです。だからこそ、社員の特性に合わせた居場所や仕事をつくる必要があると感じ、この制度を導入することにしました。初めはやはり、班長たちの反応は微妙でしたね。選ぶ側から一転して選ばれる側になるわけですから当然です。ただ、私がやると言うと絶対に始まってしまうことを皆わかっているので、若干諦めの表情を見せつつも協力してくれました（笑）。まずは私自身のよいところ、ダメなところを包み隠さず記した「田中真一マニュアル」を作成し、それを見本に班長たちと議論しながら班長のマニュアルを完成させました。導入初年度は波乱の幕開けとなりました。1人の班長が誰からも選ばれず、上司でいられなくなってしまったのです。班は解消し、その班長は一般のエンジニアに戻りました。世間一般ではこれを降格ととらえる向きもあるかもしれません。しかし当社では日頃からカルチャーとして、誰にでも得意不得意、向き不向きがあることを話しており、班長活用マニュアルの冒頭にもそれを記載しています。つまりその班長は、たまたま上司の役割が苦手だっただけで、エンジニアとしては超一流なので、より適性に合う役割に移ってもらったにすぎないのです。現に今、彼はスーパーエンジニアとして存分に能力を発揮してくれています。ですので社員には、選ぶ人が少なかったからとか、マニュアルに×がついている項目があるからダメな上司だとは解釈しないでほしいと念押ししています。実は制度導入前に一つ懸念していたことがありました。それは、部下16［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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特集人を活かす経営得意不得意を皆で共有することで信頼関係を築くこに選ばれようと上司が媚びてしまわないか、という点でした。でも6年経った今もそうしたことは起きていないように見えます。それはなぜなのかを考えてみたところ、私なりに以下のような結論に落ち着きました。エンジニア職というのはスペシャリストを目指すので、自分の能力やスキルが上がるかどうかを重視します。そうすると、媚びる上司と一緒にいて自分は成長できるだろうか、という思考になると思うのです。上司側もその気持ちがわかるので、媚びたところで選ばれやすくはならないと悟るわけですね。この制度だけが理由ではないでしょうが、実際に離職率は減少しました。一時期は10％近くあったのが、現在1％程度まで落ちています。ですから、少なからず効果はあるのかなと感じています。社員設計の新オフィスで自己開示を促進するドラゴンマネジメントと上司選択制度には共通したテーマがあります。それは「自己開示の推奨」です。特にエンジニア職は自分の悩みやコンプレックスを話したがらない人が多く、本音が見えないため対応しづらい面がどうしてもあります。実は私自身も若い頃はそうだったので、気持ちはすごくわかるのです。でもだからこそ、得意なことも不得意なこともオープンにし、皆で共有したほうが、信頼関係を築け、成長建築中の札幌本社新社屋は社員による設計にもつながると気づくことができました。自己開示が苦手な社員も、何かきっかけがあれば急に変われたりするので、いろいろな仕組みを整えて粘り強くサポートしています。その一環として社員同士の飲み会や食事会も推奨しており、写真と簡単なレポートさえ提出すれば、1人1回5000円までを会社から補助することにしています。また、年に一度の全社員がリアルで集う社員総会では、会社の業績や計画などを共有するほか、食事やゲームで事業所の異なる者同士が交流する機会を設けています。また、仕事の愚痴や年収などのオープンにしにくいテーマであえて座談会を定期的に実施し、内容をネット上に公開したりもしています。当社のバリューの1つに「遊び心で、心に余裕を」があるのですが、普段ミスが許されない現場で神経をすり減らしながら働く業種だからこそ、やるときはやる、遊ぶときは遊ぶというように、ひと息つく場、楽しむ場を提供することも大切にしています。ちょうど今、札幌本社の新社屋を建設中です。これは、物理的にキャパシティが限界にきたためでもあるのですが、社員同士のコミュニケーションを向上させる目的もあります。当社では勤務地も選択制で、コロナ前から好きな場所でリモート勤務をしてもよいことにしていましたが、コロナ以後はその割合が増えました。ただ私自身は個人的に、同じ時間、同じ場所で働くことも大切だと感じているタイプなんですね。ちょっとした雑談も、自己開示を促したり、信頼関係を築くうえで必要なことだと考えるからです。それならば出社したくなるオフィスをつくろうと思いました。出社を強制するのではなく、選んでもらえるようにするわけです。札幌本社に先立ち、東京と大阪の事務所はすでに新社屋に移転。札幌は社員みずから設計に携わり頑張ってくれています。新社屋で特徴的なのは皆がマグネットのように集う「マグネットスペース」で、大きなひな壇があり、その前に屋台を設置して、お菓子を食べたりお茶を飲みながら交流できるようにしました。他にも社員の要望を取り入れたカフェや筋トレスペースなども設けています。当社は時間の拘束にこだわっておらず、やるべきことをやり、誰にも迷惑をかけなれば、昼寝をしようが動画を観ようが怒られませんので、仕事の合間にも利用することができます。最近、中長期目標として、売上100億円と社員の平均年収1000万円を掲げました。地震の多い日本において、建物の耐震性は少しずつ見直されているものの、構造設計の認知度はまだまだ低く、エンドユーザーから直接相談を受けるような場面もほとんどありません。耐震性の重要性をより多くの人たちに周知し、認知を得て、高耐震の建物をたくさんつくれるようにしたい。そして構造設計者の価値をもっと向上させたい。そのために、耐震設計の強みを生かした新しい仕事づくりに取り組んでおり、エンジニア以外の雇用や社内制度整備にも着手していこうとしています。目標にはまだ遠く及びませんが、必ず実現できると信じて頑張っていこうと思います。L［実践］理念経営Labo2024SUMMER17

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【志の実践】チームコーチングで組織を活性化成功体験を生かしてコンサルティング業にも進出へセムコ株式会社代表取締役社長宗田謙一朗そうだ・けんいちろう＊1973年生まれ。’92年兵庫県立長田高等学校卒業。’97年信州大学教育学部卒業、セムコ株式会社入社。2005年同社代表取締役社長。ＰＨＰ研究所認定のチームコーチ及びエグゼクティブコーチでもある。’23年セムココンサルティング株式会社を設立し、チームコーチングの指導を軸に経営コンサルティングを始める。「松下幸之助経営塾」第26期卒塾。セムコ株式会社本社：兵庫県神戸市／設立：1985年／事業内容：タンク液面計測機器及びタンクモニタリングシステムの製造・販売「フロート式」とよばれる液面計測機器（液面計）の中でもコンパクトタイプの製品を開発し、世界で初めて船舶の機関室タンクに採用された実績を誇るセムコ。同社の液面計は今や、国内外の数多くの船舶のタンクで利用されている。しかし社内ではときに内部対立が生じ、リーダーシップの所在が不安定になることもあった。そんな混乱を乗り越え、チームコーチングの導入によって組織の活性化を図り、業績拡大につなげた２代目社長の宗田謙一朗氏が、名実ともにトップリーダーになるまでの苦労と今後の抱負について語る。取材・構成：川上恒雄写真・資料提供：セムココンパクトフロート式の液面計で国内シェア70％セムコは、液面の計測機器を主に製造・販売している会社です。液面計は、私たちが生活をしていくうえで不可欠なものです。たとえば、自動車にガソリンメーターがありますね。タンク内のガソリンの液面の位置によって残量が計測され、運転席のメーターに表示されるのです。セムコが扱っているのは、もっと大きなプラントやタンカーなど、産業用のタンクに用いられる液面計です。「フロート式」と呼ばれる液面計のコンパクトタイプを開発し、世界で初めて船舶の機関室タンクに採用されました。このタイプの液面計では、セムコが国内シェア70％を占めています。なかでも船舶のエンジンルームのタンク向け液面計では、圧倒的な強さを誇っています。社名のセムコ（ＳＥＭＣＯ）は、「SavingEnergyandManpowerCorporation」に由来します。その意味は、「当社の機器を使っていただくことで省力化・効率化を図るとともに、人を大事にする」。1985年に設立されたセムコの創業理念であるともいえるでしょう。18［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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チームコーチングで組織を活性化そんな社名に込められた理念のもと、来年で40周年を迎えるセムコは、内部対立などの危機に直面しながらも、基本的に赤字に陥ることなく、発展を遂げてきました。昨年度の決算では、過去最高益をあげました。船舶の安全性に関する条約改正が発展の契機にセムコが発展してきたのは、創業者である父・宗田啓市の功績が大きかったと思います。父はもともと、スウェーデンの貿易商社ガデリウスに、セールスエンジニアとして勤務していました。待遇や休暇制度に恵まれていたにもかかわらず、神戸から名古屋に転勤の話が出たとき、そのことに不満だったのか、私の母に相談もせず退社したそうです。1985年、父は仲間2人とともにセムコを設立しました。当時小学生だった私は、父が自宅の台所の流しで（液体の流量を測定する）流量計のテストをしていた姿を覚えています。当初は流量計を中心に商売をしようとしたのでしょう。転機が訪れたのは、翌86年、創業メンバーの1人が、四国の造船所の方から「従来の液面計が使用できなくなる」と教えてもらったことでした。ＩＭＯ（国際海事機関）におけるＳＯＬＡＳ条約（海上における人命の安全のための国際条約）の改正によって、船舶内のタンク液面計の密閉化が義務付けられたのです。従来は使用する液面計に開放部分が必要で、そのことによりタンク内のガスや燃料油などが機関室内に漏れ、火災を助長する可能性があり、危険な状態にありました。すると父は、わずか1～2週間で、タンク内のガスや燃料油が漏れない密閉式液面計の試作品をつくったのです。フロート（浮き）をワイヤーで外部の表示計につなぎ、液面の位置を一目でわかるようにした、コンパクトな計測器でした。早速に先の創業メンバーが、海運大手の日本郵船に飛び込みで営業したそうです。「これは面白い」という評価を得、採用が検討されることになりました。ただし従来にない製品であったため、日本の船級協会（船舶の検査・承認機関）に相当する日本海事協会の承認をへてから、三菱重工長崎造船所の建造による日本郵船の船舶に納入されました。以降、父の開発したコンパクトタイプのフロート式液面計は、その形状から「弁当箱」と呼ばれ、非常に多くの船に導入されていきます。創業者の父の病が進行し32歳で社長に就任ところが、創業から3年後、40代半ばの父が小脳萎縮症という病に侵されました。運動機能が衰えていきますが、病を隠しながら勤務を続けていたようです。その時期に社内で対立が起こり、実力ある社員を社長にしようという動きが出ました。最終的に父は社長にとどまったものの、そういうこともあって将来私に会社を継がせるために、母を通して当時大学生だった私を呼び戻そうとしたそうです。けれども、そのときは母から父の要望を聞かされなかったので、私は大学を中退することにはならず、卒業後の1997年、セムコに入社しました。もともと中学校の社会科教師になるつもりでいたのですが、父の（写真上）船内に設置されたセムコのフロート式液面計。業界では「弁当箱」の愛称で知られている。（下）近年の液面計のヒット商品「Honesty」。外部電源不要のポータブル式で、様々な液体に対応し、正確に液面を計測できると評判会社に入れば経営のことが勉強できると前向きにとらえたのです。入社してみると、20代の若手社員は私と事務職の女性の2人だけでした。50代の社員が大半で、パソコンを使える人がほとんどいない。そこでシステムの整備によって業務の効率化を図ったり、製品の納入実績表を作成して液面計の市場を把握したりすることに努めました。2000年代に入ると、ノルウェーでの展示会に行き、大きな学びを得ます。ヨーロッパの企業は創造性を重んじ、製品のデザインやコンセプトに会社の文化や社風が反映されていると感じました。日本ではコストへきえきや値段の話ばかりで辟易していた私にとって、大きな衝撃でした。セムコも、もとはといえば父が自分のアイデアを世の中で実現したいという思いで創業した会社です。社のビジョンとして「『ない』ものを［実践］理念経営Labo2024SUMMER19

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セムコのビジョン「『ない』ものをつくる共に広がる」をイメージ化。多様な人材によるチームワーク、創造的な製品やサービスの提供が重視されていることが一目でわかるつくる共に広がる」を制定したのですが、その発想は、このノルウェーでの学びや創業の精神に由来します。こうした中、父が病の進行により出社できなくなり、2005年に私は32歳で社長に就任しました。そして翌年の1月、父が他界します。高齢化が進む会社の風土を変えようと思い、取り組み始めたのが新卒社員の採用です。募集してみると、男性の応募が少ない半面、優秀な女性が結構応募してくれることがわかりました。それならば、女性が働きやすい制度を整えようと思い立ち、休暇を増やして、産休や育休を取りやすいようにしました。今では、社員が有給休暇をほぼ100％取得しています。このことが思いもよらず、優秀な人材の中途採用にもつながり、新卒採用にこだわる必要がなくなりました。休暇を満足に取れない会社から転職してきた人にとって、セムコで働くことの満足度はかなり高いようです。社員との対立を深めるも日々の掃除で周囲が変わるとはいえ、社長になってよいことばかりだったわけではありません。むしろ暗黒の日々が待ち受けていました。経営者として未熟だったゆえ、社員との関係が悪化して、自分の意思で経営ができなくなったのです。人を育てるには厳しく接しなければと思い、声を荒らげて指導することもありました。けれども、やるべきことの目的や意味を社員にきちんと伝えていなかったので、「なぜこのようなことをしなければならないのか」「社長の指示に振り回されているばかりだ」といった不満の声が社員のあいだであがるようになりました。私も私で、社長であるのに弱みを見せられまいと、社員の声に耳を傾けず、社員と言い争いになることもあったのです。その結果、私は社内で孤立していきました。一方で、社員の努力もあって売上は順調に伸びている。正直私は、社長としての任務を果たしていないと思いました。そして2013年、家族に会社を辞めようかと相談しました。けれども会社帰りに車を運転中、2年前に生まれたばかりの息子の顔が頭に浮かんで、「ここで辞めたら息子に自分の背中を見せられない」と思い、考え直します。その頃、高校の友人の知り合いである経営者の方に、稲盛和夫氏（京セラ創業者）の経営哲学に学ぶ「盛和塾」（当時）を紹介してもらい、いちる一縷の望みをかけて、大阪の盛和塾に入りました。そこで経営体験発表をしたところ、ある経営者から「ふだん人に頭を下げないやろ。けれどトイレ掃除をすればおのずと頭が下がる」とアドバイスを受けます。そこで、トイレをはじめ社内各所の掃除に取り組んでみると、それに気づいた何人かの社員が、協力してくれるようになったのです。それからというもの、自分が変われば周囲の理解を得られることに、次第に気づいていきました。そこでさらに自分自身を高めるべく、そして組織に一体感を醸成すべく取り組み始めたのがコーチングの学習です。衆知を集めるだけでなく言うべきことを言う2018年、ＰＨＰ研究所の「ＰＨＰビジネスコーチ養成講座」を受講しました。講師の田近秀敏先生に出会ったことで、コーチングは相手の能力や考え方を引き出す、とてもいい手法だと実感したのを覚えています。同講座の「ベーシック」「アドバンス」の両コースを修了後、同じく田近先生による「ＰＨＰチームコーチ養成講座」を受講しました。コーチングの技術を生かして組織開発をしていくチームコーチングこそ、まさに私のやりたかったことです。最終的には「ＰＨＰ研究所認定チームコーチ」の肩書を授与されました。早速2020年頃から、社内の会議にチームコーチングを導入しました。私自身がコーチとして会議の進行に介入することはできますが、社員との関係性が近いこともあって客観性が保てないため、チームコーチングを開発した田近先生に入ってい20［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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ただきました。そして、参加者個々のアイデンティティーやミッションを言語化しつつ、議論を活性化し、チーム全体の合意形成に取り組んでいきました。その結果、社員の責任感や主体性が高まり、受注・売上や利益の拡大に効果が顕著にみられたので、チームコーチングを自社のみならず広く普及していこうと志し、松下幸之助年11月、コンサルティング会社のセムココンサルティングを新たに設立して活動を始めました。実をいえば、私が松下幸之助経営塾を受講したのも、ＰＨＰ研究所でコーチングのスキルを学んだことが関係しています。経営塾のプログラムに組み込まれているエグゼクティブコーチングで、受講者のコーチ役を引き受けたところ、担当した2名の塾生の真摯な姿勢に、コーチであるはずの自分が逆に感化され、経営塾でこういう塾生たちとつながりを持ちたいと思ったのです。松下幸之助さんについては、コーチングの田近先生からすでに、「衆知経営」を教わっていました。独断ではなく、社員や周囲の知恵を集めつつ経営判断をしていくことです。メンバーそれぞれの意見を合意に導き物事を決めていくチームコーチングの考え方と重なる面があります。ただし、衆知を集めるだけでは十分でないことを、松下幸之助経営塾で学びました。松下政経塾出身の方のお話の中で、かつて松下幸之助さんが、販売店実習を途中で放棄した若い塾生に対して、「ここは（真のリーダーたる）人間を育てるところやから、君が（実習先の店主に対して）謝れないのであれば、ここから社内でチームコーチングに力を入れる（右端が宗田社長）。社員の意識が変わり、業績も改善しているという出ていってくれ」と叱責したというエピソードを聞き、ハッとしました。このとき私は、「衆知を重んじて社員の意見に耳を傾けるだけではダメだ。経営理念に反するような考え方や行動に対して、言うべきことは厳しく言わねばならない」ということに気づきました。聴くべきことと言うべきことの区別が長年できなかったために、社内に混乱を引き起こしてしまったと反省しています。こうして田近先生のコーチングの講座や松下幸之助経営塾での学びを基本に社内を一枚岩のチームにしていく努力が実り、今は私の目指す「自走する組織」に着実に近づきつつあります。方針の大枠さえ伝えれば、あとは現場の社員が具体的な実行をしてくれる。社員には、監督がスタンドから見守る中でプレーをするラグビーの選手のように、みずから考え、チームワークを発揮していくことを期待しています。「計測エンジニアリングメーカー」に飛躍へセムコは今後、液面計測機器メーカーとしての実績を踏まえ、「計測エンジニアリングメーカー」に飛躍したいと考えています。現在では、（モノをインターネットでつなぐ）ＩｏＴの発達により、液面だけではなく温度や圧力なども、クラウドによる遠隔モニタリングができるようになりました。そして計測全般を熟知している強みを生かしながら、ＩＣＴ（情報通信技術）のいっそうの活用に力を入れ、船舶のＤＸ（デジタル化）に携わるだけでなく、人手不足を解消する液体輸送の効率化、廃水及び廃油処理や工場内の保守メンテナンスの見える化など、社会課題に貢献していきます。その一方で、先にも触れたコンサルティング事業を通して、みずから経験した困難の克服を、同じようなことで悩んでいる中小企業の経営者に伝えるとともに、組織活性化のためにチームコーチングの普及をしていきたいと考えています。チームコーチングの力で、自社のみならず、広く日本の中小企業の進歩発展に貢献することを目指しています。L［実践］理念経営Labo2024SUMMER21

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塾生通信日に新た「松下幸之助経営塾」の情報と、卒塾生の近況をお伝えします「経営理念こそ経営の命」4月に第28期がスタート松下幸之助経営塾は、4月に第28期生12名を迎えて開講しました。塾生は、約半数が20～30代と若く、また建設業や不動産業、畜産業、歯科医師、弁護士、僧侶と多種多様な業種の方が集まりました。第1回の特別講話の講師は、ぴあ終身相談役で元松下電器産業副社長の佐久間曻二氏。30代後半で欧州の駐在員だった頃、松下幸之助から「まだ有力な商品がないから、完成するまでに経営理念を売って、強い販売網をつくってほしい」との指示を受け、「経営理念こそ経営の命」であることを身をもって学んだと、体験談を披露されました。塾生からは「経営理念の重要性を知るとともに、幸之助の経営哲学を具体的にどう実践するか参考になった」との感想がありました。第27期の第5回が5月に「経営を革新する」というテーマで開催。サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏が「チームワークあふれる社会を創る」と題して特別講話を行ないました。会社の離職率が28％に上り特別講話で佐久間曻二氏が松下幸之助との思い出を喜々として語る自信を喪失していたとき、幸之助の言葉に出合い、経営に対する真剣さが足りないことを自覚。そして命をかけるほどの思いで志を確立し、会社が大きく変わっていったといいます。塾生からも、「自分の仕事にかける熱意や覚悟は十分でなかった」などと、これまでの姿勢を振り返る声が多く聞かれました。卒塾生企業の見学会を開催幹部交流も活発に松下幸之助経営塾の卒塾生から成る「同志会」は、地域ブロックイベントの第2弾として、卒塾生企業の見学会を実施しました。まず、6月21日に中国・四国ブロックにて、玉子焼きやごぼう茶の製造・販売で知られるあじかん（広島県広島市）の工場を訪問。同社は創業以来、社是である「共存共栄」の考え方をもとに地域やお客様、取引先と共に歩んできました。工場見学のほか、取締役会長の足利恵一氏（第5期）に、社内で創業の思いをどのように継承・浸透させているか、理念経営の実践ポイントを話していただきました。次いで同月27日に、中部・北陸・甲信越ブロックのイベントとして、住宅事業を展開する鷲見製材（岐阜県岐阜市）の見学会を開催。同社は、徹底した人材育成で社員のやる気と可能性を引き出し、高業績経営を実現している優良ハウスメーカーです。代表取締役社長を務める石橋常行氏（第2期）が4年後の創業100年に向けたビジョンと理念について、そして常務取締役の牛丸茎氏が同社の実践する部門経営の心得について、講話を行ないました。このイベントでは、社長が中心の卒塾生に加えて、その部下である幹部社員も招き、交流の輪がいっそう広がりました。最後に7月4日、九州・沖縄ブロックイベントとして、熊本大同青果（熊本県熊本市）の活気あふれる朝礼を見学。併せて代表取締役社長の月田潔孝氏（第19期）の講話から、社員の笑顔と挑戦意欲を引き出す強い現場づくりのコツを学びました。また、お弁当やお惣菜店を九州で幅広く展開するヒライ（同市）を訪問し、代表取締役社長の平井浩一郎氏に、大手資本との競争に打ち克つ差別化戦略についてお話しいただきました。なお、同社エリア長の平井健太郎氏は第25期の卒塾です。他の地域ブロックでは、幸之助ゆかりの地を訪ねる予定。関西ブ月27日に、お菓子のデパートよしや天理店（奈良県天理市）と天理教教会本部（同市）を見学します。よしや天理店は、2022年にオープンした国内最大級の大型駄菓子店で、驚異的な集客力を誇ります。天理教教会本部は、幸之助が産業人の使命を感得するきっかけになった場所といわれています。また、北海道・東北ブロックでは中尊寺（岩手県平泉町）に寄進したお茶22［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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室「松寿庵」を、関東・首都圏ブロックでは私財70億円を投じた松下政経塾（神奈川県茅ヶ崎市）をそれぞれ訪問し、幸之助の思いに触れる企画を検討しています。駄菓子で世界を元気にするお菓子のデパートが奈良に！神吉一寿氏（第1期）が代表取締役社長を務める吉寿屋（大阪府摂津市）が4月26日に「お菓子のデパートよしや奈良ミ・ナーラ店」（奈良県奈良市）をオープンしました。現在日本で流通する駄菓子の約9割にあたる600種類の商品を揃えています。神吉社長は「町中の駄菓子屋が高齢化や後継者問題で廃業するなか、独自の流通網の強みを活かして駄菓子屋で世界中を笑顔に変えたい」と抱負を語っています。𠮷田旭宏氏（第16期）が取締役社長を務める、ジュエリー・貴金属を扱うエレガンスヨシダ（奈良県王寺町）は、異業種の新規事業を立ち上げました。歯のホワイトニング専門店「エクシアホワイトニング」、ラーメン店「蒼し」、携帯アクセサリーの専門店「SmartGarden」で「よしや奈良ミ・ナーラ店」の店頭にて、神吉一寿氏（左）と店長の久野恵祐氏す。今回の挑戦について𠮷田社長は「新しい事業展開で、マーケティングや集客ノウハウの蓄積、人脈の構築など経営のスキルを高め、地元エリアから支持されるグループとしてさらなる飛躍を遂げていきたい」と述べています。L経営者が“経営の志”を確立・再確認するための長期講座松下幸之助経営塾本セミナーの特徴松下幸之助の経営哲学を根本から学べる唯一の講座弊社で70年有余にわたり研究を重ねた“松下幸之助の経営哲学の真髄”を、経営者の皆様に分かりやすくお伝えするためのセミナー形式の講座です。人間観を養い高め、経営者としてのあり方を学ぶ本講座は、時代や環境の移り変わりの中で生まれる新しいマネジメント手法を学ぶものではありません。経営者のただ今、新規申込受付中詳しくはホームページで資料のご請求はホームページまたは下記窓口へお問い合わせください。https://www.php.co.jp/seminar/m-keieijuku/株式会社PHP研究所「松下幸之助経営塾」事務局〈京都〉TEL075（681）4442FAX075（681）5699「志」をキーワードとして、松下幸之助が最も大切にした“経営理念の確立と浸透・共感”を実現すべく、その基となる自然・宇宙観や人間観等を学び、より本質的な“経営者としての器量”を養い高めていただく講座です。「志」の確立に向けた、充実の10カ月10カ月の在籍期間中に１泊２日のセミナーを全６回、隔月で開催。学びと実践、検証をくり返しながら成果を高めていただけます。また、１クラスは最大でも12名の少人数制で、受講者間の討議・交流による相互啓発など受講者お一人おひとりに充実した環境を提供いたします。プログラム第１回『志から理念へ～経営の使命～』第２回『本質を考える～自然の理法～』第３回『原理原則を貫く～基本の徹底～』第４回『人を育てる～事業は人なり～』第５回『経営を革新する～日に新た～』第６回『志を伝える～私の命知発見～』開催要領◦受講資格：経営者ご本人、後継経営者（経営幹部）◦募集人数：12名⃝開講期間：10カ月1開催1泊2日、全6回（隔月開催）⃝受講料：左記ホームページをご参照ください⃝会場：株式会社PHP研究所京都本部（JR・近鉄「京都」駅八条口より徒歩５分）［実践］理念経営Labo2024SUMMER23

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道をひらく～私の流儀～学び合いを楽しみ強い組織を育む“お家騒動”、工場火災を克服し社員とともに成長する元教員社長三和化工紙株式会社代表取締役社長三井貴子みつい・たかこ＊1962年、大阪市出身。大学卒業後、情報処理会社や情報機器メーカーに勤務。’96年、公立中学校の教員となり、国語や情報処理の課目を担当するが、三和化工紙を経営する父の病を受けて家業を継ぐことを決意し、’99年同社に入社。専務取締役を経て、2001年より代表取締役社長。京セラ創業者・稲盛和夫氏の経営塾「盛和塾」や立命館大学大学院などで学びつつ、社内での学び合いによる人づくりに情熱を注いでいる。三和化工紙株式会社本社：大阪府柏原市／創業：1957年／事業内容：食品などの包装材の製造加工ごうわざわい「業があるから禍が来る」「まずは感謝しなさい」――。京セラ創業者の稲盛和夫氏の教えを胸によい組織づくりに奮闘してきた、元中学教師という異色の経歴を持つ経営者がいる。大阪府柏原市にある、食品などの包装材の加工メーカー・三和化工紙の三井貴子社長だ。“お家騒動”や工場火災など数々の困難に見舞われつつもそれらを乗り越え、現在は「学び合い」によって自律的な組織の育成に取り組んでいる。「物心両面の幸福の追求」せきららを目指して重ねてきた歩みを赤裸々に語っていただいた。構成：平林謙治写真提供：三和化工紙夢をあきらめず実現するも父への想いで家業へ「あなたの得意なことは、何？」――誰に対しても、まずそう問いかけました。私が社内で1on1ミーティングを始めたのは2020年から。もともと当社には、「得意なこと？そんなのありません」と答えるような社員が多かったんですよ。謙虚というか、控えめすぎるというか。私「でも、鉄棒の逆上がりはできるでしょ？25mは泳げるよね」社員「できますけど……」私「できない人もいるから、それはちょっとすごいと思わない？」自分のいいところを1つでも見つけてほしくて、自己効力感（目標を達成するための能力をみずからが持っていると認識すること）を高めてほしくて、そんなやりとりをよく24［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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道をひらく～私の流儀～したものです。何を聞かれるかと緊張して身構える若い社員に、かつての生徒たちの面影を重ねることもありましたね。そう、私には中学校の国語教師として働いた経験があるのです。というよりも、教職の道へ進むのが若い頃の夢でした。ところが、大学時代にゼミの教授そと反りが合わず（今思えば“アカハラ”でした）留年してしまったために、教員免許取得に必要な単位を取り切れなくて、やむをえず卒業後は一般企業に就職。ソフトウェア会社年近く勤務したのですが、やはり夢をあきらめられなかったんですね。仕事をしながら大学の通信教育で不足分の単位を集め、教員免許を取りました。そして運よく、ある公立中学に職を得ることができたのです。それはもう楽しかったですよ。なりたくてなった職業ですから。授業はもちろん、その準備や反省をするのも楽しくて。生徒と一緒に、自分も成長させてもらっているなという感覚がありましたね。そんな充実した日々に区切りをつけ、家業である三和化工紙へ入社し年。社長であった父に末期のがんが見つかったのがきっかけでした。父には「先生の仕事が楽しいのだったら家業を継がなくてもいい。でも、もし継ぐ気があるなら今すぐ決めてほしい。先は長くないから」と言われ、悩み抜いた末に決断したのです。先生の代わりはいるけれど、親孝行は私にしかできないし、今しかできない。父への想いが教職への未練を上回りました。“新社長”との関係に悩む中稲盛氏からの意外な助言三和化工紙は、食品の包装紙から日用品パッケージまで軟包装の加工製造を幅広く手がけるメーカーです。「三和」の名の通り、父と友人らが3人で1957年に創業。食品をろう包む蝋引き紙の製造からスタートし、ペットフィルムやアルミ箔などを組み合わせて加工する多様かつ高度な包装材製造技術で事業を拡大してきました。父は少年時代に実家が商売で破産して、かなり苦労したそうです。だからでしょうか、自分と境遇が重なししゅくる松下幸之助さんに私淑し、幼い私にまで「幸之助さんという人はなぁ」と語って聞かせるほど心酔していました。あの話を、私が三和に入ってからもっと聞かせてほしかった。入社して3カ月と経たないうちに、父は帰らぬ人となりました。もちろん教師という“異業種”から来た私が、すぐに社長業を引き継いだわけではありません。専務取締役だった父の弟が社長代行を経て、2000年から新社長に就任。私も同じ時期に取締役に就いたのですが、実は当初、私はこの新社長を実の叔父でありながら、受け入れることができませんでした。というのも、父が亡くなった途端、「あんたのお父さんには随分迷ののし惑をかけられた」と故人や私を罵り始め、あげくに「何も知らん生意気な姪が会社を乗っ取ろうとしている」などと社外にまで毒を撒き散らしたのです。これが憎まずにいられるでしょうか。その年の夏、大手乳業メーカーの食中毒事件の影響で注文が激減し経営危機に陥ったときも、私と当時の工場長らが炎天下、営業活動に回っているのを知りながら、叔父がみずから動くことはありませんでした。もともと工場内を守ってきた人で、トップに必要な対外的な行動や交渉事は苦手だったのです。私たちの深い溝は社内に暗い影を落とし、社外にも“お家騒動”のように映ったに違いありません。「空気を変えるには社長を交代してもらうしかない。でも、どうすれば？」困り果てた私を導いてくださったのは、思ってもみない方でした。京セラ創業者の稲盛和夫さんです。縁あって参加した盛和塾（稲盛氏を塾長として2019年まで活動した経営塾）の例会で、稲盛塾長との名刺交換の際に思い切って相談してみたのです。稲盛塾長は「まずは感謝しなさい。そして退職金などで、十分に報いなさい」とおっしゃいました。最初は意味がわからなかったのですが、落ち着いてよくよく考えると、確かにそうだなと。私は父に恩返ししたい一心で入社しました。しかし会社は、父一人で育てたわけではありません。父が生前、心置きなく営業活動に専念できたのも、叔父が工場内を守ってくれたおかげでしょう。そうであれば、その長年の功績に感謝し、報いるのは当然だと気づいたのです。「業があるから禍が来る」みずからの甘さを痛感叔父と向き合ったのは、翌2001年の年明け。私から感謝を述べると、「ほんまにそんなこと思ってる［実践］理念経営Labo2024SUMMER25

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んかいな」と皮肉を言いながらも、それまで見せたことのない嬉しそうな笑みを浮かべて聞いてくれました。そして社長の交代についても、「1年間やってみて大変やった。代わってほしい」とあっさり了解してくれたのです。わだかまりが解け、私が正式に経営を引き継いでから、まもなく四半世紀を迎えます。その間も山あり谷あり。危機やトラブルにも度々見舞われました。稲盛塾長はよく「業があるから禍が来る」とおっしゃっていましたが、なかでも2010年5月に起こった工場火災は、その言葉を最も深く心に刻んだ経験の一つかもしれません。ちょうどゴールデンウイークの連休が明ける日の未明のことでした。樹脂を溶かすヒーターがタイマーで起動したのですが、サーモスタットの故障で温度が上がりすぎて、火が出てしまったのです。火災の程度自体は軽くて済んだものの、食品向けの製品を扱っているすすため、煤けた工場設備が完全に清浄化されるまでは製造を止めざるをえません。協力してくれる工場を探したり、一部は作業場を借り、そこへ社員を派遣してつくったりもしました。食品の包装紙から日用品パッケージまで軟包装の加工製造を幅広く手がけるしかし当社独自の加工が多く、よそ様においそれとはお願いできない。強みが逆に仇になりかねないジレンマも、同時に浮き彫りになったわけです。その中で早期復旧に全力を注ぎ、なんとかお客様や取引先の信用を守ることができたのは不幸中の幸いといっていいでしょう。「業があるから禍が来る」――この事故は私にとって、稲盛塾長の言う「業」とは何かを見つめ直すきっかけになりました。それは、私自身の経営者としての甘さや緩みにほかなりません。復旧作業が一段落した後、工場長が火事の責任は自分にあると、泣きながら謝罪してきました。実は事故が起こる数日前に、その工場長から「サーモスタットの調子が悪いのですが、もうゴールデンウイークに入るので、連休明けに修理の対応をしようと思っています」と報告が入っていたのです。でも、それを了承したのは私ですから、責任は私にあります。職務に忠実な部下に感謝こそすれ、責めるなどとんでもない。経営者みずからがもっと現場を把握していれば、「休み前に修理に出しておいて」と指示できたはずでしょう。自己効力感を育む1on1学びや気づきを提供したい工場火災を機に、設備の改修や同業者との協力関係の構築などに取り組み、それ以降は人づくり、組織づくりの面からも改革を進めていきました。当時はまだ社員一人ひとりが仕事や会社を自分事としてとらえてはいなかった。みんな仲はいいけれど、もう一歩踏み込んでお互いの仕事をよりよくしようというところまでは至らない、その場の空気がなんとなくよければそれでいいというような環境だったんですね。そうした意識や関係性をどう変えていくかが、私の大きなテーマになりました。特に力を入れたのが、経営理念の浸透です。それまでも理念の読み合わせなどは行なっていたのですが、事故があった翌年の2011年からは、理念の意味について深く考察し、グループごとに日常の出来事と結びつけて語り合うなど、学びの機会を持つようにしました。さらに6年前からは、次世代リーダー候補者の育成をスタート。現在はそのメンバーが中心となり、その下の若い世代の成長も促しながら活躍してくれています。社員のエンゲージメントも、組織の結束力もここ十数年で目に見えて成長しましたね。むしろ、その変化に経営者である私のほうがついていけず、社員たちとのあいだに距離ができてしまうことも……。数年前に離職者が相次いだときがまさにそうでした。辞める理由は皆それぞれでしたが、その社員たちが何を考え、何を求めていたのかを、自分はあまりにも知らなすぎた。そのことにがく然としたんですよ。ダメだなと。そこで始めたのが、冒頭で紹介しon1ミーティングです。折しもコロナ禍で仕事が減り、時間の余26［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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道をひらく～私の流儀～裕ができたので、まずは次世代リーダー候補として育成している5人のメンバーから、週1回のペースで導入しました。すると嬉しいことに、他の管理職からもやりたいという声が出て、対象を全管理職へ拡大。現在は管理職以外の社員とも、年1回は1on1を実施しています。私自身、教師時代に戻ったみたいですごく楽しいですね。ただ、一方で自分の力不足、勉強不足を痛感させられる厳しい時間でもあります。私が一昨年の春から2年間、立命館大学の大学院（ビジネススクール）で研鑽を積んだのも、対話を通じて社員にもっと学びや気づきを提供したいという思いからでした。リーダーがみずから学ばなければ、社員の学ぶ意欲を引き出せるはずもありません。経営は理論と実践の両立学び続けるリーダーに社員に納得して動いてもらうためには、理論の力も必要です。私はかねて、そこが弱いと自覚していました。社員も保守的で、以前は何か新しいことをしようと呼びかけても誰も動こうとしなかったのですが、あるとき、組織論の本の中に“変化を受しにせけ入れられなくて低迷する老舗メーカー”の事例研究を見つけて、これだと。コピーを示しながら、社員に「うちも同じことが起こっている。ダメだよね」と語りかけたら、みんなすごく納得してくれたんですよ。「自分たちもこんな典型的なパターンに陥っていたのか」と。まず自分が学び、その成果を私なりに理論化してフィードバックするようにしてから、社員の意識や行動がすごく活性化されました。展示会への出展も自分たちで考えて動いてくれましたし、私がおこがましくも「ＭＢＡエッセンシャル」と銘打って月1回実施している自由参加の社内講義にも、係長以上の社員は毎回全員来てくれています。やはり日々の実務に関連づけて、この事象はこういう理論で起こっているんだよと説明すると、社員も理解しやすい。理論と実践が結びついてはじめて納得でき、仕事が自分事になるのでしょう。最近は現場にも自律的に判断・行動できる人材が育ってきて、工場長が一人で走り回っていた昔とは大違いです。全社公開している部門ごとの経営数値から自分たちの課題を探ったり、自社製品開発のアイデアを積極的に提案してくれたりして、業績の向上に貢献しようとする意欲が高まっていることを実感します。さらに朝のミニ勉強会では、管理職や次世代リーダーがおすすめの本をお互いにプレゼンする活動を続けています。教え合いは学び合いであり、その文化が組織を強くすることは疑いを容れません。だから、リーダーは学び続けなければいけない。「大学院まで行って勉強する暇があるなら、仕事をしやゆろ」と揶揄する声も耳に入りましたが、両方やればいいじゃないですか。いいえ、学びと仕事、理論と実践を両立させることこそが、むしろ経営の本道でしょう。2年間やってみて、私は確信を持ちました。もちろん経営に対する情熱がなければ、学びへの意欲もわきません。後を継いだ当初は父に恩返ししたい一心でしたが、気がつくと、“恩返し”したい相手がいつの間にか変わっていました。ここで働けて本当によかったと、すべての社員に喜んでもらうこと。それが今の私の情熱の源です。L本社工場にて社員たちと（2列目中央が三井氏）社内講義に多くの社員が意欲的に参加する［実践］理念経営Labo2024SUMMER27

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商売は成功するものと決まっている成功の金言うでっち1894年11月27日に生を享け、丁稚奉公から身を立て松下電器グループ（現パナソニックグループ）を一代で築き上げた松下幸之助。艱なんしんく難辛苦を通じて培われた人生観・経営観は、金言として多くの人たちの心の拠り所になっている。今回は「商売・経営」に関する考え方に経営者や各界の識者がどのように共感し、人生の指針としてきたかを紹介する。そもそも商売や経営というものは、幸之助によると、お得意大事の心をもってなすべきことをなしていけば、必ず成功するようにできているという。かん商売・経営における成功の秘訣は、「雨が降れば傘をさす」雨が降れば傘をさすというようなことはだれでも知っています。傘もささずに濡れ放題というのは、よほどききょう奇矯の人でもなければやりません。ところが、商売や経営のこととなりますと、これがなかなか当たり前にはいかなくなります。私心にとらわれて判断を誤り、傘もささずに歩きだすようなことを、しばしばしがちです。たとえば、激しい競争に負けてはならないということから100円で仕入れたものを95円で売るとか、集金をキッチリせず、相手先からいわれるままに回収を延ばしておきながら、他から新たに資金を借りようとすることなどが、実際によく見受けられます。そういうことではうまくいくはずがありません。やはり利益をあげるためには仕入値以上の価格で売る。また借金をする前に、まず集金に全力を注ぐのが本当で、それでもなお資金が要るときに、初めて他から借りるべきでしょう。それが雨が降れば傘をさす、天地自然の理に従った姿です。言葉に表してしまうときわめて簡単で、当たり前のことのように思われますが、このしごく簡単、当たり前のことを適時適切に実行するというところにこそ、商売なり経営の秘訣があるといえるのではないでしょうか。『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』物や金とあわせて、心をかよいあわせてこそ、真の商売物が動いて、お金が動いて、それで一応の商売が成り立つというものですが、もう一つ根本的に大事なことは、物や金とともに、人の心もまたこれにのって、移り動いていかなければならないということです。単に物をつくり、物を売り、そしてお金を得ているというだけなら、商売とはまことにさくばくとしたものになってしまいます。そうではないのです。物とあわせて心をつくり、物とともに心を売り、そしてお金とともに心をいただく、つまり物や金がかよいあうだけでなく、お互いの心というものがそのあいだにかよいあうことが、きわめて大切なのです。そこに、商売の真の味わいというものがあると思います。『販売のこころ』28［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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成功の金言経営者や識者は、幸之助の考え方にどう共感しているか①ひろかねけんし「島耕作」シリーズの作者である漫画家の弘兼憲史氏は、松下電器勤務時代に学んだことが、その後の創作活動においても生かされているという。「利益というのは求めるものではなく、社会奉仕をした報酬が結果として利益になる」という教えは、漫画家になってからも守っています。漫画を描く時に、こういう漫画を描いたら売れると考えるのではなく、自分が描きたいものを、最上の品質で描き上げる。その結果、読者が喜んでくれれば、それが報酬として返ってくる。本が売れて印税が入って自分の利益になる。そういう生き方を今でも実践しています。『衆知』2016年7-8月号お得意大事の心に、どれだけ徹しているか日々の商売を進めていく上で大事なことはいろいろありますが、その一つとしてつぎのようなことがあげられると思います。それは、今営んでいる自分の店ははたしてどれぐらいお得意先のお役に立っているか、どれほど喜ばれ感謝されているかということを、いろいろの角度から絶えず検討し、自問自答してみるということです。たとえば、もしかりに自分が店をたたんでしまった場合、お得意さんが“惜しい店がやめたな”と残念がってくださるかどうか、それだけの商売を自分が今しているかどうかといったことを反省、検討してみてはどうでしょう。そのような検討を絶えずくり返しつつ商売を営んでいくならば、そこから、“自分のやり方にはまだまだ配慮が足りなかった。お得意先に対してはこういうこともしておかなければならなかった”ということが随所に次々と出てくるのではないでしょうか。陳列の仕方を変えるということ一つを考えてみましても、お客さんの目を引きつけて、商品を少しでも多く売るためにやるのだというのも一つの考え方でありましょう。しかし、せっかく来てくださったお客さんに好感をもっていただこう、楽しんでいただこうというところから出発していろいろ工夫してみるほうが、よりすぐれた、よりお得意さんに喜んでいただける陳列の仕方が生まれてきて、結局は成果もあがることになると思います。お互いそれぞれに、そういうお得意大事の心に徹して、自己反省、検討を絶えず加えていくならば、そこから自分の店が存在する意義というものについての確信が生まれてくると思います。そうなれば、商売にもおのずと力強いものが湧き出てくるし、尽きざる創意工夫も生まれてきて、求めずしてお店の繁栄が達せられるということにもなるのではないでしょうか。『商売心得帖』お得意大事の心に徹した幸之助は、「道行く人もみなお得意さん」とさえ見なしていた。その考え方を敷衍ふえんすれば、企業は世の中のために役立ってこその存在となり、さらには経営理念を重視することへとつながっていく。企業は社会の公器――世の進歩を担う存在としてまず基本として考えなくてはならないのは、企業は社会の公器であるということです。つまり個人のものではない、社会のものだと思うのです。企業には大小さまざまあり、そこにはいわゆる個人企業もあれば、多くの株主の出資からなる株式会社もあります。そういった企業を形の上、あるいは法律の上から見れば、これは個人のものであるとか、株主のものであるとかいえましょう。しかし、形の上、法律の上ではそうであっても、本質的には企業は特定の個人や株主だけのものではない、その人たちをも含めた社会全体のものだと思います。というのは、いかなる企業であっても、その仕事を社会が必要とするから成り立っているわけです。企業が、［実践］理念経営Labo2024SUMMER29

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その時々の社会の必要を満たすとともに、将来を考え、文化の進歩を促進するものを開発、供給していく。いいかえれば、その活動が人々の役に立ち、それが社会生活を維持し潤いをもたせ、文化を発展させるものであって、はじめて企業は存在できるのです。こういう仕事をしたいと、いくら自分だけで考えても、それが現在もまた将来においても、人々の求めるものでなく、社会が何ら必要としないものであれば、これは決して企業として成り立たないと思います。今日存在する企業のすべては、そうした社会なり人々の求めから生まれてきたものだと思いますし、また世の進歩とともに、これまであった仕事が不要になったり、次々と新たな事業が生まれてきたりもするでしょう。ですから、個人企業でも株式会社でも、一面自分の意志で始めた自分のものであるという見方もできますが、より高い見地に立って考えれば、社会生活を維持し、文化を向上させるために存在している、いわゆる社会の公器だということになります。『［復刻版］企業の社会的責任とは何か？』経営理念にもとづき、“日に新た”で臨む正しい経営理念というものは、基本的にはいつの時代にも通ずるものである。経営というのは、結局、人間が人間自身の幸せをめざして行うものなのだから、人間の本質がいつの時代においても変わらないものである以上、正しい経営理念も基本的に不変であると考えられる。だからこそ、それだけ正しい経営理念をもつことが大切なのである。しかし、その経営理念を現実の経営の上に表すその時々の方針なり方策というものは、これは決して一定不変のものではない。というよりも、その時代時代によって変わっていくのでなければならない。いいかえれば“日に新た”でなくてはならない。この社会はあらゆる面で絶えず変化し、移り変わっていく。だから、その中で発展していくには、企業も社会の変化に適応し、むしろ一歩先んじていかなくてはならない。それには、きのうよりきょう、きょうよりあすへと、常によりよきものを生み出していくことである。きのうは是とされたことが、きょうそのままで通用するかどうかはわからない。情勢の変化によって、それはもう好ましくないということが往々にしてあるわけである。『実践経営哲学』経営者や識者は、幸之助の考え方にどう共感しているか②経営共創基盤グループ会長の冨山和彦氏は、幸之助が説いた通り、事業の本質は世の中の役に立つことにあり、それを追求し続けることが経営者の使命だと論じる。時代とともに経営のあり方は変わっても、経営そのものの真髄、本質といったものは、実は昔から一切変わってはいません。それこそ、私が社外取締役を務めるパナソかっぱニックの創業者、松下幸之助さんがおっしゃった通りで、事業や仕事の何たるかを喝破した“経営の神様”の言葉は現代にも生きています。例えば、同社の綱領は次の通りです。「産業人たるの本分に徹し、社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与せんことを期す」家電の「か」の字も、製造業の「せ」の字も書かれていません。幸之助さんが言わんとしたのは、要するに「世の中の役に立ちましょう」ということだけ。これが事業の本質なのです。「世の中の役に立つ」ことにこそ、経営の真髄はあるのです。（中略）時代とともに産業構造が変わり、技術や人々の価値観も変わる中で、経営の真髄は一貫して不変でも、その真髄をいかにして実現するか、つまり「お役立ち」の手段は、状況に応じて当然変容せざるをえません。むしろ、変えていくことが経営者の使命だといっていいでしょう。『衆知』2021年9-10月号30［実践］理念経営Labo2024SUMMER

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成功の金言経営者や識者は、幸之助の考え方にどう共感しているか③モスフードサービス社長の中村栄輔氏は、フランチャイズ・ボランタリー・チェーンの「モスバーガー共栄会」に幸之助が重んじた「共存共栄」の姿があるという。松下幸之助さんは、お客様や社員はもちろん、仕入先や得意先、株主、地域社会といったすべての関係先が幸せになるよう、「共存共栄」に徹することが大事だとおっしゃっていました。当社もその点では全く同じです。中でも特徴的なのは、ステークホルダーである加盟店とチェーン本部とを結ぶ独自の組織（モスバーガー共栄会）を設けていることです。（中略）チェーン本部は統括や指導をするのではなく、あくまで活動のサポートを行なうという位置づけで、一般的な加盟店会とは異なります。地域別に20支部に分かれ、本部と加盟店との連携はもちろん、加盟店同士も支部会や勉強会などを通じて交流を行ない、互いにせっさたくままいしん切磋琢磨し合ってよい店舗づくりに邁進しています。『衆知』2019年5-6月号仕入先、得意先ともども適正利益で「共存共栄」企業が事業活動をしていくについては、いろいろな関係先がある。仕入先、得意先、需要者、あるいは資金を提供してくれる株主とか銀行、さらには地域社会など、多くの相手とさまざまなかたちで関係を保ちつつ、企業の経営が行われているわけである。そうした関係先の犠牲においてみずからの発展をはかるようなことは許されないことであり、それは結局、自分をも損なうことになる。やはり、すべての関係先との共存共栄を考えていくことが大切であり、それが企業自体を長きにわたって発展させる唯一の道であるといってもいい。たとえば、需要者の要請にこたえてコストダウンをしていくために、仕入先に対して値段の引下げを要望する。これは、どこでもよくあることである。しかし、その場合に、ただ値引きを要求するだけではいけない。値段を下げても、なおかつ先方の経営が成り立つ、いいかえれば、先方の適正利潤が確保されるような配慮が必要なのである。私自身は常にそのように考えて、やってきた。仕入先に値下げを要請するときでも、それによって先方が損をしたのでは困るということは念を押す。それでもし先方ができないという場合には、その工場を見せてもらうなどして一緒に工程などの改善をはかり、値下げしてもなお十分な適正利益を確保してもらえるような道を考えるようにした。だから、値下げを要望しても、結果的にはかえって喜んでもらえるというような状態であった。そのように、仕入先に対しては先方の適正利益というものを十分考えることが大切だが、一方、商品の販売を担当する得意先に対しては、こちらも大いに勉強するとともに、やはり必要な適正利益をとってもらうようにする。同時に、需要者にも、適正な価格で買ってもらえるように、商品政策、販売政策を考えていく。そのようにして、ともどもに適正利益を得つつ共存共栄していくことが大切である。『実践経営哲学』衆知を集めれば、神の知恵最高の経営は何かというと、それは、衆知による経営ということであります。全衆知にもとづく経営ということであります。人間は神でもなければ動物でもない。人間は人間でありますが、しかし衆知にもとづいた知恵才覚というものは、これは神のごとき働きをするのであります。今、全世界中の人の衆知がもしうまくカクテルされて、それが一つの知恵となってわれわれ人間に下ってきたならば、それは神の知恵といってもよいと思うのであります。ですから、中心に立つ人が、自己の知恵のみによらず、衆知をカクテルにしてこれを活用するならば、これはまことに偉大な働きをすると思うのであります。『松下幸之助発言集第23巻』L※松下幸之助の言葉は『松下幸之助成功の金言365』（PHP研究所刊）より転載［実践］理念経営Labo2024SUMMER31

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32［実践］理念経営Labo2024SUMMER人材育成の重要性の高まりを受け、大人も子供も学ばなければならないというような、学びのブームになりつつあります。人材育成や自己啓発に焦点が当たるのは好ましいことですが、大切なことは教育のあり方です。本稿では、真に効果のあがる教育のあり方について、日本の伝統的な教育を参考にしながら考察いたします。教えすぎの弊害今や、教育産業が花盛りの時代になりました。矢野経済研究所の調査によると、2023年度の教育産業全体の市場規模は2兆8500億円でした。リスキリングのブームを背景に、子供だけでなく大人も教育対象となって、様々なコンテンツや教材、サービスが提供されています。学びの手段やメニューが増えるのはもちろん好ましいことですが、その一方で教育産業がサービス業化され、ホスピタリティマインドの名のもとに、丁寧に教えすぎている傾向にあります。これは、教育産業が提供する商品・サービスだけではなく、企業の現場でのＯＪＴにおいても、その傾向が強まっているように思われます。教えすぎることや、安易に答えを提供することは、学習者の主体性や自ら考える力を低下させる恐れがあります。昨さっ今こん、想像力が乏しい人が増えていると言われますが、その原因は教えすぎにあるのかもしれません。昔の指導法英文学者の外と山やま滋しげ比ひ古こ氏は、技能伝承などにみられる、かつての日本の伝統的な指導法について次のように言及しています。「昔の塾や道場はどうしたか。入門しても、すぐ教えるようなことはしない。むしろ、教えるのを拒む。（中略）なぜ教えてくれないのか、当然、不満をいだく。これが実は学教えすぎない教育プロ・ファシリテーターが斬る!!組織づくり・人づくりのヒントPHPでの長年の現場経験をもとに、組織・人材開発に役立つ情報をわかりやすく解説PHP研究所経営共創事業本部本部長的場正晃仕事の基本的パワーが不足している仕事をこなす能力・意欲に問題がある・手取り足取り、こまめに教える・事実を具体的に説明する・伝える内容は、相手の理解度をふまえて・進歩がみえたら、大いにほめる・「なぜ」を説明し、疑問点を質問させる・相手の関連技能、能力を十分把握する・ハウ･ツー（やり方）を強調する・改善・向上がみられたら、励ます・積極的に相談にのる・双方向のコミュニケーションをとる・励まし、支援する・意思決定を相手とともに行なう・意思決定や仕事の結果の責任をかなりの程度、相手に委譲し、意欲を高める・仕事の実情を十分に把握しておく・相手の自立（自律）を奨励する・成果を認め、ほめる・できるだけ任せ、見守る・ゆるやかに監督する・支援し、経営資源を与える・大きな夢を持たせる目標・プランがきちんと立てられない気力が空回りしている命令されたことは確実にできるが、積極的に考え、行動することには問題がある与えられた仕事の達成方法や手段で自発的に計画を立てる成果が少しずつ見えてくるパワーがあり、一人で仕事ができるレベル1教示的指導マチュリティレベル効果的な指導法説得的指導相談的指導参画的指導委譲的指導レベル2レベル3レベル4レベル5ティーチング（教える）コーチング（気づかせる）成長段階（マチュリティ）に対応した指導

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組織づくり・人づくりのヒント習意欲を高める役をする。（中略）弟子の方では教えてもらうことはあきらめて、なんとか師匠のもてるものを盗みとろうと考える。ここが昔の教育のねらいである。学ぼうとしているものに、惜気なく教えるのが決して賢明でないことを知っていたのである。（中略）師匠の教えようとしないものを奪いとろうと心掛けた門人は、いつのまにか、自分で新しい知識、情報を習得する力をもつようになっている」（外山滋比古『思考の整理学』ちくま文庫）教えない行為が、本当に大切なことを教えることにつながる――。一見すると相矛盾するような考え方が、実は人づくりの本質を突いているのです。松下幸之助の指導理念――自修自得人材育成に熱い情熱を傾け続けた松下幸之助は、まさに日本の伝統的な指導法の実践者であったといえるでしょう。幸之助の人材育成関連のエピソードを見ていると、部下や従業員に対して指示命令で理解させるのではなく、問いかけや同じメッセージの繰り返し等によって、自ら気づかせるような指導をしていたことがわかります。彼はことあるごとに、「自分自ら悟る、自分自ら会得しようという意志がなければ、10年やってもダメである」と語り、「自修自得」を基本理念とした人づくり、すなわち「教えない教育」を行なっていました。そうして自らの成長によって得られるもの（こと）をイメージさせることも重要ですし、そのためにはやはり問いかけが有効です。「5年後、理想のビジネスパーソンになれた自分をイメージしてみよう。そのときのあなたは何を得ているだろう？」このようにして成長する喜びを疑似体験できれば、その人の意識の中で学習する必要性が高まるでしょう。そうは言うものの、相手のレベルによっては、教えないといけないこともあります。経験が浅く、持っている知識や技術が十分でない相手には、基本を教えないといけませんし、また、学ぶ意欲や成長欲求が低い相手には、動機づけを行なわないといけないでしょう。しかし、辛抱強く指導を続けるうちに相手が徐々に成長しますので、それに合わせて「教えない教育」にシフトしていく必要があります。つまり、相手の成長段階（マチュリティ）に応じて、指導者のかかわり方を変えていくのです。相手の状況をよく観察して適切な指導スタイルを取り入れつつ、最終的には「教えない教育」「自ら気づく教育」へと移行していく、そのような指導法が主体的な人材を育てることにつながるのです。＊PHP研究所では、よりよき人材を育成するための各種マネジメント研修を提供しています。ウェブサイトよりお気軽にお問い合わせください。まとば・まさあき1990年、（株）PHP研究所に入社し、研修局に配属される。以後、一貫して、PHPゼミナールの普及、および研修プログラムの開発に取り組む。2001年から2003年まで神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得する。中小企業診断士。著作に『“強い現場をつくるリーダー”になるための5つの原則』（PHP通信ゼミナール）。LPHPゼミナール課長研修マネジメント革新コース「与える」マネジメントから「引き出す」マネジメントへ本セミナーの特徴課長職（ミドルマネジメント・中級管理職）を対象とした公開型セミナー。「与える」から「引き出す」へ、マネジメントを革新します。新任課長の昇格時研修、既任課長のフォロー研修に好評です。研修のねらい部下と組織の力を「引き出す」マネジメントの3つの条件①他を頼るのではなく自らの責任で課題を達成しようとする「使命感」②部下や周りの人材の意見に耳を傾ける「素直な心」③部下の可能性を信じる「人間観」対象受講料定員期間肯定的な人間観使命感を共有し、素直な心で衆知（多くの意見・考え方）を集め、肯定的な人間観で人を見ることが「引き出す」マネジメントの要諦です。実施要項総学習時間課長職の方々※一つのまとまった組織を運営し、組織としての成果を最大化することが求められている方々88,000円（税込）※「社員研修VA+」会員は10％割引集合研修：24名オンライン開催：30名※1開催1社5名まで2日間詳しくはウェブサイトをご覧ください引き出すマネジメント使命感13時間素直な心※掲載情報は2024年6月末時点のもの［実践］理念経営Labo2024SUMMER33

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特別動画案内MOVIEGALLERY才能のかけ算が生まれる組織に竹内香予子氏（平安伸銅工業株式会社代表取締役）『［実践］理念経営Labo』では、誌面内容がよりよくわかる特別動画をウェブサイトにてご視聴いただけます。今号の特集テーマ「人を活かす経営」をさらに深く知るには、以下の動画もオススメ！POINT「私らしい暮らし」という価値をお客様に提供するためのカギは、“才能のかけ算”だという。自かったつ由闊達に意見をぶつけ合える自律的な組織づくりに取り組む全社員が自己実現できる場所に山本雅史氏（株式会社アワーズ代表取締役社長）視聴時間5分49秒掲載号/ページ2024WINTER1-3（Vol.8）/P22～25POINT企業理念に照らし合わせてチームでやりたいことに取り組み、生産性を高めているアワーズ。否定しないアイディア創出の仕組みづくりで、それぞれの自己実現の舞台に視聴時間7分06秒フロー体験とＺ世代の働きがい斉藤徹氏（株式会社hint代表、ビジネス・ブレークスルー大学教授）掲載号/ページ2023WINTER1-3（Vol.4）/P18～21POINT心地よい働き方を求めるZ世代にやる気を持たせるには、「押しつけ」ではなく、いかに自力での成長を実感させるか。新時代の人材育成に取り組むためのヒント！視聴時間7分41秒掲載号/ページ2022SUMMER7-9（Vol.2）/P10～1334［実践］理念経営Labo2024SUMMER※肩書は動画公開当時

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松下幸之助肉声講話＋PHP理念経営研究センタースタッフ解説PHP研究所公式チャンネルにて好評配信中！……ほか多数ご視聴＆チャンネル登録はこちらから→2024SUMMER7-9（Vol.10）2024年7月27日発行発行人渡邊祐介編集主幹川上恒雄編集長佐々木賢治発行所PHP理念経営研究センター［編集スタッフ］長尾梓／桐本真理［制作・普及協力］〒601-8411京都市南区西九条北ノ内町11番地TEL075-681-9166メールkenkyu1@php.co.jpURLhttps://www.php-management.com/池口祥司／的場正晃／時政和輝／石田賢司／川本佑斉動画順次公開＆メルマガ登録受付中誌面の内容がよりよくわかる特別動画をこちらのウェブサイトで順次公開しています。↓また、上記動画の公開時期および『［実践］理念経営Labo』の最新情報をメルマガ（無料）にてお届けします。ご希望の方はこちらのウェブサイトよりメールアドレスをご登録ください。↓［デザイン／制作］朝日メディアインターナショナル株式会社©PHPInstitute,Inc.2024Allrightsreserved

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松下幸之助生誕130年130thAnniversaryofKonosukeMatsushita'sBirthSince18947/3(水)より東京大手町で松下幸之助展開催！入場無料2024SUMMER7-9（Vol.10）2024年7月27日発行ＰＨＰ理念経営研究センター会場営業時間定休日紀伊國屋書店大手町ビル店10:00〜20:00土日祝

