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# NBU_Academic Research

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AcademicResearchAcademicResearch研究者の流儀に迫るに迫るの流儀る研究者儀者

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INDEX13151719212325教授池畑義人教授福島学助教阿部裕香里准教授小久保雄介教授山城興介教授今西衞教授岩﨑香子工学部建築学科工学部情報メディア学科経営経済学部経営経済学科経営経済学部経営経済学科経営経済学部経営経済学科経営経済学部経営経済学科保健医療学部保健医療学科357911教授衛藤俊寿准教授宮﨑仁教授池見洋明教授吉村充功准教授白石知弘経営経済学部経営経済学科保健医療学部保健医療学科工学部建築学科工学部建築学科工学部〝知〞が交わり未来をひらく「もっと知りたい」からはじまる物語を伝えたい。研究者の流儀に迫るNBUAcademicResearch001

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27293133353739414345474951教授大惠克俊教授鍋田耕作准教授穂刈一樹教授西村謙司教授近藤正一准教授江越充教授小島康史准教授星芝貴行准教授吉森聖貴准教授松原かおり准教授原田敦史教授清水良准教授林秀原工学部機械電気工学科経営経済学部経営経済学科工学部機械電気工学科工学部建築学科工学部建築学科工学部建築学科工学部情報メディア学科工学部情報メディア学科工学部情報メディア学科工学部情報メディア学科工学部機械電気工学科工学部機械電気工学科工学部機械電気工学科53555759616365676971737577准教授若林大輔教授甲斐倫明教授野口敦司教授長濵純二教授松井智浩教授伊藤英史教授中川稔彦教授室園昌彦准教授有吉雄哉准教授東寺祐亮准教授ジョン・コリンズ助教マーティン・テショメ工学部機械電気工学科保健医療学部保健医療学科保健医療学部保健医療学科保健医療学部保健医療学科保健医療学部保健医療学科保健医療学部保健医療学科工学部航空宇宙工学科工学部航空宇宙工学科工学部航空宇宙工学科工学部経営経済学部経営経済学科経営経済学部経営経済学科私たちにできる5つのことNBUAcademicResearch002

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経営経済学科教授衛藤俊寿データサイエンス専門大分生まれ、大分育ち。幼少期はミニカーの収集、中・高校時代はバンド活動や剣道、卓球と、さまざまなことに熱中していました。大分上野丘高校から大分大学へ進学し、大学では、経済学部経済学科で統計学を学びました。コンピュータでグラフを制作する面白さを感じ、情報処理やシステム開発に関する進路を志すようになりました。大学卒業後は、株式会社富士通大分ソフトウェアラボラトリに就職。システムエンジニアとして、製薬会社をはじめとする企業に向けたソフトウェアの開発に携わりました。開発したソフトウェアは、厚生労働省に申請するためのデータおよび解析結果を作成するものでお客様の多くが製薬会社でした。薬の治験や臨床試験情報を集約し、統計学に基づいてデータベース化する。試行錯誤の連続でしたが、今の研究活動の礎になっています。私が入社した1988年当時は、データ収集やデータサイエンスに対する関心や需要がそれほど高くありませんでした。私たちもお客様にデータ解析に基づいた新たなビジネスを展開しようとさまざまなプランを提案していたのですが、お客様からは「データにお金は払えない」と断られることが多かったものです。当時、データ解析をビジネス化することはまだ非常に困難に思えました。2000年頃に「データマイニング」というキーワードが流行り、統計解析はより有益な情報を導き出すためのツールとして広く認識され始めましたが、一過性のものでビジネス気運は小さな波で終わってしまいました。2010年代、ようやくAIやビッグデータが注目され、データサイエンスの波が到来。売り上げのみを重視する時代から、データを今後のビジネスの展開に活かそうとする時代へと変わったのです。企業からも「収集した情報を〝何か〞に活用したい」といった漠然とした依頼が増えてきました。その〝何か〞が分からない企業が多いのです。データサイエンスのプロセスには大きく２つあります。1つ目は、はじめに仮説を立てて、データを集め、その仮説が正しいかチェックしていく流れです。2つ目は、すでに存在するデータを使って、探索的に結論を導き出していく流れです。データサイエンスでは、目的によって、この２つの流れを使い分けるのです。データサイエンスはAIも取り扱います。記憶に新しいところでは手塚治虫風の新作漫画を、AIと人間で協働して生み出すプロジェクト「TEZUKA2020」があります。膨大な情報を、正確に、迅速に集めて分析するAI。今後、私たち人間はAIが拾いきれなかったストーリー性、ドラマチックさ、数字だけに頼らない多面的な視野を大切にして、未来を創造していかなければなりません。統計学の面白さからデータの世界へデータサイエンスのビッグウェーブ到来データをビジネスにしてマネタイズを図る統計学でビジネスに変革をデータサイエンスの真の役割＃統計科学＃ビッグデータ＃AI＃データリテラシー経営経済学部NBUAcademicResearch003

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データサイエンス：現代の読み・書き・そろばん01ETOTOSHIHISA大分大学経済学部経済学科、大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程。経済学士、工学博士。株式会社富士通大分ソフトウェアラボラトリシステムエンジニア、大分大学医学部非常勤講師などを経て2021年より現職。主な研究分野はデータサイエンス（統計科学）。Profile詳しい情報はコチラ！現代社会はデータサイエンスとは切っても切れない関係だ。スマートフォンやウェアラブル端末といった機器によりビッグデータが収集され、そのデータをAIが解析し、あらゆる領域で課題を解決し価値を生み出す。研究では、この価値創造ツールであるデータサイエンスをさまざまな領域に適用し、課題解決や生産的知見を創出。また、解析ツールとしての統計的方法を開発しており、特に実際の現場で扱いやすい解析ツール作りを心がけている。授業では、今後DX化が進む中で、AIと共生するための方法や注意点を詳しく解説する。古典的なデータ解析ツールである統計手法には、現実の課題解決の対象に適用する際に、データに関する条件がある。そのため、実際のデータがその条件をクリアしないとせっかく解析にかけても正しい結果が出力されない。研究では、実際のデータに制限をかけることなく、正しい解析結果を導き出す解析ツールを開発。研究テーマとしている統計的方法は「樹木構造表現法」だ。この方法によって要因解析（例：がん患者の最適な治療法）や予測解析（例：58歳の男性のがん患者の手術後の5年生存率）を評価することができる。データサイエンスには、狭義と広義での意味があると考えています。狭義の意味では、統計的なデータ解析のことを指します。広義の意味には、AIの概念を含みます。統計的なデータ解析を駆使して、世の中に役立つ情報を導き出すこと、つまり、データサイエンスは、単なる数字の世界ではないということ。数字の背景やストーリーを紐解き、実際の現場に応用することで初めて活きる学問と言っても過言ではありません。データサイエンスは身近な場面で活用されています。例えば、母子手帳に記載されている成長曲線。膨大な情報に基づき年齢ごとの正常な成長速度を提示します。このように、人はこの世に誕生した直後からデータサイエンスに触れているのです。また、スポーツ選手が自身の動きをデータとして記録し、見える化してコーチングに活かす方法も積極的に導入されるようになってきました。さらに、「匠の技」もデータ化することにより、次世代に継承することが容易になるでしょう。教育・医療・ビジネス・スポーツ・伝統工芸など、あらゆる分野でデータサイエンスが活用されていく時代へ。文系・理系といったカテゴリにとらわれず、社会人として身につけておくべき学問だと考えます。データサイエンスとは、データを収集・解析・評価・適用するプロセスで、「データ解析の成果を現場に活用できてこそ価値のある学問である」と語る衛藤教授。データサイエンスの役割や、今後活用が見込まれる分野とは。データの価値は現場で生まれるPICKUP!PROJECT02統計的方法の開発：新しいデータ解析ツールの開発衛藤教授は、データを扱う際のデータリテラシーを「現代の読み・書き・そろばん」に喩えて解説する。「樹木構造表現法」は、成長する樹木のようなグラフ（樹木図）で解析結果が出力される。NBUAcademicResearch004

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保健医療学科准教授宮﨑仁情報工学、福祉工学自閉スペクトラム症専門情報工学を専門とし、医療や福祉分野で人々が抱える〝困りごと〞に工学の視点からアプローチしています。実は、この領域との出合いは遅く、大学時代は機械工学や材料工学、情報工学の基礎を学んでいました。もともと中高時代の友人からシステム開発や、プログラミングの道を勧められるほどゲームが大好きで、将来、医療分野に進むことになるとは当時の自分には想像もつきませんでした。画像処理やコンピュータ処理の高速化に取り組む研究室に所属し、知識を得るだけではなく、自らの手を実際に動かしてものづくりを行い、実証を重ねる充実した日々を過ごしました。卒業後は川崎医療短期大学で非常勤講師を勤め、後に教員として川崎医療福祉大学へ。周囲には医療分野の研究を行う教授と学生ばかり。「私も何らかのカタチで医療と関わりたい」という想いが募り始めました。自分のアイデアを社会の課題解決につなげる研究、そして教育がしたいと考えていたこともあり、大学教員の道を選択しました。情報工学を専門とする研究者が、医療分野にどのように貢献できるのか。自らの道を模索する中で、在宅透析を行う患者さんの存在を知りました。在宅透析では、機器を自宅に設置して行う治療で、患者さんにとっては、時間の制約が少ないことがメリットですが、病院側は治療状況や経過をリアルタイムで把握できません。そこで、病院から患者さんをリモートでモニタリングできるシステムの開発を考案。「自分が助けたいのは患者さんなのか、それとも医療従事者なのか」と悩むことはしばしばありますが、常に根底にあるのは〝患者さんの力になりたい〞という強い想い。その後は、同期入職した先生から声をかけられ、看護師や養護教諭など、異なる専門性を持ったチーム「クレマチス」のメンバーの一員として、自閉スペクトラム症の子どもとその家族を支援する感覚特性サポートアプリ「YOUSAY」を開発。アプリの本格運用に向け、現在もプロジェクトが進行しています。自閉スペクトラム症や医療に関わる際に心がけていることが２つあります。まずは、患者さんやそのご家族と適度な距離感を保ちながらも、学者になり過ぎないこと。当事者や家族の声に耳を傾け、寄り添い、行動をしていくことが重要だと考えています。新たに生まれた技術に批判はつきものですが、挑戦を恐れないこと。臨床医工学に加え、VRなどの最先端分野を研究できるNBUで、医療×情報×ものづくりの分野を融合し、〝見えないものを見える化〞することで、患者さんやその周辺の家族や医療関係者の要望をつないでいけるよう、医療のこれからを見据えた研究ができると信じています。情報工学の世界から医療・福祉分野へいつまでも挑戦を続け横断的な学びで可能性を広げるキーワードは社会実装成果を社会に還元したい医工連携による研究開発が新たな医療の世界を切り拓く＃情報工学＃福祉工学＃画像処理＃形式的検証＃自閉スペクトラム症保健医療学部NBUAcademicResearch005

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01MIYAZAKIHISASHI岡山県立大学情報工学部情報システム工学科卒業。同大学大学院情報系工学研究科システム工学専攻博士後期課程修了。工学博士。川崎医療福祉大学医療技術学部臨床工学科助教、准教授を経て2023年より現職。主な研究分野は情報工学、自閉スペクトラム症、福祉工学など。Profile詳しい情報はコチラ！自閉スペクトラム症など、感覚特性(過敏・鈍麻)を持つ子どもは少なくない。しかし、その感覚を周囲が完全に理解することは困難なため、家族が我が子の様子を記録でき、専門家への説明の際に活用できる「YOUSAY」を開発。多職種連携チームの一員としてそれぞれ担う役割を尊重した上で、プログラミングやソフトウェア工学の部分で携わった。2023年7月にはiPhone版が完成。自閉スペクトラム症患者や家族の主体的な関わりによって、ともに創りだす喜びで研究活動にも拍車がかかり、本テーマへの取り組みをライフワークとしている。近年、メガネ型のウエアラブル端末「スマートグラス」を用いたシステムが、外科手術の現場で急速に応用されつつある。スマートグラスを活用し、人工心肺装置の複雑な術前操作を支援し、新人教育としても活用できるシステムの開発を検討。目の前にある機器のマニュアルをレンズ部分に表示し、経験の浅い医療技術者の技術力向上を目指す。特に、技術継承の機会の頻度の少ない稀有な手術では、職種ごとの役割を考慮したVRを作成。教育用コンテンツとして利用するなど、視点を変えればさまざまな応用が可能だ。国家試験に挑戦する全ての学生に伝えたいことは、合格は突破すべき関門であってもゴールではないということ。もちろん合否はその後の人生を左右する指標にはなりますが、学生たちには、答えにたどり着くまでの過程も大切にして欲しい。メディカルスタッフを目指すのであれば尚更のこと。現場では、自ら仮説を立て、検証し、判断する力を養うことが求められます。さらに、時代が変われば、医療現場の常識にも変化が生まれます。過去に正しかったことが未来でも正解とは限りません。だからこそ学生には、現在の学びが将来の治療にどのように活きるのか、医療人としてのテクノロジーとの向き合い方など、自らの視点でしっかりと先々を想像する力を育んで欲しいのです。私が彼らにできるのは、あくまでも考えるきっかけを与えること。それぞれの目的地までの道のりに寄り添える存在であり、道標のような役割であり続けたいです。医療産業人の育成に向け、個々人の医療をはじめ、社会を切り拓く挑戦心を後押しできるように、大学で学ぶ意義はもちろん、卒業後も学び続ける意味をしっかりと伝えていきたいと思います。「医療と工学で未来を切り拓く」というビジョンに基づき、現状の課題を打破する新たなシステムの構築や技術の創造に尽力する宮﨑准教授。自らの力で学びの本質に気がつくことが大切だと、学生たちにメッセージを送る。変化を受容し未来へ進む力を暗い色を避けたシンプルなデザインを採用し、日々の記録やキーワード検索といった機能を充実させた。VRをはじめとする先端技術を活用することで、新人教育や医療ミスの防止が期待できる。PICKUP!PROJECT02感覚特性サポートアプリ「YOUSAY」（2023年7月末リリース）の開発スマートグラスを用いた人工心肺装置の支援システム【科研費】基盤研究（B）2022-2024（代表）若手研究2020-2022（代表）若手研究（B）2017-2019（代表）基盤研究（C）2019-2022（分担）挑戦的萌芽研究2015-2017（分担）【科研費】基盤研究（C）2023-2025（分担）NBUAcademicResearch006

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建築学科教授池見洋明地質学地盤工学専門幼い頃から本を読むのがすごく好きでした。不思議に思われるかもしれませんが、私が地質学を選んだルーツは宮沢賢治にあります。詩人・童話作家である彼の作品の中には、鉱物や標本収集に出かけた時の思いを書いたものがあり、「よく分からないけど、何か面白そうだ」と感じたことを覚えています。農学校の教員を務めていたこともある彼は、実は学者や研究者の立ち位置で文学に向き合っていたのかもしれない。今でも研究中に、彼の詩の一節が浮かんでくることがありますね。高校までを宮崎県で過ごし、九州大学の募集要項に地質学を見つけ、進学しました。大学ではフィールドワークを通じて、調査技術のトレーニングを積むことができました。島の地質図を作るために毎週一回、能古島に行って、丸一日、方眼用紙や傾斜を測る機器を手に歩き回る。それが地質学の第一歩でした。とにかく現場に行って、ものを見る。そうすることで、これは何の石だ、鉱物だということが分かっていく。大学院卒業後は大手のセメント会社に就職。学生時代は一人で実験して、結果を出していくというスタイルでしたが、会社の研究所ではグループで実験をする。チームリーダーの下、分担して研究に取り組む経験は新鮮で貴重でした。３年半勤めましたが、企業で実際に働く中で、まだまだ地質について知らないことが多く、再び「学びたい」という思いが強くなり、大学に戻りました。その後、ペンシルバニア州立大学を経て、縁あって2019年、NBUに着任しました。カナダでも地質調査に取り組みましたが、海外はスケールが全然違います。調査エリアが広いから、移動はすべて車。車中で資料を読み込みながらの作業でした。当時研究していたのは、純粋地質学。地球には45億年の歴史がありますが、酸素が生まれたのは一体いつなのかという話。私がついた先生は、自説をすべて過去の調査による証拠に基づいて説明していました。シミュレーションと想像で仮説を立てる方法もありますが、私は現場にあるものが絶対的だと思っています。今、私が教えている地盤工学は、地盤の性質や強度などを調査するために必要な知識。実学なので、現場や実験を通じて理解することが多いと思います。九州北部豪雨災害の際に調査団として、河川の流域崩壊や堆積物を調べた経験もありますが、災害時の対策や備えもやはり、現場を知ることが重要。今、地質系のコンサルタント会社が一番困っているのは、現場での調査技術を学んだ人材が不足していることです。つまり、学生時代にフィールドワークの経験が少ない。授業では、もっと土を触って手を汚しながら学ぶ機会をつくることができたらと思いを巡らせています。研究のルーツは宮沢賢治自らの手と足で学ぶ現場から積み上げる知識と技術土を触り石を知るそこから見える面白さ＃地質・地盤調査＃衛星画像解析＃水文・水質調査＃斜面防災＃地理情報システム（GIS）工学部NBUAcademicResearch007

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IKEMIHIROAKI九州大学理学部地質学科卒業、九州大学大学院理学研究科博士前期課程修了。理学博士。日本セメント株式会社中央研究所研究員、九州大学大学院工学研究院非常勤研究員などを経て2019年より現職。専門は応用地質学、地圏環境工学。Profile詳しい情報はコチラ！2017年、福岡県の土地利用の変遷に関する論文を上梓した池見准教授。一見、無作為に都市や街が広がっているように見えるものの、地質に着目してみると、町の広がり方には「癖」がある。人間は町を拓いていく場所として平地や傾斜の低い場所を選び、急傾斜のあるような土地を避けてきた傾向を指摘する。自然災害からの緩衝役を果たしてきた農地が減り、市街地が被害にさらされることが増える中、今後の土地利用への警鐘の意も込め、学生たちが同様の視点で大分県の土地利用について研究に取り組んでいる。シリカ（二酸化ケイ素）は岩石や土壌を構成している元素で、河川や地下水などに含まれている。九州北部豪雨災害時には乙石川（福岡県朝倉市）流域の支流でシリカ濃度を計測し、流量と濃度、崩壊領域の関係性を導いた。自然災害を予測して防ぐことは困難だが、シリカ濃度の変化についての研究を進めることで、「どういう沢が危ないのか」「豪雨災害によって何が引き起こされるのか」といった、河川流域の災害リスクの予測やハザードマップの策定などに役立つ情報の提供、共有を目指す。昨今、我々が問題視しているのは、高校から地学の授業が消えつつあることです。災害予測の重要性が高まっているにも関わらず、災害と密接に関わる地質を学ぶ機会が軽視されているように感じています。今の地面の成り立ちを知ることが、過去を知り、未来を予測することにつながります。災害というのは百年、千年レベルではなく、何千万、何億年という、大地の大きな活動サイクルの一部分。南海トラフ巨大地震が起きる可能性も、今までの研究の積み上げがあるからこそ、今後どういうことが起こり得るのか、何が必要になるのか、予測が可能になるのです。そういう点においても地学を学ぶことは重要だと考えています。大学教育もグローバル化が叫ばれ、「地元の地質など研究対象にならない」という声がありますが、地方で取り組んだ研究が世界的にホットな話題になることもあります。私が加わった研究グループによる「山地河川水のシリカ濃度と起源について」の研究はその一例です。現在、地盤工学を教えていますが、実際にもっと土を触りながら授業をしたいと考えています。視点を変えれば、足元の地面からでも世界に通じる話ができるということをより多くの人に伝えていきたいと思っています。経済、文化、教育。あらゆる分野で「グローバル化」が進んでいるが、「今自分の立つ場所は、地球上でたった一つのポイント。そこを掘ることからでも世界の話はできる」。池見准教授は足元を見つめた研究の重要性を説く。ローカルからグローバルへPICKUP!PROJECT02地質と土地利用シリカ濃度の変化から災害を予測01熊本地震（2016年）の後、被災した農地を訪れて地表地震断層調査を行った。多様な河床地質の調査により、環境の観測を行う。NBUAcademicResearch008

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吉村充功交通計画都市計画専門高校までの18年間を北九州で、大学からは広島で９年間過ごしました。小さい頃から夢中で取り組んだのは、地図とコンパスを持って森の中のポイントをまわるスポーツ「オリエンテーリング」。林間学校などで行われることも多いのですが、競技種目になると約10kｍの道なき道を走りながらゴールを目指します。高校時代には何度か全国優勝も果たし、大学２年生のときにジュニアの世界選手権にも出場しました。振り返ってみると、地図を握りしめて、進むべき道を判断するオリエンテーリングのプロセスが今の自分のルーツだったと感じています。自分が選択した道をたどってみたものの、思い通りに進まないことも少なくない。でも、そこからいかに軌道修正するかが大事ですし、醍醐味だと思います。これは、人生においても同じかもしれません。地図を眺めて「ここに橋があったら便利だな」「ここに新しい道路ができると車はどう流れるだろうか、人は暮らしやすくなるだろうか」と想像する楽しさを知って、土木工学という学問の道を選びました。もともと、公務員を目指していたのですが、博士課程に進んだことで、研究者として歩むことを決意しました。土木の中にも分野があり、私の研究フィールドは都市計画や交通計画。構造力学や材料力学などハード面をつくるのではなく、その前段階の「なぜそれが必要なのか」といった道路計画や人の行動について考える分野です。研究分野が行政の管轄に近いということもあり、現在は地域と関わる活動も多く、その中で常々感じるのが産業界と大学が一緒の目線になるという、NBUの建学の精神「産学一致」の必要性。地域に出かけて、学生たちが自分で課題を発見し、解決策を導き、研究につなげる。専門性を高めるだけでは、社会に出ても太刀打ちできません。学生のうちから社会を知り、「社会人基礎力」や「人間力」を身につけ、得た知識を課題解決に活用できるようになれば、きっと地域のためにも、そして自分の将来にも役立つはずです。研究だけでなく、大学が学生をサポートし、学生自身が〝人間力〞を養っていく「人間力育成センター」の立ち上げにも携わりました。近年、単に勉強ができる学生ではなく、人間性が豊かな学生が求められています。それを受けて高等教育機関の役割は「大学は単位を取るだけの場所、専門知識を学ぶだけの場所ではいけない」と思うようになりました。研究と教育の両輪、理論と実践のバランスが大事だと思うのです。NBU生には、さまざまな活動を通して、〝生きる術〞を身につけてほしいと思います。社会の変化のスピードに合わせて、自分自身の力で未来を切り開いていかなければいけません。そのマインドやスキルは、受け身では決して身につけることはできないでしょう。自分でアクションを起こし、壁を乗り越えることの大切さを学生に伝えていきたいです。ルーツは夢中で取り組んだオリエンテーリング大学が育成すべきは社会に通用する「人間力」地域とともに歩む環境づくりが大切地域との関わりの中で課題解決策を見出す＃地域創生＃まちづくり＃交通政策＃社会実験建築学科教授工学部NBUAcademicResearch009

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YOSHIMURAMITSUNORI詳しい情報はコチラ！大分市東部の佐賀関地区で、地域コミュニティや観光の活性化を目的とした活動を続けている。毎月地元NPOらと開催している「楽・楽マルシェ」は10年を超え、地元住民の憩いの場としてコミュニティの維持という役割を担っている。2023年には活動を通じて気付いた地区内の移動課題の解決を目指し、学生自ら交通社会実験「Connect佐賀関」を企画。大分市や企業を巻き込み、電動キックボードやグリーンスローモビリティ（低速の電動バス）など多様なモビリティの貸出、運行を通じて、地域住民や観光客の新たな移動手段となるか、実践を通じて検証している。広域交通ネットワークの整備は私たちの暮らしや経済の基盤としてなくてはならないもの。大分県では九州と四国を橋やトンネルでつなぐ豊予海峡ルートや東九州新幹線、中九州道の整備促進に向けた調査研究や機運醸成を行っている。地域の持続的な発展に向けて整備が将来への投資になる一方で、完成には時間も費用もかかるため、整備効果や費用、技術的課題など科学的知見による正しい情報発信も不可欠。吉村研究室では長年、豊予交流の促進策の検討や広域交通ネットワーク整備に向けた九州・四国の県民の意向調査など合意形成に向けた在り方を研究している。土木とひとくくりに言っても、その分野は多岐に渡ります。都市計画や交通計画は、未来を創る分野。大学の恩師の「計画に携わる人間が夢を語らなくなったら終わりだ」という言葉を胸に刻みながら、研究に向き合う日々です。とは言え、まちづくりを考える際に、常に意識したいのは夢と現実のバランス。プロジェクトの中には完成まで20年とか、もっと長い歳月を要するものもあります。劇的に技術が進歩する現代社会において、20年後の未来に今創ろうとしているものが本当に必要だろうか？例えば、新幹線の開通を目指しているが、完成する頃には空飛ぶ車が実用化しているのでは？未来を想像し、計画を実行に移していかなければなりません。世論はたいてい０か１００の議論をしがちで、必要か不必要かで物事が判断されます。多くの場合は両極に異なるニーズがあり、実行プランは幾通りも考えられます。着地点を調整していくのが、私たち土木工学（シビルエンジニアリング＝市民のための工学）研究者の役割です。20世紀は道路や鉄道を技術者目線で創り上げた供給型社会でしたが、今は合意形成型社会であることが重要になっています。計画段階から地元住民と一緒に議論し、そこに暮らす人に喜ばれる社会が創られていくのが理想です。未来のまちづくりを考え続ける吉村教授は、産学が連携を図るさまざまなプロジェクトを積極的に推進している。しかし、多くの人が関われば当然、多様な意見があり、その取りまとめも簡単ではない。そんなとき、研究者として大切にしている視点とは？夢と現実をバランス良く学生自らが企画した佐賀関地区の交通社会実験。フェリーの利用客を対象に学生がアンケートを実施。PICKUP!PROJECT02多彩なアプローチでコミュニティを維持する広域交通ネットワークの整備に向けた合意形成を探る広島大学工学部第四類（建設系）、広島大学大学院工学研究科環境工学専攻博士課程修了。博士（工学）。2003年に着任。2014年より現職。技術士（建設部門）。大分県広域交通ネットワーク研究会委員、次世代モビリティサービスの在り方に関する検討会委員長ほか多数を務める。Profile01NBUAcademicResearch010

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工学部准教授白石知弘リモートセンシング専門大分市出身で、小・中学校の時から水泳や野球など、スポーツに没頭し、高校は大分東高校へ。ラグビーに熱中する高校生活を過ごしました。その後、一人暮らしへの憧れから、東京工科大学工学部・機械制御工学科に進学。ロケットや人工衛星の打ち上げに関わる研究室に興味があったことも大学を選んだ理由のひとつです。進学後は、洗練された東京と地方の雰囲気の違いに戸惑いながらもラグビーを続け、アルバイトに明け暮れる日々。飛行機の整備士への憧れから、日本の飛行機事故調査委員会やJAXAでロケット打ち上げ実績を持つ東口先生・橋本先生のもとで研究を行いました。カメラで周囲の状況を観察しながら、目的地まで向かうことができる自律走行ロボットを製作。研究にスポーツ、アルバイトと充実感のある学生生活を過ごしました。大学院卒業後は民間企業にプログラマーとして勤務。新規参入事業者向けのインターネット接続システムを開発しました。入社当時に決まったレールに乗ってしまったように感じたことをきっかけに、将来を真剣に考えるように。ベンチャー企業、フリーランスと所属を変えながら、携帯電話から海外通話を可能にするシステム、プレイステーション2に代表されるSONY製品に組み込まれたインターネットブラウザ、ホンダ車に搭載された夜間に人物検出ができる車載電子装置、広告代理店向けの電子商取引システムなど、多様な開発プロジェクトに携わりました。その後、福岡県主導の「知的クラスター創成事業」に参画することに。以前は、会社に求められたものを作り上げる業務に取り組んできましたが、次第に自分の技術で、地域や社会が抱える課題を解決したいと考えるようになりました。多くの組織を経験したからこそ言えることは、人との縁と経験は貴重な財産だということです。次第に、仕事や研究に対する責任や意識にも変化が生まれました。そんなとき、憧れだったJAXAで研究員の公募があり、応募すると見事採用されました。衛星データの解析アルゴリズムを研究開発する業務に携わりました。日々、トライアンドエラーの繰り返し。プログラミングを駆使しながら2年かけて構築したアルゴリズムは論文掲載され、ソフトウェアとして実現することができました。その後、国立環境研究所で温室効果ガスにまつわる地球環境研究に従事することになりました。大学に通っていた頃は、まさか自分が地球環境に関する研究に取り組むなんて思いもしませんでしたが、振り返ってみると、「これまで出会った人・積み上げた経験すべてが今につながっている」ということを強く感じます。自分の研究や、身につけた技術は、必ず役に立ち、社会や未来を創ることにもつながります。学生たちにもこの喜びを味わってもらいたいです。ロケットや衛星への憧れから進路を選択キャリアアップのなかで意識の変化が現れる自分の技術が世界を変えるその感覚を味わってほしい身につけた技術を活かし地球環境を守り未来へつなぐ＃衛星データ解析＃AI機械制御＃温室効果ガス＃環境動態工学部NBUAcademicResearch011

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【科研費】基盤研究（S）2019-2023（分担）SHIRAISHITOMOHIRO詳しい情報はコチラ！衛星データを活用し、土地被覆図（地球の地表面が物理的に何に覆われているのかを示す図）を生成できるソフトウェアを開発した。大気循環の過程をシミュレートする「大気輸送モデル」や、地球全体での二酸化炭素の排出量を推定する「陸域生態系モデル」など多くの研究に活用される。土地被覆図の実態を確認するためにボルネオ島やインドネシアのスマトラ島を訪問。現地を訪れたことで地域の特色を直接感じ取り、さらなるデータ解析につなげられることを実感した。陸域植生のバイオマス燃焼により放出される温室効果ガスは、地球規模の物質循環に影響を及ぼし、気候変動の原因となる。衛星観測から得られた土地被覆情報、地上バイオマス、火災燃焼面積に基づき、バイオマス燃焼による全球の温室効果ガス放出量のデータを作成。また、推定したCO放出量を用いた大気輸送モデルによる大気CO濃度場のシミュレーション結果を地上観測および衛星データと比較・検証。大気中のCO濃度場を再現する土地被覆情報、地上バイオマス、火災燃焼面積の組み合わせの評価を行った。国立環境研究所では、NASAが運用している衛星データをもとに、全世界の森林火災による温室効果ガスの放出量や、東南アジアの森林や泥炭林の減少によるCO²の放出量ついて調査しました。前者は2021年4月と5月、後者は2023年8月発行の学術雑誌にそれぞれ掲載されています。今後は、衛星データを大分の災害対策に活用する研究に取り組みたいと考えています。ここ数年、大分県内でも、大雨で橋が崩れた、道路が寸断されたといった災害のニュースが聞かれます。衛星データを活用し、地盤がゆるみ、土砂崩れが発生しそうな箇所をあらかじめ予測することができれば、地域住民の迅速な避難につながるなど、私の故郷でもある大分県に貢献できるのではないだろうかと考えています。豊かな自然に溢れる大分県だからこそ、大分の環境を守り、次世代につないでいかなければいけません。そして、大分県でモデルケースとして確立させることができれば、日本全国での活用も見込めるでしょう。その可能性をもっと拡げるためにも、若い世代の学生たちと一緒に研究を進めていきたいと考えています。さまざまなキャリアを重ねてきた白石准教授。最初はプログラミングからこの世界に入ったが、プログラミングを活用し、現在は地球環境に注目し、さまざまな研究や開発を進めている。今後、取り組みたい研究について聞いた。衛星データで自然を守りたいインドネシア・スマトラ島中央域(リアウ州・ジャンビ州・西スマトラ州)の土地被覆分類結果。オーストラリア森林火災による二酸化炭素放出量の空間分布。(2019年12月の推定結果)PICKUP!PROJECT02土地被覆図を生成できるソフトウェア開発森林火災による温室効果ガス発生量の研究01東京工科大学工学部機械制御工学科、東京工科大学大学院工学研究科システム電子工学専攻。博士(農学)(北海道大学)。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、国立研究開発法人国立環境研究所などを経て2023年から現職。主な研究分野はリモートセンシングなど。ProfileNBUAcademicResearch012

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建築学科教授池畑義人水工学、環境流体力学ながれの数値シミュレーション専門鹿児島県姶良市の霧島連山が見える美しいまちで生まれ育ちました。父の本棚には宇宙関連の本が多く、小学生の頃から宇宙に興味を持っていました。星の一生を考えながら、「恒星の燃料は？」「地球や太陽はどうやって生まれたの？」と不思議に感じたことは夢中で調べる少年でした。歴史の時間には、年号を覚えるより、出来事が起こった理由が気になって考え込む、一風変わった生徒だったかもしれません。今でこそ「そんなことに時間を費やさず、試験で頑張って良い点数を取らないと…」と、母がどれほど私の将来を心配していたかと想像できますが、当時は川が流れるようにゆったりと時間が流れていました。大学進学では、地球物理学や宇宙物理学などの分野を学びたいと考えていましたが、理学部ではなく、工学部の土木工学の道へ。その後、九州大学の大学院に大気海洋環境システム学という新しい専攻ができたことを知りました。海洋物理、土木、応用数学などさまざまな分野の学生が「流体力学」の研究をしており、自分もその研究を目指して大学院へ進学しました。大学院在学時は、公害から地球環境へと社会の関心が移行する時代。修士論文では「ローレンツ力で形成される周期的渦列」というテーマに取り組みました。流れの中に置いた物体の下流にできるカルマン渦列という互い違いにできる渦の列を、磁石と流体に流した電気で作る研究です。これが私の専門「流れ」の研究の始まりです。規則的で美しい一面を持つ一方、複雑ゆえに多様性が生まれる世界観に触れる研究にのめり込む日々が続きました。現在、土木工学でも環境に配慮せずに工事の遂行は難しい状況です。NBU着任後は自然環境が専門の先生とともに、多様な生き物が暮らせる場所を開発。その一環で竹田市にビオトープで用水路づくりを行いました。現地調査は、結果を論文で発表するだけではなく、最終的は研究成果を地域に還元する責任があります。だからこそ、教員も学生も、緊張感を持って真剣に臨みます。このように、キャンパスを飛び出して地域と問題解決に取り組めることにやりがいを感じています。大学の研究者には、社会において利害関係なく、物事と向き合う役割があります。例えば、海を取り巻く中で、防災・環境・漁業者・レジャーなど、さまざまな立場の人がいます。私たちは、これらの方々の立場をよく考えて研究にあたることが求められています。その中で、得られた観測結果や解析結果から、冷静に客観的な分析をする必要があります。この結果を元に、長期的な視点と中立的な立ち位置で問題解決の手助けをすることが求められていると考えます。宇宙の不思議を夢中で調べた少年時代現場で課題に出合い結果を還元するということ第三者として問題に関わり現状を知らせる役目生態系と地域社会と深く関わり課題解決＃土砂輸送＃生物多様性＃干潟工学部NBUAcademicResearch013

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IKEHATAYOSHITO宮崎大学工学部土木工学科、九州大学大学院総合理工学研究科大気海洋環境システム学専攻修了。理学博士。2001年より現職。専門は環境流体力学、ながれの数値シミュレーションなど。Profile詳しい情報はコチラ！中津市の干潟では砂が減り、泥が増えている現状がある。砂が減った理由として、ダムや堰など人工的なものが作られ、砂を止めていることなどの分析がなされた。干潟については埋め立てを主張する意見や現在の干潟を保全する意見、アサリがとれるような砂の干潟に戻す意見に加え、漁業者の立場などさまざまな見地がある。ここでは泥の多い干潟に生息する生き物の一つとして、カブトガニが住む干潟において、勾配が緩やかで太陽光や酸素が十分に届き、多くの生物がいる現状を報告した。また、水の流れの分析から砂のたまりやすさなどを示している。敷設後５０年以上が経過した下水管は、老朽化が原因で管の破裂やそれに伴う道路の陥没事故等が多発している。風船形状の止水プラグを施工する場所の上流に設置することで、工事の際に下水管内に施工場所を確保できる。現在、外国製で同様の製品はあるが安全性が低く、日本の下水管に適応するサイズが不足。これらの問題を解決するために、地元企業との共同研究で従来の製品を大幅に改善した、安全で安心な止水プラグの開発を行っている。これは、トンネル掘削時の漏水事故や津波来襲時の地下鉄駅の止水にも利用することを目指している。止水ボール配管の破れ昭和の高度成長期には、生活に役立つ建造物を開発し、便利な社会をつくることが土木の使命でした。しかし、その結果、従来、そこに住んでいた生き物がいなくなるなど自然環境への配慮が欠けていたなど多くの課題を生むことに。川の護岸工事で例えるなら、川底だけでなく両方の岸まで三面全部を工事すると水害は抑えやすくなります。しかし最近は、水があふれないことは確かに重要ですが、カエルなどの生き物が住めない世界は人間にとっても生きにくい世界だ、という考え方が主流になりました。土木工学の専門知識だけでなく、工事が環境とどうつながっているのかを考え、地域の課題解決とともに関わる人々の意見の落としどころを探り、合意形成をするのが重要な部分になってきたのです。土木は生態系全体と関わるフィールドの幅広い仕事です。研究者としてはどの時点での何を正解にするのか、たくさんの見方があるので、議論を重ねてもターゲットをしぼり込むのが難しい分野だと思います。土木分野は条件が一定ではないので技術的な自動化が進みませんでしたが、最近は工事現場の図面をもとに機械が動いて作業する試みが始まったところです。これからのテクノロジーでどう変化するか楽しみでもあります。土木工学のフィールドは時代と共に変化し、その役割も増えつつある。池畑教授が構造物をつくるだけでなく、周囲の環境全体に配慮することの重要性や技術革新が進む土木のこれからについて解説。社会的な合意形成中津の干潟で測量を行う学生たち。止水ボールの使用方法に関するイメージ図。PICKUP!PROJECT0102中津の干潟の変化に対する研究止水プラグの開発NBUAcademicResearch014【鹿島学術財団】研究助成2022、2021【戦略的基盤技術高度化支援事業（サポイン事業）】2021-2023

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福島学通信・ネットワーク工学計測工学専門私は千葉県で生まれ育ち、大学時代も千葉県で過ごしました。幼い頃から分からないことをそのままにしておけない性分で、気になることは図書館で積極的に調べていました。高校も自学自習を推奨する学校に通いました。当時、水泳部に所属し、水の事故について話を聞く機会がたびたびあり、また近隣に氾濫する危険性のある川もあったことから、自由課題では『水害』について調査しました。その際も、官公庁の資料室や図書館で徹底的にデータをリサーチし、かなり内容の濃いレポートを完成させました。振り返れば、この経験が私の研究者としてのルーツになっている気がします。自学自習の重要さと自分が興味を持って学び、解決していくことの喜びを実感する貴重な経験だったと思います。そして、物事を調べて突き詰めていく中で感じるのは、やはり基礎の大切さ。少しでも多くのベースとなる知識を蓄えておくことはとても大事だと思います。私が電子工学に興味を持ったのは、情報の分野が発達し始めた頃でした。〝電子〞というと、電子回路や回路周りに関しての研究が多かったのですが、それはあくまでも機能としての分野。アイデアや発想をつなぎ合わせると、自分の目指す結果にたどり着く点が面白くて、システムやプログラミングに傾注していました。社会人になると、目を輝かせながら自分のやりたい仕事だけをできる環境は多くはありません。だからこそ、学生たちには電子回路やメカトロニクスなど、自分の好きなことや興味のあることに夢中になれる大学時代を過ごしてほしいと思っています。実際にNBUの学生たちは、しっかり興味や関心を持って授業や研究に臨んでくれるのが嬉しいです。学生が自分なりにできることはないかと考えたり、さまざまな競技会に出場して、目標に向かって頑張ったり。その経験で培ったやる気やバイタリティーが就職先の企業からも評価されています。また、間違いを恐れて何も発言できないという学生には、まずは思いついたことを言葉にしてみるようにアドバイスしています。人の数だけ意見があり、共感する人が多ければそれが常識になりますし、仮に失敗したとしても必ず人生の糧になります。一般的に、情報分野は変化が激しいと言われていますが、実は昔から変わらない部分も多いのです。それをうまく活用できている人が、変化を起こして新しい価値を生み出しています。例えば、YouTuberという新しい職業が誕生しましたが、彼らはYouTubeがない時代でも、きっとたくさんの人に向けて面白いことをやっているでしょう。彼らは、YouTubeがあるから自分の可能性が広がったわけではなく、自分の可能性を広げる道具としてYouTubeを使っているだけなのです。学生たちには、大学でしっかり基礎を学んで、情報というツールを用いて、柔軟な発想で新しい価値を創出してほしいと思います。物事を突き詰める飽くなき探究心暮らしの一部となった情報メディアの本質とは好きなことに夢中になれるNBUでの学びの魅力人を想い、人をつなぐ情報メディアのシステムを構築＃データサイエンス＃知的システム＃コミュニケーションネットワーク情報メディア学科教授＃ディジタル信号処理工学部NBUAcademicResearch015

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FUKUSHIMAMANABU詳しい情報はコチラ！防災・減災に向けたドローンの研究を進め、緊急時に迅速で効果的な運用を実現するため、パイロットの技術を評価するとともに、AIによる運用支援を目指す。また、災害発生時の被害範囲を把握し、通常時にも広い範囲を確認する空撮映像の分析から、新たなメディアの可能性やメタバースと現実世界を融合させる研究まで行っている。ドローンの可能性に着目し、「防災・減災で役立つ」と「日常生活に彩りを添える」の2つの目的を両立する革新的な研究に取り組んでいる。「感情」を数値化する技術は、AIが想いを学習するための重要な手段となる。感情を数値化することによって、人同士のコミュニケーションにおいても、想いをスムーズに交流させることができると期待されている。また、“メディア”が人の感情を運ぶ際にも、AIのアシストによって情報に温かみが生まれることを信じこの研究を進めている。「感情」をデジタルなコミュニケーションの鍵にすることが、人と人のより深い“つながり”を生み出す未来への一歩になると考えている。私が考えているシステム構築とは「データを取る」「カタチを変えて情報にする」「情報を伝達する」「受容者に合わせて変換して提示する」という一連の流れ。特に着目しているのは「受け手に合わせて変換する技術」です。なぜなら、近年、ＳＮＳなどで意図していることが上手く伝わらず、相手を傷つけてしまうリテラシーの欠如や、セキュリティに関する問題が相次ぐなど、情報化社会がもたらした社会的課題が取り上げられることが多くなっているからです。「いかに情報を伝えるのか」「どうすれば、世界中の異なる言語でもニュアンスを変えずに変換することができるのか」を考え、より良いシステムをつくりあげることが課題解決へとつながっていきます。工学的な技術も「人を想い、より温もりを持ったつなぎ方」が求められる時代になってきたのです。さらに、私たちはセキュリティ対策に関する研究開発にも取り組んでいます。「受け手にとって何を求められているのか」＝どの部分をどう守るのかという点を明確にしなければ、本来、必要不可欠な情報を伝える手段であるはずのメディアに振り回されることになり、さらに別の課題を生むことも十分あり得るというリスクを意識しながら研究を進めています。ＳＮＳの普及など、簡単に人と人がつながる時代になった。「社会において情報を伝えるメディアはどうあるべきか」を考え、温もりのあるつながりをつくるシステム構築をめざし、研究・開発に取り組んでいる。データと情報に温もりを防災訓練でドローンから放水消火活動時のデータ分析例。感情推定に必要な脳波と心拍を分析した例。PICKUP!PROJECT02ドローンとAIによる防災メディアの未来AIが“つなぐ”人の想い感情をコミュニケーションの鍵へ千葉工業大学工学部電子工学科卒業。工学博士。富士ゼロックス（株）時代はシステム技術開発に携わり、2005年より現職。主な研究分野は、デジタル信号処理、ネットワーク工学など。Profile01NBUAcademicResearch016

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経営経済学科准教授小久保雄介商品企画、市場調査、統計分析専門生徒の個性を尊重する教育方針に惹かれ、成城学園中学校を受験。そのまま大学院まで過ごしました。中学、高校では、演劇部に所属し、裏方として編集や音響、照明などを担当。皆でひとつの作品を創り上げる楽しさに大きなやりがいを感じていました。思えば、この頃から〝自ら何かを生み出すこと〞に魅力を感じていたのかもしれません。また、ちょうど中学１年のタイミングでインターネットが一般的になり、コンピュータやインターネットにも夢中に。何事も自分の興味のあるものに没頭してしまう学生時代を過ごしました。高校時代は、漠然と教員の仕事に興味を持ち、教育の道を目指すようになりました。特に、公民や地理などの社会科が好きで、政治や社会情勢について徹底的に情報収集するほど。中学受験のときは「暗記科目」だと思っていた社会の科目でしたが、調べれば調べるほど、実は理論を理解し、じっくり考える学問だと知りました。経営学の分野で、特に商品企画について理解を深めたいと、大学では経済学部経営学科へ進学。商品企画について研究する神田範明先生の研究室に入りました。神田先生は『商品企画七つ道具』の著者で、商品企画を７つのステップで行う考え方を世の中に普及させた方。実は、高校時代から先生のカリスマ性に魅了され、「大学では神田先生の研究室に入りたい」と切望しました。研究室では、顧客から商品のアイデアを引き出す手法についての研究を行いました。大学院の博士課程では、サービス開発にも焦点を当て、さまざまな企業と一緒に共同研究も実施。学生が行うプロジェクトとはいえ、相手は大きな企業。自身で作り上げた理論を、実践に移そうとすると、さまざまな外的要因が理由で苦戦することも。研究と実践の両輪でスキルを磨くことができ、大きな糧になりました。企業は、新商品をリリースする際、他社にはない秀でた商品を市場に出したいとの想いがあるものの、良いアイデアが思いつかない、採算がとれないといった理由で四苦八苦するものです。そこで、マーケティング手法を組み合わせ、市場の動向をしっかりつかみ、消費者のニーズに合ったコンセプト立案が必要になります。さらに、さまざまな角度から検討し、インタビュー調査やポジショニング分析など、７つのステップで商品を開発します。その際に大切なのは、アイデアを出すときは「質より量」を意識すること、イマイチだと感じていたアイデアの中にも、実は素晴らしいものが隠れていたり、組み合わせてブラッシュアップすることで良いものが生まれることも。アイデアの数を増やせば増やすほど、質の良いアイデアが生まれ、優れた商品開発につながると考えます。自分の興味・関心に没頭した学生時代恩師との出会いと商品企画に取り組む優良アイデアを検証する商品企画の７つのステップ商品開発の７つのステップで0から1を生み出す楽しさを＃統計学＃マーケティング＃商品開発経営経済学部NBUAcademicResearch019

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01KOKUBOYUSUKEProfile詳しい情報はコチラ！企業が抱える商品開発の課題解決を目指し、これまで培ってきたノウハウをベースに、商品企画・開発を指導している。具体的には、アイデアをたくさん生み出す手法や、アンケートを用いて検証し、コンセプトの作成方法などのアドバイスを通して、皆さんと協働しながら商品コンセプトを組み立てる。また、既存のアンケート活用方法の提案も可能。若い学生の視点を取り入れたい、新たな観点でのアイデアが欲しいといった場合は学生と一緒に取り組んでいる。「商品企画七つ道具」のアップデートを行っている。1995年に最初のバージョンが作られて以降、２度の改変がなされたが、より使いやすく、ヒット商品を生み出すための改変に同門の先生方と取り組んでいる。マーケティングだけでなく、イノベーション分野などの新しい研究の蓄積なども利用しながら再構築を行っているほか、理論的な枠組みだけでなく、データを用いた検証を簡単に行えるようなソフトウエアやアンケートシステムの開発も実施。商品企画の考え方、ノウハウのさらなる明確化が期待される。商品企画では〝データで俯瞰的にものを見る〞ことが重要です。「これは絶対ヒットするはずだ」という渾身のアイデアが思い浮かぶことがあるでしょうが、そのままアイデアを押し通すのではなく、一旦冷静になってデータで分析してみることが重要です。これまでは、クリエイターの勘やひらめき、情熱に頼る部分がほとんどでした。もちろん、企画を考えるときは、そのものへの情熱や愛情は必要ですが、今の時代、情熱だけでは商品は売れません。要するに、アン、コツ、ヒラメキだけで企画を進めず、アンケートやインタビューといった手法で顧客の求めるものになっているかを確認することが大切です。実際に、授業でも商品企画に関連する分野の知識やヒット商品の要因分析、商品企画のシステマティックな手法（大量の良いアイデアを生み出し、それらをマーケティング手法や統計的に検証する）を学習し、商品の提案ができるようにしています。とはいえ、データに振り回されないことも重要。商品企画には、情熱と冷静さのバランスが大切です。学生たちにも、社会で必要とされる柔軟な発想力とデータ分析力を磨いてもらいたいと願っています。さまざまな企業とともに、商品の企画開発の最前線に立ってきた小久保准教授。研究者としてはもちろん、ヒット商品のマーケティングに関わる商品開発者のスキルとは。求められるのはデータ分析力地域の企業に向けて、産学官連携講座で「商品企画」をテーマに講演も行うことも多い。ターゲット決定から、コンセプト決定、技術化まで、商品企画のフローをまとめた図。PICKUP!PROJECT02産学連携による商品企画商品企画手法の再構築成城大学大学院経済学研究科博士課程前期・後期課程修了。経済学博士。成城大学経済学部山形大学大学院理工学研究科ものづくり技術経営学専攻講師などを経て、2021年より現職。主な研究分野は商品企画、市場調査、統計分析。NBUAcademicResearch020

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経営経営学科教授山城興介経済政策、地域政策まちづくりマーケティング専門福岡県春日市の出身で、幼い頃からバスなどの乗り物が大好きでした。好きなことを自由にさせてくれる両親のもとで育ったので、幼稚園の頃から妹とふたりでバスに乗って祖父母の家に行くことも。小学生時代は一人であらゆる路線のバスに乗り、まちの景色や往来する人を見て楽しんでいました。高校の頃は、電車の時刻表を見ながら想像で旅をする「紙上旅行クラブ」で活動していました。福岡大学経済学部に進学し、ゼミでまちづくりの研究に従事。その頃は福岡市中心部や商業地の変化が盛んな時期で、実際にまちがどう変わっていくのか興味を抱いていました。当時から理論系ではなく実証系の研究スタイルだったので、卒論は回遊行動調査を使った研究に取り組みました。大学院へ進み、博士課程ではまちづくりと関連する交通施策の研究に没頭。その当時から続けている福岡県内での研究内容は1996年から25年間のデータを蓄積しています。大学院での研究室の先輩がNBUに勤務していた縁で４年前に大分へ。NBUは学生も元気があって、とてもアットホームで居心地が良い大学です。特に、チームで取り組む私の研究はスピード感や連帯感が重要。チーム一丸となって進められる勢いを肌で感じています。また、近年、学生の学び方も変化しています。座学だけではなく、社会に参画してさまざまな実践を体験するなど、地域住民の方々の協力も必要です。回遊行動調査でのアンケートの際、学生に指導していることは、「大切な時間を割いて答えてもらうためには、きちんと研究の目的を説明しないといけない」ということ。挨拶やマナーはもちろん、社会人として大事なことを学ぶチャンスになりますし、ここで養われた社会人基礎力は今後の社会生活できっと役立つはずです。大分市というまちの一番のメリットは、JR大分駅と商店街の距離が近いことです。この利点を生かすことが今後のまちづくりの課題になると思います。福岡市内の調査データによると、基本的には人が立ち寄る回数が増えるとまちへの経済効果が上がります。まちづくりに一番必要な要素は「継続性」。人が回遊する仕掛けを作るためには、単発企画でなく当事者主導で取り組み続けることが重要です。アンケートは料理でいう素材作りで、分析は調理に当たります。新鮮な素材を使って美味しい料理をお客様に提供すること、つまり研究成果を発表するほかにも、地域の皆さんの要望に向け、さまざまな料理をどのようにプロデュースして提供できるのか。大学がどのように関わることができるのかを皆さんと一緒に考えて行きたいと思います。バスや電車に夢中な子ども時代大分の利点とデータを生かしたまちづくり学生に身に着けて欲しい社会人基礎力続けることで見えてくるまちづくりの課題と本質＃まちづくり＃消費者の回遊行動＃データ分析経営経済学部NBUAcademicResearch021

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消費者行動から大分のまちづくりを考える01YAMASHIROKOSUKE福岡大学大学院経済学研究科博士課程後期単位修得退学。博士（経済学）。福岡大学都市空間情報行動研究所ポストドクター、同大学研究推進部教育技術嘱託を経て、2017年より現職。専門は地域政策、消費者行動、まちづくりマーケティング。Profile詳しい情報はコチラ！大分市の都心部消費者回遊行動調査を実施。JR大分駅や周辺の商店街、デパートなど6地点で15分程度の聞き取りアンケートをし、当日の回遊行動、場所、目的、支出額、大分市都心部への出向頻度、所要時間や交通手段などを調査した。駅ビルの開業前後の来客者の比較のほか、この地域全体の年間売上高が開業前に比べ223億円増加したことなどを算出。またこの地域を5カ所に分け年代別に立ち寄った場所をヒートマップで表示すると、年代に差があることがわかり、現状の課題と今後の予測を考察している。「回遊行動研究の進歩：行動マーケティングからみた回遊行動研究から都市エクイティ研究へ」を斎藤参郎氏と共編。日本及びアジアの諸地域で著者らが行った30年間の回遊行動研究の主要な成果をまとめ、同研究の発展を体系的に説明している。消費者の買い回り行動を「回遊行動」と呼び、研究成果は土地計画、マーケティング、不動産、観光、地域施策などの分野で広く使用されている。実証的な研究事例が多数掲載され、IoT時代における同研究の将来の展望も示している。まちづくりにおいて最も重要なのは「データ」による根拠付けです。計画段階では、データに基づいた中長期的な展望が求められます。また、費用対効果や結果検証のためにもデータは必要不可欠です。調査の際には、何を明らかにしたいのかを議論し、目的がぶれないようにすることも大切です。年に１〜２回のペースで行うアンケート調査では「どのような目的で買い物に来たか」「何を購入したか」あるいは「迷ったけれど購入しなかった理由」など細かく検証できる利点がありますが、その一方で天候やイベント等の影響を受けることも多く、それらを取り除くのはとても難しいことです。最近では、GPS機能を利用して往来する人の回遊データを取ることができるようになりました。まちの動きや人の流れをリアルタイムに取ることが可能となり、調査も分析も比較的容易に。しかし、屋内の動きは追えませんし、アナログのアンケートのように、丹念な聞き取り調査で得られる詳しい情報は取れません。そこで、アナログとデジタルの両方を組み合わせると、より正確なデータを得ることが可能になります。長期的にデータを蓄積することで、経年比較もできますし、論理的に説明ができ、説得力が増すという効果があります。まちづくりを計画する際のデータの重要性や調査する際に注意している点ならびに回遊行動調査の二つの方法であるGPS機能によるデータの集積と対面でアンケートを集めることの違いなど、研究手法について詳しく訊ねた。データなくして成功なしPICKUP!PROJECT02回遊行動研究を体系的に記した本を出版左上10-20歳代、右上30-50歳代、左下60歳以上の大分市中心市街地の立寄り場所のヒートマップ。回遊行動研究を体系的に取りまとめた本を世界的な学術出版社であるシュプリンガー・ネイチャー社より出版。NBUAcademicResearch022

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経営経済学科教授今西衞中心市街地再開発制度設計専門今、思えば子どもの頃からまちづくりへの興味はあったと思います。昔、大好きだったのはゼンリンの地図を見ながらチラシの裏に自分なりに楽しいまち、便利なまちを想像して描いてみることでした。「こことここを結んだらにぎわいが生まれるかも」と思いながら道路を描き足して遊んでいました。福岡県太宰府市で生まれ育ったのですが、小学生のとき、隣の大野城市にある下大利商店街に大型スーパーができたことも印象的な出来事でした。大規模小売店舗立地法のもと、地元との協議の結果、スーパーの建設と商店街の発展を両立する決定がなされたと記憶しています。ところが結局、商店街はシャッター街に変わってしまいました。その衰退を目の当たりにして、子どもながらに、原因を考えずにはいられませんでした。大学時代、ゼミの先生にこの話をしたら『規制緩和の経済学』（加藤雅）という本を勧められました。ＮＴＴや日本郵政などの民営化につながる、アメリカ型の規制緩和論です。先生は「規制緩和の時代に、商店街を守ろうなんて間違っている」とおっしゃいました。では、規制って何だろう？という疑問から、本格的にまちづくりの研究を始めました。大学院、そしてポストドクター時代は、理論に基づいた経済効果の測り方を学びました。大切にしてきたのは、現場の声を聞くこと。理論や数式ばかりを唱えるのは机上の空論で、リアルな効果とはかけ離れてしまいます。そこで、まちづくりに取り組もうとしている地域の方々や担当者と、理想のイメージを話し合ったり、現場に出向いて感じたことと理論を織り交ぜたプランを提案したりしながら、理論を応用した実践研究を続けてきました。当時は福岡の大学に所属していましたが、大分市内の回遊行動研究にも携わっていました。そのとき、ＮＢＵの学生たちも同じ研究に関わっていて、皆、すごく真面目に取り組んでいた姿が印象的でした。商店街の方々も学生のことを褒めていた記憶があり、その時からNBUとのご縁がつながっているのかなと思います。まちづくりの事例で、しばしば起こりがちなのが、単発イベントを開催して一時的に盛り上がって終わってしまうこと。あるいは、リスクを考えずに箱物をつくったものの集客を実現できず、テナント料を払えなくなって撤退というケースもあります。イベントや箱物に頼るのではなく、大切なのは、どれだけの人数が来て、どれだけの経済効果があるのかを想定し、しっかりと検証することです。費用対効果が悪ければ、その原因はどこにあるのか？そこまで学生たちには突き詰めて学んでほしいと思います。まちづくりについて考えることは、結果的にそのまちで暮らす人の生活や人生にもつながります。イベントや箱物に頼らないまちづくりのあり方を、今、行政も企業も、多くの人が模索していますが、チャンスはどこにでも転がっていると思います。私の座右の銘は、「凌雲の志」。これからも志を高く持って、理想のまちづくりのお手伝いができるよう、前に進みたいものです。子どもの頃の趣味は都市設計ごっこ！現場に出向き、声を聞くことで大切なものが見えてくるまちの活性化は「自分ごと」である理論だけでは終わらない実践スタイルでまちを活性化＃地域活性化＃動線＃まちづくり＃商店街＃消費者＃にぎわい経営経済学部NBUAcademicResearch023

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IMANISHIMAMORU福岡大学経済学部経済学科、福岡大学大学院経済学研究科博士課程後期経済学専攻（経済学、社会工学）単位取得満期退学。博士（経済学）。福岡大学都市空間情報行動研究所ポストドクターを経て、2015年より現職。主な研究分野は中心市街地再開発、制度設計など。Profile豊後大野市をフィールドとして、自然やジオパーク、伝統・文化、地産のものなどの地域資源や観光資源の発掘から現状・課題分析まで取り組んでいる。まちづくりに「経営」の概念をプラスし、マーケティングを用いることで観光を持続可能な事業にする試み。学生たちによるツアーの企画、子どもたちを対象とした自然体験活動の実施、SNSなどを活用したプロモーション活動など、地域の魅力を伝える取り組みを行っている。学生の視点からさまざまなアプローチを提案し、実践、検証を繰り返している。大分市中心商店街やJR大分駅周辺、J:COMホルトホール大分など2km四方の地域を対象として、毎年回遊行動調査を実施している。2007年から、福岡大学都市空間情報行動研究所と共同で行い、中心部での消費者の回遊行動、その都度の話題をトピックスとして調べる調査項目で構成される。エリア内の大型商業施設や駅などに調査地点を設け、買い物やレジャー、食事目的で来訪した来街者に、キャッシュレス決済や商店街の利用状況などを伺い、消費者行動の変化について検証・分析を行った。まちを活性化しようとするとき、皆さん経済効果を生むことを考えますが、そのためには人を「回遊」させなければなりません。そこで注目されているのが人が行動を変えるプロセス、ステージモデルとなる「行動変容」。大分市内であれば、以前は中央町や都町で遊んでいた人を、府内町にも向かわせるようなアプローチのことです。研究では仮説を立て、ロールモデルをつくり、必要なデータを収集し、検証・分析してきますが、ポイントになるのがデータの集め方。たとえば、大分県内のある観光名所について、認知度を測るデータの集計結果があるとします。大分、福岡、大阪、東京で調査をして、認知度が60％の場所があるとします。ほどほどの数字なので「ここは来客が見込めるスポット」という判断をするかもしれません。しかし、アンケート対象者が大分だけ母数が多かったとしたら？地元の認知度が高いのは当然なので、数字の結果だけを信じると、県外客は知らないので、その場所を訪れないというリスクを見逃すことになります。今後、いくらＡＩが賢くなっても、データの検証・分析が間違っていれば全く役に立ちません。だからこそ研究者は、正確にデータを読むことができるデータサイエンティストである必要があります。まちの活性化のために、抱えている課題を正確に診断し、適切なアプローチを見出す今西教授。そのために重要なことは、データを集めるだけでなく、それを正確に読み取ること。回遊するまちづくりを唱えながら、データサイエンティストを養成したいと意気込む。回遊するまちづくり地域で経営することの意識などを経営者からヒアリング。コロナ後の商店街の状況をまとめ、発表を行った。PICKUP!PROJECT02持続的なまちづくりに「経営」を取り入れる大分都心部消費者回遊行動調査の実施NBUAcademicResearch02401詳しい情報はコチラ！

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保健医療学科教授専門私は高校3年生の時に長期入院を経験しました。ある食事が回復の糸口となったことから「食」に興味をもち、進学先を日本女子大学家政学部・食物学科に。食品開発に携わることを目指していましたが、栄養学の講義で江澤郁子教授が発した「未来は今の自分が食べるもので作られる」という言葉が強烈に心に響き、自身の体験とつながったことから、それまで関心の薄かった「栄養学」の世界へ足を踏み入れました。大学や大学院では、「免荷重による骨変化のメカニズムとその予防について」というテーマで宇宙航空研究開発機構（JAXA）との共同研究を行いました。無重力状態にいた宇宙飛行士は骨の量が減っているのですが、骨の代謝自体が低下していることを基礎研究で見出し、カルシウム以外の栄養素で骨形成を回復させる必要性を明らかにしました。修士取得後、骨と栄養に関する研究を続けるために東京大学医学部の第一内科に就職。腎臓内科学の第一人者である黒川清先生の研究室に所属し、ミネラル代謝を専門とする深川雅史先生の下で、まずビタミンKの研究を行いました。ビタミンKは一般に止血を助けるビタミンとして認知されていますが、宇宙飛行士だけでなく寝たきり患者の骨の改善に有効である可能性を示すことができ、当時としては画期的な研究成果となりました。次に、腎臓病では食事タンパク質由来の物質が骨の質を劣化させることで骨折に関与することを、一連の研究で解明しました。この研究成果は広く受け入れられ、現在でも多くの論文や学会発表で引用されています。また、共同研究者と一緒に「UremicOsteoporosis（尿毒症性骨粗鬆症）」という新たな病態概念を創出し、提唱することにもつながりました。骨と腎臓の密接な関係性を明らかにする過程で、食事や栄養の重要性をさらに認識しました。私は就職で栄養学から臨床医学という未経験の分野へ転換しましたが、腎臓病患者の病態や治療など、腎臓に関する知識を基礎から学び直すという環境は大変厳しく、毎日必死に食らいつくという状態でした。しかしながら一人の研究者としての能動的な学びの姿勢が、私を大きく成長させてくれたと思っています。良きメンターにも出会い、周囲の方々の支えに大変感謝しています。この経験から学生たちにも自ら学ぶ姿勢をぜひ身に付けてほしいと願っています。また、前職の大学や県の教育委員会では骨に関する公開講座や講話を行ってきました。これからも骨折予防のための「骨育」として、これまでの研究成果を少しずつ、わかりやすいカタチで社会に還元したいと考えています。自身の実体験から栄養学と出会う一人の研究者として能動的な学びの姿勢を骨と腎臓の密接なつながり自分の体をつくることが次の世代につながる＃腎疾患合併症の病態生理＃骨質評価・分析＃代謝学慢性腎臓病に伴う、骨ミネラル異常骨粗鬆症岩﨑香子＃食と健康保健医療学部NBUAcademicResearch025

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01IWASAKIYOSHIKO日本女子大学大学院家政学研究科修了。博士（学術）。大分県立看護科学大学を経て2023年より現職。一般社団法人日本腎臓学会、一般社団法人日本骨代謝学会、日本骨形態計測学会などに所属。主な専門分野はCKD-MBD、骨粗鬆症。Profile詳しい情報はコチラ！腎臓病を患う人は、血中のカルシウム濃度を維持するため骨を壊すスピードが速くなり骨密度が減少する。一方で、骨密度は減っていないにもかかわらず骨折する患者も多く、そのメカニズムを紐解いた。通常、体内の老廃物は腎臓で作る尿として外に排出するが、腎臓が悪いと排泄がうまくいかずに体内に毒性の代謝物が溜まり、骨に悪影響を与える。そのため、軽度な腎臓病であっても、少しずつ骨の劣化が始まっていることを材料力学の視点から解明した。１度骨折すると、その後骨折する危険性が著しく高くなる。高齢者の場合、骨折して1年で死亡してしまうことも多い。骨粗鬆症学会でも、二次骨折（2度目の骨折）をいかに予防するか議論が交わされている。まずは一次骨折を防ぐために、バランスの取れた栄養や十分な睡眠に加え、時には太陽の下で歩いたりすることなど、健康な骨を形成する食生活の提案や、さまざまなライフステージでの予防を啓発する活動にも注力している。若いうちは、健康にはあまり目が向かないかもしれません。しかし、若者には、まずは自分自身の体や健康に向き合うことを大切にしてもらいたいです。我々の体の機能はDNA上の塩基配列（遺伝情報）で決まりますが、環境などの外的影響を多大に受けて変化します。日々の生活は、将来の自分はもちろん、次の世代（子ども）の健康にも影響します。今自分が実践している食生活が数十年後につながっていることを意識できると、日々の生活も変わってくるのではないでしょうか。また、農村や漁村など、地域によって食べるものも生活様式もさまざま。それぞれの風土や状態に合わせた生活改善を試みることが必要です。大分は、美味しい食べ物も多く、素材を生かした健康的な料理も作りやすいので、少しずつ普段の食生活を見直すきっかけに遭遇できると思います。私は色々な人との関わりの中で多くの学びを得てきました。学生にはさまざまな地域で人と出会い、医療的観点で暮らしに眼差しを向け、さらに次の世代につないでいく使命感を抱き、経験を数多く積んでほしいと思っています。自身の実体験と、研究成果による裏付けから、食と体の大切さを伝えている岩﨑教授。超高齢化社会や少子化が進むなか、「若い世代にこそ自分の体や食とのつながりをもっと意識してほしい」と説く、その理由とは？健康は自分でつくるものPICKUP!PROJECT02骨粗鬆症研究腎臓病になるとコラーゲンやミネラル結晶の構造に異常が発生して骨材質が劣化し、折れやすくなる。「からだ（旧字）」は骨が豊と書く。健康であるためには骨の豊かさが必要だ。慢性腎臓病における骨折寄与因子の検討NBUAcademicResearch026

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徳島で生まれ育ち、小学校のときに零戦の書籍を読み、機械や飛行機に興味を持つようになりました。今でも零戦のシルエットだけで型番や機体の特徴を説明できるほど。高校卒業後は、ものづくりの分野に進みたいと静岡大学工学部へ。機械分野を学び、自動車メーカーへの就職をぼんやりと考えていた頃、衝撃的な転機が訪れます。アルバイトの帰りにバイクで車と衝突事故を起こし、目が覚めると病院の集中治療室にいました。喉仏が割れて気管が潰れ、声帯を損傷する大事故で、呼吸のために喉に気管孔を開けることになりました。事故の瞬間の記憶は今でもありません。静岡県浜松市の病院に3カ月間入院し、その後は東京にある病院へ転院し、20回を超える手術で、わずかに残った声帯を使いながらかすれ声で発声できるまで復活しました。退院後は石川県の北陸先端科学技術大学院大学大学院、名古屋大学大学院工学研究科へ進学し、生体工学、機械工学を学びました。機械工学分野を専攻していましたが、事故をきっかけに福祉工学の道へ進むことを決意。自分に合う福祉機器を開発したいと考えたのが理由のひとつです。それから声に関する多くの研究者や患者さんたちと出会い、研究の幅を広げていきました。現在は、喉の筋肉が収縮する際の微弱電流（筋電位）を使った音声制御システムや、食道を使った「食道発声法」のサポートをする発声補助器具の研究をしています。喉の筋肉や声帯の動きといったフィジカル面の能力は、年齢や性別問わず、人それぞれ異なります。出来る限り多くのサンプルを取り、改良していかなくてはいけません。商品開発の際には、実際のユーザーの意見を反映しながらブラッシュアップしていくのですが、私の場合は、私自身もユーザーのひとり。自分の感覚や使い心地をベースに改良をしていくことができるのが強みであると前向きに考えています。現在は、発声補助システムの研究と同時進行で、視覚・聴覚障がいを持つ人に向けた「仮想第六感移動支援システム」にも取り組んでいます。携帯端末で受信したGPSやRFIDなどの情報を利用し、使用者が危険な方向へ進むと耳裏につけたデバイスに電気刺激を送り、危険方向を提示する仕組みになっています。このシステムは、障がい者だけでなく、徘徊癖のあるお年寄りの危険を回避するデバイス装置としても活用できるのではないかと考えています。2023年度から保健医療学部が誕生したことで、福祉の課題に、医療と工学、経営経済のエキスパートたちが横断的にアプローチできるようになりました。福祉工学の力で、日常生活に不便を感じる人をはじめ、全ての人がより良い生活を送る手助けをしていきたいと考えています。ものづくり分野を目指すもバイク事故で声を失う自身に合う福祉機器を追求し福祉工学分野の研究へ横断的な研究ですべての人により良い生活を自身の経験をもとに福祉工学で課題解決に挑む＃発声補助装置＃食道発声法＃発声練習システム＃顕微授精支援システム機械電気工学科教授大惠克俊福祉工学、医用工学リハビリテーション工学専門工学部NBUAcademicResearch027

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OEKATSUTOSHI北陸先端科学技術大学院大学大学院、名古屋大学大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻博士課程後期課程修了。工学博士。大阪工業大学、立命館大学、名古屋大学、第一工業大学（現・第一工科大学）などを経て2022年より現職。主な研究分野は福祉工学、医用工学、リハビリテーション工学など。Profile詳しい情報はコチラ！喉頭がんなどで喉頭を摘出した人、ALSや筋ジストロフィーなどの神経難病を持つ人の代用発声として使用する発声補助器具として、電気式人工喉頭がある。喉に押し当てるだけで振動が音声に変わるため、習得は容易であるものの、イントネーションの問題や音質の悪さ、装置を持つことで片手がふさがるといった課題がある。そこで、喉の筋肉の電流（筋電位）を使って、人工喉頭の起動や音声の高低を、ハンズフリーでコントロールできるシステムを開発している。舌と横隔膜を動かすことで食道上部の粘膜を振動させる「食道発声法」。器具を使わずに抑揚ある発声ができるものの、習得するまでに半年～8カ月かかるうえ、日常会話ができるレベルに達するのは６割程度。そこで、筋肉を動かすタイミングを指示する訓練補助デバイスを開発中だ。インジケータで筋肉を動かすタイミングを指示し、利用者が確認できる仕組み。信号処理プログラムの改良と、高速なマイコンボードが必要など課題はあるものの、「食道発声法」習得のための効率の良い訓練が可能になる。機械工学的には、声が出なくなったら健康な頃の音声を使って音声合成をすれば良いと言われることがあります。しかし、私の場合、その方法は使いません。事故後、しばらく声を出すことができなかっただけに、諦めずにトレーニングを重ねてようやく自分の声で話せたことに大きな喜びを感じます。口の中で声が響いた時の感動と心地よさは、忘れられません。私の研究分野は〝福祉〞にまつわる工学なので、人の動作を補完し、不自由さをなくすことが目的。しかし、どこまでサポートし、その人が持つ能力をどこまで信じるべきなのか、バランスの難しさも感じます。全ての動きをサポートする商品を作ることもできますが、それはユーザーにとって本当に良いことなのでしょうか。障がいの全てを取り除く機器をつくるだけでなく、ユーザー自身の持つ力を引き出し、症状を緩和、改善できるサポートアイテムを作るのも福祉工学の役目。作る側も使う側も、長い時間と強い精神力が必要ですが、機器を用いて不便さを乗り超えることが、生きる意欲につながっていくと思うのです。人間本来の力や可能性を信じてものづくりに向き合うことが福祉工学において最も重要なことだと感じています。自らも事故で声を失い、障がいとともに生きてきた。研究を進めるなかで、事故や病気で声に問題を抱える多くの人に出会い、福祉工学への向き合い方が変化してきたという。ものづくりで福祉の課題解決を目指すために、大惠教授が大きな軸として掲げているものとは。人間本来の可能性を引き出す食道発声法訓練デバイスの仕組みのイメージ図。PICKUP!PROJECT0102電気式人工喉顎用筋電位信号制御システムの研究食道発声法練習デバイスの開発発声補助装置の他にも「顕微授精支援デバイス」など、全ての人のよりよい生活のための研究に取り組む。【科研費】基盤研究（C）2023-2025、2020-2022、2017-2019、2014-2016、2011-2013（代表）若手研究（B）2008-2009、2006-2007（代表）基盤研究（C）2021-2023（分担）【JSTA-STEP】探索タイプ2011-2012、2010-2011（代表）【科研費】基盤研究（C）2023-2025、2020-2022、2017-2019（代表）NBUAcademicResearch028

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経営経営学科准教授鍋田耕作地域福祉児童家庭福祉専門熊本県で生まれ、両親とも保育所に勤めていたことから、子どもたちと触れ合う機会の多い環境で幼少期を過ごしました。そのため、幼い頃から、将来は両親と同じように子どもに関わる仕事に携わっていくものだろうと感じていました。その後、大学受験を迎えた頃に志したのは、「福祉」の道。福祉系の大学に進学し、実際に福祉を学問として深く学ぶことにより、福祉とは「専門職」であり、個人の経験や勘によって活動しているのではないことに気付き、自分の中で「福祉」の捉え方が大きく変わりました。そしてこのことが、さらに「福祉」を追究するきっかけになりました。私が大学生の頃は、ちょうど社会福祉基礎構造改革が進められている時代で、全国的に福祉の在り方が大きく変わろうとしていた転換期でもありました。その時代の流れは、福祉の担い手は「専門職」として利用者にサービスを提供し、その対価を受け取るという仕組みを、さらに意識することにつながりました。地域ごとに高齢化率や少子化、産業構造などの状況は違い、発生する課題はさまざま。つまり、求められる取り組みやサービスの量・内容も異なるのです。地域の課題は、その地域の行政、専門職や当事者だけでなく、その地域で暮らす住民たちも一緒に考えていかなければいけません。そういった社会の問題を見つめ直すことにより、問題の本質や根本的な原因を的確に見極める大切さも感じました。物事を多角的・客観的に捉える視点に気付けたことは、私を成長させてくれるきっかけとなったのです。現状、地域で発生しているすべての課題に行政だけで対応しようとすると、さらなる財源とマンパワーが必要です。人と人とのつながりが希薄化していると言われる昨今、地域の課題に対して、同じ問題意識と解決目標を持ち、共に取り組む構造の再構築が求められます。特に、地域住民が中心となり、課題解決に向けて主体的に活動する仕組みを構築する必要があります。自らの課題は自らが解決するという「自立」を意識した取り組みが必要なのです。「すべての人が心穏やかに生活できる環境」の必要性を感じ、多くの人に福祉の現状を知ってもらいたいという気持ちが、本学で大学教員への道を選択した理由の一つ。「地域づくり」とそれを可能にする人材育成が私の研究のメインテーマです。一人ひとりがその地域の生活者として、「共に考える」きっかけとなる学びの場を届けることが私の使命だと思っています。学生には、地域社会に感心を持ち、自分の五感をフルに活用しながら、学問への道につなげて欲しいと思っています。幼少期の両親の姿が福祉の道を志すきっかけ地域づくりと未来を担う人材育成社会の問題に対しては地域全体の取り組みが必要福祉の現状を伝え主体的な課題解決を促す＃ソーシャルワーク＃子育て支援＃福祉マネジメント＃地域づくり経営経済学部NBUAcademicResearch029

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01NABETAKOSAKU西九州大学健康福祉学研究科健康福祉学専攻。健康福祉学修士。専門は児童家庭福祉。2003年に着任。社会福祉士。現在は「地域づくりを担う人材の育成」をテーマに地域をフィールドとした活動を行っている。Profile詳しい情報はコチラ！こども・福祉マネジメントコースでは、大分県と連携し「女性に対する暴力防止」について、若年層へ啓発するための提案を行った。学生たちは「DV」や「性暴力」についての講演を聞いたり、各自で調べたりしながら、情報を収集。その後、グループに分かれて、課題の共有とアイデア出しを行い、解決策を検討した。各グループでブラッシュアップした提案は、最終プレゼンテーションでの評価を経て、15秒の動画として映像化され、SNSや映画館でも発信された。専門的な知識と技術を「活用」することが求められることの多い専門職においては、座学における理論やアプローチ、法律・制度などの知識や技術に関する知識を得るだけでは十分ではない。そのため、知識を「活用」する機会となる授業を展開している。また、外部機関との連携により、実社会においての課題に触れ、グループワークなどを通して、その解決方法について議論し、提案する場も設けている。このような機会や授業などを通して、社会に出てからも知識と技術を「活用」することのできる人材の育成に努めている。高齢者や障がい者、幼児など、対象が幅広い福祉の現場では、次世代の担い手が不足している上に離職率の高さが問題になっています。しかし、マネジメントなどビジネスの視点から考えると改善策が見つかるでしょう。福祉を「ボランティアの気持ちを持ち、社会のサポート役として働くこと」と考える人は少なくありません。それゆえ、がんじがらめに縛られ、現場でストレスを強く感じてしまうケースも少なくないようです。だからこそ、プロとして本当に良い仕事をするためには「より良いサービスの対価として賃金や評価を受ける」という考え方を持つことも必要です。経営経済学部で学ぶことによって、福祉の専門知識だけではなく、経営や会計の知識を身につけることができます。福祉の役割は、生活課題の解決を図り、「自立」を支えること。資格取得はゴールではなく、スタートであり、得た知識と技術を「活用」することが専門職には求められます。新型コロナウイルスは社会に大きな変化をもたらしました。今後の社会、福祉がどう変わっていくのか、私たち研究者にも想像がつきませんが、自分の足で地域に出向き、多くの人が望む福祉の実現に向けて、マネジメント力を発揮できる人材を育成したいと思っています。超高齢社会を迎える日本において、福祉分野における未来を担う人材の不足や離職率の高さが問題視されている。鍋田准教授の研究室では、学生たちに「経営経済学部で福祉を学ぶ意義」を説きながら、それらの問題の解決策を模索する。経営・経済の視点で福祉を見るPICKUP!PROJECT02外部機関との協働によるPBLの実施学内で行われた最終プレゼンテーションの様子。採用された提案内容は映像化された。グループワークを通して、それぞれの意見を出し合い、課題解決に向けた提案を検討。若年層に向けた女性に対する暴力防止に係る広報啓発案の提案NBUAcademicResearch030

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機械電気工学科准教授穂刈一樹材料力学、感性工学、バイオメカニクス専門バイオメカニクスとは、生物のからだの仕組みや動作について物理的な原則を用いて分析する学問のこと。人をはじめとする対象者の動作を分析し、その改善点を探るのが目的です。幼い頃から、プラモデルをつくって遊ぶなど、ものづくりが大好きなことがこの道に進むきっかけになったのかもしれません。また、高校時代まで打ち込んでいた野球も現在の研究につながっていると思います。初めてこの分野に触れたのは大学3年生のとき。機械工学と生物、医学が融合した未知なる領域との出合いに衝撃を受けました。研究室は、骨や血液といった人体の構造から変形性膝関節症などの疾患を解明する生体力学の分野を専門とし、私はその一つである人間工学分野へ。それらを応用し、人にとって使いやすさを追求する学問に取り組みました。現在は、物体を把持したときの「握り心地」について研究を行っています。これまで握り心地の評価はその根拠を客観的に説明することが難しく、製品の開発は設計者の勘や経験に頼っていました。そこで、把持における手指の運動や接触面圧から適切な評価を行うための研究に着手。学生たちとともに握り心地や触り心地といった人の主観的な感情を手指に生じる接触面圧や運動、振動、脳の血流などを測定し、コンピュータシミュレーションや深層学習も用いる定量的な説明を試みています。今後の夢は、学部をまたいだ横断的な研究に取り組むこと。バイオメカニクスという領域は複数の領域から成り立つ分野です。工学部、経営経済学部、保健医療学部という3学部から成るNBUであれば、異分野との連携や融合により理解を深め、専門領域を超えた新たな研究の可能性に触れることができると期待しています。2021年に本学に着任したばかりですが、研究に打ち込む上では非常に恵まれた環境だと感じています。バイオメカニクスの研究成果は、スポーツや医療、福祉など、さまざまな分野に応用されています。中でも私が今考えているのは、〝心地良さ〞という主観的で曖昧な感性に、工学的手法でアプローチし、客観的に評価したデータをいかに製品開発に反映させていくか。近年は従来の製品の価値である機能や性能、価格に加えて〝感性価値〞を付加することが求められており、身近なところでは、シェーバーやアイロンなどが挙げられます。消費者にとって使いやすい製品を開発することにより、感動や共感を得る新たな経済価値を生むことができると考えています。ものづくりと野球に熱中した少年時代真に最適な“握り心地”を求め、精密な測定や解析を繰り返す専門性の深化に留まらず知の最前線を拓きたい人の感性を数値化し真の心地良さを追求する＃握り心地＃触り心地＃五感の見える化＃デジタルデザイン＃オーダーメイド工学部NBUAcademicResearch031

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HOKARIKAZUKI新潟大学大学院自然科学研究科材料生産システム専攻博士後期課程修了。工学博士。2021年より現職。主な研究分野は材料力学、バイオメカニクス、感性工学。Profile近年、コンピュータによる3次元デジタルデザインで作成された手部モデルを活用した把持シミュレーションが確立されてきた。このシステムを活用すればさまざまな形状に対する把持動作を再現でき、面圧や応力、ひずみなどに基づいた握り心地を定量的に評価することが可能。本研究では接触面圧および手部の関節角度に着目し、圧力分布計測システムなどを用いて実験結果の統計的分析を実行。握り心地と接触面圧または手指の関節角度との関係性を明らかにし、握り心地を推定するための回帰式も新たに提案した。最適化手法を用いて握り心地が最も良くなる形状の設計手法を研究している。握り心地は感性であるため、同じ物を握ったとしても人によって感じる心地よさは異なる。昨今、製品開発において感性価値を付加した製品の開発が求められている。そのため、各消費者に適した製品を探索することは、消費者一人ひとりが心地よいと感じる製品を提供するために重要である。本研究では、握り心地を推定するための回帰式と把持シミュレーションに最適化手法を組み合わせた把持部形状の設計手法を提案した。物体を把持した際の〝握り心地〞および〝触り心地〞の二つの要素はものづくりにおいてとても重要な項目です。しかし、どちらも感覚的かつ主観的、曖昧なもの。ゆえにこれらを数値化し、客観的に評価する手法の開発が研究テーマです。大学院生の頃は消費者が商品を使用する時に感じる感覚を定量化し、商品設計に落とし込むことで、より使い心地の良い商品の開発を目指すパナソニック株式会社との共同研究に取り組みました。消費者の五感を〝見える化〞した製品開発の知見を積み上げていく過程は興味深く、この学びがバイオメカニクスに深く踏み込むきっかけにもなりました。これからの展望は、全ての人が使いやすい商品の開発です。スポーツ分野においては、野球のバットやテニスラケットのように各個人の把持力に主眼を置いたオーダーメイドの製品の提案も可能で、競技のパフォーマンスの向上やケガの予防などに貢献できるかもしれません。また、私がこれらの研究を通じて追求したいのは、モノではなく〝人の感性〞です。まずは研究者として学術的な視点からその謎に迫り、いつの日か導き出した答えで社会に貢献していきたいと思います。人間が幸せや豊さを感じるとき、その気持ちの根源となるのが“感性”である。これまでの工学の分野では感性よりも知識、主観より客観が重んじられてきたが、穂刈准教授が唱える官能評価の視覚化・定量化は社会に何を生み出すのか。学術と社会をつなぐ架け橋へ握り心地に関してある特定の人に最適だと考えられる把持部の形状をコンピュータ上で生み出すことが可能となった。PICKUP!PROJECT0201定量的な握り心地評価手法の開発最適形状の設計手法の開発詳しい情報はコチラ！実際にアイロンを使って、接触面圧や関節角度から握り心地を評価。NBUAcademicResearch032

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建築学科教授西村謙司建築史意匠専門私の出身である山口県は明治維新で活躍した方々を数多く輩出しています。そのような場所で生まれ、育ったこともあり、心のどこかで私も新しい国づくりをしたいという気持ちがあったのかもしれません。大学で建築学科を専攻した理由は「建築」を通じて帝王学が学べると考えたこと。もう一つは建築が持つ芸術的な側面に惹かれたこと。建築を学ぶことで知識だけでなく、自分自身の心が育まれていく気がしました。大分県は世界的な建築家磯崎新氏の地元ですが、私たちが学生の頃、磯崎詣というものがあり、当時まだ現存していた大分県医師会館などを見学しました。磯崎さんは西洋と東洋の両方に目配せしながら多くの知識や技術を取り入れています。彼のつくった建築物には歴史性や物語性が随所に散りばめられています。彼のようなスタンスの建築家は世界的に多くはいないと思います。私の学生時代の恩師はゴシック建築など宗教建築の研究者で、救いの場や聖なる空間はどういう構造になっているのかを解き明かそうとしておられました。例えばゴシック建築に特有のステンドグラスはそれ自体がさまざまな色合いに光り、そこに宗教画が描かれていると、神が光をもたらしているような感覚を与えます。当時の建築家はそのような効果を直観で作ったのでしょう。きっとそれは空間や構造にそのような意味があることを魅力に感じたから。その「感覚」を言葉に置き換えて解釈することも建築論と呼ばれる私たちの重要な仕事の一つなのです。私自身は平等院鳳凰堂に代表されるような浄土教建築を研究しました。この建築を遡っていくと「自らの死生の場を構築しよう」としていることに気づきます。藤原道長は五色の糸で仏と自らをつないで死んでいったとされていますが同時に永く歴史の物語に語り継がれる建造物を作りました。宗教建築は自分の生と死、その全てを受け入れてくれる空間とは何なのか？というテーマを与えてくれます。これは人が生きるうえで普遍的な問題。私自身もライフワークとして30年ほど前から「終の住処」を研究テーマの一つに取り組んでいます。建築学科で学ぶことは、建物＝箱の作り方を学ぶと思っている学生が多いですが、磯崎さんはじめ多くの優れた建築家は、歴史や思想を通じて自身が感じた世界観を作品に投影しています。建築物は、我々の日常生活を支えてくれていますし、人生にも大きな影響を与えます。ある校舎を建て替えたら子どもたちの創作活動のあり方が変わってきたそうです。だからこそ学生には、いわゆる技術的な専門知識だけでなく、もう一歩踏み込んで、建築の持つ意義や物語性を感じてほしい。そこにどういう人たちが集い、どんな生活を営むかを考えながら、箱＝施設をイメージする。その箱がどういう構造でどんな柱や壁によって作られるべきかを考えていくことが大切なのではないでしょうか。帝王学と芸術性を建築で自分の心を育む宗教建築の研究から空間の持つ意味を探る箱を作るのではなく物語を作る魅力建築の持つ「物語性」を大切に夢のある若者を育てたい＃建築計画＃建築意匠＃建築設計＃建築論工学部NBUAcademicResearch033

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大分市鶴崎地区でのバリアフリーマップ作製01NISHIMURAKENJI九州大学工学部建築学科、九州大学大学院工学研究科建築学専攻修士（工学）、京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士後期課程単位認定退学。博士（人間・環境学）。2002年より現職。主な研究分野は建築論、建築設計、風景論など。Profile詳しい情報はコチラ！大分市のバリアフリー基本構想推進協議会副委員長として全国のバリアフリー基本構想のチェック項目を再検討。同市のバリアフリー達成状況などを検証したところ、調査事体が昼間実施されることが多いため、夜間についてのチェック項目が抜けていることが分かった。そこで同市鶴崎地区を例に、新しいチェック項目として街灯の設置状況の調査を開始。街灯の数が多い道と少ない道を色分けするなど、生活拠点を結ぶような重要なルートを中心に問題個所を発見し、大分市に具体的な改善提案を行っている。2017年に閉校、その後校舎が解体される際、建築物の歴史的な価値が認められたことから、建築物としてさまざまな観点から記録保存に取り組む。校舎の調査だけでなく、以前の木造校舎の記録も収集したところ、当時の学校日誌など残存資料も数多く発見できた。発足当時の学校の機能が後の大分大学や県教育委員会、荷揚町小学校などに分化していく過程を資料をもとに考察。建築的価値の検証にとどまらず、大分の教育史、さらに学校設立に携わった人物史にまで広がる研究内容となっている。今、日本は各地で過疎化、高齢化などの社会問題が山積し、将来について閉鎖的なイメージを抱く人も少なくありません。学生のような若い世代が希望を持つことがどんどん難しくなっています。しかし、そんな時代だからこそ、私たち建築分野にいる者が「夢を持とう！」と発信し続けることが大切だと思います。建築は新しいものを生み出す分野ですし、建築を通じて理想的な世界を築こうというのが我々の使命です。その最先端にいるのが大学のような高等教育機関。大学にとって教育と地域貢献、研究の三つが大きな柱になると思います。地域の方にも大学の活動を知ってもらいたいし、30、40、50代など幅広い年代の方や、他の職業の方などが大学に集まって夢を語らいながら相互に刺激を受け、思い描くものを実現しようとしていく知の拠点になるとさらに魅力的です。そのような姿を見ることも学生には勉強になると思います。20代前半は生きる目標を掴む時期。アグレッシブな空気を学生に感じてもらいたいし、一人ひとりの学生がそれぞれの夢や課題を見つけることができれば、その後、歩む人生の中でライフワークとして叶えていくことができると信じています。人々の精神や死生観が投影された宗教建築をはじめ、その建築空間から生まれる物語を大切にする西村教授。建築を大学で学ぶ意味や学生に受け取ってほしいメッセージとは。大学は人が集い夢を持つ場PICKUP!PROJECT大分市立荷揚町小学校の02記録保存新しいチェック項目が追加され完成したバリアフリーマスタープランと基本構想。記録となる「荷揚町小学校の建築大分モダニズムのあけぼの」を監修。NBUAcademicResearch034

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建築学科教授近藤正一社会開発工学建築空間論専門出身は愛知県稲沢市。清須城がすぐ近くにある高校に通っていました。周辺は桜がきれいで、春になると一面ピンク色に染まります。それが私の原風景かもしれません。幼い頃から両親が色々な所に連れて行ってくれました。休みになると、用事がなくても新幹線に乗せてくれたり、寺や城も見て回りました。大学時代もよく東京や京都、大阪へ、講演会や展示会に足を運びました。アートや写真も大好きだったので、旅行にもコンタックスやローライの機材を背負って。貧乏旅行でしたが、振り返ると良い思い出です。当時は勉強不足で気付かなかったことも、後に思い出すことがあるので、学生は旅をした方がいいと思います。特に空間を創造する仕事をしようとする人は直接モノを見た方がいい。写真は誰かの目を通したもので、平面的で色の再現性も完璧ではない。若者には実際にその場に行って、あらゆる方向から光を見てほしい。できればたくさんのモノに触れてほしい。実体験というインプットがないと、自分がアウトプットする側になった時にアイデアが出てこない。実物には、雑誌などで見た他者の文章や写真では触れられていない細かい工夫が必ずあります。大学時代は社会開発工学科で空間表現や空間デザインを研究。建築士としての勉強に加え、社会の仕組みや社会工学も学んでいましたが、大学院博士課程の時に短大で「インテリアデザイン」という科目を教えたのが一つの転機になりました。NBUの建築学科のインテリアデザインコース創設担当教員として着任して24年目を迎えます。空間表現には絵や映像、言葉、音、触り心地など、五感を通じたさまざまな方法がありますが、「インテリア」という切り口は当時の自分には新鮮でした。以降、数え切れないほどのプロジェクトに取り組んでいます。大分空港の施設改善や古民家のリノベーションによる地域活性化など研究成果がカタチになるのは嬉しいです。体験を自分なりに咀嚼してアウトプットすることの大切さは、都市計画でも同じです。日出町で都市計画のマスタープラン策定（2019年3月策定）に参画しましたが、作業は完全に「人間目線」。地域ごとにゾーンを設定し、アンケート調査を実施しながら地域住民の方々が望んでいるものを引き出していく。地図を上から眺めて話し合うのではなく、暮らしている人の目線で考えていくわけです。また、ＮＢＵでの初期の研究で、小学生に地域の絵を描かせて、地図の上に上乗せしていくという取り組みをしましたが、実際の地図とは全く違う地図ができあがりました。子どもたちにとっては通学路の風景が全てで、付近にどんなに大きな道路があっても頭の中には浮かばない。空間認知に違いがあるんです。空間デザインや都市を人間目線で見ていくというのは本当に奥が深い。それが研究の魅力とも言えます。実体験がアイデアの源泉となる空間表現の方法はさまざま空間デザインを「人間目線」で考えるデザインの源泉は実体験にあり＃都市空間デザイン＃サイン計画＃インテリアデザイン＃リフォーム工学部NBUAcademicResearch035

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間仕切りの開発による避難所の環境改善01KONDOSHOICHI名古屋工業大学、名古屋工業大学大学院修了。修士（工学）。名古屋工業大学工学部文部科学教官助手を経て2001年より現職。一級建築士、インテリアプランナー、1級カラーコーディネーター、商業施設士。日本インテリア学会九州支部長、大分県インテリア設計士協会会長ほか多数を務める。Profile詳しい情報はコチラ！災害時における避難所の状況によって、感染症が蔓延する可能性がある。コロナ禍においては、ソーシャルディスタンス確保のため、収容人員の制限が実施された。その結果、緊急時に十分な対応ができない地域が発生した。そこで、使い勝手が良く、高い機能性をもつ間仕切りの開発に取り組んだ。全国各地でのこれまでの取り組みを踏まえ、組み立てやすさや導入・管理のしやすさ、居住性・安心感の演出など、地域で暮らす住民のご意見を伺いながら開発を進めた。リユース・リフォーム・リノベーションによる空き家の利活用推進は、景観を損ねることなく街を活性化させるとともにゴミの排出を低減し地球温暖化防止に貢献する。現在、空き家を含めた国民一人あたりの住宅面積は、アメリカよりも広いことが明らかになっている。生活弱者の居住支援だけでなく、都市部からの移住者や子育て支援、さらには被災時の見做し仮設住宅として役立てることも可能だ。そこで、外観から大まかな現状が把握できる調査票を作成し、竹田市街地について、悉皆調査を実施した。私たちが地域に提供できるものは何らかの観点。観点が異なると、同じものを見ていても、別のものに見えてくることがあります。実は地域の困りごとは、思い込みや固定概念から見たものがほとんどです。だからこそ「こういうやり方もあるよ」と言うのが私の仕事だと思っています。地域の皆さんは何のしがらみもない学生の意見を期待しているのではないでしょうか。学生が模型や絵で提示した夢のような地域の未来を感じてもらえるだけでも大いに地域を活性化できると思います。そこに暮らす一人ひとりが豊かに生きる。それを実現するために地域全体がどう支えていくかが大切です。人口が減り続けていく中で、まちづくりの方法を空間デザインの観点から提案していきたい。全国で846万件（平成30年）とされる空き家問題も、大掛かりなリフォームや補強ではなく、「インテリア的に」解決できるのではないかというのが私の興味の根っこにあります。例えば強度のある大きな竹籠を屋内に入れて、建物の内側から補強するといったことができればなと。大きなざるを部屋の中にはめて、強度を上げるイメージ。このアイデアは竹田の古民家リフォームプロジェクトを起爆剤に進めていきたいと考えています。実体験の大切さを重視し、積極的に学外と学生の接点を増やしている近藤教授。地域の抱える課題にも向き合い、学生と地域という異なる観点から、空間デザインという新たなアプローチで解決の可能性を探っている。豊かな暮らしをデザインPICKUP!PROJECT空き家カルテに関する研究02地域の住民と交流が生まれることで、災害意識の向上にも役立つ。学生たちが地域課題を身近に感じるとともに、設計の知識の習得、技術の向上などさまざまな能力の向上が期待できる。NBUAcademicResearch036

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建築学科准教授江越充建築環境、光環境、照明デザイン専門中学までは勉強ばかりしていた私でしたが、人生観が変わったのは高校生の頃。進学した都立国立高校で、多様な価値観のもと自己実現を目指し、多くの分野で奮闘する仲間の姿に刺激を受ける毎日を過ごしました。文化祭の期間中、校内は華やかな装飾で彩られ、このときの舞台づくりの経験がクリエイティブな世界へ憧れるきっかけになったのだと思います。卒業後は名古屋工業大学工学研究科に進み、社会工学を専攻。大学２年次に光が住空間にもたらす効果に興味を持ちました。私たちは、無意識のうちに照明の照度や色合いによって、安らぎや緊張感を感じます。つまり、灯りが空間の雰囲気を劇的に変え、さらに人の心にも密接に関係しているということ。コミュニケーションの際など、相手との関係性だけではなく、その場の環境条件が少なからず作用すると考えると、住空間と光の関わりに対して深く興味を持ちました。NBU着任前は、照明デザイン会社での業務を通じて、光が人の知覚や心理に与える影響に興味を持ち、光と建築のあり方について考えてきました。個人宅から商業施設、病院、葬儀場まで幅広く照明を提案。デザイナーの仕事は受け手の求めるものに応え、さらにその一歩先の提案をしなければなりません。在宅ワークがポピュラーになってきた昨今、照明を採用する際は従来用いられてきた明るさの指標だけではなく、〝人の心理的な側面〞からの評価も加える必要があります。また、限られた電力の中で必要最低限の明るさが提供される震災などの経験で、空間に、明るさだけでなく心地よさや安心感が求められるように変化してきたと感じています。2018年に竹田市の総合文化ホール「グランツたけた」の施設オープンに携わりました。そこで仕事の進め方が東京とはまるで違うことに驚きました。現場には穏やかな空気が流れ、建物にも〝人々がゆっくりできる空間〞であることが望まれているように感じました。用途に応じて求められる光を選び、空間づくりに取り組んできた経験を活かし、NBUでは、大分県内の３エリアの光環境を改善し、まちの活性化を目指す研究を行っています。学生たちに伝えたいのは、光を工学の一分野としてのみではなく、広い学問領域としてとらえて欲しいということ。小さくまとまるのではなく、その先にある人の暮らしや心地よさまで見据えて考えてもらいたいです。私自身も工学者として得た知識や技術を世の中に還元することで、これから先も社会の発展に寄与していきたいと思います。高校生活を通してものづくりの面白さを知る研究成果を社会に還元し課題解決に努めていく建築や人の心における光の役割と可能性を追求技術と感性で光を捉え豊かな暮らしを考え光の重心る＃＃快適性＃照明デザイン＃光環境工学部NBUAcademicResearch037

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EGOSHIMITSURU名古屋工業大学工学部建築・デザイン工学科、同大学大学院工学研究科社会工学専攻博士後期課程修了。工学博士。株式会社遠藤照明、株式会社ライティングMを経て2020年より現職。主な研究分野は、建築環境、光環境、照明デザインなど。Profile昭和30年代まで宿場町として栄えていた、豊後大野市の「三重町市場通り」。しかし近年は街路灯の老朽化など、夜の街の安全が脅かされていた。そこで安全・安心な光環境と夜の景観の創出を目指し、2021年から「かたるみえLuMieNight」を開催。参加者が歩行時に持つ手提げ提灯やキャンドルアートなど、地元の人々と交流を深めながらイベントを行った。ほかにも「清正公二十三夜祭(大分市)」、「きつき観月祭(杵築市)」など、光という視点から地域課題の解決に積極的に取り組む。多様化する働き方と働く場所を確保し、地域住民や移住者、多拠点移住者など、多彩な人々の交流促進を目指す関係人口交流拠点施設「cocomio」。研究室では現在、令和4年に新たに誕生した施設の求心力を高める仕掛けを考えている。学生たちと意見を出し合い、ワークスペースのほかにゲストハウス、カフェを併設する室内のレイアウトをアレンジ。既存の環境を活かしながら新たに照明の導入も行い、居心地の良さを実感してもらうなど、近年は建築環境を工学的に捉えた空間構築の依頼も増えている。建築空間や商業空間における照明器具には、利用の目的や用途に合わせて数値による緻密な設計がなされています。照度や色温度、光の拡散をはじめとする適切な指標を導き出すことは、その場所で過ごす人々の安全と快適性を守ること。そのため、〝光〞というテーマに向き合う際は技術と感性の両輪に目を向け、今後必要とされる〝豊かな暮らし〞の姿について想像する必要があります。また、AIの発達など、テクノロジーが急速に進化している今、建築にはより〝人の心に寄り添う〞ことが求められているのではないでしょうか。学生たちには机上で知識を得るだけではなく、現場に出たからこそ得られる感覚的な部分も大切にして欲しい。例えば同じ明るさの下にいたとしても、その明るさを快適と感じるかどうかは個人の感性によって大きく異なることも事実です。いかに光が人の生活に影響を与えているのか、私たち人間と光がどのような関係にあるのかなど、フィールドワークを通じて生きたデータを抽出し、その場所にしかない小さな発見を一つひとつ積み上げながら目の前の課題に落とし込むことが重要だと伝えていきたいと考えています。机上でのシミュレーションだけではなく、実際に現場に足を運び、光源を置いてみなければわからない要素が多くある。日常に潜む感覚的な気づきをいかに住空間に落とし込むか。江越准教授が学生に伝えたい言葉とは。人の心に寄り添う光の効果とはアンケート調査など、学生たちが主体となって実践的なインテリア環境改善を目指す。PICKUP!PROJECT0201三重町市場通り活性化のための光環境改善ワークショップ緒方町コワーキングスペース「cocomio」空間デザインの提案詳しい情報はコチラ！「灯夜彩」当日は、キャンドルアートや手持ち提灯が三重町の夜を彩った。【科研費】おおいた地域連携プラットフォーム実践型地域活動事業（2021年度/２０２２年度）NBUAcademicResearch038

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情報メディア学科教授小島康史映像制作、ドキュメンタリー広報プロモーション専門父は中学校の美術、母は高校の書道、兄も社会科の教師という厳格な家庭で育ちました。専修大学商学部に進学し、教員を目指すつもりで教職課程も専攻していました。しかし、「何かを極めた経験もない自分が、このまま教員になっていいのだろうか」と悩んだ末、教育実習をドタキャン。職業としての教員の大変さを知っていたことも、教員という道を簡単に選択できなかった理由の一つでした。当時は百貨店業界の全盛期で、西武百貨店に就職。業界自体の勢いがあった頃で、憧れのデパートに就職できた私は、これから始まる煌びやかな世界に胸を躍らせていました。しかし、配属されたのはビデオレンタル事業部。映画はほとんど詳しくなかったため、予想外だった業務に少し困惑したのを覚えています。日々、お客さんからの「おすすめの作品は？」の質問に答えるために、睡眠時間を削ってひたすら映画を学ぶハードな生活が続きました。そのタイミングで出会ったのが、カンヌ国際映画祭グランプリにも輝いた今村昌平監督の作品「楢山節考」でした。もともと興味があった民俗学の世界観が映像化された作品で、雷に打たれたほどの衝撃を受けました。当時、今村監督が日本で初めて「日本映画学校」を創設したばかりの頃。「今村監督の弟子になりたい」と、勤めていた百貨店を一年で退職し、映画学校を受験しました。見事一期生として入学することができました。そして、著名な映画評論家である淀川長治・佐藤忠男先生の授業が面白く、徐々に映画について深く学んでいきました。在学中、ドラマの助監督として、酒宴の席で映画監督に給仕をしていると、日活の鈴木清順監督がポツリと「小島君は面白くない人だね」と一言。滅私奉公の精神で真面目に取り組んできましたが、「自分の殻を破らなくては」と思うように。業界の裏側を覗き見たり、さまざまな経験を重ねることで殻を脱ぎ捨てていきました。卒業制作では、当時マイナーだったゲイの世界をドキュメンタリーとして映像化しました。業界でも話題にのぼり、映画プロデューサーらに高く評価していただきました。今考えれば、作品の出来栄えはそれほど高くありませんでしたが、ゲイのカップルと生活を共にして作り上げたリアルな描写が評価されたのではないかと思っています。大学時代、「教員にはならない」と決めたにもかかわらず、大学教員として学生たちに映像制作について教えています。映像業界でコツコツ積み重ねた経験があったからこそ、教員になろうと思えたのです。現在は、「心揺さぶる映像を」をテーマに、映像制作を志す学生のために指導・研究を行っています。どんな映像でも主役は人です。人を描くには、その人間の持つ精神性に触れ、感じ、学ぶところからスタートです。作品が完成した時は、映像というフィルターを通じて自分自身の成長を実感できると思います。厳格な教員一家から教員ではなく百貨店業界へ殻を破ってたどり着いたドキュメンタリー作品自分のまなざしを信じ心揺さぶる映像を映像作品の制作を通じて自身の成長を実感してほしい＃映像制作＃企業リクルート動画＃広報映像工学部NBUAcademicResearch039

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KOJIMAYASUFUMI専修大学商学部商業学科、日本映画学校（現日本映画大学）映像科卒業。商学学士。日本映画学校映像科専任講師、浜松大学ビジネスデザイン学部准教授を経て、2016年から現職。専門は映像制作、ドキュメンタリー、広報プロモーションなど。Profile詳しい情報はコチラ！2022年6月17日～19日に、学生たちが制作したドキュメンタリー６作品の上映会「大分ドキュメンタリー∞学生のまなざし」を大分市府内町にある映画館「シネマ５」で開催した。上映後は学生と小島教授、映画出演者によるトークショーも実施。学生たちは初めての一般向け上映会で映像制作者としての喜びを体感することができた。「知りたい、届けたい」という純粋な想いで制作した映像が多くの方々に評価されたことで、学生目線の作品づくりに大きな収穫と自信を得たイベントとなった。小島研究室では、外部から委託された作品制作を活発に行っている。新聞社と共同制作する動画ニュース、地元企業を活性化するリクルートビデオ、JR九州などからの依頼を受けてのCM制作、映像コンテストに応募するドキュメンタリー映画など、ジャンルも目的もさまざまだ。学生の側から見た企業の魅力を、ユニークな視点で描く。企業から依頼を受けたものだけではなくプロポーザルで勝ち取った作品もある。企業とともに作品を作り上げた経験や実績が、映像制作会社を目指す学生たちの自信につながる。映像制作の現場において、プロが取材する場合は「メディアのネタにされるのではないか」と、取材対象者から警戒心を抱かれてしまうことがあります。その点、学生によるインタビューの際は、警戒心も少なく、「わからないことは教えてあげよう」というスタンスで、親身になってくれることも多いです。だからこそ、「深く聞きすぎると怒られるかも」と気後れする必要はありません。知りたいことを教えてほしいと正直に伝える純粋な気持ちが良い作品を生み出す秘訣だと、いつも伝えています。さらに、プロの場合は、短い日数でどれだけ良い画が撮れて、いかに効率よく取材できるかということを計算しがち。そのため、あらかじめ用意していたストーリー通りの作品に仕上げてしまうこともあります。その点、学生たちは自分の好奇心で作品づくりにアプローチするので、生まれてくる作品の質感が違います。どちらが優れた映像作品かは別ですが、〝学生の視点やまなざし〞といったひとつのジャンルとして成立すると思うほど。映像制作者として大きくレベルアップしていくために、学生の最大の武器である、純粋さや〝知りたい〞という欲求を突き詰めてほしいです。映像の世界に身を置いてきた小島教授は、学生でないと撮ることができない作品があると語ります。テクニックこそプロとは比較できないものの、取材対象を見る純粋な目や好奇心こそ大切にしてほしいとアドバイスします。知りたい気持ちが武器になる「大分ドキュメンタリー∞学生のまなざし」では、上映後に制作学生、教員、映像出演者によるトークショーも実施。JR九州CM「福岡へ行こう」での船上撮影の様子。PICKUP!PROJECT0201ドキュメンタリー６作品の上映会「大分ドキュメンタリー∞学生のまなざし」の開催地元企業のリクルート動画やCM制作NBUAcademicResearch040

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情報メディア学科准教授星芝貴行情報科学音楽情報処理専門私は音楽制作を研究テーマに掲げていますが、実は幼い頃は楽器の習い事をしたことがなく、楽譜も読めず、作曲は雲の上の人がすることだと思っていました。それが小学校高学年の頃、ＢＡＳＩＣというプログラミング言語を使ってコンピュータ上で作曲できることを知り「これなら楽器を弾けなくても音楽が楽しめる！」と興味を持ちました。それから高校時代には、自分なりにプログラミングなどを駆使して、曲を再現することに夢中になりました。ただし、それはあくまで趣味の領域。将来はゲームプログラマーを目指そうと、大学では情報工学を専攻しました。ところが、ここで再び音楽との縁が。研究室で師事したのは、フラメンコギターの音響処理を手がける先生だったのです。その先生に「楽譜をコンピュータに入力するだけだと機械的な演奏になってしまう。どうしたら人が演奏するような音楽を創れますか？」と質問。「それはきっと面白い研究テーマになるよ」と先生からテクノロジーと音楽について深く関わるように勧められ、私の研究魂に火が灯ったのでした。私が面白いと感じたのは、楽譜が読めなくても、楽器が弾けなくても音楽は創れるということ。つまり音楽情報処理は、音楽という文系・芸術系の分野に情報技術という理系分野が融合したユニークで魅力的な学問なのです。今でこそコンピュータミュージックを総合的に学べる機関は増えましたが、ＮＢＵは先駆的存在でしょう。20年ほど前、まだ珍しかった音楽情報処理の教員募集が、私を大分県に、そしてＮＢＵに導いてくれたのですから。例えば「演奏を保存する」という視点で見ると人類は17世紀にオルゴールを生み出し、19世紀後半にエジソンがレコードを発明しました。近年になって誕生したＭＩＤＩは演奏情報をデータ化したもので、つまりオルゴールのデジタル版なのです。コロナ禍のなか、大学では遠隔授業が始まるなど、今後音楽情報処理の分野もますます変化するでしょう。昨今、5G（第5世代移動通信システム）とＭＩＤＩ2・0（演奏情報の新規格）が注目されています。MIDIデータのサイズは音響データのサイズよりはるかに小さいので、ネットワーク上で情報を同期させ、複数の人が異なる場所で一斉に演奏する、難易度の高いことも叶うでしょう。これまで私は、コンピュータで創った機械的な音楽を、人間の演奏に近づけるべく歩んできましたが、きっと遠からず実現できることと思います。さらに今後は、コンピュータを使って、人間の演奏を超えた素晴らしい音楽を奏でることも不可能ではないと考えています。子ども時代は苦手だった音楽との不思議な縁文系と理系が融合した学問の魅力オンライン社会の到来にさらなる夢を描くコンピュータ音楽に宿るさらなる可能性を感じて＃コンピュータ音楽＃音楽情報処理＃感性情報処理＃音楽教育＃プログラミング工学部NBUAcademicResearch041

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小学生を対象とした音楽制作（作曲）教育01HOSHISHIBATAKAYUKI神奈川工科大学工学部情報工学科卒業、北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科修了。情報科学博士。北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科助手を経て、2001年より現職。専門はコンピュータ音楽、音楽情報処理、感性情報処理など。Profile詳しい情報はコチラ！かねてから、音大（文系）の「コンピュータミュージック」と理工系大学（理系）の「音響学」の領域を融合し、コンピュータによる音楽制作を教えてきた。2020年に小学校でプログラミング教育が必修化され、今後は小学生などの低年齢層を対象としたコンピュータによる音楽コンテンツの制作教育を行っていきたいと考えている。根底にあるのは「楽譜が読めなくても、楽器が弾けなくても音楽は創れる（作曲できる）」という楽しさを実感してほしいという思い。小学生ならではの自由な発想で新しい音楽が生まれることに期待している。学生たちが制作した音楽作品は、コンピュータミュージックのコンテストへの応募やご当地アイドルへの提供を勧めている。作品を完成させることだけではなく、発表の場を設け、目標を与えたいという思いからだ。また、同じ情報メディア学科で「人の心を動かす動画コンテンツ」を制作・研究している小島康史教授の映像作品に、BGMを付ける試みも、学生たちのモチベーションを高めている。映像の内容を理解し、映像の魅力を最大限に発揮できる音楽を作曲することで、「感動する音楽」に近づけているという実感を得られるようだ。コンピュータで創る音楽は機械的だと言われます。私も大学時代はそう感じ、どうすれば感動を誘う音楽へと変換できるのかを考えていました。しかし、今や進化を遂げたコンピュータはエモーショナルな楽器の一つに。ギターと同じように、使い込むほどに、そして心を込めて演奏をするほどに人が感動するような演奏ができると信じています。結局、ギターもコンピュータも、原理は同じなのです。シンプルに言えば、空気を揺らして音を奏でるもの。その手法で心を動かすのだと考えれば、コンピュータにも可能性はあるはずなのです。実際、コンピュータに楽譜を入力するときは、音程や長さを設計し、タイミングを調整したり、強弱を付けたりと、さまざまな技術を駆使して演奏に個性を持たせることができます。同じ楽曲を違う学生が創れば、全く別の作品が完成します。ボーカロイドの登場で、ついにコンピュータが歌えるようにもなりました。最新の技術で、情感溢れる演奏はある程度叶います。しかし最終的には、そこに「人の心」が込められているかどうかが、真の感動を呼び起こすのです。心を込めて音を鳴らす。それはアナログな楽器でも、コンピュータのようなデジタル楽器でも同じなのです。大学時代、人が奏でるような演奏をコンピュータで実現させたいと、研究の道に進んだ星芝准教授。キーワードは、「感動」だった。機械で創った音楽で人を感動させるためには、いったい何が必要だったのだろう？「感動」を、創りたいPICKUP!PROJECT02熱意を高めるコンテスト参加と映像のBGM制作小学校のプログラミング教育にも使用されている「Scratch」を使用した作曲教育コンテンツ制作。コンテスト内のご当地アイドルライブに学生制作の音楽作品、3D、CGアニメ、ステージ、照明制御の成果を発表。NBUAcademicResearch042

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情報メディア学科准教授吉森聖貴画像処理工学感性情報処理専門私が小学生の頃は、まだパソコンが普及しておらず、家庭用のパソコンを買ってもらったのは高校生になってからでした。手探りで操作しながら、この技術がこれからさまざまな場面で使われていくんだろうなとワクワクしたことを思い出します。大学時代は四国で過ごしました。この時、入ったゼミで画像処理やニューラルネットワーク、機械学習系の専門を学んだことが情報メディアの世界との出会い。その後、大学院を卒業し、NBUへ赴任しました。赴任時は情報メディア学科ができてまだ２年目でした。現在は、当時と比べるとパソコンのスペックなどの環境も飛躍的に進化しているので、今の学生たちにはより深く、スピード感を持って情報メディアの世界を追求してほしいと思います。私が主としている研究は画像処理です。人間は目と脳を使って物体の形状や色の識別、照明変動への適応、動体の追跡など非常に高度な画像処理を行う機能を持っています。私の研究室では、このような高度な画像処理をコンピュータで実現すること、さらに機械学習で人間の視覚では不可能な処理も実現（視覚化）することを目指しています。一番長く携わっているのは、照明が変動しても被写体を鮮明に見せ、また被写体の画像を安定的に取り出すかという研究。同じカメラで同じものを撮影しても天気や時間帯が異なると、ピクセルの値が違い、結果的に色が違って見えます。初めに研究したのは車のナンバープレートの検出です。昼夜での明るさの変化について方程式を作成し、自動的に調節できるようにしました。また、画像のノイズ除去についての研究では、アナログ写真をデジタル化する際に用紙やスキャナーの特性上付加されてしまうノイズが見た目に影響を与えるだけでなく、保存する上でも問題となることから、より高品質でノイズカットされたものを目指しました。そこからさらに発展してデジタル画像のノイズ除去や軽減の研究にも取り組むようになりました。情報メディアの世界は幅広いのですが、基本はプログラミング。これをしっかりと身につけることが重要です。自信を持って使えるプログラミング言語を一つマスターしておけば、他のプログラミング言語にも対応できるので、特にゼミの中ではしっかりと学べるように学生たちに指導しています。現在、画像処理や機械学習は多くの分野で使われている技術。学生たちの若い感性や考え方が私のスタイルとは全く異なる課題解決のアプローチにつながることもたくさんあります。さらに高精度に効率よく活用するために新しい発想で情報メディアの可能性を一緒に追求していきたいと思います。デジタル技術の進歩を体感するより鮮明な画像処理を目指して基本を学び豊かな発想でチャレンジを写真の鮮明化から曖昧な表情を画像処理と機械学習で解析＃画像処理＃カメラ＃機械学習＃歩行分析工学部NBUAcademicResearch043

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顔画像における個性と印象に関する研究01YOSHIMORISEIKI徳島大学工学部知能情報工学科、徳島大学大学院工学研究科博士後期課程修了。工学博士。2004年より現職。主な研究テーマは画像処理工学分野、感性情報処理分野など。Profile詳しい情報はコチラ！近年、人間の顔画像について求められるものが、デジタルを駆使した鮮明さだけでなく、「印象」や「雰囲気」といった多様性を備えたアナログのものへと変化していると感じている。「顔画像における個性と印象に関する研究」では、顔のどの部分、どんな表情が他者からの印象を特徴づけるのかを解析し、データベース化。それをもとにアンケート評価と連携させ、印象に影響する部分を研究している。この研究が将来的にロボットに反映されれば、人間がより接しやすい印象や豊かな表情のロボットが誕生するだろう。人間は一つの動作をするときに体の各部位を連動させており、動きの特徴を解析するためには大量のデータを比較する必要がある。人の手によって規則性を探すとなると膨大な時間と労力がかかるが、反復処理が得意な機械学習を応用することで、画像から動きの特徴をスピーディーに抽出することができる。体の動かし方の特徴をコンピューター上で解析できれば、映像に写った個人を特定するうえで大いに役立つので、防犯性の向上につながる。また怪我からのリハビリテーションや高齢者健康ケアの指導など多分野での活用が考えられる。研究者がやるべきことは「問題を見つける」ということ。実際に機械学習をするのはコンピュータだとしても、課題をどうコンピュータに処理させるか（モデル化）は、人間が考える部分です。そのモデル化の一部を機械学習が迅速に解決するようなイメージです。問題全体を解決できるわけではないので、あくまでピンポイントの解決に機械学習を使うのです。その辺のさじ加減や、どこで使うかを事前に考え、コンピュータに研究目的や役割をきちんと与えることも必要です。また、研究フィールドが社会的に実用化されるためのアウトプットの分野を考えておくことも重要。例えばスポーツの分野において選手のフォームや身体能力のデータをより多く、長期的に収集できれば、プロチームの強化や選手の技術向上へつながる可能性は大きいと思います。画像処理技術の進歩により、監視カメラによる細かい解析など、かなり高度なことができるようになりましたし、機械学習において大量のデータを収集できる環境も整いつつあります。それゆえに、「情報」を取り扱う私たち一人ひとりがモラルやコンプライアンスなどを真摯に考える時代だということも忘れずに研究に励みたいと思います。機械学習を用いた解析精度が飛躍的に向上すると、そこに人間が絡む理由そのものが課題となってくる。人間だからこそできることと、画像処理や機械学習などを担うコンピュータとの関係性は今後どうなっていくのだろうか。画像処理の課題とはPICKUP!PROJECT02機械学習を用いて動作の特徴を抽出する顔の印象ごとにどの部分に特徴が出やすいかを解析。歩行者の歩行の様子（歩容）を元に識別に有効な特徴を視覚化。NBUAcademicResearch044

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情報メディア学科准教授松原かおり映像表現手法地域ブランディング専門兵庫県神戸市長田区に生まれ、父親の転勤で小中学校時代は転校の連続でした。これ以上転校したくないという想いが強く、普通科ではなく転校が難しい香川県立高松工芸高校デザイン美術学科に入学しました。その後、さらにデザインを学びたいと思い、浪速短期大学（現大阪芸術大学短期大学部）では陶芸を専攻。大阪府の印刷会社に就職し、グラフィックデザイナーとして企業の広告デザインを担当しました。当時はさまざまな分野でデジタル化が進み、自社のWEBサイトやシステムを立ち上げる動きも盛んでした。転職した当時、SIPSと呼ばれた業態の企業で、デザイナーとシステムエンジニアをつなぎ、企画営業としてもキャリアを積むことができました。デザイン経験のある講師を募集していた福井工業大学環境情報学部で非常勤講師として勤めるうちに、大学の仕事の魅力に気付き、大学教員を目指して同大学大学院に入学しました。20、30歳代は人との縁を機に、デザインが関わる仕事で転職してきましたが、常にベースにあったのは「デザインの力で自分に何ができるのか」。クリエイティブの可能性を探求し、スキルや挑戦を重ねてきたように思います。「映像表現手法」「地域ブランディング」「限界集落」の研究分野をベースに、映像を活用した地域や商品のプロモーションをはじめ、デザインの力で社会課題の解決を図ろうと、多角的なアプローチを研究しています。授業では特にプレゼンテーションを重視。デザインの世界に「正解」はありません。ソフトを操る技術以上に、なぜそのデザインなのか、自分の考えを明確に伝えるスキルが重要になります。システム構築や経営戦略の部署も経験しましたが、ロジックや戦略を持ち、的確な判断ができる人は、やはり大きな世界観をつくる能力に長けていました。今後、デザイン業界でもAIを活用する場面が増えていく中、求める答えを引き出すため、AIに的確な指示を出せるかが鍵。近年、「デザイン経営」「地域デザイン」といった言葉が聞かれるように、デザインワークや視点は、あらゆる場面で重要になるでしょう。デザイナーの仕事は一部AIに取って代わられる可能性はありますが、クリエイティブディレクターやプロデューサーとしての能力がある人材は生き残るはず。学生たちにはそこで必要となる感性やセンスを磨く術を教えていきたいと考えています。実際の制作現場のリアルな声を伝えることができるのが実務家教員が担える役割。授業では学生のプロデュース力を高めるため、授業内容を工夫し、業界や企業の課題解決コンテストに挑戦しています。プロデューサーやデザイナー、ライターなど各役割を分担し、PBL（課題解決型学習）の方法で進め方を考えていく。対話しながら自ら問題を見つけ、解決する能力を養っていく。学びを通じて培っていくバランス感覚も、社会に出てから必ず役立つと確信しています。”好き“が原動力となり広がるキャリアの幅NBUの学生たちに届けたい学びAI台頭の時代に求められるスキルはデザインの視点から語る力を育てたい＃デザイン＃地域ブランディング＃限界集落工学部NBUAcademicResearch045

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01MATSUBARAKAORI浪速短期大学デザイン美術学科卒業。福井工業大学大学院工学研究科社会システム学専攻デザイン学コース博士前期課程を修了。工学修士。福井工業大学環境情報学部デザイン学科非常勤講師を経て2023年から現職。主な研究分野は映像表現手法、地域ブランディングなど。Profile詳しい情報はコチラ！福井市芦見地区で炭作りを通して、山と街の人をつなげる活動に取り組む「限界集落A43（Ashimi）」の活動を紹介する作品を制作。自身の大学院在学中にデザイナーならではの視点で撮られた作品は第２回SDGｓクリエイティブアワードの学生部門で「SDGｓローカルアクション映像大賞」を受賞。その後、炭づくりから生まれた洗浄剤の商品動画を制作するなど、地域ブランディングにも貢献。今後は大分県内の里山での暮らしを取材し、福井市との比較、新たな人的交流や地域デザインの研究によって地域資源を生かした暮らしの魅力の発信も考えている。2019年に始まった「日本国際観光映像祭」。受賞作品で取り上げられた地域の活性化や観光振興を図り、商業CMや映画とは一線を画した観光映像のあり方を問う。松原准教授は運営マネージャーとして、映像祭に携わった。2024年3月には北海道で第６回目の同映画祭が開催される。その他、福井駅前短編映画祭を通して得られた知見から、「短編映画祭が担う地域ブランディング戦略の考察」としてまとめ、日本デザイン学会研究発表大会で発表した。今後は大分の地でも新たな映像祭を生み出したいと考えている。デザインに関わる仕事にはそれぞれの専門スキルを極めていくことは大切ですが、お客様が求めるテーマに、さまざまな視点や手法で多角的にアプローチできる方が、よりよい解決につながると考えています。映像制作は大学院で自身のデザイン手法の新たなジャンルとして取り組みました。作品では、福井市内の限界集落の炭焼き小屋を取り上げ、そこで〝集う人〞に焦点を当てました。山で伐採された木が炭になるという一連の過程や関連知識、技術を、より鮮明に次代に継承できる手法を考えた時、選んだのが「映像」のアーカイブでした。現地では、住民たちとワークショップ参加者たちとの、多くの交流が生まれました。そして、炭焼き小屋で出会った人物に魅力を感じ、「今ここで起こっていること」「守るべきこと」「新しく創り上げること」を撮影・記録したいと強く感じたからです。このような感動体験を多くの人に伝えたいと思い、授業では実社会のデザイン制作現場のスタイルで課題に取り組むプログラムを取り入れました。どんなアイデアと方法で実現するのか。互いに刺激し合いながら発想力やセンスを磨き、多面的多角的にアウトプットできる力を培ってほしいと願っています。研究テーマに「課題解決のためのデザイン」を掲げ、企業や地域の課題解決に、デザインが秘める無限大の力で挑む。求められている答えに適する手法はどれか、表現のカタチは無数。さまざまなビジネスの舞台でデザインを探求してきた経験から、「多角的アプローチ」の重要性を説く。多角的アプローチで課題解決へ映像で発信することによって、より鮮明なデータベースとして保存が可能だと語る松原准教授。「第5回日本国際観光映像祭」のトークセッション『高島の魅力』に登場。PICKUP!PROJECT02映画祭の運営サポート炭焼き小屋を題材にした映像制作NBUAcademicResearch046

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原田敦史流体工学熱工学専門私は千葉県の出身で、地元の高等専門学校で３年間、さらに愛知県にある大学に進学しシミュレーション技術を学びました。その後、高等専門学校の教諭を経て、2018年にNBUに着任しました。そのきっかけとなったのは、ある講演会で本学の小幡章名誉教授が長年に渡って取り組んでこられた「マイクロ・エコ風車」の研究内容をお聞きしたことでした。流体力学を専門にしていたこともあり、先生の研究がとても興味深く、メールのやり取りに始まり、ついには研究を引き継がせていただくこととなったのです。私は、データと過程を地道に追いかけながら結果を求めるタイプで、現在は退官された小幡名誉教授が残してくれた素晴らしい研究成果を、もう一度自分なりに検証しながら、実用化に向けて、成功データだけでなく、失敗データも紐解いている段階です。『トンボの翅』にヒントを得て風車の羽根の構造を最適化する。そもそも「なぜトンボなのか」という話に触れますと、微風でも回転する「マイクロ・エコ風車」に最適なのは、軽くて強度のある羽根だからです。単に翼として機能するだけではなく、折れたり曲がったりしにくい凹凸形状の『トンボの翅』がまさに合致したということなのです。これを参考に、理想の羽根を突き詰めて、研究開発を進めているところなのですが、風車の羽根は回転しながら小さな振動もしています。最近、学生たちの実験によって、ある一定の風速になると羽根が振動しやすいことが分かりました。そういった思いがけない実験結果から何か新しいことを発見することもあります。だからこそ学生たちと一緒に、地道に実験を繰り返しながら、研究を進めています。例えば、現時点で分かっている実証データや技術を元に、優れた風車を一つだけ製作することはできるかもしれません。ところが、その風力を発電に活かすなど、実用化を図るためには、民間企業などとタッグを組んで、より完成度を高めたり、製作のコストダウンに努めたりしなくてはなりません。そのプロセスを実践しているのが、製品化に向けて順調に共同研究を進めている「ヒートシンク」。これはパソコンやカメラにも組み込まれている熱を逃す部品なのですが、私たちは従来、市販されているものに比べて新しい形状で、高効率かつ低コストで大量生産できる可能性を探っています。このように、企業の高い技術と私たちの実験やロジックが融合して、世の中に新しいものを生み出せるというのは研究者として大きな醍醐味のひとつですね。「悩んで、勉強して」を繰り返してきた先人たちの功績を忘れずに、今後も真摯に研究に向き合い続けたいですし、今、そのチャレンジの真っ只中にいる学生たちの背中を後押しできる存在でありたいと思います。繰り返し検証するそれが実用化の鍵企業との共同研究に感じる研究の醍醐味コツコツ粘り真実を突き詰める悩んだり、失敗しながら成し遂げられる何かがある＃風力・水力発電＃熱交換器＃風洞実験機械電気工学科准教授＃熱流体シミュレーション工学部NBUAcademicResearch047

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HARADAATSUSHI豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士後期課程機械・構造システム工学専攻を修了。工学博士。石川工業高等専門学機械工学科の准教授を経て、2018年より現職。主な研究分野は流体工学（自然エネルギーを用いた発電）、熱工学（放熱現象の解明）など。Profile詳しい情報はコチラ！風力発電は、自然の力を借りた環境に優しい方法として注目されている。反面、大きな風車は微風では動かず、台風にも耐え得る相当な強度を必要とするため、設置場所を選ぶという欠点もある。そこで開発しているのが、大小どんな風もエネルギーに変えられる軽量で安価な「マイクロ・エコ風車」。１m以内の小型風車は簡単に持ち運びができ、どこにでも設置可能だ。ヒントを得たのは、構造が凸凹した『トンボの翅』。災害時の電力供給源や街灯などの電源に役立てることも期待されている。放熱・吸熱を目的とする「ヒートシンク」は、さまざまな電化製品や自動車などに用いられているが、通常、その製造方法は複雑。伝熱性の良いアルミニウムのブロックから作られるが、素材を工作機械で削り出す手間や突起をプレスするための高度な技術が必要だ。そこで、優れたプレス技術を持った企業とタッグを組み、常温で、板状のアルミニウムを折り畳む製造方法を開発。性能をブラッシュアップすれば、コストを抑えた画期的なヒートシンクとして注目を集めそうだ。私の研究室は学生と共に実験、検証に取り組むスタイル。私が都合で実験に参加できないことがあっても、学生たちは課題や実験を先に進めて、膨大なデータを集めて分析しています。自分たちの力で知識を増やし、工作機械も当たり前に使えるようになっていく姿に、たくましさを感じます。その一方で、私自身が現場にいることも重要だとも考えています。収集されたデータの数字だけを追いかけていると、ときに疑問が沸々と湧いてくることがあります。自分が実験の場にいれば、その場で学生の疑問が解決できますし、私なりの視点で新しい発見や気づきに出合えるチャンスにもなるのです。実験から時間が経ってしまうと、原因を究明するタイミングを逸してしまうことが往々にしてあります。やはりできるだけ自分も実験の場に立ち合い、学生と一緒にデータを読み、一緒に解析する「現場感」、「一体感」を大切にしたい。研究室の学生たちにとって、私はたったひとりの指導教員なのですから、しっかりと彼らの疑問や研究への熱い想いを受け止めたいと思っています。「悩んで、学んで」がモットーの原田准教授は、実験の現場にいるからこそ分かることがあるという。教員として、そして時には仲間として学生に寄り添い続けながら二人三脚で取り組むのが研究のスタンス。大切なのは現場感本学の超低速回流型水槽によって可視化された円柱背後に発生する渦列。企業との共同研究により開発を行った極薄フィンを持つヒートシンク。PICKUP!PROJECT02『トンボの翅』をヒントに小型風車を実用化へ安価な「ヒートシンク」を企業と共同開発01NBUAcademicResearch048

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機械電気工学科教授清水良熱力学、自動車工学制御工学専門幼少期からプラモデルで遊ぶのが好きで、小学校時代は造船技師に、高校時代は航空関係に憧れていました。一時は、航空大学へ進学したいと親と大げんかをしたこともありましたが、九州大学の工学部動力機械工学科に進学し、機械全般を学びました。当時、研究室対抗のソフトボール大会があり、群を抜いて強い研究室は、学生間でも大人気。じゃんけんの末、念願のエンジンや内燃機関を研究する研究室へ。あのとき、違う進路を選択していたら、エンジニアとしての今の私はいなかったかもしれません。在学中は、航空模型部に入部し、鳥人間コンテストや林道を高速で走行する自動車ラリーにも挑戦。車を修理するためのパーツを取り外し、車体はできる限り自分で修理するなど、ものづくりに没頭する大学時代を過ごしました。卒業後は自動車メーカーに入社したいと「マツダ株式会社」へ。第4エンジン実研課に配属され、エンジン開発のためのシステムづくりに関わりました。エンジン実験を自動化させ、エンジンのデータをサーバに取り込み、ビッグデータとして活用する業務を担当。いかに開発の効率を上げるか、システムエンジニアの基礎スキルを叩き込まれました。その後、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの開発も経験しながら、ロータリーエンジンの開発部署へ。そこで、設計・実験・エンジンの開発リーダーも務め、ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーを世に送り出しました。その後、エンジンの電子制御部長を務め、2023年1月に発表されたロータリーエンジンのハイブリットカーのプロジェクトリーダーを務めました。エンジニア時代を振り返ると、プロジェクトがスムーズに進行することはほとんどなかったです。常にトライアンドエラーの連続でしたが、自分の考えたプログラムがうまく稼働したときの喜びはひとしお。周囲を信頼し、「必ずできる」と信じ、そして、チームで難関を乗り切った時の達成感と喜びこそがエンジニアの醍醐味だと思っています。企業時代から大切にしていたことは、「目的意識」を明確にすること。研究や実験を何のためにやるか、どのような目的を設定するかによってその後の業務のフローや効率が大きく変わります。例えば、企業では会社の売り上げ目標を立てるでしょう。しかし、売上はあくまでも「結果」であって目標ではありません。このプロジェクトが将来どんな役に立つのか、どう社会に貢献するのかを考えることが目的です。想定していたプロセスが達成されれば、自ずとセールスも達成されるもの。その考えや感覚はマツダで働いていたときに学び、大学教員になってからも、自分の考えの根幹になっています。研究や実験をする将来的な目的を設定することで、注力点が自ずと見えてくる。学生たちも、「目的意識」を持って、学びや研究に取り組んでほしいと考えています。幼少期からのものづくりへの憧れ自動車メーカーでロータリーエンジンを開発目的思考を持って研究に取り組む目的意識を持ち、思い込みを捨てるエンジニアの醍醐味を味わってほしい＃ロータリーエンジン＃カーボンフリー熱料＃学生フォーミュラ＃モデルベース開発工学部NBUAcademicResearch049

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SHIMIZURYO九州大学工学部動力機械工学科卒業。九州大学大学院総合理工学研究科エネルギー変換工学専攻修了。工学修士。約36年間のマツダ株式会社勤務を経て2022年より現職。主な研究テーマは熱力学、自動車工学、制御工学。Profile詳しい情報はコチラ！学生らがチームを組んで小型フォーミュラスタイルの車を製作しその性能や設計を競う大会「学生フォーミュラ」への出場を目指している。レースの成績に加え、設計、いかにコストを抑えるか経済的な部分も採点の対象となる。専門知識を活用しながら、学部を超えたつながりが生まれ、チームマネジメントを学ぶことができる。さらに、スポンサーとなる企業や協賛団体が資金や物資の寄付など協力も見込まれるほか、企業と交流ができ、自動車業界で働きたいと思う学生にとっては、就職活動のチャンスが生まれる。自動車の原動機など動力源として活用されている内燃機関は、カーボンニュートラル実現に向けて多くの課題がある。そこで、水素をはじめとしたカーボンフリー燃料の活用が期待されているが、そのまま内燃機関に適用させようとすると燃焼速度の問題から上手くいかない。本研究では、過去培ったロータリーエンジンの経験を活かすことで燃焼速度をコントロールする知見が得られると考えている。その過程において、火炎伝播を正しく数値化するための画像解析にも取り組んでいる。エンジニアには、実験やシミュレーションの結果が予測通りではなかった場合、それが単なる数値のばらつきなのか、異常なのかの判断力が求められます。実験やリサーチにおいて、思い通りの結果が導き出せなかったとき、その理由まで追求できるのがエンジニアの資質がある人間です。失敗を繰り返しながらも、その失敗の原因を最後まで追求できるか、そして追求することを楽しめるか。成功する確率が1％であるのなら、必死にしがみつく粘り強さがないと本当の成功に至ることはありません。つまらない思い込みで失敗することも多く、一度その場を離れて落ち着いて考えてみることも重要です。そういった仕事を何度も繰り返すことで、判断力が少しずつ養われていきます。泥臭さのない賢すぎるエンジニアはのびしろがないと思っています。また、最近では、シミュレーションを駆使し仮想の車をイメージしてから作り出すモデルベース開発（MBD）という技術がありますが、この技術に頼ってばかりいるとエンジニアに求められる力はなかなか身につきません。数値の感覚や定量感、データに関する知識を身につけ、現場でのリアルな経験を積み重ねることで、立派なエンジニアとして活躍することができます。30年以上もの間、自動車業界のリアルな現場で働いてきた清水教授。皆で一つのものをつくりあげるチーム。これからエンジニアとして長い道のりを歩んでいく学生たちに向けて、エンジニアとしての資質を磨いていく話を聞いた。失敗をどこまでも追求するオンラインでのプレゼンを通して企業へ協力依頼を行う学生たち。研究室内にはロータリーエンジンとガソリンエンジンの模型も。PICKUP!PROJECT02学生フォーミュラへの出場水素等カーボンフリー燃料の速度コントロール手法と燃焼火炎の画像処理に関する研究01NBUAcademicResearch050

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機械電気工学科准教授林秀原電気工学パルスパワー電源放電プラズマ専門韓国の釜山出身。高校時代は猛勉強の毎日でした。厳しい韓国の受験戦争を勝ち抜くため、朝7時から夜11時までは学校で自習も兼ねて学習、それが終わると塾へ行き、帰宅が深夜になることもありました。時には、友達とネットカフェでゲームを楽しみながらも、理系であれば就職できる可能性が高いと考え、とにかく必死でした。エンジニアになりたいという夢を抱き、工学分野を志していました。懸命な努力が身を結び、国立大学である釜慶大学校工学部に合格することができました。大学卒業後は韓国電気研究院で研究者として勤務。ここで専門分野であるパルスパワーと出合うことになります。パルスパワーとは、簡潔に言うと「蓄積した電気エネルギーを短時間で一気に放出し、大きなエネルギーを生み出すことができる技術」のこと。この技術が持つ大きな可能性に魅せられ、研究テーマとして選びました。修士課程を修了した後は、研究者として同院に再就職、やり残していた研究課題を完成させました。海外の先端技術を学びたいと訪日。熊本にパルスパワー研究の第一人者がいると知り、熊本大学へ。博士課程まで修了した後は、同大の研究員として勤務し、後に、電力変換装置を取り扱う滋賀県のパルスパワー技術研究所、そして早稲田大学へ。この頃から、パルスパワーの瞬間的なエネルギーを用いたリサイクルやリユースの研究をスタート。「この技術で世界に求められているさまざまな環境問題の解決の一手になるはずだ」と信じ、まだ誰も知りえない答えを見つけるため、現在も研究を続けています。今改めて、振り返ってみると、パルスパワーと出合ったときの大きな可能性を実感しています。これまで、研究職と教育職の２つのキャリアを繰り返してきました。多くの研究に取り組むなかで、「応用研究のためにも、あらためて基礎的な知識を深めたい」と次第に思うように。研究で忙しくなると、基礎知識をインプットする時間がほとんど取れません。自分がしっかりと理解し、人に教えることでさらに理解を深めることができます。つまり、教育によって学生に知識や技術を提供するだけでなく、自分の学び直しやリスキリングも可能になり、自分自身の成長にもつながると実感する日々。私の研究室では「どこでつまずいているのか、なぜ分からないのか」を学生と共有し、紐解いていけるように意識しています。また、研究の話だけではなく、たわいもない話や就職活動、学校生活の悩みなども気軽に相談できる環境づくりに注力しています。教育を通して、何か新しく発見することで、さらに、それを自分の研究にも活かし、専門分野の第一人者と呼ばれるよう、自分の思い描いていた理想に向けて取り組んでいます。エンジニアを目指して猛勉強の高校時代人に教えるというプロセスが結果的に自分のリスキリング人生の起点となったパルスパワーとの出合い研究者としてだけでなく教育者として新たな学びを得る＃放電プラズマ＃パルスパワー＃高電圧＃大電流工学部NBUAcademicResearch051

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LIMSOOWON熊本大学自然科学研究科複合新領域創成科学専攻、工学博士。早稲田大学理工学技術総合研究所研究院講師、熊本大学パルスパワー科学研究所JSPS外国人特別研究員、韓国電気研究院電気推進研究本部研究員を経て2021年より現職。主な研究は電気工学、パルスパワー電源、放電プラズマなど。Profile接合方法において接着剤とスポット溶接の両方を用いるウェルドボンディング（一部の航空機や自動車産業でも導入されている技術）をパルスパワーで分離する研究。設計の段階でパルスパワーに適した構造にしておけば、環境リスクの高い化学処理をすることが不要になり、リサイクル・リユース両面からアプローチできるため「環境にやさしい製品」として、自動車業界などに実用化の提案を行っている。半導体基盤パルス電源を用いてプラズマを発生させ、窒素ガスを一瞬で排出できる装置を開発。その特長を活かした具体的な利用法についてさまざまな面から検討を重ねている。まだ、アイデア段階ではあるが、生ゴミを回収して、一瞬で乾燥させて殺菌処理できる生ゴミ処理装置のような商品の開発も可能だ。時間をかけずにゴミの処理をすることができるうえ、火力を使う必要がなくなるのでCO²の排出を抑えて環境問題解決への寄与が見込まれる。研究に取り組むにあたって、理論と実践のバランスが大切です。まずは理論をきちんと構築してから実践に移すことを意識してほしい。理解できない場合は質問すれば解決できるのに、答えを追求し続ける学生が少ないと感じます。研究は一人ではできません。コミュニケーションやチームワークが大切。仲間に相談し、ディスカッションすることで見えてくる答えもあります。ただし、理論ばかりを重要視しすぎて、実践にトライしないことも良くありません。研究や大きなプロジェクトに臨む際、すべてがうまくことはなく、失敗することの方が多いです。仮に、失敗しても、「なぜAではなくBという結果になったのか」を考察することで失敗ではなくなります。実験で導き出した答えをもとに突き詰めていくことが新たな研究につながります。それが論文となり世の中に貢献できるのです。つまり、無駄な研究やチャレンジはないということ。失敗したくないから挑戦しないのではなく、失敗を糧にして次の研究にチャレンジする。それこそが研究者に必要とされる資質だと考えます。これは全ての分野でも言えるのではないでしょうか。トライすることこそが大切。特に研究の分野に携わる人はなお一層意識してほしいです。韓国と日本の大学と企業で、長年にわたってパルスパワーの研究に携わってきた林准教授。数々の経験から、これからを担う学生や研究者たちには「失敗することを恐れずに、トライすることを大切にしてほしい」と話す。決して無駄な挑戦はない革新的な電気パルス分離技術により、従来不可能だった部品・部材のリユース、省エネなどが可能になる。半導体スイッチの動作確認。精密な制御と絶縁システムの統合により、電源装置の信頼性と安定性が向上。PICKUP!PROJECT0201スポット溶接、ウェルドボンディング分離に関する研究プラズマ・電界応用研究用半導体基盤パルス電源詳しい情報はコチラ！イムスウォン【熊本大学産業ナノマテリアル研究所共同利用・共同研究】2023NBUAcademicResearch052

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機械電気工学科准教授若林大輔電磁気学、磁気計測磁性材料評価専門大好きだったゲーム機を製造する大手電機メーカーで働きたいという漠然とした夢はありましたが、高校・大学時代に、一番夢中になったものは吹奏楽でした。知人から「何学部なの？」と訊かれたら「吹奏楽部」と答えるほど。部活動を通じて、たくさんの仲間たちと同じ目標に向かって努力したこと、人間関係の大切さ、人前に立つ経験など、多くのことが自分の糧となりました。具体的に電気の分野を目指したのは、大学4年生のときです。研究室を決める時に夜遅くまで明かりがついている研究室があり、きっとすごい研究をしているに違いないと飛び込みました。先生の「研究室に宝がある」という考えのもと、磁気工学をテーマに約30名で研究しました。測定やシミュレーションをしていると、数時間はかかります。自分なりに考察したり、仲間と相談したり、時にはみんなで冗談を言いながらリフレッシュしたり。「研究室で過ごす時間から何かが生まれる」と、皆で夢を語ったものです。その雰囲気は私の今の研究室にも受け継がれている気がします。大学院に進み、1年も経たないうちに海外で開催される国際学会で発表する機会がありました。まだ日本語でも発表したことがないのに、いきなり英語でスピーチするという、とんでもない経験でしたが、視野を広げることができ、さらに自分たちの研究の世界での位置づけを考えるきっかけにもなりました。学生にも研究室の外の世界を見て、たくさんの刺激を受け、貴重な経験を重ねるためにできるだけ学会へ参加するように促しています。また、学会に限らず、人に自分の考えを伝えるためにはさまざまな準備が必要です。さまざまな体験を通じて、会話力やコミュニケーション能力を高めることで「人間力」を磨いてほしいですね。研究室ではJAXA（国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構）や民間企業などと共同で研究に取り組むことがあります。学外との接点が増えていく中で、たくさんの経験を重ねることが、将来必ず役立つはずです。私の研究室では、次世代の高性能な電気機器への活用を目的に「低損失」や「高効率」を目指したモータや変圧器などの機器を研究・開発しています。世界的に省エネルギーへの意識が高まる中で、電気機器には一層の省エネ化が求められています。さらに、ドローンや電気自動車といった新しい製品の市場が拡大し、より身近なものになっていくことを考えると、低騒音・低振動化も重要な要素になります。これらを実現するためには、モータや変圧器の鉄心に使う材料（主に電磁鋼板）の特性を活かしていかなくてはいけない。未来を開く次世代の機器のため、日夜研究を続けています。研究室は「新しい何かが生まれる場所」研究者としての「人間力」を磨く未来を拓く高性能な機器を届けたい自ら手掛けた材料で電気機器の未来を拓く＃省エネ＃電磁鋼板＃ベクトル磁気特性＃磁気特性解析＃磁気特性解析＃モータ工学部NBUAcademicResearch053

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WAKABAYASHIDAISUKE大分大学大学院工学研究科物質生産工学専攻博士後期課程修了。博士（工学）。大分大学工学部研究補助員などを経て、2015年より現職。主な研究テーマは電気電子工学、電気機器など。Profile詳しい情報はコチラ！大学・民間企業・公的機関等と連携し、当研究室の強みである磁性材料の磁気特性評価技術を用いて2015年に「極薄電磁鋼板」、2019年に「宇宙用小型モータ」の開発に取り組んだ。また、JAXAとの共同研究では宇宙用途を主眼としたモータの研究だったが、地上応用に展開するため、極薄電磁鋼板の特徴を活かしながら、モビリティ向けに「高速回転アキシャルギャップ誘導モータ」を開発。モータ試験機の導入を進め、磁性材料評価からモータ評価まで一貫した評価技術を構築している。鉄に磁石を近づけ、鉄が磁石のようにふるまう「磁化」。強磁性体が磁化するのは、それ自体が「磁区」と呼ばれる小さな磁石の集合体であるためだ。磁性材料の磁気特性はこの磁区の挙動が深く関わり、優れた磁性材料の開発には磁区観察が欠かせない。ただ、磁区観察は大変難しく、これまで多くの時間を費やしたが、思い通りの結果が得られないことが多かった。この失敗を原動力に本学で独自の磁区観察システムを構築。３名の学生とともに鮮明な磁区の変化を観察できるようになった。「誰もやっていないことをする」というのは、簡単なことではありません。それを実現するために小さな一歩を怠らない。これが大事になってくると思います。私の研究室ではモータや変圧器など電気機器の高性能化を目指して、磁性材料の特性評価や解析を行っていますが、「モータはもう古い技術」という声も聞きます。しかし、今後普及が期待される電気自動車や小型のモビリティ、ドローンなどにもモータは必要です。大学の近くで暮らしているおじいちゃん、おばあちゃんの介護用パワーアシストスーツにもモータが使われる時代が来るかもしれない。未来を語るにふさわしい存在価値がたくさんあるのです。私は、「材料特性の測定・評価」、「電磁応用機器の特性解析・評価」、「実機特性の測定・評価」を三つの柱に研究を進めています。これらをしっかりと行うことで「高性能」と評価される次世代の機器を数多く社会へ届けることにつながるのです。だからこそ材料や技術の可能性を広げるために、学生には研究室に一時間でも二時間でもいて、何かに取り組もうと呼びかけています。今ある技術から二歩も三歩も進んだ新しいものではなく、ほんの一歩だけ前に進んだモノが未来を拓いていくのです。若林研究室が取り組む高効率なモータの開発は、日本のものづくりを支える力を秘めている。「研究室にこそ宝がある」という恩師の研究姿勢を受け継ぎ、学生たちと共に研究室で過ごす日々。未来を担う彼らに伝えたいメッセージとは。誰よりも早い一歩を現在は試作段階だが、モータ製作の一部を学生とともに担い、開発を行っている。本研究の成果は、電気学会優秀論文発表賞を受賞するなど、高く評価されている。PICKUP!PROJECT0201高速回転アキシャルギャップ誘導モータの開発磁気光学効果を用いた動的磁区観察システムの構築NBUAcademicResearch054

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保健医療学科教授甲斐倫明放射線防護リスク解析専門小学校まで大分県で過ごし、中学校時代は北九州市の門司、その後、ラサール高校を経て東京大学工学部へ進学しました。炭鉱事故などの〝安全〞に関心をもち、後年「原子力に関する安全」に関する新聞の社説を読んだのをきっかけに、〝安全〞とは何か？に関して、より深く興味を持つことになりました。1970年代当時、日本は高度経済成長期であり、まだ原子力が定着していない時代でした。学生運動も下火となり、悠々自適な大学生活を送っていたある時、医学部の吉澤康雄教授の「放射線防護（放射線健康管理学）」の講義に感銘を受け、大学院で研究室に入室。これが放射線分野の研究に携わる第一歩となりました。大学院修了後は、日本原子力研究所の環境安全研究部に５年所属していましたが、ちょうどアメリカの「スリーマイル島原子力発電所」が事故を起こした頃で、日本でも事故対策研究プロジェクトがスタート。私も緊急時における研究に参加しました。その後、東京大学医学部吉澤研究室から誘いを受け、放射線が健康に及ぼす問題の研究を行うことに。放射線を浴びた際の線量を計測し、リスク評価によって、放射線が人体にどう働き、どのようなリスクがあるのか数理的アプローチによって明らかにするという試みでした。私が故郷の大分に戻るきっかけとなったのは、大学時代の同僚と取り組んだ「大分県立看護科学大学」の設立でした。看護系の大学で学ぶ機会の少ない、放射線を学部教育に導入し、大学院の研究も進めてきました。その後、国際放射線防護委員会（ICRP）の委員となり、放射線研究で日本のみならず世界中を飛び回る中、2011年の福島第一原子力発電所事故が発生。事故の教訓を受けて大規模原子力事故における人と環境の放射線防護に関するICRPのレポートを座長としてまとめ、社会に貢献することができたことは研究が生んだ達成感の一つです。また、2023年はこれまでの功績から「日本保健物理学会功労賞」、「放射線影響研究功績賞」を受賞しました。学生たちには、放射線の歴史と安全性、過去の事故において何が問題だったのか、そして現在抱えている課題などを追求し、理解を深めてもらいたいと思っています。実は、「放射線と安全」というテーマは、疫学統計から生物機構、さらには社会的にリスク認知に至るさまざまな面を考える必要がある課題です。「研究」とは、モノやサービスをつくって何かの課題を解決するための原点。放射線分野も放射線を使った商品やサービスをつくる方に光が当たりますが、安全面を最大限に考慮し、リスクを考えることは必要不可欠です。ベネフィットだけを追求するのではなく、安全管理までしっかりと考えることができる人材が育ち、巣立って欲しいと考えています。大学の講義に感銘を受け放射線分野に携わる原子力発電所の事故対策と放射線のリスク評価放射線の安全に関わる人材育成を「安全」に関わる問題をリスク科学の視点で研究＃放射線健康影響＃放射線リスク解析＃発がん数理モデル保健医療学部NBUAcademicResearch055

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KAIMICHIAKI東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。工学博士。日本原子力研究所（現日本原子力研究開発機構）、大分県立看護科学大学などを経て、2021年より現職。現在、国際放射線防護委員会委員(ICRP)（日本代表）、放射線審議会会長、主な研究分野は、放射線防護・リスク解析など。Profile詳しい情報はコチラ！放射線影響をリスクの切り口から捉え、放射線防護の基本となるリスク評価に関連する研究に従事。米国での放射線リスク論争を契機に、リスクのベースラインとの関係を分析するために発がん数理モデルを構築し、初めて原爆被爆者データを統計モデルに代わるモデル解析からリスク評価を行った。マウスの急性骨髄性白血病(AML)ではモデルの推論から実験的に細胞動態に及ぼす放射線作用ががん化に影響することを仮説として、放射線誘発AMLの線量率効果を実験的に明らかにすると共にモデル構築を行ってきた。我が国のCT検査が世界的に突出しているとする英国の論文を契機に、全国調査を実施。モデル推定によって、人口1,000人当たりのCT実施件数は日本の方が米国より少ないことを明らかにした。CT検査の線量評価と放射線防護を臨床現場に広く確立するために、「WAZA-ARI」というWebの計算システムを開発、CT検査の最適化に貢献。小児CTの影響を調べる研究では、検査が多くなる理由を明らかにすることで検査の正当性や逆因果関係の議論を行い、今後の小児CTのリスクを論じる上で重要な知見を示した。東日本大震災の発生直後は、コメンテイターとして専門的観点からニュース番組や科学教育番組に出演したり、一般の方に向けた講演、セミナーで発信してきました。私は、「放射線は、リスクの有無ではなく、どの程度のリスクがあるかを重視することでより高い安全・健康を目指せる」と考えています。放射線リスクを分析・予測、そしてその情報を多くの人に届けることで、人々が最適な選択ができるようにすることが、私の役割だと考えています。今は人々の権利や倫理が非常に重視される時代。個々人が自分で判断する、判断に関わることが重要です。そのためにも私たちが発信する情報の精度を高めていかなくてはいけません。放射線の問題にしても、福島第一原発の事故が起こった当時、多くの人たちがレントゲンやCT検査を受けなくなった時期がありました。その際、私たちは「放射線にはリスクがあるが、検査をするリスクと検査をしないリスクを考えたら、検査をしないリスクの方が大きい」と再三伝えてきました。正しい情報をきちんと発信し続けることが必要。医師や医療関係者はもちろんですが、人々がリスクを受け止め、どのように向き合えるかの方法を考えることが求められています。放射線とその安全性の問題を、研究室だけではなく、メディア等も通じて多くの人に発信してきた甲斐教授。私たちが放射線のリスクとどう向き合うべきかを明らかにするため、日々研究を続けている。リスク管理は時代の要請マウスAML（急性骨髄性白血病）の放射線発がんモデル。CT撮影による被ばく線量を評価するWEBシステム「WAZA-ARI」。PICKUP!PROJECT02発がん数理モデル研究小児CT検査に伴う被ばくとその健康リスクに関する研究01【放射線の健康影響に関する研究調査事業】2015-2017、2012-2014【科研費】基盤研究（C）2011-2013、2008-2010（代表）NBUAcademicResearch056

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保健医療学科教授野口敦司核医学専門出身は兵庫県尼崎市。10代までは体が弱く、特に小・中学校時代は喘息による入退院を繰り返していました。そのため子どもの頃から常に病院が身近な存在。自然と医療の道を志すようになっていました。高校2年生の時に、意を決して当時の主治医に進路について相談。伊丹市立病院の臨床検査室と放射線室を見学させてもらい、診療放射線技師への道へ進むことを決意。その後は専門学校で診療放射線について学びながら、病院でのアルバイトも経験しました。事務作業からレントゲン撮影の補助まで、リアルな医療現場を学ぶことができました。学校とアルバイトで多忙な毎日を送っていましたが、その経験が今の私の礎となっています。初めての職場は「大阪府立成人病センター(現大阪国際がんセンター)」でした。通常、新人診療放射線技師は、レントゲンやCT検査の業務からスタートしますが、私は現場でのアルバイト経験があったことから、入職後すぐに核医学診療科に配属されました。しばらくは、放射線技師として核医学を用いた検査・撮影方法、臓器やがんに集まるアイソトープと呼ばれる放射性医薬品の研究を行っていました。アイソトープは、患者さんに投与することで、臓器やがん細胞に集積し、そこから放射線が放出されます。体の外部から放射線をあてる外部照射とは異なり、体の内側からがん細胞に集中的に放射線を照射することで、正常な細胞を殺すことなくがん細胞を集中的に攻撃が可能。がんを直接治療することができるので、ミサイル療法とも呼ばれています。現場で働きながら診療科のメンバーと共同研究に取り組み、核医学学会で発表を行いました。その姿を見ていた先輩から大学院進学を勧められ、大阪教育大学大学院へ。その後、金沢大学大学院で博士課程まで修了しました。2つの大学院で学びを終えたタイミングで、核医学分野を教える診療放射線技師資格を持つ教員を探していた大学で教育者への道を歩むことに。7年間の教鞭生活を経て、地元の伊丹市で複数の病院や介護施設を展開する医療法人で臨床現場に復帰。当時は、医療現場が変革を迎えた時代。医師や看護師、臨床検査技師などとコミュニケーションを取りながら、患者さんを治療、サポートするチーム医療の現場を体感しました。介護施設を運営し、地域医療に注力する機関だったので、福祉分野との連携など、地域包括ケアの重要性も学びました。臨床と教育という2つの現場で得た経験をもとに、未来の医療を担う若い力の育成に努めます。さらに、医療で地域課題をどう解決するのかを模索していきたいと考えています。病弱だった子ども時代診療放射線技師の道を志す高度な放射線治療技術で一人ひとり最適ながん治療を医療現場と学問の架け橋を目指して核医学の発展を通じ人々の生活をより豊かに＃がん治療＃生命工学＃アイソトープ保健医療学部NBUAcademicResearch057

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01NOGUCHIATSUSHI放送大学教養学部卒業。大阪教育大学大学院教育学研究科健康科学専攻修了。金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻修了。保健学博士。大阪府立成人病センターや医療法人社団法人星晶会などでの勤務を経て2023年より現職。主な研究分野は核医学。Profile詳しい情報はコチラ！肝細胞のみに存在するアシアロ糖蛋白受容体に特異的に結合する肝機能診断用・放射性医薬品「99mTc-GSA」の薬事承認にあたり、「大阪府立成人病センター（現大阪国際がんセンター）」にて本薬を用いて治験と検証を行った。外科医や核医学を専門とするドクターや診療放射線技師がチームを組み、術前に手術後の機能を予測する検査法を開発。さらに1995年には初めて肝細胞が増殖することを画像で提示した。患者の術前から術後の経過を撮影し、肝切除術患者の治療に貢献した。センチネルリンパ節とは、原発巣のがんが最初に転移するリンパ節のこと。この箇所への転移を検査することにより下流のリンパ節への転移が予測できる。乳がん患者において、センチネンルリンパ節の生検検査を行う際、事前にその位置や個数を把握しておくことが重要で、画像情報として明瞭に描出する必要があり、放射性医薬品「99mTc-Snコロイド」を用いて研究に取り組み、「大阪府立成人病センター（現大阪国際がんセンター）」にて日本で初めて核医学の手法で画像化に成功した。がん研究はこの四半世紀の間に著しく進歩してきました。その背景には長年の研究成果が目に見える形でがんの診断や治療、予防に応用される時代になってきたことに加え、医療分野へのAIやビッグデータがあります。今後は個々に対して最適と思われる治療方針についても、医師の手助けとしてAIが患者に提案を行うことになるでしょう。蓄積された膨大なデータをAIが記憶することで、複数の分野との関連性を紐付け、より多くの情報を提供することが可能になっていきます。さまざまな種類の医療情報を統合し、解析を行うことができれば予測精度を格段に向上でき、これまで以上に効果的に診療を推進できるようになります。現在は、AI、ビッグデータを活用しているのは規模の大きな医療機関に限られますが、将来的には単一の病院で終わるものではなく、施設の大小や地域、医師の専門領域などの垣根を越え、ビッグデータが共有されていくことが理想です。今や二人に一人ががんと診断される時代。医療におけるデジタルイノベーションは、病院革命にもつながっていきます。過去の症例に学び、感謝することこそが医療の未来を切り拓くと考えています。近年、医療分野においても最新テクノロジーが導入され、がん治療にもAIやビッグデータによる最適な治療法選択や診断の実用化が着実に近づいている。生命科学と情報工学の融合がもたらす未来とは。過去の蓄積が医療の未来を拓く核医学の手法で肝細胞の増殖を証明できたのは、1995年当時の日本では偉業とも言える研究結果だった。腫瘍周辺に放射性医薬品を注入後、少量がセンチネルリンパ節まで到達。到達した時点で撮影を行う。PICKUP!PROJECT02核医学における肝機能検査の開発センチネルリンパ節の撮影NBUAcademicResearch058

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保健医療学科教授長濵純二専門医療系に興味があったので、北里大学の衛生学部衛生技術科（現医療衛生学部）へ進学。「国家資格を取得しておいた方が良い」という父のアドバイスも背中を押しました。当時、社会問題になっていた公害に関する環境衛生学や公衆衛生学、臨床検査医学に必要な知識や基礎的な実験・検査法を学び、臨床検査技師の国家資格を取得しました。大学卒業後は、大分大学医学部附属病院へ就職。一口に臨床検査技師の仕事と言っても多様で、感染症の原因となる微生物を見つける細菌検査、血液や尿などの体液の成分を分析する生化学検査などで経験を積みました。その後、病理部で、患者の体から採取した組織や細胞を調べる役割を担いました。医師は、臨床検査技師が実施した検査結果をベースに、診断や治療方針を決定します。病理検査は医師から信頼を得られる仕事でやりがいを感じていたものの、もっと深く追求したいという気持ちが湧き上がってきました。私が特に興味を抱いたのが、専門性の高いがん細胞の発見を担う「細胞検査士」です。細胞検査士は、がんが疑われる患者から採取した細胞の形状を分析し医師に伝える仕事。組織採取の必要がなく、患者の負担が軽減されるため、近年注目されていますが、当時はその分野に精通した医師は多くありませんでした。ある臨床の現場で、印象的だった出来事があります。複数の病院で「経過観察で問題なし」と診断された患者に対し、「悪性が疑われるので組織採取による精査が必要」と私は判断しました。主治医に伝えて実際に組織検査をすると悪性だと判明。早期の治療につながり、患者さんに深く感謝されました。その判断は、私自身の知識と経験に裏打ちされたものでした。普段から、より多くの正常な細胞を観察し続けるからこそ、異常な細胞を識別し判断する力が研ぎ澄まされていくのです。臨床検査技師は、資格を取って終わりではありません。現場では、先輩のスキルを盗み、自分で試し学び続ける姿勢が重要。だからこそ、学生には在学中からどんどん失敗してほしい。医療分野に限らず、現代はインターネットで検索すれば簡単に答えが見つかります。ただ、本当の答えに辿り着くには、表面には見えない仕組みやプロセスがあると感じてもらいたいです。また、現場ではマネジメントスキルなども求められるようになり、私自身、４年間の大学生活では、医学部や薬学部など他学部の学生とも積極的に交流を持つことで、さまざまな価値観に触れ、人間的な幅を広げることができました。人間を深く理解しようと努力すること、多面的に物事を観察することや考え抜くことの重要性にも気づくことができ、感謝しています。学生には、資格取得のためだけに時間を過ごすのではなく、こうした〝寄り道〞や〝道草〞のような機会や時間も大切にしてほしいと考えています。国家資格を取得し細胞検査士の道へ学びを継続しながら「寄り道」もできる人材を経験に裏打ちされた細胞を見る“目”多くの細胞を見た技師の目が的確な診断と治療を支える＃細胞形態＃がんの顔＃細胞検査士病理検査学細胞診断学保健医療学部NBUAcademicResearch059

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細胞形態学01NAGAHAMAJUNJI北里大学衛生学部衛生技術科卒業、大分大学大学院医学系研究科病態制御医学専攻博士課程修了。医学博士、保健衛生学士。大分医科大学附属病院検査部、大分大学医学部附属病院病理診断科・病理部などを経て2023年より現職。主な研究テーマは病理検査学、細胞診断学など。Profile詳しい情報はコチラ！技師は、細胞を見るときは、今までの経験によって培われた、自分の頭の中にあるあらゆるパターンの正常な細胞を想像し、顕微鏡を覗く。がん細胞には、さまざまな「顔」がある。通常、核は丸いが、核縁が波打っていたり、核の中に皺が入り込んでいたり、刺々しい形状などさまざまだ。また、細胞質は、細胞質基質などの違いにより、色素で色を付けた際には、細胞質の色合いが通常と違うなどの特徴がある。細胞検査士には、正常細胞からがん細胞まで、さまざまな形態の異常を見極め、的確に判断する力が求められる。がん細胞を検査する際は、細胞の状態によって、生存率などが変わるため、形態の特徴によって分類する必要がある。細胞の形態は、遺伝子の変異などによって変化する。正常では、ある遺伝子が変異を起こすと、自然死する「アポトーシス」が起こる。ところが、がん細胞では、どんどん増殖するという現象が起きる。こうした遺伝子の情報に応じて、細胞が形態学的にどう変化をするのか研究に取り組み、細胞の予後の指標の設定を目指している。これからの臨床検査において、健診センターにいる技師のように、疾病を見つけることができる幅広い視野を持つジェネラリストと、大学病院のように細分化された専門性の高さを強みに検査をするスペシャリストの2つの能力をハイブリッドにかけ合わせられる人材が必要だと感じています。また、テクノロジーの発展で、医療を取り巻く機器や検査手法も高度化が進んでいます。生理学的検査など対患者さんの検査は、AIのみで行うことはまだまだ難しいものの、検体検査におけるデータの紐付け・統計処理などは、積極的にAIの活用が進んでいくと思われます。しかし、前提となるチェック項目の選定や、フィルターなど統計処理のプログラミングには、人間の力が必要になります。検査結果の分析なども、最後は必ず人間の目でチェックし分析、判断しなくてはいけません。つまり、臨床検査技師の仕事はより高度化し、多岐にわたるようになり、より人の力が必要な領域に注力・深化していくようになると考えています。それゆえに、高度化するデータを読み解く力や、分析・推察する力を磨いていかなくてはいけないのです。テクノロジーの発展とともに、臨床検査技師に求められるものが変わってきた。長年、医療現場で臨床検査技師、細胞検査士として歩んできた長濵教授が考える、これからの時代に必要とされる人材とは。観察し分析する”目”を磨くPICKUP!PROJECT特異性がんの遺伝子研究02細胞検査士が医師に教示する姿を見て「これだ！」と思い、細胞検査士資格取得を目指し猛勉強したという。子宮頸部の正常腺細胞（左）と腺癌細胞（右）。細胞検査士は、特に子宮がんとの関連が深い。NBUAcademicResearch060

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保健医療学科教授松井智浩神経免疫学蘇生学専門海と山に囲まれた大分県佐伯市の出身。生まれ育った灘地区の小学校は全校生徒が60人ほどの小さな学校でしたが、その分、子どもたちのコミュニティの結束力は高く、健やかさを育みました。佐伯鶴城高校時代は英語が得意で、放課後に友達とそれぞれの得意分野を教え合い、皆で受験を乗り越えました。当時、大分県には民放テレビ局は二つしかなく、好きな芸能人の出演番組が観られる都会への強い憧れと、「医療業界はかっこいい」という想いから、東京医科歯科大学医学部保健衛生学科に進学。そこで出会った同期たちの圧倒的な知識量にカルチャーショックを受けながらも、互いに切磋琢磨し、臨床検査技師の資格を取得しました。卒業後は、静岡県立大学大学院に進学。「骨芽細胞機能の増強」をテーマに取り組み、そこで出会った恩師の高い志に触れ、研究に向き合う姿勢を学んだことが人生の軸になっています。その後、再び上京し、東京大学大学院医学系研究科で骨の研究を継続しました。初めての職場は、山口大学医療技術短期大学部（現山口大学大学院医学系研究科）。教育ばかりに目を向けていた私に、先輩教員が放った「大学教員である以上、研究にも力を入れた方が良い」というメッセージは、私は奮い立たせるとともに、「いつかは留学したい！」という夢を実現させる原動力になりました。大きな刺激や挫折も含め、若き日の原動力は「カッコよさへの憧れ」だったと感じます。国家資格である臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士の資格は、専門学校でも取得可能です。学生たちが保健医療学部を選んだ目的の一つも資格取得でしょう。そこで改めて考えてほしいのは、４年制大学で学ぶ意義。資格取得は大前提として、私は特に大学での研究の醍醐味を知ってほしい。研究はテーマを定め、文献を読み実験し、ディスカッションを重ねる。そして発見や成果をまとめ、学会発表や論文へとつなげていく流れがあります。将来、現場で高度な専門知識や技術を発揮するには、多くの経験を積み、より広く深く社会を知る必要があります。じっくりと学ぶ過程で一つのアウトプットが生まれる喜びを感じ、資格＋αの力を付けてほしいと思っています。山口大学勤務時、米国・サンディエゴ、フランス・パリと２度の研究留学を経験しました。それぞれの大学・研究所では研究に没頭できる環境があり、研究アプローチの違いを学び、日本で取り組んでいた研究を海外という異なる視点から見ることで新しい発見につながりました。オープンマインドな各国の留学生たちとの語らいも楽しかった。研究室は時に閉鎖的空間になることがあります。机上での学びだけは得られない、現地でこそ得られる気付きは貴重。保健医療学部が掲げる「次世代の医療産業人」の育成に向け、海外へのチャレンジを考えている学生の背中を力強く後押ししてあげたいと思っています。根底にあったのはかっこよさへの憧れ世界へチャレンジする背中を押してあげたい資格取得だけではない4年制大学の学び資格取得にとどまらないプラスアルファの挑戦を＃脳低温療法＃サイトカイン＃脳障害＃ライフサイエンス保健医療学部NBUAcademicResearch061

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【科研費】若手研究（B）2006-2007（代表）若手研究（B）2004-2005（代表）【科研費】基盤研究（C）2023-2026（代表）基盤研究（C）2019-2022（代表）MATSUITOMOHIRO東京医科歯科大学医学部保健衛生学科検査技術学専攻。静岡県立大学大学院生活健康科学研究科食品栄養科学専攻修士課程、東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻博士課程修了。博士（保健学）。日本学術振興会特別研究員（DC2）などを経て2023年から現職。主な研究分野は神経免疫学、蘇生学など。Profile詳しい情報はコチラ！脳低温療法は、脳障害時に脳温を32～34°Cまで冷やすことで神経細胞の壊死を防ぎ、脳を保護する治療法。特に、新生児の低酸素性虚血性脳症に対しては、唯一、神経学的予後を改善できる有効な治療法。しかしながら、その機序は多岐に渡ると考えられており、不明な点が多かった。そこで、脳内の免疫細胞であるミクログリアから分泌される「サイトカイン」に着目し、低温（33°C）と通常の温度（37°C）の状態で、その分泌量を比較。その結果、脳低温療法による脳保護作用の一機序として、ミクログリアからのサイトカイン分泌量の低下が関係することを報告した。脳低温療法は全身を低温下におくため、臓器への悪影響や免疫機能の低下といったリスクがある。そこで、本療法の更なる確立や改良の提案に向け、研究を重ねている。例えば、33°Cまで下げていた温度を35°Cに設定したり、ミクログリアや脳微小血管内皮細胞に栄養素を投与したりするなど条件を変えながら、免疫細胞や炎症を引き起こす細胞からの「サイトカイン」変化を調べ、新たな知見を得ている。過剰な免疫応答を抑える機能を持つ「制御性Ｔ細胞」にも着目し、低温・高温が及ぼす影響の研究も進めていく。山口大学医療技術短期大学部に助手として就職し、教員として働いていた時、ある先輩が、私の大学院時代の研究テーマを知り、「サイトカイン動態から、脳低温療法をみる研究をしてはどうか」と研究の方向性を示唆してくれました。そして、脳低温療法を行っている先生を紹介してくれたり、自身の研究室を使わせてくれたりなどサポート。その後、独自の研究テーマを確立し、研究を続けるうちに「何かを発見してもカタチ、つまり論文にして世に出さない限り、『ただ自分が知っているだけ』で止まってしまう。生きた証として論文を残したい」と強く思うようになりました。社会にアウトプットすることの大切さを実感し、研究者として譲れない軸ができたように思います。海外留学の際には、英文で書いた研究論文が必須となります。将来海外での研究も考えている人は、英語論文制作を心に留めておいてほしいと思います。NBUの学生たちは人間力と専門能力、職業能力を兼ね備えた姿を目指し、広く深く社会を知るために学んでいくことになります。それぞれの関心や目標に基づいた研究テーマを見出し、学びの集大成を「カタチ＝論文」にしてほしいと願っています。臨床検査技師や医療機器メーカーなど、将来の進路を迷ったが、最終的に研究の道を選んだ。日夜研鑽を積む中で、研究成果を論文として形に残し、発見や解釈を世に問う重要性に気付いたという。ＮＢＵでも新たな知と出合うきっかけを投げ掛け続けたいと考えている。「カタチ」にするのが生きる証2018年にシドニーで開催された国際学会発表の様子。脳微小血管内皮細胞の免疫染色像。右は、サイトカインを添加し、ある膜蛋白の減少がみられた。PICKUP!PROJECT02脳低温療法脳低温療法の更なる確立や改良の提案01NBUAcademicResearch062

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保健医療学科教授伊藤英史医工学、心臓血管外科学（先天性心疾患）専門もともと、私が医療の道を意識するようになったのは小学生の頃。腎臓病を患う妹が入退院を繰り返していたこともあり、病院や医療は身近な存在。常に「良い治療とは？」と感じていました。ある日、主治医に「ロボットや機械は修理すれば治るのに、人間の体は治せないの？」と質問すると、医師からは「臓器移植もできる時代、君がその道に進んでみるのもいいね」との返答が。あまりに純粋で素朴な子どもの質問に、戸惑った末の答えだったのかもしれませんが、それ以来〝臓器移植〞という言葉が頭から離れず、「妹に新しいまっさらな腎臓を」という強い願望が湧き出てきたのを覚えています。自分一人の力だけではどうにもならないとは思いつつも、未知の医療の世界に目を向けるようになったのです。高校時代は、医療に関する雑誌を読みあさり、人工心臓のパイオニアである渥美和彦先生の存在を知りました。渥美先生が執筆した書籍「人工心臓」に出会い、いつかは自分も渡米して最先端の医工学を学びたいと思うように。まずは、臨床工学士の資格取得後、病院に3年間勤務しながら、語学も含めて渡米の準備を進めました。28歳でワシントン州立大学医学部に留学。人生の大きな転機となったのは、渡米前に身につけていた「逆行性脳灌流法」の特殊技術が、スポケーン心臓研究所の心臓外科医バン・ホルバートの目に留まり、米国での初症例として成功に導いたこと。そこから病院と大学を往復する過酷な日々でしたが、幼い頃からの使命感と、これまで学んだ知識や技術が身を結び、臨床現場とつなぐことができる喜びを日々感じながら、研修医として勤務しました。その後、オレゴンヘルスサイエンス大学に医師の助手として入職。実績を積み重ね、先天性心臓血管外科医の世界的名医であるロス・アンガー・レイガーのチームに日本人として初めて加わりました。海外での経験を通して実感したことは、症例の多さと各国の医療レベルの違いです。その根底にあるのは、〝人材育成の在り方〞と痛感しました。研究、臨床現場での救命の多くの実績を得たからこそ、帰国後は、大学教員として重要な人材育成に取り組んでいこうと考えるようになりました。帰国後は、京都府立医科大学、岡山大学へ。佐野俊二先生と共に複雑先天性心疾患の中でも最も難病の左心低形成症候群に対する研究に従事。手術の時間を短くし、脳に酸素が届かなくなる脳虚血時間を縮小させ、合併症を防ぐ技術です。その革新的な技術を世界各国に伝導するためのMissionTripへ出向き、「子どもたちの命を救いたい、小さな行動が世界を変える」と信じて活動を続けています。医学の道へのきっかけは「どうすれば救えるのか」アメリカで身につけた先端医療の知識と技術未来をつくり、つなげる草の根医療支援活動子どもたちのため未来のための研究を＃人工臓器＃先天性心疾患＃ECMO＃MissionTrip＃草の根医療支援保健医療学部NBUAcademicResearch063

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ITOHHIDESHI岡山大学大学院医歯薬学研究科修了。医学博士。岡山大学心臓血管外科、純真学園大学保健医療学部医療工学科教授などを経て、2020年からNBU工学部教授、2023年より現職。主な専門は、医工学、救急・集中治療医学、心臓血管外科学（先天性心疾患）。Profile詳しい情報はコチラ！重症呼吸不全に対するECMO治療は定常流循環によるものが主流で、生体の自然な生理的拍動、肺循環とは全く異なる環境で循環が維持されている。生体と同様の拍動が得られる拍動流ECMOによる治療効果についてはこれまで十分な学術的研究・成果は認められていない。本研究では、重症呼吸不全モデルの動物実験によって、拍動流ECMOが定常流ECMOに比較して治療効果が認められることを検証するもの、実証されれば拍動流ECMOが重症呼吸不全に対する新たな治療法の一つとして選択されると期待している。血液を酸素化させる人工肺と血液透析機能を併せ持つ「人工腎肺」を開発し、ECMOへの応用を目指す。中空糸内側に血液を、その外側にはウルトラファインバブル技術を活用して酸素加させた透析液を灌流。中空糸の細孔部分で血液と透析液が接触し、血液が酸素化されるとともに二酸化炭素を除去し、同時に血液透析による血液浄化と除水が可能となる。本システムの開発により、ECMO中の腎機能保護効果と同時に呼吸・循環補助(血液の酸素化及び高二酸化炭素血症の改善と循環動態の維持)を行うことが可能となる。大学の教員になった今、まず注力すべきことは「教育」、次に「臨床」、そして「研究」だと考えています。臨床は生死にかかわることで、失敗は許されません。さらに、難しいのは「教育」。つまり、人を育てることが、一番大切にしなければいけないことだと思っています。長年、政府や投資家、さまざまな企業の協力のもと、同じ想いを共有した医師や医療スタッフとチームを組んで、MissionＴripという社会貢献活動に取り組んできました。訪問国の医療水準が向上し、取り組みの波及効果を目の当たりにしました。将来、学生たちには、このような活動に参画してほしいと思っています。十数年前、私たちが、フィリピンやベトナム、インドネシアで指導した若手医師が立派に成長し、活躍しています。一人で救えるいのちは限られますが、未来の医療を担う若手人材を育成することで、新しいイノベーションが生まれると確信しています。また、研究活動も、疾患に苦しむ子どもたちを救うためのもの。世界中の子どもたちが等しく医療を受けられる社会を目指し、臨床現場を退いた今だからこそ、未来を見据えた教育と研究を続け、国や職種の違いを超え、高い志を共有できる人材の育成が私の使命だと心得ています。先天性心疾患を持つ子どもたちを救うため、日本、アメリカで臨床現場に立ち、世界各国で若手医師の指導にあたった伊藤教授。臨床を離れ、教育現場に身を置くようになった今、考えることは。未来への「教育」「臨床」「研究」をECMOにおける拍動流補助循環法による重症呼吸不全の肺機能改善を目指し、研究を続けている。他大学との連携による人工腎肺の開発に向けた実験の様子。PICKUP!PROJECT01呼吸と透析が同時にできる02革新「人工腎肺」の開発「拍動流補助循環」の重症呼吸不全治療に対する効果-定常流補助と比較する-【科研費】基盤研究（C）2019-2021【科研費】基盤研究（C）2023-2025NBUAcademicResearch064

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中川稔彦総合工学航空宇宙工学専門航空宇宙工学科の教授に着任するまでは30年以上、日本のロケット開発に従事し推進システムの設計や種子島での打ち上げに携わり、宇宙センターには200往復くらいはしてきたと思います。その後、NBUで教鞭をとることになりました。会社で新入社員を教育することはありましたが、仕事を教えるのと学生の教育は異なりますから、最初は手探りでした。書物などに載っていることだけを教えるのではなく、私が宇宙開発の最前線で実際に経験したリアルな話を織り交ぜながら伝えることを大切にしています。また、高校生にSTEAM教育の場で接することも増えてきました。その際にも自分たちの未来は自分たちがつくるんだという実感が抱いてもらえるよう、心掛けています。人工衛星の打ち上げに関して言うと、今、世界における日本の技術レベルはトップクラスだと思います。私もアドバイザーのポジションで携わったMOMO（通称／ホリエモンロケット）やその他の民間ベンチャーの活躍も、若者たちの刺激になっているはずです。これまでの「宇宙開発」は、近年「宇宙利用」という呼び方に変わってきています。その言葉通り、今後は開発技術だけでなく、宇宙環境を利用したビジネスも含めて発展していく見通しがあります。通信やITの分野で、人工衛星経由のデータをユーザーに提供するサービスは限りなく膨らんでいくでしょう。ロケットは宅配物を運ぶトラックにあたり、これからは多様な物資を宇宙に届ける輸送手段としての意味合いがさらに強くなっていきます。それ以外にもロケット開発が宇宙空間でどんな役割を担っていくのか私自身、とても注目しています。私が育ったのは大阪伊丹空港に近づく航空路の下あたりでした。空を見上げればいつも飛行機の姿が、目に入った少年時代…それが航空宇宙の世界に進んだ私の原点かもしれません。学生の皆さんに伝えたいことは、たとえ失敗しても、そこから得たものを次につなげてほしいということ。工学の世界には複雑なものがたくさんありますが、分析し、たどっていけば必ず原理があります。それを見失わずにいてほしいと思います。特に昨今の研究や開発現場では膨大なデータ整理に追われ、つい本質を見過ごしてしまうこともあります。データの洪水から必要なものを選び出すことが大変になってしまっている。そこで大事なのが想像力。データの根底にある何かを「どう焙り出すか？」俯瞰イメージで捉えなければなりません。ときにはデータを疑うことも必要かもしれない。宇宙開発の世界は、たくさんの失敗から得たことを下敷きにして進んできました。もちろん私もこれまでに多くの失敗に対峙をしてきましたが、失敗を繰り返しながら、たどり着く成功には、深い意義があると感じています。現場でのリアルな経験を学生たちに伝えたいたくさんの失敗から学び原理や本質を見失わないで日本の宇宙開発の「今」と未来を見据えた展望未来の宇宙を担う若者へリアルな経験を伝えたい＃ロケット＃宇宙機システム＃宇宙利用プランニング航空宇宙工学科教授＃最適化アルゴリズム＃極低温流体＃システム開発工学部NBUAcademicResearch065

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NAKAGAWATOSHIHIKO詳しい情報はコチラ！生物は進化の過程や集団行動において効率的な形態を生み出しながら存続してきた。この摂理を構造の最適化にどのように取り込めるかということが研究テーマ。例えば粘菌という単細胞生物の菌の広がり方を工学的な観点で捉え、強度と軽量化の両方を実現したパーテーションが旅客機に用いられるなど、世界各国で実用化が進んでいる。構造や動きがユニークな生物は、まだまだたくさん存在する。中川研究室では今後、３Dモデリングツールなども活用し、生命体の巧みさや最適化戦略を工学の世界に応用するべく研究に取り組んでいる。宇宙空間で将来の輸送システムに新たに利用できそうな原理の確認やインフラ構想の成立性に係る課題の究明など“宇宙”というテーマのもと、学生のアイデアから研究・実現性を追及する中川研究室。超伝導体が発揮する磁界空間内での位置保持作用を惑星上での浮上輸送網や射出システムへ応用することを想定し、マイナス196℃の環境下で原理実証を行ったり、大型構造物の展開や構築に応用できる発想の開拓も積極的に行うなど、宇宙開発の次なるステップを踏み出すきっかけになるような挑戦に取り組んでいる。民間企業で学んだことは「時代が求めるものをカタチにすること」。過去のプロジェクトはひとつの物語のように「今」につながっています。宇宙開発においても時代や世の中のニーズが変われば、私たちの研究・開発もそれに合わせて変化や進化することが大切です。例えば、人工衛星のアンテナなどを宇宙で開く際の〝展開構造〞にハサミムシやテントウムシの翅の仕組みを応用するという視点からの研究も進められています。さらに発想を変えて材料だけを効率良く宇宙に運んで３Dプリンターのようなものでそこで製造してしまうという手段をとれば、展開の制約に囚われない別の最適化した構造形態が誕生し、宇宙空間におけるスタンダードになるかもしれません。そういったオリジナリティ溢れるものを探求していきたいと考えています。一見、関連性がないように見えるものや、ふとしたアイデアでも、研究を進めるうちにどこかでつながっていく。だからこそ、学生が自分で見つけた研究テーマや宇宙開発への「夢」をしっかりと受け止め、これまでの経験をもとに多面的なアドバイスを送ることで「現実」にしていければと思っています。長年にわたり日本のロケット開発に携わってきた中川教授。現在も、教鞭を取る傍らで民間企業のロケット開発のアドバイザーなどを務めている。宇宙空間にとって「今、必要とされるもの」を常に意識しながら、研究・開発を続けている。宇宙開発の次なる一歩宇宙航空研究開発機構（JAXA）種子島宇宙センターでの学外実習の様子。学生の卒業論文テーマも、ロケット燃料の研究など宇宙の将来を見据えたものが多い。PICKUP!PROJECT02生物や生命体の巧みさを最適化工学にここからはじまる宇宙のミライヘの第一歩京都大学工学部航空工学科、東京大学大学院工学研究科航空学専攻修士課程を修了。工学修士。三菱重工業（株）、中菱エンジニアリング（株）時代はロケットにおける推進系システムの開発に携わり、2017年から現職。主な研究分野は宇宙機システム、軌道上ユニット、宇宙利用プランニングなど。Profile01NBUAcademicResearch066

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航空宇宙工学科教授室園昌彦航空宇宙工学専門私が生まれたのは福岡空港の近くで、当時は炭鉱の線路が走っていた場所でした。頭の上を飛行機が飛び、目の前を蒸気機関車が走るという環境。だから、子どもの頃から何となく乗り物が好きだという気持ちはあったかもしれません。九州大学の工学部航空工学科へ進んだのは、未来への可能性を感じたから。当時、航空工学を学べる大学の定員は今より随分少なかったと記憶しています。何となく航空工学の勉強をして、何となく航空関連の職に就くのかな？と、漠然と想像しながらもその一方で「自分のやりたいことをとことん追求したい」と考えていた大学時代はもう40年も前のこと。今、学生たちには「大学は社会に出るまでの最後のゲート。ここでいろんな能力を身に着け、高めてほしい」というメッセージを伝えたいと思っています。「いろんな能力」というのは、工学部なら、数学、力学や英語などの基礎学力。加えて、本学の教育理念にある人間力。そして、何より大切なのは突き詰める力です。分からないことにぶつかったら「なぜそうなるのか？」「どうしたらできるのか？」をじっくり考えてほしいと思っています。さらに、学んだことを卒業後もさらに追い求められるよう「勉強するトレーニング」もしてもらいたいですね。社会に出れば、当然新しい情報や知識が出てきます。それに対応できるような力を備えてほしいのです。私の場合、その原動力となっているのは「分からないことを分からないままにしたくない」というストレートな気持ちかもしれません。今でも分からないことがあれば、考えたり、調べたりしています。NBUは、教員と学生の結びつきが強く、チームで研究する雰囲気があります。最近は「コミュニケーションを取ることが苦手だ」という若者も多いと聞きますが、そもそも自分に自信を持てば、自ずとコミュニケーションは取れると思うんです。やりたいことを突き詰め、自分が強みとする分野からコミュニケーションは自然と広がっていくでしょう。工学のフィールドは、世界の研究者たちとつながっています。実際に会ったことはなくても、学会の発表や学術レポートを通じて、共感したり刺激をもらうことも多いもの。研究室の中で起こっていることは世界とつながっているからこそ、まずは、足元にあるひとつのことを深く学んでほしい。失敗を繰り返しながら経験を重ねた結果、時が経つと、スペシャリストでありながらジェネラリストにもなり得るのです。だから、大学はゴールではなく社会へのスタートライン。社会に出てからも学び続ける習慣を大学のうちから身に着けてほしいですね。大学は、社会に羽ばたくための最終ゲート「自分らしさ」を突き詰めよういくつになっても「勉強するトレーニング」を分からないままにしたくないそれが、すべての原動力＃材料力学＃構造力学＃構造動力学＃機械力学＃振動学＃熱弾性工学部NBUAcademicResearch067

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羽ばたき型ドローンの開発01MUROZONOMASAHIKO九州大学工学部航空工学科、九州大学大学院工学研究科応用力学専攻修士課程、九州大学大学院工学研究科応用力学専攻博士後期課程単位修得退学。工学博士。2016年より現職。専門分野は航空宇宙工学、材料力学・構造力学・構造動力学・熱弾性など。Profile詳しい情報はコチラ！他機関と協力し、大きな推力や揚力を持つトンボの羽の特性を活かした「羽ばたき型ドローンロボット」の研究・開発を行う。小型で軽量かつ柔軟な機体、安定した俊敏な飛行、接触時の安全性、違和感のない生物的外観などの利点がある。対象物に接近した飛行が可能なことから、構造物の保守点検、農作物や家畜の観測など、さまざまな利活用が考えられており、特に高い静音性から、災害時の情報収集ツールとしての活用が期待されている。現在はワイヤレス自律飛行が成功。ホバリング、前進飛行、垂直離着陸ができるまでに進化を続けている。宇宙空間では、太陽からのふく射加熱の影響で、宇宙構造物のように柔軟で剛性の低い構造物に、変形や振動などの問題が生じた例が報告されている。このような現象を温度場と構造との連成を考慮した連成動熱弾性論の立場から検討し、発生機構の解明と有効な対策を見出す研究に取り組む。また地球へ帰還する回収カプセルの着水時の衝撃について、構造と流体との連成を考慮したモデル化による解析と、小規模なスケールモデルによる実験を実施。これらの研究は産業界や自然界における、構造と熱あるいは流体との連成問題の解決策として発展・貢献も期待されている。航空宇宙工学における構造系の分野は流体や制御に関わる研究をするのですが、基礎となるのは古典力学です。数学や力学を用いてきちんと数値で説明できることが自分自身が納得することにつながります。例えばもう十分と思えるだけの実験データを揃え、パラメータも変えて、ある成果が得られたとします。その成果そのものに基づいて、このあたりがベストだろうと判断することは間違いではありませんが、どうしてそこが正しくなったのかという理屈を明らかにしたい。自分自身で納得できる説明や解釈を求めたいのです。これまで研究者として自励振動や熱弾性など、構造と熱との相互作用や連成問題に継続して取り組んできました。現在、主として研究している「羽ばたき機」というのは構造に加え空力学、流体力学が関わりあう研究で、一つの分野のみで完結するものではありません。新しいことへのチャレンジにはこれまで学んだこと以上に新しい学びが必要なのです。これまでの経験や知識だけでは足りなくなる部分もある。そのチャレンジを年齢やキャリアに関係なく楽しめるのが研究の魅力そのものだと感じています。大学時代から航空宇宙工学分野一筋で研究を続ける室園教授。40年もの長きに渡り、続けてきた研究のベースにあるものは何か、実験の取り組み方や結果を検証する姿勢について聞いた。答えを求め続けるPICKUP!PROJECT02構造物の異分野との連成問題に関する研究開発過程での実験で使用したトンボの羽の特性を活かした翼。外部ふく射加熱による熱誘起自励振動発生時の様子。NBUAcademicResearch068

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有吉雄哉宇宙航行力学データ同化専門出身は福岡県飯塚市。宇宙工学の分野に進んだきっかけは、高校生の時に参加した日本科学技術振興財団のサイエンスキャンプでした。もともと、ものづくりに興味があり、航空宇宙という分野のことも深く知りたかったので応募しました。全国の高校生たちと航空宇宙技術研究所（※宇宙航空研究開発機構JAXAの前身の一つ）で、第一線で活躍している研究者の講義を聞いたり、指導を受けたり、さまざまな体験をしました。一番印象に残っているのは、フライトシミュレータで航空機の操縦訓練を体験したこと。本格的な設備機器を目の当たりにして興奮したのを覚えています。その経験から、飛行機の制御系システムの設計などにも興味を持ちました。宇宙に行きたいというよりは、「社会の役に立つものを作りたい」という気持ちが強く、九州大学工学部機械航空工学科の航空宇宙工学コースに進学し、人工衛星を開発する研究室に所属しました。学内の研究に加え、民間企業との共同作業が多く、外部の人たちとのコミュニケーションは非常に刺激的でした。大学院に進み、卒業後の2013年から1年間は国立天文台に勤務し、天文シミュレーションプロジェクトに従事しました。全国の天文学者にスーパーコンピューターを使用してもらい、研究をサポートする業務でした。その後、統計数理研究所を経て、NBUには2018年に着任しました。ここでは「スペースデブリ」いわゆる「宇宙ゴミ」の衝突予測のための計算を研究テーマの一つにしています。使わなくなったロケットの一部や人工衛星、それらの塗料や破片など、宇宙に残った不要なものが、人工衛星に衝突すると、瞬く間に機能を失ってしまう。そのような事態を回避するための未来の宇宙空間の予測とも言える研究です。世界ではスペースデブリを回収するための技術開発も盛り上がっており、問題解決に向け、世界各国のさまざまなグループがいろいろな方法を考えています。航空宇宙工学科の各コースでは、交通機械の設計や航空宇宙材料など幅広い分野のものづくりや、宇宙工学、航空機の整備などを学びます。最先端の宇宙工学に携わる企業出身者を含む教授陣や世界主要メーカーが導入しているソフトを通じて、高いレベルの技術を修得することができます。工学という学問の本質は、私たちの暮らしを安全・安心に、便利に豊かにするという視点に立っていることにあります。学生たちは将来さまざまな分野に進むと思いますが、物事を多面的に見ることを心がけ、自分自身で考え、解決方法にたどり着いてほしいと思っています。ものづくりと宇宙への道多面的に見て自分自身でたどり着く未来の宇宙空間を予測する物事を多面的に見て自分自身で答えを導く＃スペースデブリ＃宇宙環境＃数値シミュレーション航空宇宙工学科准教授＃超小型人工衛星工学部NBUAcademicResearch069

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ARIYOSHIYUYA詳しい情報はコチラ！爆発・衝突で発生した破片スペースデブリは、現在の技術で全てを観測出来ないが、運用中の宇宙機に衝突をすれば、故障につながる恐れがある。地球周回軌道上のデブリの分布状況について、現在の観測技術では不可能な微小サイズのものまで高精度に推定・モデル化が行えれば、デブリとの衝突リスクの推定精度の向上と耐デブリ対策として最適設計に寄与できる。階層ベイズモデルと呼ばれる統計的手法を用いることで、破砕イベントごとの差異も加味した。破片スペースデブリ群の物理特性値の分布のモデリングを行っている。学内のさまざまな専門家の協力を得ながら学生有志とともに、超小型人工衛星の設計に取り組んでいる。まずは衛星設計コンテストを目標としているが、単に計算する、図面を描くといった作業だけでなく、観測対象の現地調査なども行っている。さらに宇宙が身近なものとなるよう、研究・設計を続けていきながら、宇宙開発についての学びを深めていくとともに、学生が主体的に自身の専門分野に関連した活動を行うことで、自ら学び、課題を解決していくことができるように取り組みを進めている。もし、スペースデブリとの衝突により人工衛星が壊れて機能を失うと、地図アプリに支障が出る、衛星からの映像が受信できないなど、私たちの生活に大変な影響を及ぼします。スペースデブリの研究には、①観測②シミュレーションによるモデル作り③デブリに衝突しても大丈夫な人工衛星の研究④除去・回収の４つのパターンがあり、私の研究は主に②に当たります。統計的な手法で計算し、デブリの動きや位置を予測。衝突しそうな場合は、衛星の軌道をずらすなどの対策を提言します。今後、地球からの観測が難しい小さいデブリの位置も計算できるようになれば、打ち上げ前にデブリの軌道の設計が可能になり、衝突によるデブリの発生も減らすことができるでしょう。現在、世界的に小さな人工衛星を多く打ち上げようとする傾向があり、研究者としてはスペースデブリの増加を心配しています。ますます回収の重要性が認識されるようになり、民間企業もその対策に乗り出しています。地球に突入させて燃やすなど、各国がさまざまな方法を考え、日本国内でも回収の機運が盛り上がっています。私も研究者の一人として、開発と課題の両面を凝視し、その変化を見逃さないように見守り、考え続けていきたいと思っています。天気予報、自動運転など、近年はあらゆる分野で人工衛星の機能が使われている。人工衛星の働きを妨げないために、宇宙ゴミといわれる「スペースデブリ」の動きの予測は不可欠。この難題に有吉准教授は挑み続けている。危機を予想し生活を守る地球周辺の人工物の分布図（赤色がデブリ）。学生がCATIA®で作成したキューブサットのモデル。PICKUP!PROJECT02破砕状況に応じた破片宇宙ゴミ群のモデリング超小型人工衛星の設計九州大学工学部機械航空工学科、九州大学大学院工学府航空宇宙工学専攻修士課程・博士課程修了。博士（工学）。自然科学研究機構国立天文台、情報・システム研究機構統計数理研究所を経て、2018年より現職。専門は宇宙航行力学、データ同化。Profile01NBUAcademicResearch070

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工学部准教授東寺祐亮統語論、日本語文法協同学習専門文学の興味は中学時代から。高校生の頃は野球部に所属しながら教科書の作品を好んで読みました。特に記憶に残っている文学作品は、芥川龍之介の『藪の中』。初めて文学そのものが持つメッセージ性を感じとることができた作品でした。当時は、英語教育のニーズが高かったことから、卒業後は「西南学院大学文学部英文学科」へ。しかし、非常勤講師の先生による「日々何の違和感もなく操っている日本語を我々はどのように獲得したのか」をテーマにした言語学の講義がきっかけで、日本語に深く興味を抱くように。当時、大学生だった私は、これまで言語を獲得する過程なんて考えたこともなく、この分野への関心が大きくなりはじめました。本格的に言語学の道へ進むため、「九州大学大学院人文科学府」に進学しました。私たち人間は、言語発達の過程で、単語を組み合わせて無限の出力を得る仕組みを獲得しています。大学院ではその仕組みを探る言語理論「生成文法」について学びました。人間の脳は言語を獲得する機能を生まれながらにして備えており、その脳内の機能が言葉の刺激を受けて発達を重ね、ネイティブスピーカーとして文を作る能力を形成すると考えられます。言語学に出合うまでに漠然と考えていたことは、単純に幼いころに聞いた語・文を記憶することで文を作っているということでした。しかし、「なぜ特別な訓練や学習を経験することなくいつの間にか日本語を話せるようになっているのか？」について考えてみると、ネイティブスピーカーは、有限の語彙知識から、無限に文をつなげられるなど、単なる経験や記憶ではない何かがあります。「脳内には語と語をつなぎ合わせるルールがあり、そのルールを紐解いていきたい」と思ったのが、現在の研究分野に辿り着いたきっかけです。修士課程の研究から現在に至るまで、「ほど」や「すぎる」といった度合いが関わる言語表現を中心に研究しています。母語話者は頭の中にあるシステムを使って文の解釈の容認性を判断しています。「文の構造としてどの語がどの位置にくると人は容認し、反対に容認しないのか」を調べて、そのシステムを明らかにしていっています。現在も、日本語が持つ規則性や構造の研究を行っています。研究を掘り下げるほど言語学という分野はおもしろく興味が尽きません。これからも研究を深めていきたいと思います。大学時代の講義を通じ言語に新たな視点を母語話者が生得的に持つあらゆる謎を探求追求するほど実感する日本語の面白さ日常にある無意識に疑問を持ちことばの「組み立て」について考える＃日本語文法＃生成文法＃日本語教育＃程度表現工学部NBUAcademicResearch071

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TOJIYUSUKE西南学院大学文学部英文学科、九州大学大学院人文科学府言語・文学専攻言語学専修修士課程・博士後期課程、文学博士。九州大学人文科学研究院専門研究員、中村学園大学非常勤講師、西南学院高等学校非常勤講師などを経て2018年より現職。主な研究分野は統語論、日本語文法、協同学習、日本語教育、国語教育。Profile詳しい情報はコチラ！比較相関構文において、「かぶった帽子が派手すぎて、街中でじろじろ見られた」という文では「派手」と「すぎ」が影響し合い、「帽子の派手さが過剰だ」と解釈される。このように、一般的には隣り合う言葉同士で意味をなすことが多いが、「（かぶった帽子は１つという状況で）派手な帽子をかぶりすぎて、街中でじろじろ見られた」という文では、「派手な」と「すぎ」が隣り合っていないにもかかわらず、「帽子の派手さが過剰だ」という解釈が可能だ。脳がこのような解釈をする仕組みを解明する。学生たちの学ぶ力を引き出すために、LearningThroughDiscussion(LTD話し合い学習法)と呼ばれる協同学習の技法を使用した解読授業を行っている。LTD話し合い学習法は、学生が事前に1人で行う予習とチームになって話し合うディスカッションで構成されている。予習では課題となる論文や文章を読み込み、書いてあるものを把握しておく。授業では根拠や主張、自己との関連について仲間と話し合いを重ねる。それによって、課題に対して理解をさらに深めることができるようになる。小学校、中学校、高等学校、大学などの学業のシーンで、制限時間のある問題の課題文として文章に出合うからか、それとも「時短」「効率」が尊ばれる風潮からか、近年ゆっくりと一つの文章に向き合う機会を得ることが難しくなっている人もいると感じています。今こそ大切にしてほしいと感じるのは「読解力」です。読解力は、社会との関わりの中で、自己を実現して生きていくために必要な力であり、他者や社会に向けて発信する力にもつながっていくものです。本を読むにあたって、いくつかの単語を拾って文章の全体を解釈する方法もありますが、忙しい毎日においても、本を読む時間を確保し、文と文の関係、段落と段落の関係を把握しながら丁寧に読むことで読解力につながっていきます。さらに、提示された話題と結論の関係を読み取ったり、文章の内容と自分自身の関連を考えたりするなど、一文一文を噛みしめることを心がけてみると、自分の中で生きた知恵にもなります。スピードが必要とされる場合もありますが、可能であれば、学生時代には、たくさんの本を読むことより、一冊一冊をじっくりと読み、「その本の自分にとっての意義」などについて考える機会をつくってほしいと思います。思考は母語で形成される。母語の表現力の豊かさは、自分の思考を正確に相手に伝える力にもつながる。読書を通じて、さまざまな言葉や、一つひとつの文と向き合うことで、自らの思考や表現力が広がっていく。読解力の向上が対話力につながる授業は教員と学生がともにつくり上げるもの。学生と同じ目標・目的を共有することが大事。授業では、常に、学生自身の中にある母語話者としてのシステムを感じ取れるような問いかけを心がけている。PICKUP!PROJECT0201日本語における情報構造と語順の相関協同学習―LTD話し合い学習法を用いた読解の授業実践NBUAcademicResearch072

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経営経営学科准教授ジョン・コリンズ英語教育第二言語習得論専門私が生まれたのは、ニュージーランド最大の都市、オークランドに近い街。８歳までそこで育ち、それから20歳になるまで南島のネルソンで過ごし、ネルソンカレッジという歴史ある男子校に通っていました。もともと日本の文化やものづくりの技術に興味があり、高校でも大学でも日本語を専攻していました。ここまで日本に惹かれるようになったのは、父親の影響かもしれません。自動車の整備をしていた父は、会社でマツダ製の車を担当していて、他国の車に比べて日本車は壊れにくいと、その素晴らしさを語ってくれました。そして日本という国がより身近になったのは高校時代。父は日本語が話せませんでしたが、私には「高校で第２外国語を勉強するなら日本語がいいよ」と勧めてくれたのです。ネルソンカレッジは日本の高校と姉妹校協定を結んでいたため、ほぼ毎年、日本人の交換留学生が我が家にホームステイしていましたし、初めて日本に渡ったのも、高校の修学旅行でした。初めて目にした日本は、とにかく美しい国。どこを訪れてもキレイで輝いていました。新幹線に高層ビル等、すべてが新鮮で「絶対にまた来たい」と思うようになりました。実際、大学時代は熊本の大学で半年間の留学を経験。そして夏休みを利用し、ワーキングホリデーで３カ月ほど滞在したのが大分との出合いです。九重町のスキー場で働いていたのですが、大自然の中でのびのびと暮らす日々はとても楽しかったです。大学在学中は、日本語力を生かし、オークランド国際空港で働いていました。お客さんが日本に出かけるのを見ながら、切ない思いをしていました。そして大学卒業後、ＪＥＴプログラムに応募して再び大分へ。豊後大野市の三重町で暮らしながら、千歳町の学校で英語を教えました。そこでは私も、子どもたちからたくさんの大分弁を学びました。三重町出身の妻とも出会ったのもこの頃。その後、一度ニュージーランドに帰国したのですが、やっぱり大分の人や町が大好きで忘れられずに、また日本に戻り、2019年の春にＮＢＵへ着任しました。世界を変えたいとか、ノーベル賞を受賞したいと思っている若者もたくさんいますが、ＮＢＵの学生たちは、世界に目を向けながら、地に足をつけて地元に貢献したいと考えているグローカリストが多い。小学校では英語教育がスタートしましたが、地域のＡＬＴは数が限られているので、地域にある小さな学校に学生たちと出かけていき、一緒に子どもたちへ英語を教えるのが、私の夢です。子どもたちは英語を楽しく覚え、学生は教えることを学べるはずです。父の影響で日本に憧れた青春時代地域の英語教育に学生たちと関わりたい大好きな国でたどり着いた大分、そしてＮＢＵ英語教育を通じて地域の絆を育みたい＃イングリッシュ＃コミュニケーション＃TOEIC経営経済学部NBUAcademicResearch073

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01「イングリッシュコミュニケーションアワー」の実施JOHNCOLLINSユニテック工科大学語学学部日本語学科卒業。熊本学園大学外国語学部英米学科で交換留学。立命館アジア太平洋大学（学長室、言語教育センター）を経て、2019年より現職。主な研究分野は英語教育、第二言語習得論など。Profile詳しい情報はコチラ！コリンズ准教授と佐藤ミレナ助教、マーティン・テショメ助教が、学生に講義以外でも英語を学ぶ機会を提供したいと実施している「イングリッシュコミュニケーションアワー」。毎回「海外旅行」、「食事」などのテーマを設定し、英語での表現方法などを学ぶ。ゲームやクイズなどの要素を取り入れ、簡単な質問や会話からスタートするため、英語で話すことを躊躇する学生たちが徐々にレベルアップできる仕組みだ。今後はさらに多くの学生の参加を目標に、英語を通して海外の文化や歴史を学ぶきっかけとなる場を目指す。大分県豊後大野市にある犬飼ふれあい児童館のご協力のもと、NBUで小学校教員を目指し、日々学んでいる学生とともに「HappyValentine’ｓ～海外の文化を英語で学ぼう」というイベントを実施。地域の小学生約２０名が参加し、バレンタインにまつわる◯×クイズ、英語の歌やゲーム、カードづくりなどを行い、海外の文化を楽しく英語で学んだ。小学生との触れ合いを実際に経験することで、NBUの学生たちにとっても、「子どもたちに教えることの楽しさや難しさ」を実感する場となった。ラグビーのワールドカップが開催された影響もあり、10年前に比べると、日本中、そして大分の隅々までどこへ出かけても外国人に出会えるようになりました。子どもたちでさえ気軽に外国人に話しかけているほど、外国が身近な存在になってきたのだと思います。私は、英語を学びたい学生たちのためにいろいろな企画を試みようとしていますが、学生の皆さんに忘れてほしくないのは、失敗を恐れないことです。小さな子どもたちのように恐れず、気軽なマインドで外国人たちに話しかけてほしいのです。さらに、その気持ちを持ち続けることも大切です。そもそも、英語を介してコミュニケーションを取ろうとするとき、必ずしも相手がネイティブであるとは限りません。英語で会話をしようとするお互いが、第２、第３言語として英語を使っている場合が多いのです。以前、私が中国に行ったとき、英語が話せるガイドを雇ったつもりでしたが、会ってみると全く話せませんでした。ところが、お互いに少し日本語が話せたので、なんとか会話が成立したという経験があります。観光やスポーツ観戦で日本にやってくる外国人観光客も、その80〜90％がネイティブではないと思います。ですから、それほど恐がる必要はないんですよ。ニュージーランドから日本という異文化に飛び込んだコリンズ准教授は、大分弁を操るほどの日本語上級者。しかし、他国の言語を完璧にマスターすることよりも、「伝えようとする姿勢」こそ、コミュニケーションの極意だと語る。話すことを恐れるなPICKUP!PROJECT02地域の子どもたちに楽しく英語を学ぶ機会を文書や表現方法など個別での指導も行う。子どもたちが楽しく学べるよう入念に学生たちと打ち合わせる。NBUAcademicResearch074

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私は、チェコ人の母と、エチオピア人の父の間に生まれました。出身はチェコですが、これまで世界各国を渡ってきました。旅行に行く際も仕事の際も、事前に現地の言葉を学ぶよう意識しており、母国語であるチェコ語をはじめ、英語、日本語、ドイツ語、イタリア語、アムハラ語（エチオピアの公用語の一つ）などを学習しました。日本語は、独学と個人レッスンで習得し、日本語能力試験N1を取得。現在は、日本語を日常的に使用し、考える時も日本語で考えています。チェコは音楽教育への支援が手厚いこともあって、若い頃は私も音楽家として活動していました。音楽家の母の存在も関係していたと思います。イタリアやチェコの大学でチェロを学び、26歳の時に初来日。その後、一時帰国し、約4年間、ロンドンに在住。日本人の妻との結婚を機に、2014年に再来日しました。日本では、音楽家として活動していくことは難しかったこともあり、英語講師としての資格を取得し、教育者としてのキャリアがスタートしました。当時は、複数の仕事を兼務していて、出版社で漫画の翻訳や校正にも携わりました。翻訳は、単に訳せば良いわけではありません。文化的背景を考慮する必要があり、言葉にしない美しさや曖昧な表現や、英語とは言語の特性が異なるため、奥が深い経験をすることができました。翻訳作業や授業、研究で、さまざまな日本語の表現に出会い、常に新しい発見がありました。例えば、「〜するところだ」の「ところ」。通常「ところ」は場所を表す言葉ですが、この文脈では、「これからする行為」を指します。また、「さあ、始まるぞ」と「さあ、始めるぞ」には微妙なニュアンスの違いがあります。英語の場合、「始まるぞ」の場合は何か悪いことが起こりそうなネガティブな意味合いもあります。現在は、「認知言語学」の研究に注力しています。私たちは、五感を通して認識したものや感じたことを言語化します。「認知言語学」は、その認識の仕方や捉え方が、どのように言語に影響を与えているかを扱う学問です。「電話がかかった」と言っても、日本語では、誰から電話があったかは省略することも多い。しかし、英語は、〞Yourmothercalled〝と必ず主語を表現します。つまり、日本語では出来事を中心に、英語では動作の主語を明確に話すという違いがあります。その一方で、世界で共通する点もあり、日本語の特性と多言語との違いや共通点などを検証することは実に面白いものです。グローバル社会において、今後は多様な国や地域の人とのコミュニケーションが必要となります。日本語を母国語として使う人も、もっと私のような多言語話者の視点で取り組んだ研究活動に関心をもち、日常の暮らしに役立てて欲しいと思っています。経営経済学科助教マーティン・テショメ専門さまざまな国を訪れ六つの言語を学習認知言語学で日本語特性の観点を来日を機に音楽家から英語講師へ多言語話者の視点で日本語表現の奥深さを追求＃認知言語学＃英語教育＃多言語話者語用論、意味論、翻訳研究＃受動態経営経済学部NBUAcademicResearch075

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01MARTINTESHOMEイギリスバーミンガム大学卒業。早稲田アカデミックソリューション、文教大学、愛知産業大学を経て2023年より現職。JALT（全国語学教育学会）に所属。主な研究分野は語用論、意味論、翻訳研究など。Profile詳しい情報はコチラ！日本語母語話者と英語母語話者の英語を比較し、母語の干渉の研究を行った。英語を学ぶ大学生と英語を母国語とする大学生の書き言葉と話し言葉のデータで、それぞれのコーパスを制作。両言語の統語論・意味論と認知言語学による視点から両言語の違いを考察し、受動態の使い方を比較。日本語母語話者のコーパスでは、「私は雨に降られた」など、英語には存在しない「迷惑受け身」に似た言い回しを多く見つけた。日本語の動作主の描写と主語の省略について考察し、母語の干渉の兆候を発見した。短編小説「ダブリナーズ（ジェイムス・ジョイス著）」の日本語翻訳二つを比較し、時代による語彙の選択の違いを研究した。使用したのは、安藤一朗（1953年出版）と柳瀬尚紀(2009年出版)による日本語翻訳文である。安藤の翻訳は訳注が多いが、柳瀬の翻訳が外来語を説明なしで自由に使っており、時代背景として、英文に親しみと知識がある日本語話者の読者が多くなったためだと分析・判断。この結果をもとに、教育に役立てる方法を検討している。まず、「英語」は教科ではなく、言語だと認識してほしい。合格か不合格で判断されるものではありません。英語は頑張るものではなく、コミュニケーションツールのひとつです。つまり、正しい言葉遣い、文法を使わないといけないと過剰に思わなくて良いのです。実際に、授業でも英語の知識を教えるのではなく、学生同士にコミュニケーションを取るスタイルの授業を取り入れています。また、言語を学びたいのなら、音楽や読書、映画鑑賞など、自分の趣味や好きなことを入り口にするのが一番の近道です。どうしても「試験に合格しなければいけない」と思うかもしれませんが、好きなことを通して学ぶと親しみやすくなり、楽しく感じるでしょう。私自身も日本語を学ぶとき、「釣りバカ日誌」や「はだしのゲン」を読んで、日本語に親しみました。映画であれば、まずは母国語の字幕で鑑賞し、慣れてきたら英語と英語の字幕で鑑賞するなどステップを踏みながら学ぶ。興味のあることを入口にして、英語を楽しみながら学ぶスタイルが理想的です。「学ばないといけない」よりも、「学びたい」と思える考え方や環境を大切にしてください。日本では、小学校教育で2020年から英語が必修科目とされたものの、英語に対して苦手意識のある人たちも多いだろう。多言語話者であるテショメ助教が推奨する語学との付き合い方とは。興味のあることを入り口にPICKUP!PROJECT02時間的に離れた翻訳における語彙の選択：ケーススタディ「言語学」とは、言語のさまざまな側面を、さまざまな角度から研究することだ。英語教育を通して、学生たちがどこで間違いやすいかを研究し、より良い英語教育のあり方を追求する。日本人EFL学習者の英語における受動使用：コーパスに基づく研究側面角度音構造意味歴史比較対照社会生物認知習得分類言語学NBUAcademicResearch076

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NBUAcademicResearch077私たちにできる5つのこと5thingswecando工学部、経営経済学部、保健医療学部の３学部で構成する日本文理大学では、豊かな自然や地域文化、幅広い産業など、社会と関わる活動を展開しています。さまざまな分野を専門とする教職員が、皆さまの多種多様なニーズにお応えします。1インタビュー取材コメンテーター数多くの研究・教育活動から得た専門的な知見や見識を社会へNBUでは、大分県全域をフィールドとして、地域や社会、産業界、他の教育機関とも連携し、これまで多くの教育・研究活動を推進してきました。さらに、2023年4月には新たに保健医療学部が加わり、3学部6学科の体制になりました。地域・社会のさまざまな出来事や課題に対して、各専門分野の観点からの意見やアドバイスなどが可能です。これまでの実績□公共事業入札について□最低賃金の引き上げについて□子育て環境について□航空機の構造について□新商品・サービスの開発に関するデータ活用について□地方移住について□放射線リスクについて□高齢者の交通事故防止について□シニア層の労働環境について□大分県内交通インフラについて□地方選挙についてetc.社会人の学習機会を創出し地域が抱える課題を解決講演会講師2出前授業大学主催の公開講座に加え、各種イベントや講演会、各機関や企業での研修、地域コミュニティやスポーツ教室などに講師を派遣し、講演等を行います。労働人口の減少や若者の離職率など、課題を抱える産業界に対しても中長期的な視点で、人材育成をサポート。また、地域の青少年の健全な育成のための教育事業や社会人の学び直しの機会を創出します。これまでの実績□勘・コツ・閃きに頼らない“ヒット商品”のつくりかた□環境保全と自然災害対策□自然災害からの復旧・復興□人口減少による地域コミュニティとまちおこし□住民・観光客の双方が満足できる交通のあり方□地球温暖化と生き物□医療格差をなくす□子どもの睡眠時間と勉強効率を高めるためには□ボードゲームで学ぶ会計の基礎□細胞って凄い！～生命の基本である「細胞」を見つめなおす～□がん細胞の種類と性格□家族の骨を守ろう～骨コツした積みかさねで健康な家庭づくり～□人口知能（AI）や最新ICTが医療にもたらす変化etc.

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NBUAcademicResearch0783共同研究受託研究建学の精神「産学一致」のもと豊かな地域社会を構築地域経済の発展と文化の向上に寄与するため、「理論」と「実践」を融合させた研究開発や人材育成を行う「産学連携」の取り組みを推進しています。本学で生まれた科学技術に関する研究成果や調査結果等を実用化につなげ、社会へ還元することを目指します。これまでの実績□快適音環境創生に関する研究□百貨店催事における人流ビッグデータを活用したマーケティング戦略の効果検証□ダブルHコイルに関する研究□ドローンの知能化・高機能化に関する研究□放射線による健康リスクと他の疾病リスクとの比較に関する研究□磁力選別機の最適化に関する研究□変圧器の低損失に関する研究□不断水水替え工法およびハイブリットジャッキシステムの開発□パルス放電を利用したスポット溶接部の通電特性に関する研究□羽ばたき翼型ドローンの研究開発□旧田嶋家住宅の利活用提案etc.5大学見学小中学生向け4体験教室未来を見据えたハイレベルな学びの場最新の設備や施設を見学約40万㎡の広大なキャンパスには、学生たちが学びを深める施設や設備を有しています。3学部6学科それぞれの専門的な施設や最新設備を中心に、図書館などの見学も可能です。特に2023年5月に完成した「LCMセンター」では、3学部の学生が開放的な空間で自由に学べる「ラーニング・コモンズ」や、保健医療学部の最新機器を設置する実習室など、最先端の学びの場を見学することができます。地域の子どもたちに楽しみながら学ぶ場づくり人間力育成センターを拠点に、学生たちは地域でさまざまな活動を行っています。小中学生を対象に、ものづくりを通して子どもたちと交流する「ものづくり体験教室」や、各学科の学びをお仕事体験として提供する「お仕事発見ランド」といったイベントを企画・運営。未来を担う次の世代の子どもたちにものづくりの楽しさを伝え、将来の職業選択をサポートする取り組みを展開しています。日本文理大学NIPPONBUNRIUNIVERSITY〒870-0397大分県大分市一木1727https://www.nbu.ac.jp産学官民連携推進センターへ、お問い合わせください。TEL.097-524-2700sangaku@nbu.ac.jp大学院工学研究科工学部経営経済学部保健医療学部■環境情報学専攻■航空電子機械工学専攻■機械電気工学科■建築学科■航空宇宙工学科■情報メディア学科■経営経済学科■保健医療学科

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www.nbu.ac.jp2024.04発行

