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# インタープリテーション・マニュアル

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明治日本の産業革命遺産インタープリテーション・マニュアル鉄・製鋼、造船、石炭産製業「明治日本の産業革命遺産」人材育成事業実行委員会【発行】

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造船産業に関わる構成資産の相関図

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製鉄・製鋼に関する資産の相関図製鉄・製鋼高炉反射炉1850年代A3韮山A1萩佐賀那珂湊A2旧集成館1853年ペリー提督江戸湾来航1868年明治維新1887年釜石鉱山田中製鐵所木炭高炉・錬鉄1894年コークス高炉操業成功1858年釜石エリアA4橋野鉄鉱山木炭高炉1880年釜石エリアA4官営釜石製鉄所（明治政府）1901年A8官営八幡製鐵所コークス高炉・溶鋼精錬の銑鋼一貫製鉄所たらら製鉄（暗黙知）蘭書イギリスの技術ドイツの技術

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石炭産業関連の構成資産の相関図

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岩手県釜石市橋野鉄鉱山静岡県伊豆の国市韮山反射炉福岡県大牟田市・熊本県荒尾市三池炭鉱・三池港熊本県宇城市三角西港製鉄・製鋼造船石炭

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明治日本の産業革命遺産構成資産山口県萩市萩反射炉恵美須ケ鼻造船所跡大板山たたら製鉄遺跡萩城下町松下村塾福岡県北九州市・中間市官営八幡製鐵所遠賀川水源地ポンプ室佐賀県佐賀市三重津海軍所跡長崎県長崎市小菅修船場跡三菱長崎造船所第三船渠三菱長崎造船所ジャイアント・カンチレバークレーン三菱長崎造船所旧木型場三菱長崎造船所占勝閣高島炭坑端島炭坑旧グラバー住宅鹿児島県鹿児島市旧集成館寺山炭窯跡関吉の疎水溝

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1はじめにはじめに本書は、二〇一五年のユネスコ（ＵＮＥＳＣＯ、国連教育科学文化機関）の世界遺産委員会において、世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の概要を理解していただくため、平成二十九年度文化庁文化芸術振興費補助金（文化遺産総合活用推進事業）等を活用して作成した解説書です。「明治日本の産業革命遺産」は、八県十一市に分布する二十三の資産群によって構成され広域にわたっています。また、時代は一八五〇年代から一九一〇年までの約六十年間を、産業分野は製鉄・製鋼、造船、石炭産業の三つを対象としていて、これらが密接な関係を持ちながらストーリーを形成している世界遺産です。世界遺産条約（二四ページ参照）では、締約国に対し、世界遺産に登録された資産を確実に次世代に継承することを義務づけています。この目的を達成するためには、当

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2資産およびその構成資産が世界遺産に登録されるに当たりユネスコから認められた世界遺産としての価値を、構成資産が所在する各地で等しく説明し、また、正しく理解していただくことが非常に重要となります。なお、本書は既刊の『明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業世界遺産推薦書ダイジェスト版』（一六ページ参照）の内容を基礎にしています。個別の各資産の概要は同書をご覧ください。本書を通じて「明治日本の産業革命遺産」の価値を多くの皆様に理解していただき、次世代への確実な継承の一助となることを祈念しております。「明治日本の産業革命遺産」人材育成事業実行委員会

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3目次目次はじめに「明治日本の産業革命遺産」の全般について9Q1「明治日本の産業革命遺産」の正式名称は何ですかQ2「明治日本の産業革命遺産」の正式名称が決まって世界文化遺産に登録されたのはいつですかQ3世界遺産委員会に提出した書類はどのようなものでしょうかQ4各資産に設置された記念銘はどのようなものでしょうかQ5記念銘には何と書かれているのでしょうかQ6世界遺産の登録認定証とは何でしょうか

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4Q7「明治日本の産業革命遺産」の登録方法である「シリアル・ノミネーション」とは何でしょうかQ8「明治日本の産業革命遺産」の関連参考資料にはどのようなものがありますかQ9世界遺産ルートとは何のことでしょうかQ10「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録を記念したものには何がありますかQ11世界遺産委員会から宿題が出されたそうですが、どのようなものでしょうか世界遺産全般について24Q12「世界遺産条約」とは何でしょうかQ13世界遺産はいくつ登録されていますかQ14日本の世界遺産にはどのようなものが、いくつありますかQ15世界遺産に登録される条件は何ですか

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5目次世界遺産登録に必要な完全性・真実性30Q16世界遺産価値に必要な「真実性」とは何でしょうかQ17世界遺産価値に必要な「完全性」とは何でしょうかQ18なぜ那珂湊反射炉（茨城県）は構成資産ではないのですかQ19なぜ三川坑（福岡県）は構成資産ではないのですかQ20なぜ筑豊炭鉱は構成資産ではないのですかQ21なぜ東田第一高炉（福岡県）は構成資産ではないのですかQ22なぜ出島は構成資産ではないのですかQ23なぜ釜石の大橋は構成資産ではないのですか世界遺産登録40Q24世界遺産登録までの流れはどうなっているのですかQ25イコモスとはどんな組織なのですかQ26暫定リストに記載されると必ず世界遺産登録されますか

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6「明治日本の産業革命遺産」の各事項44Q27なぜ幕末やそれ以前の遺産が入っているのでしょうかQ28なぜ「明治日本の産業革命遺産」の期間は一九一〇年までなのですかQ29時代はどのように区分されますかQ30各構成資産の範囲は何によって構成されるのですかQ31反射炉は佐賀で初めてつくられたのに、なぜ佐賀に反射炉の構成資産がないのですかQ32韮山反射炉の世界遺産エリアに川が入っているのはなぜですかQ33構成資産にはなぜ灯台が含まれていないのですかQ34構成資産にはなぜ砲台が含まれていないのですかQ35構成資産にはなぜ海軍工廠が含まれていないのですかQ36大金剛丸は世界遺産になることはできないのですかQ37萩の城下町はなぜ世界遺産の構成資産なのでしょうかQ38萩城には天守閣がありませんが、天守閣は再建しなくてよいのでしょうか

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7目次稼働資産の保全53Q39現在も稼働している資産が入っているのはなぜですかQ40資産の保全はどのように行うのですかQ41「明治日本の産業革命遺産」の稼働中の産業遺産に係る税負担軽減措置があると聞きましたが、これはどのようなものですかQ42デジタル・ドキュメンテーションとは何ですかQ43イコモス・ティキ共同原則とは何でしょうかQ44戦略的枠組みとはどのようなものでしょうかQ45内閣官房に「産業遺産の世界遺産登録推進室」が設置された経緯を教えてくださいインタープリテーション戦略72Q46インタープリテーション戦略とは何でしょうかQ47インタープリテーション戦略はどのような原則に基づいていますか

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8Q48ビジター施設ならびにインフラについてはどうでしょうかその他よくある疑問点76Q49推薦書に労働問題の記載はありますかQ50山本作兵衛と明治日本の産業革命遺産の関係性はどうですかQ51三池炭鉱には様々な坑口がある中、構成資産はなぜ宮原坑と万田坑の二つだけなのですかQ52端島の世界遺産価値と文化財価値についてはどうですかQ53関連資産とは何ですか資料（84）／「明治日本の産業革命遺産」の窓口（93）／要点整理のクイズ（95）

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9「明治日本の産業革命遺産」の全般について「明治日本の産業革命遺産」の全般についてQ1「明治日本の産業革命遺産」の正式名称は何ですかA「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」といいます。英語では、SitesofJapanʼsMeijiIndustrialRevolution:IronandSteel,ShipbuildingandCoalMiningです。Q2「明治日本の産業革命遺産」の正式名称が決まって世界文化遺産に登録されたのはいつですかA「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」という正式名称に変更されるきっかけとなったのは、二〇一五年五月四日に出されたイコモス勧告です（イコモスについては四一ページ参照）。正式に名称が決定し世界文化遺産に登録されたのはドイツのボンで開催された第三十九回ユネスコ世界遺産委員会で、二〇一五年七月八日

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10です。推薦時は「明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域」という名称でした。Q3世界遺産委員会に提出した書類はどのようなものでしょうかA「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されるに当たっては、様々な書類（全て英文）が提出されました。ユネスコに提出した資料の総ページは全二七七五ページに及びます。以下に、その例を挙げていきます。【推薦書】（全四八四ページにて構成）「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産一覧表に記載するに値する顕著な普遍的価値を有すること、適切な保全措置がなされていること、真実性（真正性）・完全性の要件を満たしていることを証明するため、ユネスコが定めた「世界遺産条約履行のための作業指針」に基づき二〇一四年一月二十九日に、内閣官房がユネスコの世界遺産センターへ「明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域」推薦書（正式版）を提出しました。表紙は福岡県大牟田市にある三池港閘こう門もんが一九〇八年に竣工した際の写真です。【附属資料】（全二三五ページにて構成）推薦書の内容を補足するため、資産の保全手法、類似資産との比較調査等に関する

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【ページ内のテキスト情報】

11「明治日本の産業革命遺産」の全般について情報を記載した資料。【管理保全の一般方針及び戦略的枠組み】（全七一ページにて構成）多様性が高く、多くの関係者が存在する「明治日本の産業革命遺産」を構成する二十三の資産について、パートナーシップの下、共通の方針に沿って管理保全が行われるよう、一般的な方針や枠組みを記載した書類。【管理保全計画書】個々の構成資産について、所有者や管理者をはじめとする関係者が、日常の管理保全の進め方についてのルールを定めた計画書。萩（全二三五ページにて構成）集成館（全一五四ページにて構成）韮にら山やま（全一〇六ページにて構成）写真1「明治日本の産業革命遺産」推薦書写真2三池港閘門竣工時の記念写真

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12橋野鉄鉱山（全一五一ページにて構成）三み重え津つ海軍所跡（全一四七ページにて構成）小こ菅すげ修船場跡（全九九ページにて構成）三菱重工業株式会社長崎造船所（全一二二ページにて構成）高島炭鉱（全一四六ページにて構成）旧グラバー住宅（全一一六ページにて構成）三池炭鉱（全三〇〇ページにて構成）三池港（全一七五ページにて構成）写真3管理保全計画書三み角すみ西港（全一三五ページにて構成）官営八や幡はた製せい鐵てつ所しょ（全九九ページにて構成）Q4各資産に設置された記念銘はどのようなものでしょうかA構成資産への来訪者に顕著な普遍的価値を適切に周知するため、ユネスコのガイドライン（「世界遺産条約履行のための作業指針」第二六九項）に則り、「明治日本の産業革命遺産」の各資産に統一的な「世界遺産登録記念銘」を設置しています。鉱こう

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13「明治日本の産業革命遺産」の全般について滓さい煉れん瓦がをイメージしたデザインとなっています。ガイドラインには「資産が世界遺産一覧表に登録された場合は、締約国は、可能な限り、登録を記念する記念銘を設置すること。記念銘は、当該国の国民及び外国からの訪問者に向けて、訪れた資産が国際社会に認定された特別の価値を有することを周知することを目的とする」とあります。写真4恵え美び須すヶ鼻はな造船所跡に設置された記念銘（山口県萩市）Q5記念銘には何と書かれているのでしょうかA「『＊＊＊〔資産名〕』は、世界遺産一覧表に記載された「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つである。十九世紀の半ば、西洋に門戸を閉ざしていた東洋の一国は、

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14海防の危機感より西洋科学に挑戦をし、工業を興すことを国家の大きな目標として、西洋の産業革命の波を受容し、工業立国の土台を築いた。明治日本の産業革命遺産は、一八五〇年代から一九一〇年の日本の重工業（製鉄・製鋼、造船、石炭産業）における大きな変化、国家の質を変えた半世紀の産業化を証言している」と書かれています。Q6世界遺産の登録認定証とは何でしょうかAユネスコから日本政府に交付された世界文化遺産登録認定証です。二〇一六年三月に、構成資産の立地する各自治体の首長にレプリカが伝達されました。写真5世界文化遺産登録認定書

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15「明治日本の産業革命遺産」の全般についてQ7「明治日本の産業革命遺産」の登録方法である「シリアル・ノミネーション」とは何でしょうかAシリアル・ノミネーションとは八県十一市に立地する二十三の構成資産全体で「顕著な普遍的価値」（OutstandingUniversalValue）、すなわち世界遺産の価値があるという考え方です。日本に広がる本格的なシリアル・ノミネーションとしては「明治日本の産業革命遺産」が初めてとなります。各構成資産の一つ一つには、それだけでは世界遺産の価値はありません。各個別の資産は世界遺産を構成する要素の一つにすぎず、全体でユネスコの基準を満たして登録をされていますので、厳密には「韮山反射炉が世界遺産になった」、「軍艦島が世界遺産になった」、「世界遺産旧集成館」といった表現は正しくありません。正しくは、「世界遺産明治日本の産業革命遺産旧集成館」などという表現になります。Q8「明治日本の産業革命遺産」の関連参考資料にはどのようなものがありますかA次のような冊子、ウェブサイト、スマホアプリがあります。

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16【ダイジェスト版】名称は『明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業世界遺産推薦書ダイジェスト版』（「明治日本の産業革命遺産」世界遺産協議会事務局発行）で、通称ダイジェスト版です。ユネスコに提出された「推薦書」の内容を、コンパクトにまとめた冊子で、二十三の各資産の概要が記載されています。表紙には推薦書と同じく、福岡県大牟田市の三池港閘門が一九〇八年に竣工した際の写真が掲載されています。【公式一般配布用パンフレット（ミニパンフレット）】名称は『世界遺産明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業ミニパンフレット』（「明治日本の産業革命遺産」世界遺産協議会発行）で、通称ミニパンフレットです。「明治日本の産業革命遺産」のストーリーを理解していただくための公式一般配布用パンフレットです。全二四ページで、分かりやすい表現でストーリーの解説が掲載され、巻頭で世界遺産価値が説明されています。各構成資産のほか、資産が立地するエリアのガイダンス施設などで入手することができます。【ウェブサイト】「明治日本の産業革命遺産」の公式ホームページです。イベント開催などのニュー

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17「明治日本の産業革命遺産」の全般についてス記事のほか、これまで世界遺産登録に携わってきた方々へのインタビュー連載企画など、様々な情報が掲載されています。www.japansmeijiindustrialrevolution.com【公式スマホアプリ】「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の立地する自治体からなる「明治日本の産業革命遺産」世界遺産協議会が開発したアプリです。「明治日本の産業革命遺産」についての解説のほか、クイズ機能、現地の様々な写真や映像などを見ることができる写真6「明治日本の産業革命遺産」スマホアプリ

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18「現地カメラ」機能などがあり、幅広い世代の方を対象として気軽に学ぶことができるよう設計されています。「明治日本の産業革命遺産」の構成資産には、現役で稼働中のため、一般来訪者の見学を受け付けていない資産もあり、アプリで資産情報を発信しています。一例として三菱重工業株式会社長崎造船所のジャイアント・カンチレバークレーンが挙げられます。スコットランド政府との共同プロジェクト「スコティッシュ・テンプロジェクト（TheScottishTenProject）」で計測されたデータを活用し、クレーンの構造を直感的に学ぶことができる「3Ｄビュアー」（現地でのみ体験可能）や、「シミュレーター」を搭載していて、これにより、実際にはアクセスできない資産について、デジタル・ドキュメンテーションとしての情報発信を、アプリを活用して進めています（五七ページも参照）。また、アプリの様々な機能を利用していくことで、ポイントが貯まるようになっていて、ポイントの月間ランキングがアプリ上で公開されています。言語は日本語のほかに、英語・中国語（簡体字）・中国語（繁体字）・韓国語に対応しています。

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19「明治日本の産業革命遺産」の全般についてQ9世界遺産ルートとは何のことでしょうかA「明治日本の産業革命遺産」推薦書の五ｈ（三九五―四〇三ページ）において、Visitorfacilitiesandinfrastructureという章が設けられています。その中では、各エリアにおけるガイダンス施設のほか、駐車場やアクセス情報などが明記されていて、また、各エリアをつなぐ交通網なども紹介されています。各エリアならびにエリアに立地する構成資産は単独では世界遺産としての価値を持たないため、訪問者には各エリアの周遊を通して、シリアル・ノミネーションとしての全体で一つの世界遺産価値について理解していただく必要があります。そのた写真7ガイドマップ写真8道路標識の例

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20めの取り組みが、世界遺産ルートの整備となります。その中では、各エリア全体を紹介し、交通網等を表示したガイドマップを配布しているほか、産業遺産の統一ロゴを掲載した道路標識（二〇一七年十一月一日現在で二七〇か所）による案内表示等を進めています。Q10「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録を記念したものには何がありますかA次のような切手、貨幣セットがあります。2017年11月1日現在県名市名設置済今年度予定合計備考福岡県北九州市53053大牟田市20020中間市13013佐賀県佐賀市25025長崎県長崎市31316平成30年度に別途3か所設置予定熊本県荒尾市41041宇城市18018鹿児島県鹿児島市29837山口県萩市44044岩手県釜石市20020静岡県伊豆の国市404平成32年度までに別途4か所新設予定。それ以降も既存の標識更新時に順次導入する方針。合計27021291（出典：「明治日本の産業革命遺産」世界遺産協議会）表1道路標識の設置状況

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21「明治日本の産業革命遺産」の全般について【貨幣セット・プルーフメダルセット付属小冊子（造幣局）】「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録を記念して、造幣局より発売された「貨幣セット」および「プルーフメダル三点セット」に付属する小冊子で、資産やストーリーについての理解を深めることができ【フレーム切手（日本郵便）】「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録を記念して、二〇一五年十一月に日本郵便より発売されたフレーム切手です。エリアごとに分けられた全十四種類が発売され、付属の台紙には、各構成資産の解説が掲載されています。写真9フレーム切手写真10貨幣セット（左）・メダルセット（右）

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22ます。Q11世界遺産委員会から宿題が出されたそうですが、どのようなものでしょうかA第三十九回世界遺産委員会決議の勧告に関する箇所を引用します。四締約国〔日本〕が、以下のことを検討するよう勧告する。ａ端島炭坑の詳細な保全措置に係る計画を優先的に策定すること。ｂ推薦資産（の全体）及び構成資産に関する優先順位を付した保全措置の計画及び実施計画を策定すること。ｃ資産に対して危機をもたらす可能性の高い潜在的な負の影響を軽減するため、各構成資産における受け入れ可能な来訪者数を定めること。ｄ推薦資産（の全体）及びその構成資産の管理保全のための新たな協力体制に基づく枠組みの有効性について、年次ごとにモニタリングを行うこと。ｅ管理保全計画の実施状況及び地区別保全協議会での協議事項・決議事項の実施状況について、一年ごとのモニタリングを行うこと。ｆ各構成資産の日々の管理に責任を持つあらゆるスタッフ及び関係者が、能力

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23「明治日本の産業革命遺産」の全般についてを培い推薦資産の日常の保全、管理、理解増進について一貫したアプローチを講じられるよう、人材育成計画を策定し、実施すること。ｇ推薦資産のプレゼンテーションのためのインタープリテーション（展示）戦略を策定し、各構成資産がいかに顕著な普遍的価値に貢献し、産業化の一または二以上の段階を反映しているかを特に強調すること。また、各サイトの歴史全体についても理解できるインタープリテーション（展示）戦略とすること。ｈ「集成館」及び「三重津海軍所跡」における道路建設計画、「三池港」における新たな係留施設に関するあらゆる開発計画及び来訪者施設の増設・新設に関する提案について、「世界遺産条約履行のための作業指針」第一七二項に従って、審議のため世界遺産委員会に提出すること。五二〇一八年の第四十二回世界遺産委員会での審議のため、二〇一七年十二月一日までに上記に関する進捗状況の報告を世界遺産センターに提出するよう、締約国に要請する。六同時に、締約国がイコモスに対して、上記勧告の実施に係る助言を求めることを検討するよう勧告する。

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24（http://www.cas.go.jp/jp/sangyousekaiisan/pdf/sekaiisan_ketugi.pdf）右の宿題とは別に、日本政府代表団は「日本は、一九四〇年代にいくつかのサイト（施設）において、その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたこと、また、第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる所存である。日本はインフォメーションセンターの設置など、犠牲者を記憶にとどめるために適切な措置を説明戦略に盛り込む所存である」との声明を発表しました。世界遺産委員会における佐藤地くにユネスコ大使（当時）の発言と審議結果に関する岸田文雄外務大臣（当時）の談話については八四―八六ページの資料1、2をご参照ください。世界遺産全般についてQ12「世界遺産条約」とは何でしょうかA正式名称は「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」（Convention

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25世界遺産全般についてConcerningtheProtectionoftheWorldCulturalandNaturalHeritage）といいます。一九七二年十一月十六日に第十七回ユネスコ総会で採択されました。日本の条約締約は一九九二年と、やや遅れて締約した形となります。世界遺産が提起されることになったきっかけは、ナイル川のアスワンハイダム建設によって、エジプト南部からスーダン北部にあるヌビア遺（※）跡が水没することになったことにあります。ヌビア遺跡を保護するため、エジプト、スーダン両国からの要請によってユネスコはヌビア水没遺跡救済キャンペーンを展開し、保護につながりました。世界遺産は、人類全体のための世界の遺産を損傷・破壊の脅威から保護し、保存することが重要であるとの観点から、国際的な協力・援助体制を確立することを目的としています。※ヌビア遺跡―紀元前十六世紀から前一世紀にかけ、古代エジプト王朝の時代に建てられた建造物群。構成資産はアブ・シンベル神殿、フィラエ神殿、カラブシャ神殿など。一九七〇年にアスワンハイダムの近くに移築された。Q13世界遺産はいくつ登録されていますかA二〇一七年の第四十一回世界遺産委員会（ポーランド）後の時点で、世界では

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26一〇七三件が世界遺産に登録されています。また、世界遺産には文化遺産、自然遺産、複合遺産の三種類があります。【文化遺産（八三二件）】顕著な普遍的価値を有する記念工作物、建造物群、遺跡例―万里の長城（中国）、ピラミッド（エジプト）、ポンペイ（イタリア）、法隆寺仏教建造物（日本）「明治日本の産業革命遺産」もこれに含まれます。【自然遺産（二〇六件）】顕著な普遍的価値を有する自然の地域、地質・地形、風景地等例―グランド・キャニオン（アメリカ）、ガラパゴス諸島（エクアドル）、屋久島（日本）【複合遺産（三五件）】文化遺産・自然遺産両方の定義を満たす遺産例―マチュ・ピチュ（ペルー）

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27世界遺産全般についてQ14日本の世界遺産にはどのようなものが、いくつありますかA日本には、世界文化遺産が一七件、世界自然遺産が四件（二〇一七年八月現在）あり、二〇一八年には暫定リストから「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界遺産リスト入りを目指しています。【日本における世界文化遺産】記載年法隆寺地域の仏教建造物1993年姫路城1993年古都京都の文化財（京都市、宇治市、大津市）1994年白川郷・五箇山の合掌造り集落1995年原爆ドーム1996年厳島神社1996年古都奈良の文化財1998年日光の社寺1999年琉球王国のグスク及び関連遺産群2000年紀伊山地の霊場と参詣道2004年石見銀山遺跡とその文化的景観2007年平泉―仏国土（浄土）を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―2011年富士山―信仰の対象と芸術の源泉2013年富岡製糸場と絹産業遺産群2014年明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業2015年ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―2016年「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群2017年【日本における世界自然遺産】記載年屋久島1993年白神山地1993年知床2005年小笠原諸島2011年表2日本の世界遺産

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【ページ内のテキスト情報】

28Q15世界遺産に登録される条件は何ですかA人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」（OutstandingUniversalValue）を有していると認められることが必要です。「世界遺産条約履行のための作業指針」の第四九項によると、「顕著な普遍的価値」とは、「国家間の境界を超越し、人類全体にとって現代及び将来世代に共通した重要性をもつような、傑出した文化的な意義及び／又は自然的な価値」を意味しています。同指針の第五二項では、以下のように定められています。「条約は、重大な価値を有する資産のすべてを保護することをめざすものではなく、国際的な見地からみて最も顕著な価値を有する資産を選定し、それらを保護するものである。国家的に重要な資産や地域において価値を有する資産が自動的に世界遺産一覧表に登録されるものではない」。すなわち、国において重要な文化遺産であると指定された文化財であったとしても、「国際的な見地からみて最も顕著な普遍的価値を有する資産」でなければ世界遺産に登録されることはありません。同指針第七八項によると、「顕著な普遍的価値」を有するとみなされる資産はユネスコが定める「顕著な普遍的価値」の評価基準の一つ以上を満たし、なおかつ「完全

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【ページ内のテキスト情報】

29世界遺産全般について性及び／又は真正性の条件」についてもユネスコの基準を満たしている必要があります。また、それらの世界遺産価値の保護を担保する適切な保護管理体制がなければならない、とされています。明治日本の産業革命遺産はこれらの評価基準のⅱとⅳを満たしています。推薦書では資産の価値表明といかにユネスコの評価基準に資産の価値が適合するかが議論されています。「明治日本の産業革命遺産」は推薦時ⅱ、ⅲ、ⅳの三つの評価基準の適合を議論しました。しかしながら、イコモスの査定において、ⅱとⅳの適合のみが認められました（「評価基準」の詳細は八六―八七ページの資料3を参照）。ユネスコに提出された推薦書においては、DraftStatementが一一―一二ページと第三章の登録の価値証明二四二―二五八ページに記載されています。推薦書ダイジェスト版（英語版・日本語版の二種類作成）の六ページでは、どのように必要な条件を満たしているかが記載されています。

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【ページ内のテキスト情報】

30世界遺産登録に必要な完全性・真実性Q16世界遺産価値に必要な「真実性」とは何でしょうかAデザインや材質、機能などが本来の価値を維持しているか、ということを指します。「世界遺産条約履行のための作業指針」第八二項によると、以下の通りです。文化遺産の種類、その文化的文脈によって一様ではないが、資産の文化的価値（登録推薦の根拠として提示される価値基準）が、下に示すような多様な属性における表現において真実かつ信用性を有する場合に、真正性の条件を満たしていると考えられ得る。・形状、意匠・材料、材質・用途、機能・伝統、技能、管理体制

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【ページ内のテキスト情報】

31世界遺産登録に必要な完全性・真実性・位置、セッティング・言語その他の無形遺産・精神、感性・その他の内部要素、外部要素「明治日本の産業革命遺産」を例にとってみてみましょう。全ての構成資産は、オリジナルな形状と材質を保持していて、それは地下遺構となり目に見えない資産であっても同様です。三み重え津つ海軍所跡や高島炭坑のような遺産群は、主に考古学的遺産で、素材の大半が手つかずの状態で地下遺構として遺されていて、また形状や景観も遺されています。三重津海軍所跡の場合、地下遺構として、修船、造船施設であるドライドックや、船の修理に必要な部品を修理・製造した金属加工施設などの跡が、形状やデザイン、材料の観点で良好な状態で遺されていて、真実性が認められています。世界遺産登録の際に、また、現在も稼働している資産については、オリジナルな用途で継続的に使用されていて、つまり用途や機能もそのまま保たれるという点で極めて高い真実性を持っています。現在も三菱重工業株式会社長崎造船所で実際に使用さ

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32れている「ジャイアント・カンチレバークレーン」を例にとれば、これはワイヤーやブレーキ、操作盤など、大部分がオリジナルな状態を維持しながら、設置から百年以上たった現在も、当時から変わらない姿で機能しています。この点からも、当時のオリジナルな形状（当時と変わらない姿）・材質（オリジナルの部品を使用）で、一九〇九年以来のクレーンとしてのオリジナルな用途、機能を保持していて、極めて高い水準で真実性を保持していることが認められています。ユネスコへの推薦書のダイジェスト版六ページの「真実性の宣言」という箇所では、以下のように記載されています。顕著な普遍的価値に関する真実性について、西洋から非西洋への初めての、且つ急速な産業化の移転を顕し代表する、現存する産業遺産の集合体として、最も高い真実性を有している。「形状・意匠」、「材料・材質」について、本資産の構成資産は重工業の産業分野における、西洋からわが国への技術移転のプロセスを説明する上で、必要不可欠な、オリジナルの形状と材質を保持している。構成資産の中には、断片的又は考古学的な遺構も含まれるが、何れにしても、全体の資産の中で重要な産業要素については

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【ページ内のテキスト情報】

33世界遺産登録に必要な完全性・真実性真実性が高い。構成資産の中には、長年、産業遺産の特徴を遺す史跡として管理されてきた遺構もあり、それらは実質的に高い真実性を有する重要な遺構である。それ以外の構成資産においては、「形状・意匠」及び「材料・材質」のみならず、オリジナルな用途での継続的使用と機能が維持されている事から極めて高い真実性を有している。Q17世界遺産価値に必要な「完全性」とは何でしょうかAその遺産が持つ価値を特徴づける要素が完全に含まれるかどうか、ということです。「明治日本の産業革命遺産」は、二十三の構成資産全体で「顕著な普遍的価値」を有しています。当然、複数の資産群で世界遺産価値を示す「シリアル・ノミネーション」ですので、ストーリーを説明するためにはどの資産が必要（または不要）で、構成資産全体でその価値を完全に証明できるかが重要となるため、どの構成資産を選ぶかは大変重要な問題となります。「明治日本の産業革命遺産」を例にとると、全体としての資産の保全状態は良好で、特に産業用の用途で現在も生産の一翼を担う現役の産業設備については、民間の管理者が安全性確保のための定期点検の実施と、適切

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【ページ内のテキスト情報】

34な維持管理を行うことにより、極めて高い水準の完全性・真実性を保持しています。ユネスコへの推薦書二五二―二五四ページにおいては、個別の資産において、どのような完全性を持っているかが掲載されています。完全性がどのように認められているかは資産によって異なりますが、一つの例としては三池が挙げられます。明治時代の石炭産業を語る上で、三池であれば明治時代の採炭施設である宮みやの原はら坑、万まん田だ坑、三池炭鉱専用鉄道敷跡やハチドリの形をする三池港、三角西港など物流関連施設とその変化の道程までが遺っており、石炭を掘り、鉄道で運び、港から各地へという物流全体の流れを含めることが完全性のために必要でした。「明治日本の産業革命遺産」の推薦書ダイジェスト版六ページにおいては、以下のように記載されています。「明治日本の産業革命遺産」は、製鉄・製鋼、造船、石炭産業といった産業分野において、急速な産業化を成し遂げた道程を証言する遺産群であり、二十三の構成資産は、現存する唯一かつ希少な遺構として、全体で「顕著な普遍的価値」を有している。いずれの構成資産においても、資産の範囲に、「顕著な普遍的価値」に貢献する要素を、全て包含するように、境界線を設定した。

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35世界遺産登録に必要な完全性・真実性日本国政府は、内閣官房の下に構築した戦略的枠組みにおいて、構成資産を、劣化や開発の悪影響から守るため、管理の仕組みを用意した。全体としての資産の保全状態は良好であるが、中には継続的利用、もしくは、長期間放置された後、別の用途で活用をされ、その結果、物理的影響が及んだ遺構も含まれている。また完全性が担保されているものから、部分的に保全されているものまで、多種多様である。但し後者の場合であったとしても、遺産群全体の完全性を顕すために求められている遺構が、手つかずのまま遺されている。考古学的資産の場合、これまでの十分な発掘調査の結果、将来の研究や展示のために必要な遺構の大半が、良好な状態で保存されていることが、確認されている。Q18なぜ那珂湊反射炉（茨城県）は構成資産ではないのですかA那珂湊反射炉は水戸藩によって建造された反射炉で、南部藩士の大おお島しま高たか任とうらを建設技術者として採用するなど、「明治日本の産業革命遺産」のストーリーとも合致する点が見られる資産です。しかしながら、一八六四年に発生した藩内抗争（元治甲子の乱）の際に破壊されてしまい、現在は復元されているものの、「真実性」が担保

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36されていないため、構成資産となることはできませんでした。Q19なぜ三川坑（福岡県）は構成資産ではないのですかA三川坑は三池炭鉱の坑口の一つで、一九四〇年に開坑し、三池炭鉱の主力坑として戦時下や戦後のエネルギー供給に大きく貢献しました。一九四九年には昭和天皇が入坑されたほか、一九六三年に発生して死者四五八人を出した戦後最悪の炭鉱事故とも言われる「三井三池三川炭鉱炭塵爆発」の現場としても知られています。三川坑は三池炭鉱の歴史においては非常に重要な場所ではありますが、「明治日本の産業革命遺産」のストーリーは「幕末から明治における産業日本の勃興」であるため、一九四〇年に開坑された三川坑は、このストーリーとは合致せず、構成資産には入っていません。現在、三川坑は公開・活用のための整備が進められており、三池炭鉱専用鉄道電気機関車（通称「炭鉱電車」）の展示とともに、毎週土曜日・日曜日・祝日に一般公開されています。Q20なぜ筑豊炭鉱は構成資産ではないのですか

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37世界遺産登録に必要な完全性・真実性A筑豊には田川の「旧三井田川鉱業所伊田坑」のような産業遺産が数多く残されています。高島、三池に続き筑豊は日本の急速な産業化を支えました。八幡のコークス原料を生産していたため、北九州工業地帯と一体として近代化に貢献をしていました。実際に「明治日本の産業革命遺産」においても、関連資産としては筑豊の資産が入っていますが、世界遺産の構成資産としては認められていません。これは、世界遺産登録には「完全性」が認められることが必要であることが理由となっています。当時の石炭産業の様子を「完全に」証明するためには、採炭設備だけでなく、生産から物流までを含めた全体のプロセスを説明することが必要です。世界遺産の構成資産となった三池エリアにおいては、採炭設備である坑口（宮原坑・万田坑）だけでなく、港まで石炭を輸送（人員輸送も兼ねていましたが）する鉄道網（三池炭鉱専用鉄道敷跡）、運ばれた石炭を輸出する港（三角西港・三池港）といった、石炭産業全体のプロセスを説明する資産が、良好な状態で遺っていました。筑豊全体の石炭産業を十分に説明するためには、三池エリアと同様に採炭施設だけではなく、産業物流関連施設なども含める必要がありました。しかし、直のお方がたの操車場や若松の港など、石炭物流のシステムがオリジナルで残っておらず完全性を満たすこ

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38とができません。したがって残念ながら世界遺産の構成資産となることができるような、良好な状態では現存していません。Q21なぜ東田第一高炉（福岡県）は構成資産ではないのですかA一九〇一年に操業開始した、「官営八幡製鐵所」は、現存する「旧本事務所」、「修繕工場」、「旧鍛冶工場」（以上、福岡県北九州市）、「遠賀川水源地ポンプ室」（福岡県中間市）の計四資産が構成資産に入っています。その中で、製鐵所のシンボルのような存在でもある「東田第一高炉」は、構成資産に入っていません。なぜでしょうか。上には「一九〇一」という看板が掲げられていますが、現在遺っている「東田第一高炉」は第一〇次改修高炉で、操業した時代も一九六二年から一九七二年までのため、明治期当時のものではなく、炉心も撤去された状態であり、いわばモニュメントとして保存されているものです。したがって、現存するものが明治期のものではなく、モニュメント的な建造物であることから真実性も担保できないため、構成資産には入っていません。

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39世界遺産登録に必要な完全性・真実性Q22なぜ出島は構成資産ではないのですかA出島は、幕末に西洋との窓口としての機能を果たし、西洋からの様々な情報が入ってくる貴重な場所でした。幕末、日本の西洋の玄関口として、「明治日本の産業革命遺産」のストーリーの中でも東西文化の交流拠点として欠かせないものですが、世界遺産登録における査定の際、海外の専門家委員複数名より、復元された部分が多くオリジナルが少ないため真実性が担保されないと評価され、ユネスコの基準を満たせず構成資産には入っていません。Q23なぜ釜石の大橋は構成資産ではないのですかA岩手県釜石市大橋にある釜石鉱山は、盛岡藩士大島高任が橋野高炉よりも一足早く、日本初の高炉を使った出銑に成功した場所です。現在は日鉄鉱業の「旧釜石鉱山事務所」が展示施設にリニューアルされ公開されていて、操業当時の様子を彷彿とさせる展示が行われています。大変素晴らしい施設ですが、当時の産業設備である高炉などは遺っておらず、現存しているものが創業当時の様子で完全な形では遺っていないため、大橋は構成資産にはなっていません。現在は橋野鉄鉱山が日本の近代製鉄

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40発祥の地として、世界遺産の構成資産の一つとなっています。世界遺産登録Q24世界遺産登録までの流れはどうなっているのですかAまずは国内で「暫定リスト」に登録される必要があります。暫定リストとは、世界遺産登録を目指す国内の資産をまとめたリストのことで、世界遺産に登録されるには、まずは暫定リストをユネスコの世界遺産センターに提出し、その中から条件の整ったものを国が推薦する、という流れになります。「明治日本の産業革命遺産」は、平成二十一年（二〇〇九年）に暫定リストに掲載されました。「明治日本の産業革命遺産」は、八県十一市にまたがる大型のシリアルでもあり、民間企業が自社で所有する現役産業設備が含まれたことから、新しい文化財の保全に向けて、規制改革などの様々な活動を経て、内閣官房の中に、産業遺産の世界遺産登録推進室ができ「明治日本の産業革命遺産」を支援する体制が組まれました。

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41世界遺産登録平成二十六年（二〇一四年）に、暫定リストの中から「明治日本の産業革命遺産」がユネスコに推薦されたのですが、その後はユネスコの諮問機関である「イコモス（ＩＣＯＭＯＳ、国際記念物遺跡会議）」による現地視察を受けることになりました。イコモスからは、当時の名称であった「明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域」から、「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」への名称変更が提案されました。その上で二十三の構成資産全て世界遺産リストへの記載が適当との評価を受けました。その審査結果に基づき、平成二十七年（二〇一五年）七月に開催された世界遺産委員会で世界遺産リストへの登録が決定しました。Q25イコモスとはどんな組織なのですかA文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織（ＮＧＯ）のことで、ユネスコの諮問機関として、各国から推薦された資産の審査・モニタリング活動を行います。世界遺産委員会に勧告（登録、情報照会、登録延期、不登録）された結果は、原則として世界遺産委員会での決定とつながるため、イコモスによる現地視察は世界遺産登録においては大変重要なものとなります。また、各国で国内委員会が組織されていて、文

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42化遺産保存分野の第一線の専門家や専門団体が様々な活動を行っています。Q26暫定リストに記載されると必ず世界遺産登録されますかA世界遺産登録のためには暫定リストに記載されることが必要ですが、必ずしも暫定リスト入りが世界遺産登録を約束するものではありません。また、暫定リストの中から世界遺産センターへ推薦できる文化遺産は、一国につき年一件に限定されています。そのため、「明治日本の産業革命遺産」の場合、その年に文化庁の文化審議会は「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」（長崎県・熊本県、二〇〇七年、名称は当時のもの）を推薦し、内閣官房の「稼働資産を含む産業遺産に関する有識者会議」は「明治日本の産業革命遺産」を推薦し、競合する形となりました。結果として「明治日本の産業革命遺産」が政府推薦となり、イコモスの審査を経て、第三十九回世界遺産委員会において世界遺産登録を実現する運びとなりました。なお、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は翌年に挑戦をし、イコモスの指導でタイトルを「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」と変更し、二〇一七年に再びイコモス審査を迎え、二〇一八

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43世界遺産登録年登録の予定です。【日本における暫定リスト掲載資産】文化遺産①古都鎌倉の寺院・神社ほか（神奈川県、一九九二年）②彦根城（滋賀県、一九九二年）③飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群（奈良県、二〇〇七年）④長崎の教会群とキリスト教関連遺産（長崎県・熊本県、二〇〇七年）⑤北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群（北海道・青森県・岩手県・秋田県、二〇〇九年）⑥金を中心とする佐渡鉱山の遺産群（新潟県、二〇一〇年）⑦百舌鳥・古市古墳群（大阪府、二〇一〇年）⑧平泉―仏国土（浄土）を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―（拡張）（岩手県、二〇一二年）自然遺産①奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西いり表おも島てじま（鹿児島県・沖縄県、二〇一六年）

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44「明治日本の産業革命遺産」の各事項Q27なぜ幕末やそれ以前の遺産が入っているのでしょうかA本遺産群は、年代を一八五〇年代からに設定しています。登録の過程で、「なぜ幕末が入るのか」という質問がありました。「明治日本の産業革命遺産」から幕末の産業化の揺よう籃らん期を外せば、この遺産群の世界遺産価値を理解することはできません。産業化の萌芽は、二世紀余の長きにわたる徳川幕府の鎖国政策における大船建造の禁の中で、西洋科学の情報が乏しかった時代に発します。諸藩の志士たちは、アヘン戦（※）争を契機に海防の危機感から、蘭書片手に西洋の科学技術に挑みました。幕末の試行錯誤の挑戦は本遺産群において、いわば「揺籃の時代（試行錯誤の時代）」と位置づけられています。なお、萩では、幕末以前の遺産が入っています。萩の城下町は、産業化前夜、すなわち産業革命の萌芽が発せられる前の、徳川時代の封建社会を理解する上で重要です。

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45「明治日本の産業革命遺産」の各事項このストーリーはいかに西洋から閉ざされていた極東の島国が、国を開き、西洋の技術を導入し、社会改革を成し遂げ、工業立国の土台を構築したかという産業化の道程を証言する遺産群でもあります。開国の志、生きた器械になるとロンドンに旅立った伊藤博文他の人々のような産業国家への志を育んだ松下村塾は、構成資産として欠かせません。※アヘン戦争（一八四〇―一八四二年）―清国において、イギリスとのアヘン貿易を取り締まることを契機として勃発した戦争。一八四二年八月二十九日、清国とイギリスは南京条約を調印し、清国の敗北という形で終結した。清国の敗北は、オランダや清の商人を通じて日本にも伝えられ、東洋における大国である清国が敗れたという事実は、大変な驚きとして受け取られた。また、清国が敗れたことで西洋列強の脅威が高まり、日本国内においても海防の危機感が高まる契機ともなった。Q28なぜ「明治日本の産業革命遺産」の期間は一九一〇年までなのですかA一九一〇年に期間が区切られたのは、日本がどのように産業国として世界に認知されたのかということに議論が集約しているからです（日韓併合などの政治史とは関係ありません）。構成資産を絞り込む過程の中で、六か国から集まる産業遺産の専門家が、全国の三百近い遺産を現地調査で精査しました。

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46その中で、「どの時点で産業革命の波が東洋の一国に伝播をし、成就されたとみなしたのか」ということが議論になりました。そこで委員たちが結論として選んだのが一九一〇年にロンドンで開催された日英博覧会です。この博覧会では、官営八幡製鐵所が出展し、全ての部材を、MadeinYawataで生産できるようにカタログが出品されていました。そのとき初めて日本は産業国家として世界に認知されました。これが、産業革命が、東洋に伝播したことが世界に認知された瞬間です。Q29時代はどのように区分されますかA一八五〇年代から一九一〇年までは大きく三つの時代に分かれます。①試行錯誤の挑戦―欧米列強に対抗するため、幕府や藩が西洋の書物の情報を取り入れ難破船を模したりするなど、試行錯誤で西洋の科学技術に挑む。②西洋の科学技術の導入―開港とともに、外国人技術者や起業家が日本を訪れ、西洋の科学技術の直接導入が始まる。③産業基盤の確立―国内で人材が育成され、西洋技術の積極的な導入と応用実践

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47「明治日本の産業革命遺産」の各事項を経て、国内需要に適合した改良を加え、産業がシステムとなり、工業立国の土台ができる。Q30各構成資産の範囲は何によって構成されるのですか図1資産範囲と緩衝地帯の例A各構成資産の範囲は、「資産範囲」と「緩衝地帯」によって構成されます。資産範囲は、世界遺産一覧表に記載する際に設定する資産の範囲のことで、世界遺産価値に貢献する全ての要素が、資産範囲に包含されるように設定する必要があります。緩衝地帯は、資産の効果的な保護のために定められた資産範囲を取り囲む地域のことで、資産に隣接する周辺環境や重要な景観などが含まれます。Q31反射炉は佐賀で初めてつくられたのに、なぜ佐賀に反射炉の構成資産がないのですかA佐賀藩では、鍋なべ島しま直なお正まさの命によって、日本初の西洋式反

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48射炉である「築つい地じ反射炉」の建造に取り組み成功しました。また、幕府から依頼された鉄製大砲の鋳造に応えるための「多た布ふ施せ反射炉」の建造や、最先端科学の研究施設である「精せい錬れん方かた」の設置も行われました。佐賀で初めて反射炉が建設されたことの歴史的意義や、近代化の取り組みにおける先駆けであることは変わりませんが、調査の途上であり、ユネスコの基準を満たすだけの物的証拠を収集することができなかったため、構成資産に組み込むことはできませんでした。しかしながら、佐賀で始まった試行錯誤の挑戦は、日本全国で開花をし、明治日本の産業革命に貢献したことは、その後の歴史においても大きな意義を有しています。Q32韮山反射炉の世界遺産エリアに川が入っているのはなぜですかA韮にら山やま反射炉の世界遺産エリアには、反射炉と隣接して流れる「韮にら山やま古ふる川かわ」という河川が流れています。一見すると、河川が入っているのは不思議に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、この「韮山古川」は韮山反射炉において大砲鋳造を行うための工程に不可欠な

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49「明治日本の産業革命遺産」の各事項要素でした。大砲を鋳造するに当たり、砲身をくりぬく作業が必要でしたが、そのための動力として、「水力」を活用していました。産業遺産が、ユネスコの基準の完全性（Integrity）を満たすためには、産業のシステム、すなわち生産工程が世界遺産の資産範囲（ＷＨＰ）に包含される必要があります。産業は動力を抜きには説明できず、その産業工程全体を理解する上で欠かせません。萩の大板山たたら製鉄遺跡、釜石の橋野鉄鉱山、鹿児島の旧集成館においても、川が入っています。このような意味では、「韮山古川」は大砲鋳造の機能の一部として、操業当時の様子を示す古絵図においても描かれています。たとえ、川の流れが反射炉が稼働していた当時と現在とでは異なっていたとしても、当時の正確な川の流域が確定できなくても、世界遺産の資産範囲に包含されていることが重要です。Q33構成資産にはなぜ灯台が含まれていないのですかA当初は下関市の六む連つれ島じま灯台や角つの島しま灯台を構成資産に入れるように検討していきました。

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50日本は島国ですから、海から近代化が始まり、まずは遠洋に航海をする船が安全な航海ができるようになるために港や灯台などの海運インフラ設備が整備されました。そういう意味で灯台は日本の文明開化の光でもありました。しかしながら、断片的に灯台を入れることがシリアル・ノミネーションとして全体の遺産群を強くするのかということを問われた際に、生産設備を中心に「産業日本の勃興」に絞ることがストーリーのコンセプトとして重要であるという議論になりました。Q34構成資産にはなぜ砲台が含まれていないのですかA例えば東京湾の台場の砲台、長崎の四郎ヶ島砲台、鹿児島の祇ぎ園おん之の洲す砲台他、砲台を世界遺産の構成資産に入れる検討はしていました。しかしながら、いずれも途中で全体のストーリーのコンセプトを「産業日本の勃興」に絞る中で、ストーリーが拡散しないよう、幕末の海防の危機感を代弁する砲台群は外れることとなりました。Q35構成資産にはなぜ海軍工廠が含まれていないのですかA日本海軍こそが日本が近代化の礎を築き、日本が工業立国となる技術力を牽引

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51「明治日本の産業革命遺産」の各事項しました。それなのになぜ、横須賀、佐世保、呉などの海軍工廠、陸軍の砲兵工場などは、入らないのでしょうか。もちろん、一つのアイデアでは、全ての海軍工廠と幕末をつなぐという遺産のコンセプトもあったかもしれませんが、ここでは、ことに「産業日本の勃興」がテーマとなっているため、テーマを補強する資産に絞られ、構成資産からは外れました。Q36大金剛丸は世界遺産になることはできないのですかA大金剛丸は、三池港閘門手前に一九〇五年に設置された「クレーン船」（最大吊り上げ能力は一五トン）で、石炭を動力とします。当時の設備が稼働する状態で遺るのは大変貴重なもので、「明治日本の産業革命遺産」のストーリーを物語る上でも貴重なものです。しかしながら、大金剛丸は「船」であり、「動産」です。大金剛丸は歴史的な価値がありますが、「不動産」でないと世界遺産には該当しません。世界遺産条約においては、「世界遺産条約履行のための作業指針」の第四八項に「現在不動産の遺産であっても、将来動産となる可能性があるものの登録推薦は検討対象としない」と明記されています。

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52つまり、世界遺産の構成資産となるためには、明確に「不動産」として認められる必要があります。例えば寺院が世界遺産として認められた場合においても、そこに安置されている仏像が登録対象になることは基本的にはないのも、この理由によるものです。大金剛丸においても同様で、船である以上「不動産」とされることはないため、構成資産に入ることはありません。Q37萩の城下町はなぜ世界遺産の構成資産なのでしょうかA萩の城下町の「町割り」には、幕末の封建社会の社会構造が良好な状態で遺っていて、世界遺産価値に貢献しています。しかし、城下町の建物などいわゆる「上物」は復元されたものが多く、真実性において基準を満たしませんでした。Q38萩城には天守閣がありませんが、天守閣は再建しなくてよいのでしょうかA明治維新を成し遂げた萩（長州）藩のプライドとして、一八七四年（明治七年）に天守閣を壊しました。このことで、新たな明治という社会システムに移行したことを顕しています。毛利の居城を壊したということも歴史の一部として保全することを

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【ページ内のテキスト情報】

53稼働資産の保全世界遺産の専門家に推奨されています。稼働資産の保全Q39現在も稼働している資産が入っているのはなぜですかA「明治日本の産業革命遺産」の構成資産には、「稼働資産」があります。「稼働資産は、文字通り、現在も現役で稼働している産業設備などです。例えば、三菱重工業株式会社長崎造船所（長崎県）や八幡製鐵所（福岡県）など、民間企業が所有している産業設備や、三池港（福岡県）のように現役の産業港が含まれています。これらは、民間企業が所有する、工場群の一角を占めています。そのため文化庁ではなく、内閣官房で産業と親和性の高い所管の省庁がヘリテージ価値を理解して、世界遺産の保全に参画をするための枠組みを作成しました。稼働資産を所有する産業関係者が産業活動を継続しつつも、ヘリテージ価値を理解し、世界遺産に参画することは「世界遺産条約履行のための作業指針」にも明記されています

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【ページ内のテキスト情報】

54（作業指針の関連項目については八七ページの資料4を参照）。三池港の港湾計画にも新たに世界遺産価値の保全が書き込まれ、港湾管理者自ら世界遺産価値を理解し、価値に貢献する要素を適切に守り、最適な法体系によって保全をしています。産業活動と世界遺産価値の保全を両立するために、関係者が管理保全計画（ＣＭＰ）に参画し、実行可能な管理保全をユネスコに提示しました。民間企業や産業関係者がヘリテージの保全に参加する内閣官房の戦略的枠組みは、イコモスの関係者や産業遺産の専門家などの世界のヘリテージ関係者から、高く評価されています。【「明治日本の産業革命遺産」における稼働資産】官営八幡製鐵所（福岡県北九州市）遠賀川水源地ポンプ室（福岡県中間市）三菱重工業株式会社長崎造船所（長崎県長崎市）三池港（福岡県大牟田市）橋野鉄鉱山（岩手県釜石市）

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55稼働資産の保全Q40資産の保全はどのように行うのですかA内閣官房の「戦略的枠組み」（六四―六九ページ）の下、産業を所管する全ての官庁が世界遺産価値の保全に参画する仕組みになっています。また、各資産の価値の保全に実行可能な最適な法律を適用し、保全管理を進めていくことになりました。Q41「明治日本の産業革命遺産」の稼働中の産業遺産に係る税負担軽減措置があると聞きましたが、これはどのようなものですかA稼働中の産業遺産の保全手法に構成資産名保護措置状況橋野鉄鉱山文化財保護法景観法橋野鉄鉱山郷土の森保護協定河川法三菱重工業株式会社長崎造船所景観法港湾法第三船渠、旧木型場ジャイアント・カンチレバークレーン、占勝閣三池港港湾法公有水面埋立法道路法景観法八幡製鐵所景観法旧本事務所・修繕工場・旧鍛冶工場港湾法八幡製鐵所景観法遠賀川水源地ポンプ室表3稼働資産の保護措置状況

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56ついては、平成二十四年（二〇一二年）五月二十五日の閣議決定において、「個別の資産の状況に応じて、最も適当な法律に基づく手法、地方公共団体による条例、国・地方公共団体と所有者との間の協定等の手法を活用すること」とされ、景観法等による保全手法を活用することとなりました。これを踏まえ、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産に対する税負担軽減措置に関して、平成二十六年度（二〇一四年度）税制改正大綱において、「（備考）景観法の規定により指定を受けた景観重要建造物のうち世界遺産に登録された一定の固定資産に係る固定資産税及び都市計画税について、課税標準を価格の三分の一とする措置を講ずることとし、対象となる資産が世界遺産に登録された場合に、法制上の措置を講ずる」こととされました。その後、二〇一五年七月、ドイツ・ボンで開催された第三十九回世界遺産委員会において「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されたことを受け、当該の平成二十六年度税制改正大綱の規定の通り、課税標準の特例措置が創設されました。「明治日本の産業革命遺産」のうち、稼働中の産業遺産は、稼働を継続し、機能を保全することが遺産としての意義の一部を構成するもので、世界遺産登録に際しても

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57稼働資産の保全遺産の確実な保全管理が担保されていること等が求められており、その結果、所有者である企業等は一定の経営上の制約を受けることとなります。このため、企業の負担を軽減し、遺産価値の保全に向けた取り組みに協力していただけるよう、新たに税制上の特例措置（世界遺産に登録された稼働中の産業遺産に係る課税標準の特例措置）が設けられたものです。なお、非稼働の産業遺産については、重要文化財や史跡に指定されることにより家屋およびその敷地に係る固定資産税・都市計画税は非課税となります。Q42デジタル・ドキュメンテーションとは何ですかAデジタル・ドキュメンテーションとは、「デジタル文書化」のことです。世界には大切な資産が点在しますが、自然・人的な要因で、現状の保全・保護が十分にできない状態のものが多くあります。その中で、資産をデジタル・データに変換して、記録を遺す試みが進んでいます。「明治日本の産業革命遺産」では、現在もなお稼働しているために非公開資産やアクセスできない資産が含まれています。3Ｄのデータ測量ならびに解析、さらには4

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58Ｋ高解像度映像によるデータ撮影など高度な技術を科学的な手法を選択し、情報発信による資産の理解、教育の場につなげていくことを試みています。3Ｄレーザー測量と解析は、戦禍の中で文化財の破壊が行われている中東諸国において、文化遺産の資産の保全のため、劣化状況を把握し、現時点での正確なデータを最新鋭の科学技術により測量・解析をし、未来の文化遺産の保全に役立てていくことを目的にアメリカのサイアーク（CyArk）財団により始まりました。デジタル・データは、資産の復元も可能な情報ですが、データを利用してインタープリテーションのツールとして、正確なデータを三次元モデルに復元することが可能となります。これらのデータを活用し、各種の最新技術で世界遺産価値の共有・普及・理解に結び付けていくことを目指し、多くの方々により良く文化財をご理解いただくための手法（プロセス）でもあります。グーグルアースやストリートビューとの連動による、「明治日本の産業革命遺産」が高い臨場感をもって紹介されるシステムや、日本の4Ｋ技術を駆使した端島（軍艦島）の映像などが制作されています（グーグルアースならびにストリートビューは、米国グーグル（Google）社の登録商標です）。

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59稼働資産の保全特に稼動資産であるために実際には観光客がアクセスできない場所での、様々なインタープリテーションのアイデアは大変重要となります。このような世界遺産のデジタル・ドキュメンテーションを実現するための、様々な最新技術が紹介されるイベントとして二〇一五年十月に、ユネスコ本部（パリ）で「デジタル・ドキュメンテーション―科学とテクノロジーを活用した保全・保護」（DigitalDocumentation:ConservationwithScienceandTechnology）展示会写真11パリのユネスコ本部での展示会が開催されました。この中では、様々なデジタル・ドキュメンテーションの手法例が紹介されました。①スコティッシュ・テンプロジェクト（TheScottishTenProject）スコットランド政府との共同プロジェクトである、スコティッシュ・テンが進める3Ｄレーザースキャニング技術を使用し、ポイントクラウド情報を基に世界遺産の復元を進めるプロジェクトの説明。日本の資産としては、長崎市の三菱重工業株式会社長崎造船所と端島（軍艦

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60島）を例に紹介されました。同プロジェクトでは、三菱重工業株式会社長崎造船所の資産である「ジャイアント・カンチレバークレーン」を中心に、「小菅修船場跡」と「第三船せん渠きょ」がデータ測量されています。②サイアーク5‌0‌0プロジェクトアメリカの非営利団体が全世界で展開をする「危機に瀕する遺産」のデジタル・ドキュメンテーションのプロジェクトの紹介。日本の事例としては、鹿児島県伊佐市の曽木第二水力発電所（国登録有形文化財）が測量され、自然の影響で劣化する文化財を3Ｄ映像モデルとして紹介しました。③4Ｋ映像デモンストレーション日本における次世代放送フォーマットとして開発された超高精細技術として開発され、映画のデジタル化などの様々な映像技術として活用されている4Ｋ高解像度デジタルカメラにより収録・編集された、端島（軍艦島）の現在と過去を捉えた短編映像。④体感型インタラクティブ・ディスプレイシステム七面の大型ディスプレイとタッチパネルをベースに、コンテンツとしては資産の写

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61稼働資産の保全真、動画、文字など多彩の情報に加え、グーグルマップ、ストリートビューを使用したプレゼンテーションシステムを活用した、ユーザーが双方向で動かすことができるシステムで、「明治日本の産業革命遺産」の二十三資産を紹介。⑤ジャイアント・カンチレバークレーンの計測データから制作をしたタブレットを使用した、ＡＲ技術、リアルタイム3Ｄモデル、ゲームなど、デジタル計測したデータが、保全・保護のみならず、教育、観光などへの応用展開の可能性を提案。⑥ガラス乾板の復元（新日鐵住金株式会社八幡製鐵所所蔵）劣化して見ることができない映像などが記録されたガラス乾板を、高性能スキャナーを利用し、情報を可視化した事例を紹介。レプリカやガラス乾板から再現されたデータを利用した大型印刷物（二・五ｍ×二・〇ｍ）の過去の映像復元で説明。Q43イコモス・ティキ共同原則とは何でしょうかA「明治日本の産業革命遺産」は、日本ではもとより、世界で初めて保全の哲学として「イコモス・ティキ（ICOMOS・TICCIH）共同原則」を導入しました。イコモス・ティキ共同原則は、産業遺産保全のガイドラインとして重要なものです（テ

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62ィキは国際産業遺産保存委員会の略称）。内閣官房の有識者会議の委員であるディヌ・ブンバル氏は、イコモスの事務局長もされていましたが、イコモス・ティキ共同原則の素案を米国のパトリック・マーティン氏（ティキ会長）と共同でまとめました。ブンバル氏は「明治日本の産業革命遺産」のウェブサイトでのPEOPLEインタビューで以下の通り述べています。ブンバルきっかけは、私がイコモスの事務局長だった二〇〇三年にロシアで開催されたティキの会議に招かれたことでした。このときに主に欧州、カナダ、米国などから集まったティキの専門家たちの間で産業遺産の保存に関する新しい原則を作ることで合意し、マーティン氏と私が中心的役割を担うことになりました。―この「共同原則」が正式に採択されたのはいつですか？ブンバルその後、イコモスで合意が形成され、二〇一一年にパリで開かれたイコモスの年次総会で正式に採択されました。ただ、その前年の一〇年にアイルランドのダブリンで開催されたアドバイザリー・コミッティーで同意することができたため、関係者の間では「ダブリン原則」と呼ばれています。

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63稼働資産の保全「イコモス・ティキ共同原則」とは産業遺産の保護・保存のための指針です。産業遺産は、場所、構造物、複合施設、地域および景観と、工業生産プロセス、原材料の採取、原材料の製品への加工、関連するエネルギーと輸送インフラの、過去もしくは現在進行中の証拠を提供する関連機械、対象物または文書によって構成されます。産業遺産の意義と価値は、構造物や場所そのもの、素材や材質、構成要素、機械やセッティングに内在しますが、産業的景観、記録文書のみならず、記憶、芸術、習慣の中に無形の記録にも表現されています。これらの産業遺産を継承する構造物、場所、地域、景観とその価値を文書化し理解すること、保護と保存を確実にすること、保全・維持すること、産業遺産の側面と価値を紹介・周知することは重要であり、様々な方策がとられる必要があります。具体的には以下のようなものです。①産業の構造物、場所、地域、景観、関連機械、設備、記録や無形要素を調査し記録する。②産業遺産を継承する場所、構造物の調査と文書化。③産業遺産の重要性を理解するために国・地域と世界のつながりについて産業史ならびに社会経済史を知悉する。④保護・保全のために適切な政策、法的・行政措置が採択され、適正に実施される。⑤構造物、場所、地域、景観、それらのセッティングと関連の対象物、文書、

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64図面と記録類、あるいは無形の遺産の総合目録と一覧表を作成し、活用する。⑥産業の構造物や場所が現役稼働の場合には、それらの継続利用、機能保全が生きている施設として物理的・経済的に維持されるための適切な条件であることを認識する。⑦機能の保全・完全性が産業遺産の継承にとり特に重要であるために、保護措置は建物とその内部に及ぶべきである。⑧施設の元来の用途から新しい用途に変更するときには、主要な材料、構成要素、循環と活動のパターンに配慮しなければならない。⑨構成要素の変更は文書化しなければならず、解体や移転は経済・社会的ニーズが客観的に立証された、例外的な場合に限られる。⑩構成要素の解体などはプロセスを記録に残さなければならない。⑪産業遺産は教育資源であり、複層の次元で伝達する必要がある。⑫稼働する産業遺産への訪問や操業を紹介するプログラムや施設は、博物館や刊行物、ウェブサイトなどにより発展され維持されるべきである（八七―九二ページの資料5に「共同原則」全文を収録）。Q44戦略的枠組みとはどのようなものでしょうかA世界遺産に登録されるためには、顕著な普遍的価値に影響を与えるような新た

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65稼働資産の保全な開発等から資産を保護するための法的措置が担保されている必要があります。従来、我が国の世界文化遺産については、文化庁が所管する文化財保護法による保護措置が講じられており、現状変更などについて一定の制限を課す一方、保存修理や防災施設の設置などに対して補助が行われてきました。しかし、「明治日本の産業革命遺産」には、現在も稼働している資産が含まれていて、このような資産は、保全の在り方などで従来の文化庁を中心とした枠組みのみでの対応が困難であるため、景観法や港湾法を所管する国土交通省など他省庁の制度を活用した保全措置の検討が必要とされました。そこで、総合調整の役割を担う内閣官房を中心とした枠組みの整備が検討されることになりました。具体的には、稼働中の資産を含む産業遺産の世界遺産登録の推進について、「規制・制度改革に係る方針」（二〇一一年四月八日閣議決定）等を踏まえ、稼働中の資産を含む産業遺産に関して、文化財保護法に基づく保全方策以外についての検討が行われました。二〇一二年五月二十五日には「稼働中の産業遺産又はこれを含む産業遺産群を世界遺産登録に向けて推薦する場合の取扱い等について」が閣議決定されました。当該閣

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図2地区ごとの協議会に関する図◦民間企業等が保有する稼働遺産については、関係者の連携による保全が特に重要であるため、地区（サイト）ごとに、当該資産に関連する省庁、地方公共団体及び所有者等の資産の保全に関係する者により構成される地区ごとの協議会を開催する。◦協議会のメンバーの間で、地方公共団体レベルでの規制の運用、所有者の取組を含めた保全の進め方等について議論し、文書で合意する。また、所有者への支援策等保全をめぐる様々な課題についても検討するとともに、資産の保全状況のモニタリングも実施。稼働資産最も適切な法律に基づく手法＋協議会の枠組みによる保全非稼働資産文化財保護法の枠組みによる保全A地区稼働資産B地区稼働資産保全協議会保全協議会C地区稼働資産保全協議会内閣官房（事務局）内閣官房内閣官房（事務局）（事務局）文化庁関連規制所管省庁＊関連規制所管省庁＊関連規制所管省庁＊関連産業所管省庁＊関連産業所管省庁＊関連産業所管省庁＊地方公共団体A＊地方公共団体B＊地方公共団体C＊地方公共団体C地方公共団体D地方公共団体E民間企業等民間企業等民間企業等所有者等所有者等所有者等A地区B地区C地区C地区D地区E地区＊関連規制所管省庁：当該地区における稼働中の資産の保全手法を所管する省庁＊関連産業所管省庁：当該地区における稼働中の資産に係る産業を所管する省庁＊地方公共団体は、保全手法、産業を所管する立場から、協議会に参加。◦各地区の稼働資産保全協議会は、必要に応じ、有識者会議にアドバイスを求めることができる。◦「九州・山口の近代化産業遺産群」の場合は、稼働遺産については、文化財保護法以外の手法＋協議会の枠組みによる保全方策を活用することを原則とする。

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図3保全委員会に関する図◦各地区の保全に携わる関係省庁及び地方公共団体により構成される、保全委員会を開催。◦保全委員会においては、地区間の資産の保全状況の連絡調整等を行うほか、所有者への支援策等保全をめぐる様々な課題のうち、全体の取組に関わることについても検討するとともに、全体の保全状況に関するモニタリングも実施。◦保全委員会は、必要に応じて、稼働資産を含む産業遺産に関する有識者会議に対して、保全方策等に関するアドバイスを求めることができる。稼働資産非稼働資産最も適切な法律に基づく手法＋文化財保護法の枠組みによる保全協議会の枠組みによる保全保全委員会（事務局：内閣官房）内閣官房内閣官房内閣官房文化庁関連規制所管省庁＊関連規制所管省庁＊関連規制所管省庁＊関連産業所管省庁＊関連産業所管省庁＊関連産業所管省庁＊地方公共団体A地方公共団体B地方公共団体C地方公共団体C地方公共団体D地方公共団体E民間企業等民間企業等民間企業等所有者等所有者等所有者等A地区B地区C地区C地区アドバイスD地区E地区稼働資産を含む産業遺産に関する有識者会議＊関連規制所管省庁：当該地区における稼働中の資産の保全手法を所管する省庁＊関連産業所管省庁：当該地区における稼働中の資産に係る産業を所管する省庁◦「九州・山口の近代化産業遺産群」の場合は、稼働遺産については、文化財保護法以外の手法＋協議会の枠組みによる保全方策を活用することを原則とする。

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図4稼働中の産業遺産又はこれを含む産業遺産群の推薦等の手続きに関する図地方公共団体等推薦書暫定版の提出稼働資産を含む産業遺産に関する有識者会議（事務局：内閣官房）関係審議会に意見の提出を依頼●文化審議会・稼働資産及び非稼働資産の価値に係る意見・稼働資産及び非稼働資産の保全方策に係る意見●資産に係る産業に関連する審議会・稼働資産の価値に係る意見・稼働資産の保全方策に係る意見●資産の保全手法に関連する審議会・稼働資産の価値に係る意見・稼働資産の保全方策に係る意見稼働資産を含む産業遺産に関する有識者会議（事務局：内閣官房）提出意見を踏まえ、推薦候補の選定世界遺産条約関係省庁連絡会議（事務局：外務省）政府による推薦案の取りまとめ閣議了解（推薦書正式版提出時）政府による推薦の最終決定※暫定一覧表への登録手続きも同じ。（閣議了解は推薦書正式版提出時のみ）※上記有識者会議には、海外専門家が参画。文化庁等の関係府省庁の協力を得て行う。※閣議了解には、政府が保全委員会及び地区ごとの協議会等の枠組みを通じて、保全に取り組む旨を盛り込む。※資産に係る産業に関連する審議会及び資産の保全手法に関連する審議会からの意見の提出は、当該審議会の担当省庁が適当と判断する方法で行うこととする。（推薦書暫定版の内容を報告したうえで、当該内容に対する委員からの意見を提出することを含む。）※仮に上記有識者会議による稼働中の資産を含む案件の推薦候補としての選定と文化審議会による稼働中の資産を含まない案件（産業遺産以外のものを含む。）の推薦候補としての選定が同時期に行われた場合、世界遺産条約関係省庁連絡会議による取りまとめの前に、必要に応じ、関係する閣僚による会議を開催する等により、いずれかの案件を推薦候補とするかについての調整を行うこととする。（参考）用語の定義について・「稼働中の産業遺産」遺産価値に係る産業の活動が継続中の資産と同一サイトに存する資産・「サイト」生産活動、原料の抽出、原料の財への転換、関連する交通インフラ等のうちの特定の分野に関し、機能の補完関係等が存していたことがあり、産業遺産価値を一体的に構成する資産群。

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69稼働資産の保全議決定には、稼働中の産業遺産の保全について、遺産価値の適切な保全と経営に与える制約の最小化との両立を図るための最も適当な法律に基づく手法を活用すること、稼働中の産業遺産に関連する省庁、地方公共団体および所有者等の資産の保全に携わる者で構成される地区ごとの協議会を開催すること、各地区の保全に携わる関係省庁および地方公共団体により構成される保全委員会を開催すること、などが盛り込まれました。この閣議決定に基づき、各構成資産の状況に応じて最も効果的かつ効率的な規制的・保護的手法が選択され、個々の構成資産の管理保全の進め方のルールを定める管理保全計画（ＣＭＰ）が策定されるとともに、保全委員会や地区別保全協議会といったガバナンス体制が整備されました。こうした保全手法、計画体系、ガバナンス体制については、内閣官房において「管理保全の一般方針及び戦略的枠組み」（通称「戦略的枠組み」）として取りまとめられ、推薦書とともにユネスコ世界遺産委員会に提出されました（図2―4参照）。

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70Q45内閣官房に「産業遺産の世界遺産登録推進室」が設置された経緯を教えてくださいA「明治日本の産業革命遺産」には、現在も稼働している構成資産が含まれていて、このような構成資産は、保全の在り方などで従来の文化庁を中心とした枠組みのみでの対応が困難であるため、景観法や港湾法を所管する国土交通省など他省庁の制度を活用した保全措置の検討が必要とされました。そこで、総合調整の役割を担う内閣官房を中心とした枠組みの整備が検討されることになりました。具体的には、稼働中の資産を含む産業遺産の世界遺産登録の推進について、「規制・制度改革に係る方針」（二〇一一年四月八日閣議決定）等を踏まえ、稼働中の資産を含む産業遺産に関して、文化財保護法に基づく保全方策以外についての検討が行われました。二〇一二年五月二十五日には「稼働中の産業遺産又はこれを含む産業遺産群を世界遺産登録に向けて推薦する場合の取扱い等について」が閣議決定され、さらに同年六月二十六日には「稼働資産を含む産業遺産に関する有識者会議」が設置され、産業遺産の世界遺産登録に向けた推進体制が整えられました。

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71稼働資産の保全こうした背景の中、二〇一二年二月、上記の閣議決定等に向けた準備のため、内閣官房地域活性化統合本部事務局（当時）の事務局長決定により当該事務局内に「産業遺産の世界遺産登録推進室」が設置されていました。しかし、二〇一二年五月二十五日に新たな枠組みが閣議決定された後には、稼働中の産業遺産等について我が国の世界遺産候補として政府推薦するという重要な事項に関する具体的な事務を行っていくこととなり、関係省庁の所掌分野に横断的に関係する地区別保全協議会や有識者会議の開催、推薦書作成への支援、保全手法の検討に当たっての関係地方自治体・関係企業との綿密な調整・連携等を円滑に進めていく必要があることから、当該閣議決定と同日の二〇一二年五月二十五日付で、内閣総理大臣決定により内閣官房地域活性化統合事務局に「産業遺産の世界遺産登録推進室」が設置され、位置づけが強化されました。なお、その後の組織改編で内閣官房地域活性化統合事務局が廃止されたことから、現在は、二〇一五年一月十九日の内閣総理大臣決定により内閣官房に直接、「産業遺産の世界遺産登録推進室」が位置づけられています。

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72インタープリテーション戦略Q46インタープリテーション戦略とは何でしょうかA端島炭坑や韮山反射炉など一つの構成資産が世界遺産になったような展示が見られますが、「明治日本の産業革命遺産」の展示や解説に求められているのは、「世界遺産価値」を正確に伝えることです。インタープリテーションは、「明治日本の産業革命遺産」の顕著な普遍的価値の保護を目的とした保存整備事業の一部に位置づけられています。まず最も重要なことは、世界遺産価値が各構成資産の展示に正確に反映されているか否かです。世界遺産価値の保護は、地域の歴史、また国の文化財としての価値づけと共存しますが、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産価値は地域の歴史でもなければ、国の文化財としての価値でもありません。八県十一市の全構成資産で一つの世界遺産価値を有しているということが重要なのです。その世界遺産価値を正確に伝え

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73インタープリテーション戦略ることがインタープリテーションの中で第一義的に求められます。次に、エリアとして全体の世界遺産価値にどのように貢献をしているのか。三番目に各構成資産の中で、世界遺産価値に貢献する要素については、どのように価値に貢献しているのかが、各構成資産を紹介する展示解説、印刷物、電子出版物、公的なレクチャー、直接的、間接的なインタープリテーション施設、教育プログラム、コミュニティ活動さらには研究、トレーニング、インタープリテーションなどにおいて適切かつ正確に記載される必要があります。二〇一七年十二月一日までにユネスコに提示するべき文書は、策定中のインタープリテーシ図5「明治日本の産業革命遺産」のインタープリテーション歴史、人物、構成要素、関連／関係要素製鉄・製鋼、造船、石炭産業顕著な普遍的価値へのエリア貢献と構成資産間の関係世界遺産価値に関する共通で一貫性のある説明1顕著な普遍的価値2重工業の歴史3各構成資産のサイトごとのインタープリテーション

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74ョン戦略の進捗を報告することになっています。Q47インタープリテーション戦略はどのような原則に基づいていますかA世界遺産では登録後、「顕著な普遍的価値」の保護、保全と展示・解説が、何よりも優先されます。世界遺産価値を正確に人々に伝達することは、資産の物理的な保護や保全と同じように重要な役割です。産業遺産の展示についての大方針は、推薦書の第五章の四〇四ページに記載されています（Policiesandprogrammesrelatedtothepresentationandpromotionoftheproperty）。ヘリテージの展示は市民教育の一部でもあり、産業は営みでもあるので、産業遺産については、「産業に携わる人々の記憶や知識を次世代に継承する」ことを原則としています。したがって、ヘリテージマネージメントには、ダブリン原則における産業のヘリテージの定義に準拠した、工業技術・プロセス・エンジニアリング、建築、都市計画に関連する有形なものに加えて、労働者やそのコミュニティに伝えられる技能、記憶、社会生活など無形な側面の産業のヘリテージも同様に保全をすることを目標に

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75インタープリテーション戦略掲げ、アクティブなプロモーションで種々の教育プログラムにおいて、ヘリテージを次世代に継承していきます。「明治日本の産業革命遺産」にはエリア1から8まであり（本書冒頭の「三つの産業類型の時系列に沿った発展」参照）、一つ一つに世界遺産としての価値があるのではなく、全体で一つの世界遺産としての価値があります。全体としての価値をどう伝えていくか、またその中で、それぞれの資産が価値に対してどう貢献しているのか、ということをきちんと説明していくことがユネスコから求められています。科学的、技術的、実証データに基づき、イコモスのエナメ憲章に則った上で、インタープリテーションを実行していきます。Q48ビジター施設ならびにインフラについてはどうでしょうかA「明治日本の産業革命遺産」は二十三の構成資産全体で一つの世界遺産価値を有していることから、できる限り多くの資産をビジターに訪問してもらうことが世界遺産価値の理解の増進につながります。資産は八県十一市に点在することから、できる限り多くの資産を訪問していただくために、世界遺産ルートを推進しています（推

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76薦書三九五―三九六ページ）。さらに人々に各県に点在する構成資産を体系だって理解していただくために、ウェブサイトやアプリを作成しました。アプリを活用し、ビジターの訪問を支援するため、二〇一六年六月、「明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会」という組織が立ち上がり、関係省庁や各自治体、民間団体から構成され、関係者が一体となって各地での活動を展開し、情報共有を行っています。その他よくある疑問点Q49推薦書に労働問題の記載はありますかA推薦書では、二三九ページでの山本作兵衛記録画の登録において、労働問題の記載があります。産業は人の営みであり、産業革命により人類の働き方は大きく変わりました。産業遺産においては、労働問題の展示は必要です。ただし、証拠に基づく歴史的な事実を淡々と展示することが必要です。登録の際に作成した推薦書では、炭鉱などでの激増する労働力需要に対応するため、

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77その他よくある疑問点囚人労働を行っていた点などを踏まえた労働問題に触れられています。以下に推薦書の関連箇所を引用します。筑豊と田川のユネスコ「世界の記憶」筑豊炭田は、日本の産業史において、三番目に発展した九州の炭鉱であった。一八七〇年代から始まった筑豊の石炭産業は、急成長する工業需要に貢献してきた。一九八〇年代までに、三菱、三井、住友、古河、官営八幡製鐵所といった大企業が、近代技術を駆使して炭鉱を開発した。高島と三池は海岸に近接しているが、筑豊炭田は内陸に立地する。一八九一年に筑豊興業鉄道が若松―直方間に開通するまで、石炭は遠賀川と堀川運河といった水路により輸送された。さらなる鉄道開発が進められたものの、一九一〇年まで、鉄道による石炭の積載トン数は、川と運河による輸送量を上回ることはなかった。明治時代の筑豊における石炭生産量は、約一億トンであった。筑豊炭田の構成要素の完全性は、世界遺産登録の要件を満たさないが、田川市石炭・歴史博物館に所蔵されている、元炭坑作業員・山本作兵衛による注釈付きの貴重な記録画のコレクションは、明治時代から一九五〇年代までの筑豊の炭坑作業員

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78の生活を描写したものであり、本件世界遺産登録に向けた推薦プロセスの直接的な成果として、二〇一一年にユネスコ「世界の記憶」として日本第一号に登録された。新たな労働資源に対する需要の急速な増加につながった日本の工業化産業革命期の欧州と同様に、産業の主な労働資源は農村人口であり、農村人口より多くが新興工業地域へ移住した。特に産炭地への人口の流入が多かったが、造船や製鉄・製鋼の工業都市への移住も多く見られた。例えば、筑豊炭田を描いた山本作兵衛の記録画―現在は「世界の記憶」に登録―は、農村の生活から産業コミュニティへの変遷の様子を描写しており、そこには、農村の伝統が炭鉱の作業場、家庭生活、社会的状況に与える影響を描写したものも含まれている。炭坑はもとより労働集約型産業で、日本は、採炭現場への機械設備投資により、省力化を目指した西洋を模倣し、石炭産業技術を積極的に導入したにも拘わらず、炭鉱における労働需要は、農村からの労働人口の供給をはるかに上回った。いくつかの炭鉱では、囚人労働が、増加する石炭供給の需要を満たす重要な労働力であった。それは他の工業国における同時代の炭鉱実務を反映させた。十九世紀

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79その他よくある疑問点における日本の炭鉱業の急速な成長の一部は、例えば巻き上げなどの採炭設備の機械化により達成されたであろうが、そのほか、機械化されていない採炭現場においては、単に炭鉱作業員の増員により成長した。機械化されていない採炭現場における一人当たりの生産性は低かったが、同時に費用も安くついたことから、石炭の海外輸出において特に重要である「成長」と「競争力のある価格設定」の両方の実現を可能とした。Q50山本作兵衛と明治日本の産業革命遺産の関係性はどうですかA山本作兵衛（一八九二―一九八四年）は福岡県出身の炭鉱夫、鍛冶工で、田川市を中心に炭鉱の様子を描いた彼の絵が数多く残されています。当初、田川市は「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として「旧三井田川鉱業所」（現在は関連資産）などが候補となっていたものの、最終的には筑豊全体の完全性が満たされなかったため、構成資産から外れることになりました。しかし、田川市の炭鉱を説明する際の資料として用いられた山本作兵衛の絵は、単なる炭鉱の資料としての絵ではなく、基幹産業として近代化に貢献してきた石炭産業

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80を体系的に記録するものでした。また、これは私的な絵であることから、公的な文章で読み取ることのできない当時の生々しさや臨場感を持つ、歴史的・民俗的にも貴重なものであるとして、現地調査した海外の専門家らから高く評価されました。そのため、二〇一〇年三月に、オーストラリアより山本作兵衛記憶遺産の推薦書をユネスコに提出し、二〇一一年五月に国内では初めて「世界の記憶（世界記憶遺産）」に登録されました。また、山本作兵衛の炭鉱画によって描かれた風景は、田川などの筑豊における炭鉱のみならず、世界各地の炭鉱の現場の様子にも通じる点があり、世界各地での炭鉱の現場における普遍的な姿を示す資料ともいえる、大変貴重な資料群です。山本作兵衛の炭鉱画は、関連資産と同様に「明治日本の産業革命遺産」のストーリーを補完的に物語る重要なものであり、世界遺産ルートにおいては炭鉱画の解説も盛り込むことが計画されています。

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81その他よくある疑問点Q51三池炭鉱には様々な坑口がある中、構成資産はなぜ宮原坑と万田坑の二つだけなのですかA三池炭鉱における坑口は、宮原坑や万田坑のほか、宮浦坑、勝立坑、三川坑、などもあります。しかし、「明治日本の産業革命遺産」は一八五〇年代から一九一〇年までを期間と定めているため、この期間中に採炭活動を行い、採炭に関わる施設が良好に遺る宮原坑と万田坑の二つが世界遺産の構成資産となっています。その中で、三川坑については、「明治日本の産業革命遺産」とは時代が異なるため、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産価値を紹介するインプリ施設としてではなく、地域の歴史の紹介を行うガイダンス施設として、現在整備が進められています。Q52端島の世界遺産価値と文化財価値についてはどうですかA端島（軍艦島）は、一八九一年から出炭を始めた炭坑で、採炭によって出てくるボタで島の周囲を埋め立て、拡張を進めていきました。岩塊の小島を取り囲む新たな土地は、台風などの高波から守るため、要塞のような護岸に囲まれていました。端島は、高層のＲＣコンクリートの住居群が目を引きますが、「明治日本の産業革命遺

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82産」における世界遺産価値の観点では、明治期の護岸と産業設備が世界遺産価値に貢献しています。ただし、文化財の史跡としての価値については生活施設を含めた全体を文化財の価値としています。世界遺産の保全は世界遺産価値に貢献する要素について最優先に実施します。また、文化財事業で行う場合には、文化財価値全体の保全を重視します。Q53関連資産とは何ですかA「明治日本の産業革命遺産」には、関連資産として「旧伊藤伝右衛門邸」、「旧三井田川鉱業所伊田坑」、「長州藩下関前田砲台跡」、「旧高取家住宅」の四つがあります。これらは、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産価値を直接説明できるものではありませんが、構成資産の候補地であったこともあり、時代背景を理解する上では有用な資産です。関連資産は、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産としての構成資産ではありませんが、「明治日本の産業革命遺産」のストーリーを補完する上では重要なものです。そのため、世界遺産ルートにおいても関連資産の案内を行っており、各地で配布され

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83その他よくある疑問点ているガイドマップには、関連資産四つが掲載されています。

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84資料資料1（Q11関連）第三十九回世界遺産委員会での佐藤地くにユネスコ大使（当時）の発言平成二十七年（二〇一五年）七月五日議長、日本政府を代表しこの発言を行う機会を与えていただき感謝申し上げる。日本政府としては、本件遺産の「顕著な普遍的価値」が正当に評価され、全ての委員国の賛同を得て、コンセンサスで世界遺産登録されたことを光栄に思う。日本政府は、技術的・専門的見地から導き出されたイコモス勧告を尊重する。特に、「説明戦略」の策定に際しては、「各サイトの歴史全体について理解できる戦略とすること」との勧告に対し、真摯に対応する。より具体的には、日本は、一九四〇年代にいくつかのサイトにおいて、その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたこと、また、第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる所存である。（注1）「意思に反して連れて来られ（broughtagainsttheirwill）」と「働かされた（forcedtowork）」との点は、朝鮮半島出身者については当時、朝鮮半島に適用された国民徴用令に基づき徴用が行われ、その政策の性質上、対象者の意思に反し徴用されたこともあったという意味で用いている。（注2）「厳しい環境の下で（underharshconditions）」との表現は、主意書答弁書（参考）にある「戦争という異常な状況下」、「耐え難い苦しみと悲しみを与えた」との当時の労働者側の状況を表現している。【参考】近藤昭一衆議院議員提出の質問主意書に対する答弁書（平成十四年〔二〇〇二年〕十二月二十日閣議決定）（抜粋）―「いわゆる朝鮮人徴用者等の問題を含め、当時多数の方々が不幸な状況に陥ったことは否定できないと考えており、戦争という異常な状況下とはいえ、多くの方々に耐え難い苦しみと悲しみを与えたことは極めて遺憾なことであったと考える。」

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85資料日本は、インフォメーションセンターの設置など、犠牲者を記憶にとどめるために適切な措置を説明戦略に盛り込む所存である。（注3）「犠牲者」とは、出身地のいかんにかかわらず、炭坑や工場などの産業施設で労務に従事、貢献する中で、事故・災害等に遇われた方々や亡くなられた方々を念頭においている。日本政府は、本件遺産の「顕著な普遍的価値」を理解し、世界遺産登録に向けて協力して下さったベーマー議長をはじめ、世界遺産委員会の全ての委員国、その他関係者に対し深く感謝申し上げる。（注4）今回の日本代表団の発言は、従来の政府の立場を踏まえたものであり、新しい内容を含むものではない。（注5）今回の日本側の発言は、違法な「強制労働」があったと認めるものではないことは繰り返し述べており、その旨は韓国側にも明確に伝達している。（http://www.mofa.go.jp/mofaj/pr_pd/mcc/page3_001285.html原文は英語。右は外務省ホームページの仮訳）資料2（Q11関連）「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」のユネスコ世界遺産一覧表への記載決定について（第三十九回ユネスコ世界遺産委員会における審議結果）の岸田文雄外務大臣（当時）の談話平成二十七年（二〇一五年）七月五日一本五日（現地時間同日）、ドイツのボンで開催されている第三十九回ユネスコ世界遺産委員会において、我が国が世界遺産に推薦していた「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が、世界遺産一覧表に記載されることが決定されました。誠に喜ばしいことであり、関係者の皆様と共にこの決定を歓迎し、祝意を表したいと思います。二本件は、一八五〇年代から一九一〇年にかけて、我が国における製鉄・製鋼、造船、石炭産業といった重工業の産業化に中心的役割を担った遺産群として、高く評価されました。試行錯誤の中、非西洋で初めて産業化に成功した先人達の努力に心から敬意を表するとともに、今回の決定により、同遺産群の果たした世界的役割が一層広く世界に知られる契機となることを期待します。三本件の登録決定後、我が国は、世界遺産委員会の責任あるメンバーとして、国際記念物遺跡会議（イコモス）の勧告に真摯に対応していく姿勢を示すため、発言を行いました。この発言は、これまでの日本政府

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86の認識を述べたものであり、一九六五年の韓国との国交正常化の際に締結された日韓請求権・経済協力協定により、いわゆる朝鮮半島出身者の徴用の問題を含め、日韓間の財産・請求権の問題は完全かつ最終的に解決済みであるという立場に変わりありません。四今後とも、同遺産群を含めた日本の資産について、世界中の方々に世界遺産としての価値を御理解いただけるよう、関係省庁と連携し、その魅力を更に世界に発信してまいります。（http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page2_000104.html）資料3（Q15関連）「世界遺産条約履行のための作業指針」の定める評価基準Ⅱ-Ｄⅰ人間の創造的才能を表す傑作である。ⅱ建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。ⅲ現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在（少なくとも希有な存在）である。ⅳ歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。ⅴあるひとつの文化（または複数の文化）を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である。（特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの）ⅵ顕著な普遍的価値を有する出来事（行事）、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある（この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい）。ⅶ最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。ⅷ生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。ⅸ陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群

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87資料集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。ⅹ学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。資料4（Q39関連）世界遺産条約履行のための作業指針一一〇どのような管理体制が効果的かは、登録推薦資産のタイプ、特性、ニーズや当該資産が置かれた文化、自然面での文脈によっても異なる。管理体制の形は、文化的視点、資源量その他の要因によって、様々な形をとり得る。伝統的手法、既存の都市計画・地域計画手法やその他の計画手法が使われることが考えられる。一一一上記の多様性を認識したうえで、効果的な管理体制に共通する要素として、以下のものが挙げられる。ａすべての関係者が資産についての理解を十二分に共有していること。ｂ計画、実行、モニタリング、評価、フィードバックのサイクル。ｃパートナーと関係者が参加していること。ｄ必要な（人的、財政的）資源が割り当てられていること。ｅキャパシティビルディング。ｆ管理体制の運営に関するアカウンタビリティと透明性。以上について、完全性の宣言において説明を行うこと。資料5（Q43関連）イコモス・ティキ共同原則世界において、産業の採掘並びに生産などの人類の活動を、多種多様な場所、構造物、複合施設、都市・居住地、景観、経路が証言している。多くの場所においてヘリテージは現在も稼働中であり、歴史の継続性から工業化は今も進行中である。また他の場所においては、ヘリテージは過去の活動やテクノロジーの考古学的証明になっている。産業のヘリテージには、工業技術・プロセス、エンジニアリング、建築、都市計画に関連する有形なものに加えて、労働者やそのコミュニティに伝えられる技能、記憶、社会生活など無形な

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88側面が含まれる。過去二世紀に観察されたグローバルな工業化の発展過程は、人類史上主要な発展期をなすため、そのヘリテージは、特に近代社会にとり重要かつ不可欠である。一方で、世界の多くの場所で、工業化の魁や始まりは、現在も稼働する資産や考古学的資産を通じ、古代まで遡ることができるが、我々の目的を考慮すると、これら原則の主要な関心は、偶然にも時期と地理的範囲が産業革命という共通認識と一致する。しかしながら、時代と場所にかかわらず、我々は世界中の工業化の発展過程を示すあらゆる地球上の例に考慮をしていく。産業のヘリテージは非常に脆弱であり、誰にも知られず、記録もされず、認められることも保護されることもなく、また加えて、経済動向の変化、否定的な見方、環境問題、あるいは規模が大きく構造が複雑であるがゆえに、多くの場合において、危険にさらされ、しばしば消失をする。しかし既存の構造物、およびそこに内在するエネルギーの寿命を伸ばせば、特に産業のヘリテージにおける建築物の保存は、地域、国、世界レベルの持続可能な発展という目標の達成に寄与することができる。保存は開発の物理的、環境的な側面と共に社会的側面を配慮し、そのように認識されるべきである。過去数十年の間、研究が進み、国際的・学際的な協力並びに地域での活発な取り組みにより、産業ヘリテージへの理解が深まり、管理者、利害関係者、専門家のあいだにより密接な協力関係が育まれた。この進展は、イコモス（国際記念物遺跡会議）によって厖大な国際的参考文献と指針が作成されたこと、一九七二年にユネスコが採択した世界遺産条約など国際的勧告・協定が実施されたことによる。二〇〇三年には国際産業遺産保存委員会（ティキ）が『産業遺産についてのニジニ・タギル憲章』を採択した。これは産業ヘリテージの保護・保存の指針として承認された初めての国際的な参考文書である。産業のヘリテージはその特有の性質、現代の経済、法律、文化、環境の側面と密接に関わるために、ヘリテージに影響を及ぼす問題や脅威が存在することを認めた上で、イコモスとティキは、原則を採択し、普及促進をすることにより協力関係を強化することを望む。次の原則をもって、世界中の人間社会のヘリテージの一部として、産業のヘリテージを記録、保護、保存並びに評価の一助とする。

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89資料一定義―産業のヘリテージは、場所、構造物、複合施設、地域および景観と、工業生産プロセス、原材料の採取、原材料の製品への加工、関連するエネルギーと輸送インフラの、過去もしくは現在進行中の証拠を提供する関連機械、対象物または文書によって構成される。産業のヘリテージは文化と自然環境の深い関連を反映する。それは、工業プロセスというものが、古代のものであっても、現代のものであっても、自然から得た原材料とエネルギー・輸送ネットワークに依存して生産活動を行い、広い市場に製品を流通させるものだからである。産業のヘリテージには、有形なもの（動産と不動産）に加え、無形なもの、例えば技術ノウハウや職場組織と作業者、コミュニティの生活を形作り、社会と世界全体に大きな組織的な変化をもたらした複雑な社会的・文化的な遺産が含まれる。二産業のヘリテージを継承する場所は、その目的、設計、進化などの点で多種多様である。多くはプロセス、技術、地域的もしくは歴史的条件を示すが、世界的な影響の顕著な功績を示すものもある。またあるものは、複合施設であり、複数の場所で稼働し、多くの構成要素が相互依存的なシステムで、異なったテクノロジーや時代背景をもつ。産業のヘリテージの意義と価値は、構造物や場所そのもの、素材や材質、構成要素、機械やセッティングに内在するが、産業的景観、記録文書のみならず、記憶、芸術、習慣の中に無形の記録にも表現されている。Ⅰ産業のヘリテージを継承する構造物、場所、地域、景観とその価値を文書化し理解する三産業の構造物、場所、景観、関連機械、設備、記録や無形要素を調査し記録することは、それらの正体を明らかにし、保全し、ヘリテージとしての重要性と価値を理解するために欠かせない。古い時代の産業プロセスにおいて見られる人類の技能や知識は、保全において、大変重要な資源であるため、ヘリテージの評価の過程において検討されなければならない。四産業のヘリテージを継承する場所、構造物の調査と文書化は、保全と管理の総合的基盤を用意するために、それらの歴史的、技術的、社会経済的な側面に呼応しなければならない。産業のヘリテージを継承する場所や構造物の重要性を特定するため、分野を超えた学際的な研究と教育プログラムに裏付けられた分野を超えた学際的アプローチでなければならない。その

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90ために役立つのは、多様なソースから入手可能な専門知識と情報である。具体的には、現地調査と記録、考古学調査、材料と景観の分析、口述記録、公的機関または民間の保管文書の調査などが挙げられる。記録文書、企業アーカイブ、建築設計図、工業製品の見本などの調査・保存を奨励しなければならない。文書の評価・査定は、ヘリテージの意義を判定するため、当該産業に関連する適切な専門家によって行われるべきである。この作業においては、地域その他の利害関係者の参加も不可欠である。五産業のヘリテージを継承する場所や構造物の重要性を理解するためには、ある地域または国の、あるいは国・地域と世界とのつながりについて、産業史ならびに社会経済史を知悉（ちしつ）する必要がある。単一の産業の意味合いにおいては、個々の構造物、場所、地域、景観に継承されるヘリテージの価値を認識する上で、基軸になる産業部門やテクノロジーを対象とし、比較の要素を持つ類型的あるいは地域的な調査が大変役に立つ。それらは市民、研究者、管理者がアクセスでき、調査が可能な状態に保たれるべきである。Ⅱ産業のヘリテージを継承する構造物、場所、地域および景観の保護と保存を確実にする六産業のヘリテージを継承する場所と構造物（機械類や記録を含む）を保護し、確実に保全するために、適切な政策、法的、行政的措置が採択され、適正に実施される必要がある。これらの措置は、産業のヘリテージと工業生産、経済との密接な関係に対応するものでなければならない。その対応はとりわけ、（産業ヘリテージの保護のための）企業、投資、貿易または特許についての規制（規則）や基準が、現役の産業の操業に適用可能なものかという観点で行われる。七構造物、場所、地域、景観、それらのセッティングと関連の対象物、文書、図面と記録類、あるいは無形のヘリテージの総合目録と一覧表は、効果的な管理と保全のための政策および保護措置の一環として、作成され活用されるべきである。これらが法的に認められ、その意義、完全性、真正性の維持を確実にするために、適切な保存と管理をされることは大いに利する。産業のヘリテージが偶然に発見された場合、適正なヘリテージの文書化ならびに調査のためには時間が必要であるため、暫定的な保護が認められるべきである。

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91資料八重要なヘリテージを継承する産業の構造物や場所が現役稼働の場合には、それらを継続的に利用し、機能を保全することが、ヘリテージとしての意義の一部であり、生きている生産・採掘施設として、物理的・経済的に維持されるために適切な条件であることが認識されなければならない。天災・人災の予防の為に建築基準、環境基準への必要条件やリスク軽減戦略など現行規制の適用をする一方でそれらに特有の技術的特徴や特色は、尊重される必要がある。九機能の保全もしくはその完全性が、産業のヘリテージを継承する構築物や場所の意義にとり、特に重要であるために、保護措置は建物とその内部に及ぶべきである。機械その他の重要な構成部分が取り除かれたり、全資産一部を構成する補助的な構成部分が破壊されたりすると、そのヘリテージの価値は危険にさらされたり、減少する可能性がある。稼働している産業のヘリテージを有する場所や複合施設が閉鎖されるときには、機械や産業物もしくは関係する記録など重要要素が撤去されたり、破壊されたりするのを防ぐため、行政機関が速やかに対応できるように、法的・行政的枠組みを整備しておかなければならない。Ⅲ産業のヘリテージを継承する構築物、場所、地域および景観を保全・維持する十適切な元来の用途もしくはそれに代わる用途、さらには活用のために応用された用途における利用は、産業ヘリテージを有する場所や構築物において、もっとも一般的に用いられ、もっとも持続可能な保存の方法である。新しい用途に変更するときは、主要な材料、構成要素、循環と活動のパターンに配慮しなければならない。専門家のスキルにより、ヘリテージの意義を考慮にいれ、かつ尊重し、産業ヘリテージの場所や構造物の管理や持続的利用を行うべきである。それらに物理的な介入を加えられるときには、建築基準、リスク緩和要件、環境・産業規制その他の基準は、ヘリテージの側面に配慮し、柔軟な適応をするべきである。十一何処であろうとも、物理的介入は元の状態に戻せるものであり、年代の価値および重要な足跡や痕跡を尊重しながら行うべきである。変更は文書化しなければならない。以前知られていた状態に戻すことは、教育目的において、例外的状況においてのみ許されるが、その場合においても徹底した調査と文書を基本とする。解体や移転は、やむを得ない経済・社会的ニー

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92ズが客観的に立証された場合、破壊が避けられない、例外的な場合にのみ許容される。十二産業のヘリテージを継承する場所や構造物が、重複、閉鎖、転用される計画がある場合、例えば、構成要素の解体、機械の撤去が必要な場所も含め、プロセスを記録に残さなければならない。それらの産業のプロセスの一部として機能やロケーションと同様にその素材形状も詳細に記録しなければならない。また、作業過程に関わった人々の口述ならびに文書化されたストーリーも収集するべきである。Ⅳ一般ならびに企業の意識の啓発並びに研修と調査を支援するために、産業のヘリテージを継承する構築物、場所、地域および景観のヘリテージの側面と価値を紹介、周知する十三産業のヘリテージは教育資源であり、複層の次元で伝達する必要がある。産業のヘリテージは地域、国、世界の歴史の重要な側面と時代や文化を超えた交流をあらわす。社会と芸術的な活動と同じように、それは科学技術の発達に関する発明の才能を証明する。一般市民と企業の産業のヘリテージへの認識と理解は、成功する保存のための重要な手段となる。十四稼働する産業ヘリテージへの訪問や、その操業を紹介するプログラムや施設は、その歴史、機械や工業プロセスにまつわる物語や無形のヘリテージと同様に、また工業博物館や公立博物館、教育センター、展示、刊行物、ウェブサイト、地域または国境を越えた訪問計画など、現代社会のための意義が完全に理解される環境のなかで、産業のヘリテージへの認識や理解を深める手段として、発展され、維持されるべきである。これらは、工業化のプロセスが実際に起こったヘリテージの場所に設置されるべきであり、その場が最も伝達に適している。また、いかなる場所であろうとも、ヘリテージの保全や調査に関わる国内外の研究機関がそれらを一般市民並びに専門家集団の教育施設として活用できるように権限を与えられるべきである。（原文は英語。加藤康子氏ほか、伊東孝氏、清水憲一氏、小野寺英輝氏、永吉守氏により仮訳）

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93「明治日本の産業革命遺産」の窓口「明治日本の産業革命遺産」の窓口【世界遺産に関するお問い合わせ】内閣官房産業遺産の世界遺産登録推進室〒一〇〇-〇〇一四東京都千代田区永田町一-一一-三九永田町合同庁舎八階電話〇三-六二〇六-六一七六【構成資産に関するお問い合わせ】「明治日本の産業革命遺産」世界遺産協議会事務局鹿児島県ＰＲ・観光戦略部世界文化遺産課〒八九〇-八五七七鹿児島県鹿児島市鴨池新町一〇番一号電話〇九九-二八六-二三六六萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、萩城下町、松下村塾山口県萩市まちじゅう博物館推進部文化財保護課世界文化遺産室旧集成館、寺山炭窯跡、関吉の疎水溝鹿児島県鹿児島市教育委員会文化財課韮山反射炉静岡県伊豆の国市役所観光文化部世界遺産課橋野鉄鉱山岩手県釜石市産業振興部世界遺産室三重津海軍所跡佐賀県佐賀市企画調整部三重津世界遺産課長崎造船所関連資産、高島炭坑、端島炭坑、旧グラバー住宅長崎県長崎市企画財政部世界遺産推進室三池炭鉱・三池港（宮原坑、三池港）福岡県大牟田市企画総務部世界遺産・文化財室三池炭鉱・三池港（万田坑）熊本県荒尾市建設経済部産業振興課世界遺産推進室三角西港熊本県宇城市教育委員会文化課

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94官営八幡製鐵所福岡県北九州市企画調整局政策部世界遺産課遠賀川水源地ポンプ室福岡県中間市総合政策部世界遺産推進室【インタープリテーションに関するお問い合わせ】一般財団法人産業遺産国民会議（事務局）〒一六〇-〇〇〇八東京都新宿区三栄町二六-三インターナショナルプレイス五階電話〇三-三三五七-六二一〇http://www.japansmeijiindustrialrevolution.com/contactus

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要点整理のクイズ最後に、重要な点について、クイズ形式で再確認していきましょう。答えの詳細については、各項目に戻って確認してみてください。Q「世界遺産軍艦島」「軍艦島世界遺産」「世界遺産韮山反射炉」は正しい表現でしょうか。A正しくありません。Qでは、どのような表現にするべきでしょうか。A「世界遺産明治日本の産業革命遺産韮山反射炉」などが正しい表現です。Q一つ一つの資産に世界遺産価値はあるでしょうか。A資産一つ一つには世界遺産価値はありません。Q対象とする年代はいつでしょうか。A1850年代から1910年までです。

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明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業インタープリテーション・マニュアル2017年10月10日発行発行企画・編集「明治日本の産業革命遺産」人材育成事業実行委員会一般財団法人産業遺産国民会議〒160-0008東京都新宿区三栄町26-3https://sangyoisankokuminkaigi.com/デザイン・印刷株式会社精蓴社本誌掲載の写真および図版・記事の無断転載を禁じます。

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