Bookmark
Bookmark

良質な住宅が増えればチカラ国のになるなぜ日本では中古住宅の流通が進まないのか。なぜ、築年数を経た家は価値がないとされるのか。こうした疑問から、中古住宅が適正に評価され、循環する社会を作ろうと立ち上がった、金堀健一さんに密着しました。

1累計と住宅資産額500兆円を失った日本「失われた500兆円」という衝撃的なニュースが流れたのを覚えていますか?それは2011年のことでした。国土交通省が、国内にある住宅への累計投資額と住宅資産額の差を調べた結果、その差は累計で500兆円に上ったことがわかりました。調査の対象となったのは、統計のある1969年以降から2011年まで。つまり、42年の間で、日本の住宅資産価値は、金額にして500兆円を失ってしまったというのです。それに加えて私たちは二度目の衝撃を受けます。それがP2のグラフです。同様の調査をアメリカで行ったところ、投資額と現在宅ストックの資産額を比較すると、アメリカでは、住宅投資額に累積を約500兆円下回る額のストックしか残っていません。※資料国民経済計算(内閣府)野村資本市場研究所の「我が国の本格的なリバース・モーゲージの普及に向けて」を参考に作成。住宅資産額の2000年以前のデータは、平成17年基準をもとに推計。

2日米の住宅投資額夢のマイホームの行く末夢のマイホームを手に入れ、30年以上かけてローンを完済しても、それが手に入ったところで資産価値はゼロ、というのが日本の現実だ。価値の差はほとんどなかったばかりか、現在価値の方が少し上回っていました。個人の資産が目減りする日本と、投資した以上に積み上がっていたアメリカ。こんな悲しすぎる実態はなぜ生まれてしまったのでしょうか。一般社団法人建物評価研究機構(THK)の理事で、一級建築士の金堀健一さんと共に考えていきたいと思います。日本とアメリカでこれまで行われてきた住宅投資額の累積と、住見合う資産額が蓄積しているのに対し、日本では、投資額の金堀さん※資料住宅資産額:「FinancialAccountsoftheUnitedStates」(米連邦準備理事会)住宅投資額累計:「NationalIncomeandProductAccountsTables」(米国商務省経済分析局)野村資本市場研究所の「我が国の本格的なリバース・モーゲージの普及に向けて」を参考に作成。

3吉松そんな国で家を買うのは嫌になりますね。みんな「ローン返済のため」とあくせく働いているというのに。金堀それ以前に、そもそも、家を買うとき、「持ち家が資産になる」と思って買っている人がどれくらいいるでしょうか。吉松さんは、「嫌になる」と言ったけれど、家は資産だなんて思っていない人の方が圧倒的に多いと思いますよ。吉松資産でなければなんでしょう。消耗品ですか?金堀今、日本中で騒がれている空き家問題を見れば、そう言わざるを得ないです。自分の家を将来流通できる状態にしていこう、のちの世代に迷惑をかけないようにしておこう、と思って購入・維持している人がどれくらいいるかと私は問いたいです。吉松アメリカでは生涯で平均11.7回引っ越しをすると聞いたことがあります。毎年引っ越すという人も、国民の1割いるとか(米国国勢調査局発表)。しかも一番多い理由が、「より良い住居に移り住むため」。対して日本人の引っ越し回数は平均3回(国立研究開発法人産業技術総合研究所調べ)。日本人は一度買った家にずっと住み続ける人が多いから、流通させるために価値を維持するという考えが低いのですね。金堀それだけではないと思います。中古住宅を適正に評価する仕組みがないから、頑張って修繕をしようとするモチベーションが上が������

4らないのだと思います。吉松確か金堀さんは、試しに自分の家を査定に出してみたそうですね。金堀本当に中古住宅の価値が正しく評価されないのかどうか調べてみようと思い、不動産会社3社に査定を依頼してみました。3社とも、査定時間は3分で結果は全社ゼロ円。取引事例比較法で見ると、築24年の木造住宅なんてどんなクオリティであろうがゼロなんですよね。ちなみに、私は昔、シエンタに乗っていたんですが、ふたりで30分かけて査定してくれて10万円でしたよ(笑)。吉松車業界の方がよほど適正に評価する仕組みがある、ということですね。取引事例比較法とは?取引事例比較法とは、不動産鑑定評価の1つで、取引事例情報を元に対象不動産の試算価格を求める方法です。この手法では、多数の取引事例を収集して適切な事例を選び、取引の特殊事情や時期の修正を行い、取引事例の個別的要因を標準補正し、さらに地域格差などを比較して価格を求めます。このようにして求められた試算価格を比準価格といいます。(出所:不動産・住宅情報サイトLIFULLHOME'S)12������総住宅数・空き家数及び空き家率の推移全国昭和48年~平成25年31065.57.68.69.49.811.512.213.113.535453861421045885025538957596063総住宅数(左目盛)空き家数(左目盛)空き家率(右目盛)00510151000200030004000500060007000(万戸)(%)昭和48年53年58年63年5年10年15年20年25年平成総務省統計局発表資料を基にHelloNewsで作成

5住宅査定を身近に良質な中古住宅が市場で適正に評価される好循環型社会の一役を担いたいと、一般社団法人建物評価研究機構は、24年4月、既存の戸建て住宅を査定・評価する仕組み「THK住宅査定システム」をリリースした。まずは評価の仕組みを整えることから始めようと動いたのだ。吉松利用するのは、どういった人や場面ですか。金堀中古の戸建住宅を売買する仲介業者を想定しています。買い取り再販業者や購入側の仲介業者も含まれます。リフォームする前と後でどれくらい価値が高まったかを示すこともできるため、リフォーム提案をしたい建築業者も考えられますね。吉松適正な評価は、売主や誠実な不動産業者にとってはもちろん、評価の中身が分かるという意味では買い主にとっても、良質な住宅を買う判断材料になります。金堀本当に良い家やリノベーションが評価されるので、売主・買主・不動産業者・建設会社にとって四方良しのシステムになると確信しています。吉松しかしTHK住宅査定システム以外にも、住宅価値を査定する仕組みは以前からありました。何が違うのでしょうか。金堀公的な視点で開発された住宅査定は、次の2つです。①公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会が運用す������従来の悪循環良質な住宅が適正に評価される好循環資産価値(建物)20-25年良質性が評価されない場合良質性が評価される場合・リフォーム・インスペクション・瑕疵保険・履歴・瑕疵保険・インスペクション・履歴・長期使用構造・インスペクション・履歴国土交通省発表資料を基にHelloNewsで作成個々の住宅の良質性が評価されない個々の住宅の良質性が評価される住宅所有者等が維持管理・リフォームをする市場において良質性を評価できる仕組みが整備されていない住宅所有者等が維持管理・リフォームをしない市場において良質性を評価できる仕組みが整備されている悪循環好循環

6る、JAREAHAS(ジャレアハス)。②不動産系の団体である、公益財団法人不動産流通推進センターの既存住宅価格査定マニュアル。そして、③大手ハウスメーカー10社が共同で開発した、スムストックです。上の表を見ていただくとわかりますが、それぞれ課題があります。吉松これら3つ以外にも、AIを使った民間の査定システム、さらに、不動産業者が独自に開発した査定システムなどもありますね。宅建業法の問題不動産の査定方法は、主に3つある。原価法、取引事例比較法、収益還元法である。中古住宅の査定は、取引事例比較法に基づき行われることが多い。金堀民間のシステムによる査定ですと、建物は22〜25年でほぼゼロ評価となります。吉松減価償却のことですね。しかし木造なら22年でゼロになると国が言ってしまっている以上、それに対抗するのはかなり難しいと思うのですが。金堀そのとおりです。しかし、これは、建物の価値が22年でゼロになると言っているわけではなく、あくまで税制上の減価償却の考え方としてゼロになると言っているだけです。実際の価値の算出方法としては適していません。一般的に35年の住宅ローンを組むことを考えても不自然な査定であるこ3名称運用主体課題普及の度合いJAREAHAS(ジャレアハス)公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会既存住宅価格査定マニュアルスムストック公益財団法人不動産流通推進センター大手ハウスメーカー10社民間企業民間企業AIを使った査定システム不動産業者が独自に開発した査定システム不動産鑑定士しか使えない上、有償で、手間がかかって難解なので、利用できる鑑定士が少ない。大手10社が建てた建物しか査定できず、対象が限られる。取引事例比較法をメインとした査定手法なので建物は22~25年でほぼ0評価となり、どれだけ良質なリフォームやメンテナンスをしていても、価格には反映されにくい。一部の不動産業者が使っている。手間がかかることとリフォーム後の査定反映が弱い。①②③④⑤主な住宅査定システム一覧

7とは誰もがわかるはず。ただほかに方法がないからそうなっているだけです。私見ですが、不動産の価値がすぐ低くなった方が、不誠実な不動産業者にとっては買い取りやすく、売りやすいので都合が良いとも言えるでしょう。吉松どういう意味ですか?金堀不動産業者は、100万円高く売るより、安くても1日でも早く売ること、そして囲い込みをしてでも両手仲介したいのが本音です。そして手間をあまりかけたくありません。この辺りは私も宅建業を始めたことで気持ちがよくわかるようになりました。消費者は、良質で安い家を望みます。しかし、現状では、表に出ている値段と簡単な説明文と写真しか判断材料がありません。査定書を見ることもできません。よって安い方が売れます。吉松金額以外のものさしがないのですね。金堀売主と買主のことを第一に考えるならば、適正な査定をして、抱え込みをせず、建物の質をきちんと説明して仲介する、のが良心的な仲介業者と言えるでしょう。しかしながらこの3つができている仲介業者はほとんどないと言ってもいいのではないですか。これは、仲介手数料を完全成功報酬型と定めていて、かつ両手仲介を認めている宅建業法にも問題があると思っています。査定を営業の武器に家が資産になるという感覚がない、宅建業法の報酬の壁など、複合的に様々な理由が絡み合って、中古住宅は流通しづらかったと言える。吉松そんな状況下で、THK住宅査定システムを使ってもらうにはかなりの根気と不動産会社側の意識改革が必要ですよね。金堀希望はあります。というのも、2020年に東京と広島で国土交通省の補助事業で「住宅査定士」の講座を実施したとき、今の査定方法では良くないと訴える不動産業者も少数派ではありますが、存在することが分かりました。東京はわずか半日で、広島は数日かかりましたが、それぞれ20社◀基礎の配筋の有無を調査������200万円以下売買金額の5%売買金額の4%+2万円売買金額の3%+6万円200万円超400万円以下400万円超賃料1カ月貸主と借主合計で売買売買価格報酬の条件賃貸4宅建業法で定められた報酬額上限

8THK住宅査定システム品質表一般の査定方式とTHK住宅査定システムの違い5部位内容上級品中級品普及品基礎躯体躯体屋根外部建具内部建具外部仕上内部仕上住宅設備給排水衛生設備空調設備太陽光発電耐震性能屋根材玄関サッシガラス室内ドア外壁材下地材床壁天井キッチン風呂洗面化粧台照明器具給湯器トイレエアコン換気設備等基礎の種類杭基礎ベタ基礎木造新耐震アルミ断熱ドアアルミドアアルミサッシ木製フラッシュ扉(シート張り)ビニルクロス(普及品)ビニルクロス(普及品)普及品普及品普及品普及品普及品第3種換気(24時間換気無し)木製フラッシュ扉(突板)日本瓦(釉薬瓦)/洋瓦(陶器)ガルバリウム鋼板シート防水/FRP防水人工スレート/セメント瓦カラー鉄板(トタン)/塗膜防水アスファルトシングルラスモルタル(通気無し)乾式(通気工法)/ALCコンクリート打ち放し無塗装サイディング/木舞複合フローリング(上級品)単層フローリング(普及品)畳(普及品)カーペット(普及品)コルク/土間コンクリートモルタルビニルクロス(上級品)紙クロス/化粧合板/塗装ビニルクロス(上級品)紙クロス/化粧合板/塗装中級品中級品中級品中級品中級品第3種換気(24時間換気)KW選択エコキュートユニットバス(中級品)在来浴室(中質)ユニットバス(普及品)在来浴室(一般)エコジョーズその他給湯器ユニットバス(上級品)在来浴室(上質)樹脂サッシアルミ樹脂複合サッシインナーサッシガルバリウム鋼板板張り陶磁器タイル(普及品)窯業系サイディングリシン/塗装吹付タイル布基礎木造2000年基準鉄骨新耐震/RC新耐震木造旧耐震/鉄骨旧耐震RC旧耐震日本瓦(いぶし瓦)天然スレートアスファルト防水木製サッシ防火サッシ単板ガラスLow-e複層ガラス合わせガラス複層ガラス/強化ガラスLow-eトリプルガラスLow-e防犯ガラス耐熱強化ガラス織物クロス板張り/左官材エネファーム/エコワンその他高効率給湯器単層フローリング(上級品)畳(上級品)石陶磁器タイルカーペット(上級品)複合フローリング(普及品)ビニルシート建材畳石陶磁器タイル(上級品)左官材/コンクリート打ち放し織物クロス/板張り左官材/陶磁器タイル木製框扉上級品上級品上級品上級品上級品第1種換気ラスモルタル(通気工法)木製框扉住宅査定士有資格者が査定する比較内容一般査定THKの査定建物と土地を分けて価格の表示建物の仕様(屋根・外壁・内装・設備等)レベルが分ける建物の耐震性能が査定価格に反映される建物の断熱性能が査定価格に反映される建物の部位ごとの査定価格が分かる建物の残存耐用年数が分かる建物の傷んでいる部分が分かるリフォームの時期と内容が分かるリフォームが査定価格に反映される××××××××

9以上集まりました。吉松関心を持たれた理由はなんだったのでしょう。金堀理由は、2つあると思っています。一つは、「無料一括査定」の仕組みで苦戦している事業者が多いこと。そして、今の不動産の売り方のままでは良くないと考えている事業者がいるということ。売主・買主双方にとって利点のあるTHK住宅査定システムは、きっと営業の武器になると思います。吉松開発にあたりご苦労された点は?金堀単価や部位ごとの査定割合や、耐用年数に根拠を持たせることに苦労しました。また、ユーザビリティを優先するが故にシステムが複雑化したことが大変でした。吉松査定する部位は何箇所あるのですか。また、網羅してないのはどの部分ですか。金堀12部位、21の内容に分かれています。耐震性能や断熱性能も評価に反映されます。含まれていないのは、建物ではない外構・植栽です。対象となる構造も、「木造在来工法」「ツーバイフォー工法(枠組壁工法)」「木質系プレファブ工法」「鉄骨造」「鉄骨系プレファブ工法」「鉄筋コンクリート造」の6つに分けています。耐震性能は、「旧耐震」「新耐震」「2000年基準」の3つから選択します。吉松ユーザビリティを高めたと言われましたが、特にどんな点にこだわりましたか。金堀標準仕様がデフォルトで入力されているので、数少ない入力で査定が可能になっています。ちなみに、住宅査定士資格認定講座には査定・入力方法の講習も含まれてます。吉松開発にはどれくらいの期間がかかりましたか。金堀開発は2017年度国土交通省良質住宅整備促進事業からスタートしており、2019年度に一般社団法人建物評価研究機構を立ち上げ、改善を重ねて7年かかりました。吉松開発費用はどこから捻出しましたか?金堀国土交通省の補助金によってシステムの基礎を作り、2019年、一般社団法人建物評価研究機構を、������������専門家の調査により物件の詳細情報が把握でき、より安心して購入の判断ができる。購入後の維持管理度合や残存耐用年数を把握できる。12買主の利点6建物の実際の価値を合理的に査定できる。適正な価格での売却が可能。(残存耐用年数や建物に対する様々な情報を買主に提供できるので信頼性が増し、安心感を与えられる)競合物件との差別化が図れる。取引後のクレーム等のトラブル回避につながる。123売主の利点(P8)

10株式会社加門鑑定事務所(東京)と株式会社住宅デザイン研究所(広島)の共同出資により設立し、開発費は両者で捻出しました。鳥取県版も開発一般社団法人建物評価研究機構は、2023年より、鳥取県住宅ストック性能向上コンソーシアムのメンバーとして、T-HAS(THK住宅査定システムの鳥取県バージョン)の開発にも取り組んできた。寒暖差の厳しい鳥取は、県を挙げて住宅性能を高める先進的な活動を進めている。金堀鳥取県は、2020年に「とっとり建築省エネ住宅(NE‐ST)」を開発し、普及を進めてきました。NE‐STの性能は国が認める次世代省エネ基準やZEHを上回ります。鳥取県独自の査定システムであるT‐HASは、NE‐ST普及のために開発されたシステムでもあるのです。吉松他県でも、鳥取を見習って同様の動きが生まれるといいですね。今後、改良・追加していく機能はありますか?金堀利用する方々の意見を聞きながら、常に改良をしていく予定です。今後は戸建住宅に限らず、建築全般に対応できるようになると良いと思っています。吉松人工知能の開発が加速しています。将来的にはAIが、もっと簡単に、住宅を査定する時代が来ると思いますか。金堀AIに覚え込ませるのが取引事例である以上、現状と変わりません。ただ、構造体や建築資材、設備など、膨大にある情報を全て覚え込ませて、評価するとなれば、AIが査定するということは可能だと思います。とはいえ、住宅のデザインだったりトレンドだったりは年々変化しますので、やはり人間の目や手は必要だと思います。100年持つ住宅を失われた住宅資産500兆円を取り戻していくために、中古住宅の価値が正しく評価され、流通される社会を目指す活動が続いていく。吉松THK住宅査定システムが普及すれば、どんな社会が実現できると思いますか?金堀良質な中古住宅が適正に評価され、中古の流通が欧米並みに促進されるでしょう。消費者が、「値段」以外のものさしを持てるようになり、良質住宅の建築や良質リフォームが促進され、結果的に空き家が減ると思います。◀床の傾きを調べている

対談を終えて社会が変わる手応え評価→良質な住宅の建設や維持→住宅市場の健全化という道筋を感じることができました。ところで、金堀さんは以前、「35年の住宅ローンを組ませておきながら、30年しか持たない住宅を作っている建築・不動産業界は悪だ」と思いきった発言をされました。こういう現状が生まれている根本的な問題はどこにあると思いますか。また、木造の住宅であれば、何年存続することが健全だと思いますか。HelloNews吉松こころ後世に誇れる住宅作りを607年に建てられた法隆寺は、1400年の時代を経て今も残る木造建築です。日本には、築100年を超える古民家も数多く残っています。木造住宅はメンテナンスやリフォームを繰り返せば何年経っても存在し続けます。しかし、戦後の日本の木造住宅は、30~40年のスクラップ&ビルドが繰り返されてきました。一般社団法人建物評価研究機構理事金堀健一さん太平洋戦争で焼け野原になった日本は420万戸の住宅不足に陥りました。国策として住宅の大量生産(プレファブ住宅)が必要でしたし、結果、ハウスメーカーと新建材を生み出し、人口増加と共に経済大国にのし上がった歴史があります。しかしながら、経済発展の裏側で、欧米への憧れや新しもの好きな国民性も相まって、日本の住文化は失われていきました。四季があり、高温多湿という気候風土を無視した建物が量産されてきました。私は日本の豊かな住文化を取り戻すためには、義務教育における住教育の採用と、適正な住宅の査定システムの普及が必要だと考えています。日本の住宅も、欧米の住宅のように最低でも100年は持つものにしていかねばなりません。そうなれば、後世に誇れる、日本の美しい住宅・街並みが形成されると信じています。発行元株式会社HelloNews〒103‐0023東京都中央区日本橋本町3‐2‐12日本橋小楼2012024年4月発行
