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ワンダーはじめてであう名作絵本
イギリスの昔話文・岩倉千春絵・柳澤幸子


イギリスの昔話文・岩倉千春絵・柳澤幸子

むかし、3びきのこぶたがひとりだちしてくらすことに
なりました。
1ばんめのこぶたはわらのいえをたてました。おおかみがやってきて、とをたたきました。「こぶたちゃん、いれておくれよ」「いやだよ、そんなのとんでもない」「それなら、いえをふきとばすぞ」ふうふうふうばさばさばさーんいえはばらばら。おおかみはおおきなくちで、こぶたをぱくり。
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2ばんめのこぶたは、みどりのえだでいえをたてました。おおかみがやってきて、とをたたきました。「こぶたちゃん、いれておくれよ」「いやだよ、そんなのとんでもない」「それなら、いえをふきとばすぞ」ふうふうふうぱたぱたぱたーんいえはばらばら。おおかみはおおきなくちで、こぶたをぱくり。
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3ばんめのこぶたは、れんがのいえをたてました。おおかみがやってきて、とをたたきました。「こぶたちゃん、いれておくれよ」「いやだよ、そんなのとんでもない」「それなら、いえをふきとばすぞ」ふうふうふうーふうーふうーれんがのいえは、びくともしません。おおかみは、ぐったり。でも、まだあきらめません。「あしたのあさ、いっしょにかぶをとりにいこう。むかえにくるよ」
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つぎのひのあさ、こぶたははやおきして、
かぶをとりにいきました。
おおかみがやってきて、とをたたきました。
「こぶたちゃん、むかえにきたよ」
「かぶなら、もうとってきちゃった」
おおかみは、がっくり。
でも、まだあきらめません。
「あしたのあさ、いっしょにりんごをとりにいこう。
むかえにくるよ」
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つぎのひのあさ、こぶたははやおきして、りんごをとりにいきました。きにのぼって、りんごをとっていると、おおかみがやってきました。「こぶたちゃん、もうきてたのか」「おおかみさんにひとつあげるよ。ほら、どうぞ」こぶたはりんごをぽーんととおくへなげました。おおかみがとりにいっているあいだに、こぶたはいそいでいえにかえりました。
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おおかみは、まだまたやってきて、とを
あきらめません。
たたきました。「こぶたちゃん、あとでまちへかいものにいこう。むかえにくるよ」
こぶたはさきにひとりでかいものにいってばバたタあーづくりのたるをかいました。
「さあ、はやくかえろう」
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ところが、おおかみがおかをのぼってきます。「こまったな。どうしよう」こぶたがたるのなかにかくれると、ごろごろごろんたるはおかをころがっていきました。おおかみはびっくり。いちもくさんににげだしました。
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おおかみが、やってきていいました。「ああ、こわかった。おおきなまるいものにぶつかりそうになったよ」「ははは。それは、ぼくだよ。バターづくりのたるにはいっていたんだ」おおかみはかんかん。「よくもおどかしたな。こんどこそ、おまえをたべてやる」けれども、ともまどもしまっています。「でも、えんとつからはいれるぞ」
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こぶたはだんろにおおきななべをかけて、ひをもやしました。おおかみがえいっとえんとつにとびこむと、ばしゃーんぐらぐらにたったなべにまっさかさま。こぶたは、なべのふたをぱたん。これで、もうあんしん。こぶたはれんがのいえでたのしくくらしました。
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先生・おうちのかたへ
原話に忠実な、「3匹のこぶた」の物語髙橋かほる(聖徳大学元教授)
ジョゼフ・ジェイコブスの「3匹のこぶた」のお話は有名ですが、登場する動物など物語の設定は同じでも、国や時代により、物語の展開は多種あります。この物語の原話は18 世紀後半に出版されたといわれますが、もっと古くから存在していたともいわれます。グリム童話の「おおかみと7匹のこやぎ」や「赤ずきん」と同様に、いたずらもののおおかみが登場し、物語に起伏を与えています。
6~7ページでは、「みどりのえだ」の家が登場します。原話で、ハリエニシダという緑の枝で建てた家となっていることから忠実に表現しました。また、 14~15ページには、「バター作りの樽」が出てきます。かつてヨーロッパでは、生クリームを樽の中で棒を使ってかきまぜ、バターを作ることが生活の中でありました。この樽が絵でも登場しています。ハリエニシダや樽から少しでも原話の趣を想像して楽しむことができるでしょう。有名なノルウェーの昔話の「3匹のやぎのがらがらどん」では、兄弟3匹が小さい順に登場します。一方、「3匹のこぶた」では、兄弟3匹が大きい順に登場します。このように似ている登場者や構成の物語を思い浮かべると、それぞれのお話の特徴がより際立ち、楽しみも深まっていきます。たとえば、「3匹のやぎのがらがらどん」は、がらがらどんの弟たちがトロルに対して知恵のある会話で生き延びて、最後に一番上の兄が力勝負でトロルと戦って勝つという話の展開ですが、「3匹のこぶた」の兄たちはおおかみに食べられてしまいます。末の弟のこぶたとおおかみの知恵比べが延々と続く場面は、圧巻です。その結果、こぶたは力の強いおおかみに勝つという展開になります。それは、見るものに大きな勇気を与えてくれることでしょう。藁の家、木の家、レンガの家という変化のおもしろさ、おおかみが息を吹きかけ、家を飛ばしてしまう場面の繰り返しのおもしろさ、3番目のこぶたが生き延びる力強さは劇遊びにピッタリで、子どもはなりたい役になりきって楽しめます。
いわくらちはる文・岩倉千春
翻訳家、民話研究者。栃木県生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。作品に『トム・ティット・トット』(ほるぷ出版)、『3びきのくま』『きたかぜとたいよう』『おばあさんとぶた』『まめのたいぼく』『あたまにかきのき』(すべて世界文化社)など多数。
やなぎさわさち
こ
絵・柳澤幸子
画家、絵本作家。茨城県生まれ。武蔵野美術短期大学卒業。カレンダーやカードなどのデザイン・イラストの仕事を経て、絵本創作を始める。作品に『ポッキーとあかいいと』『ポッキーのわくわくサンドイッチ』『ポッキーのびっくりピクニック』(すべて世界文化社)など。

発行・発売/株式会社世界文化ワンダーグループ発行人/吉川泰編集人/大場弥生デザイン/高橋雅子〒102-8192 東京都千代田区九段北 4-2-29 電話/本の内容について 03(3262)5121 その他お問い合わせ 03(3262)5128 校正/株式会社円水社印刷・製本/TOPPANクロレ株式会社ⒸMayumi Nakamoto, Sachiko Yanagisawa, 2015. Printed in Japan 2704 無断転載・複写を禁じます。落丁・乱丁のある場合はお取り替えいたします。●紙で手を切ることがあります。絵本の扱いには十分ご注意ください。

くみなまえ
