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ひふを知りひふを知り大切にすること。大切にすること。家族の幸せは家族の幸せはひふと共に。ひふと共に。 11 月12 日が「皮膚の日」であることは、皮膚科医の皆様にはおなじみかと思います。しかし、この日はほかにも実にさまざまな記念日になっていることをご存じでしょうか。例えば「洋服記念日」。1872(明治5 )年11 月12 日、太政官布告により礼服に洋服を採用することが定められたことに由来します。また、「留学の日」でもあります。1871(明治4 )年のこの日、津田梅子ら日本初の女性国費留学生5名が岩倉使節団とともに米国へ向けて出発したことにちなんで制定されました。さらに、「ベビーカーにやさしいまちづくりの日」でもあり、「いい(11 )まちで育児(12 )しやすい環境づくり」という語呂合わせに由来するそうです。こうして並べてみると、洋服は皮膚のように体を守り、また美しくし、留学は若い皮膚科医の学びにつながり、育児支援は皮膚科医の働き方にも深く関わります。どれも意外に皮膚と無関係ではないように思えてきます。少々強引でしょうか。11 月12 日には、全国各地で皮膚に関する講演会やイベントに参加される先生方も多いと思います。「いい皮膚」について考える一日、その話題のひとつとして、11 月12 日のさまざまな顔も思い出していただければと思います。◦本田哲也/広報・渉外委員会、浜松医科大学皮膚科学講座教授CONTENTS 特集 1 第 11 回皮膚科サマースクール 2026 を終えて……………07 巻頭特集新理事・新監事に聞く!…………………………02 特集 2 WCD2027 へようこそ―グアダラハラで待つ、皮膚科学の未来―……08 特集 3 第 125 回日本皮膚科学会総会を終えて……………10 特集 4 診療ガイドライン紹介……………………………………12 No.69 2026 October 01 Japanese Dermatological Association News Letter 69 2026 October No.

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No.69 2026 October
巻頭特集
新理事・新監事に聞く!
日本皮膚科学会では、 2 年ごとに役員(理事・監事)の改選を行っています。
去る2026 年 6 月 12 日に開催されました「 2026 年度第 3 回理事会」において役員改選が行われ、新体制がスタートいたしました。本改選では一部の役員が入れ替わり、これまでの堅実な歩みを継承しつつ、新たな視点を取り入れた組織運営を目指してまいります(新体制の組織図は下記のとおりです)。そこで今号の「新理事・新監事に聞く !」では、新しく理事・監事に就任された先生方に今後の抱負や皆様へのメッセージをいただきましたのでご紹介いたします。
日本皮膚科学会理事・監事
理事長藤本学
監事天谷雅行、秀道広
副理事長椛島健治
外部監事鈴木真
理事
青字…新理事、新監事
東部浅野善英、氏家英之、本田哲也
東京朝比奈昭彦、大山学、門野岳史、原田和俊、山口由衣
中部杉浦一充、松下貴史
西部青山裕美、今福信一、室田浩之
女性理事沖山奈緒子、渡邉玲
外部理事岡田随象
いただいたご恩を、今度は学会活動を通じて少しでもお返しでき
椛島健治副理事長
京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室教授
ればという思いです。現在、日本皮膚科学会を取り巻く環境には、さまざまな課題があります。専門医制度におけるシーリングの問題、国際化のさらなる推進、次世代を担う優秀な人材の確保、生涯教育の充実、美容皮膚科との建設的な連携、そして皮膚科全体の研究力と社会的プレゼンスの向上など、いずれも避けて通ることのできない重要なテーマです。これらの課題に対して、会員の皆様の声に耳を傾けながら、一つ一つ丁寧に取り組んでまいりたいと思います。皮膚科は、臨床・
このたび、日本皮膚科学会副理事長を拝命いたしました。大変光栄に存じますとともに、その責任の重さを改めて感じております。藤本学理事長のもと、日本皮膚科学会のさらなる発展に少しでも貢献できればと考えております。 2023 年に東京で開催された ISIDでは、藤本先生とともに会の成功に向けて力を尽くし、多くの先生方に本当に大きなお力添えをいただきました。そのときに
研究・教育のいずれにおいても大きな可能性を持つ診療科です。その魅力をさらに高め、若い世代が希望を持って皮膚科を選び、世界に向けて発信できる環境を整えることが、私たちの重要な使命であると考えています。微力ではございますが、会員の皆様とともに、日本皮膚科学会の未来に少しでも貢献できるよう努めてまいります。何卒ご指導、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
趣味
月に1~2 回ゴルフをラウンドしています。思うようにいかないところが面白く、ジョギングにも通じる魅力があります。いつか47 都道府県すべてのゴルフ場を回ってみたいです。

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浅野善英理事
東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座皮膚科学分野教授
このたび日本皮膚科学会理事を拝命し、あわせて専門医プログラム評価委員会ならびに治験委員会の委員長を担当することとなりました。いずれもこれまで直接携わる機会のなかった領域であり、その役割と経緯を十分に理解することから始めたいと考えております。専門医プログラム評価委員会では、全国の基幹研修施設について、専門医取得までの過程、取得後の活動、地域貢献やキャリア支援などを評価し、各プログラムの改善につなげることを目指しています。仙台に赴任して五年、
東北の中核都市であっても皮膚科医の確保は容易ではなく、地域の実情を踏まえて研修プログラムを評価することの重要性を実感しています。一方、育児や介護など、ライフイベントに伴う休職からの復職支援は、地域を問わず共通する課題です。こうした多様な状況を適切に捉え、より良い研修環境につなげられるよう努めてまいります。治験委員会では、国内で計画される皮膚疾患の企業治験に、疾患に精通した皮膚科医が適切に参画しているかなどを審査しています。新たな治療法の開発が相次ぐなか、有効性と安全性を的確に見極めるには、対象疾患を熟知した皮膚科医の関与が欠かせません。これまでの審査の考え方を学びながら、本委員会の職責を丁寧に果たしてまいります。専門医制度と治験は異なる領域ですが、いずれもこれからの皮膚科学を支える基盤に関わるものと考えております。会員の皆様、委員の先生方にご教示いただきながら、一つ一つの課題に向き合ってまいります。ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
趣味
杜の都を歩くのが休日の習慣になりました。今も、知らない並木道や街並みに出会うたび、小旅行のような気分になります。
氏家英之理事
北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室教授
このたび、日本皮膚科学会理事を拝命しました氏家英之と申します。私は 2002 年に北大皮膚科に入局し日本皮膚科学会に入会して以来、約四半世紀にわたり、多くの恩師や先輩、同僚に支えられ皮膚科医として歩んでまいりました。その間、日本皮膚科学会が主催する様々な学会や各種セミナーを通じて多くの学びと出会いをいただきました。このたび、理事として学会運営に携わり、少しでも恩返しをする機会をいただいたことを大変光栄に思います。今回、学会賞等選考員会委員長ならびに学術委員会副委員長を拝命いたし
ました。大学、基幹病院、診療所など、様々な場で活躍される会員の皆様のお役に立てるよう、取り組んでまいります。また、これまで皮膚科サマースクールやJSIDサマースクールあおば塾、 JSIDきさらぎ塾の実行委員長を務めた経験を生かし、皮膚科の魅力発信と次世代を担う若手の育成にも力を尽くしたいと考えています。最近、韓国やインド、中国、シンガポールなどアジア各国の学会に参加し、その熱気と学術的な発展の勢いを強く感じました。日本皮膚科学会が国際的なリーダーシップを発揮してアジア、そして世界における存在感をさらに高めていくことも重要な課題です。微力ながら、その一助となれるよう尽力してまいります。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
いま一番行ってみたい場所
南米(マチュピチュ、ナスカ、アマゾン川)に、体力のあるうちに行ってみたいです。
本田哲也理事
浜松医科大学皮膚科学講座教授
この度、日本皮膚科学会理事を拝命いたしました、浜松医科大学の本田哲也です。理事として、利益相反委員会委員長、倫理委員会委員長、広報・渉外委員会副委員長を担当いたします。責任の重さに身の引き締まる思いですが、これまで多くの先生方に支えていただきながら皮膚科医として歩んできた経験を、少しでも学会に還元できればと考えております。倫理・利益相反に関する業務では、研究、教育、診療における透明性と信頼性を守る一方、会員の皆様が円滑に活動できる環境を整えることも重要と
考えています。また、広報・渉外の立場では、皮膚科学の魅力や皮膚科が果たしている役割を、会員のみならず、患者さんや社会にも分かりやすく伝えていくことが大切だと感じています。特に、医療や研究を取り巻く環境が大きく変化する現在、皮膚科医にとって必ずしも追い風ばかりとは言えない状況もあります。さまざまな情報が玉石混交であふれる中、誤った情報や印象によって皮膚科の魅力や皮膚科医の役割が損なわれることのないよう、適切かつ正確な情報を社会に発信していくことは、学会としてこれまで以上に重要になっていると考えています。微力ではありますが、日本皮膚科学会、そして皮膚科学・皮膚科医療のさらなる発展に少しでも貢献できるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私の小さなこだわり
あえて挙げるなら、何事にもあまりこだわらないこと、でしょうか。

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No.69 2026 October
門野岳史理事
聖マリアンナ医科大学皮膚科主任教授この度東京支部より選出いただいた門野岳史です。これまで The Journal of Dermatology や日本皮膚科学会雑誌の編集長などとして関わってきましたが、今回は雑誌委員会委員長に加えて医療問題検討委員会委員長の任を仰せつかりました。近年益々医療情勢が厳しくなり、長期収載品の選定療養が導入されたのは記憶に新しいところです。 OTC 類似薬の保険給付の見直しが引き続き議論の俎上に上がっている一方、外用薬を含め様々な薬剤の供給が不安定になり、出荷調整の嵐になっています。医療問題検討委員会は薬剤の
安定供給の要望や供給停止に関する議論をはじめ、診療報酬改定に向けた取り組みなど様々な皮膚科に関連する医療問題を検討する委員会です。まだ全貌を把握しているとは言い難いのですが、会員の皆様の日常診療に少しでも寄与できるように取り組んでいきたいと思います。雑誌委員会に関しては、日本皮膚科学会雑誌のペーパーレス化がつい最近導入されました。色々とご意見もありましたが、コストの面でも環境負荷の面でも、雑誌のペーパーレス化は時代の流れですので、どうぞご理解ください。もちろん雑誌で最も重要なのは内容自体を充実させることです。そのためにはThe Journal of Dermatologyではインパクトファクターの梃入れ、日本皮膚科学会雑誌では投稿数の回復といった課題があります。こうした問題に対して編集委員や委員会委員の皆様と知恵を出し合い、よりよい雑誌にしていきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
いま一番行ってみたい場所
虚弱の現在ほぼ絶望的ですが、 K2 を始めとする 8,000m 峰 4 座を一望できるパキスタンのバルトロ氷河です。卒業旅行の際にネパールと迷いました。
原田和俊理事
東京医科大学皮膚科学分野主任教授
この度、日本皮膚科学会の理事を拝命いたしました、東京医科大学の原田と申します。主にキャリア支援委員会を担当させて頂きます。日本皮膚科学会のキャリア支援のコンセプトは、皮膚科学における指導的役割を担う人材の育成、皮膚科勤務医の就労の継続および再開の支援、皮膚科医の使命感と公共心の涵養です。すなわち、日本皮膚科学会会員が日本の医療システムの下で、皮膚疾患に悩む患者さんに適切な皮膚科医療を継続的に提供できるようにサポートすること、さらに、今後の皮膚科学を担う新たな人材の育成を
行うことがキャリア支援の任務です。これまで私は大学病院に勤務する期間が長く、出産や育児、家族の病気などでキャリア形成を中断せざるを得ない医局の後輩達と、一緒に悩みを分かち合ってきました。また、医局長として、重症皮膚疾患の診療に従事する基幹病院勤務の医局員が燃え尽きないように、配慮を行うように努力してきました。このような経験が少しでもキャリア支援事業のお役に立てばと思っております。しかし、その一方、私のような微力な者にこのような大きな仕事ができるか、疑問を持たれる日本皮膚科学会会員も多いかと存じます。キャリア支援委員会には、オブザーバーとして、青山裕美教授、多田弥生教授がいらっしゃいます。両教授と日本皮膚科学会事務局の方々のお力をお借りしながら、キャリア支援事業に尽力したいと考えております。よろしくお願いいたします。
もし医師になっていなかったら
私の実家は田舎の町にある薬局でした。薬学部へ進学し薬剤師になり、薬局を継いでいたと思います。
杉浦一充理事
藤田医科大学医学部皮膚科学教授
このたび日本皮膚科学会の理事を拝命し、責任の重さに身の引き締まる思いです。私はこれまで、膿疱性乾癬をはじめとする難治性・希少皮膚疾患の診療と研究に携わってまいりました。患者さんの臨床像を丁寧に捉え、病態を解明し、その成果を新たな診断法や治療へとつなげることは、大学に所属する皮膚科医の重要な使命であると考えています。基礎研究、臨床研究、日常診療を循環させ、研究成果を一日でも早く患者さんへ還元できる環境づくりに力を尽くす所存です。
一方で、皮膚科医療は大学病院だけで完結するものではありません。地域のクリニックや基幹病院、他診療科との連携があってこそ、ありふれた皮膚疾患から重症・希少疾患まで、切れ目のない医療を提供することができます。地域や勤務環境によって受けられる医療に差が生じないよう、診療情報の共有、専門医への円滑な紹介、そして若手医師への教育を、いっそう充実させていく必要があると考えます。そして、皮膚科学の未来を支えるのは次世代の皮膚科医と研究者です。若い先生方が日々の臨床で抱いた疑問を研究へと発展させ、国内外で活躍できる機会を広げてまいりたいと思います。会員の皆様の声に耳を傾けながら、難病診療、研究、地域医療、教育を有機的につなぐ学会活動に取り組み、皮膚科医療のさらなる発展と患者さんの安心に貢献できるよう誠実に努めてまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。
いま一番行ってみたい場所
ポスドク時代を過ごしたサンディエゴ。潮風の心地よいラホヤと、勤務先のスクリプス研究所を訪ねたいです。

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松下貴史理事
金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚分子病態学教授
このたび日本皮膚科学会理事を拝命いたしました、金沢大学皮膚科の松下貴史です。伝統ある本会の運営の一端を担わせていただくこととなり、身の引き締まる思いです。担当は災害対策委員会と財務委員会です。本年 6 月の理事就任の翌月、令和 8 年熊本地震が発生いたしました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、ご自身も被災されながら診療の継続に尽力された現地の先生方に、深く敬意と感謝を申し上げます。就任早々、被災地の先生方と連絡を取りながら初動対応にあたることとなり、
災害への備えは決して「いつか」のためのものではないと、身をもって知らされた思いです。令和 6 年能登半島地震の際にも、北陸の地で診療を続けるなかで、断水や避難所生活に伴う皮膚疾患の増悪、慢性疾患をお持ちの患者さんの治療中断など、災害時に皮膚科医が果たすべき役割の大きさを痛感いたしました。被災地の会員の先生方と患者さんを決して孤立させないこと、そして平時から情報伝達の経路と備えを整えておくこと。この二点を最も重要な使命と考えております。備えが使われる日が来ないことを何より願っておりますが、万一の際には、会員の皆様のお力添えを賜れれば幸いです。私自身は全身性硬化症(強皮症)をはじめとする自己免疫性皮膚疾患を専門とし、長年 B 細胞を軸とした病態研究に取り組んでまいりました。臨床の疑問を研究へつなぎ、その成果を再び患者さんへ還元する̶̶皮膚科はそれを自らの手で実感できる診療科です。若手の先生方がその面白さに触れられるよう、微力ながら尽力してまいります。ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
趣味
趣味はトライアスロン。最近は大会から少し離れていますが、来年こそは復帰したいと考えています。また週末にバイクに乗るのが、よい気分転換になっています。
渡邉玲理事
順天堂大学医学部・大学院医学研究科皮膚科学講座主任教授
このたび、日本皮膚科学会の理事を拝命しました。長い歴史と伝統を有する本学会の運営に携わる機会をいただき、身の引き締まる思いが致します。現在、専門医の研修プログラム委員会に携わっております。皮膚科は、麻酔科に次ぎ1966 年に専門医制度を発足しており、早期より専門教育や診療の質の維持と向上に注力してきた診療科と言えます。それゆえ、皮膚科学教育の在り方は、ある程度、確立されたものと勝手に感じておりました。しかし、近年の医学・医療を取り巻く環境の変化はめまぐるしく、実に流動的です。
教育にも絶えず時代に応じた進化が要されます。医学・医療の広がり、深みは、思いもよらなかった方向へも進み、学問としての魅力は膨らみ続け、皮膚科学自体が存在感を示せる領域、示すべき領域はむしろ拡大しています。一方で、個々人が医学に好奇心・探究心を保って関わり続けるゆとりは着実に削がれていく現状があります。皮膚科も例外ではありません。さらに、専門医制度に地域格差や診療科格差の視点が付与され、皮膚科学教育の萎縮が大きな懸案となっています。このような中で、先人の先生方が培ってきた皮膚科学の発展に対する信念を大切に、個々の先生の皮膚科学向上、皮膚科学領域全体の維持、発展を叶え続ける教育方策・研修方策を模索していく所存です。今後とも、ご指導、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
趣味
自転車で出かけることが好きです。若い頃は、ドナウ川沿いやシルクロード(の一部)など、スタート地点とゴール地点を決めて愛車をもって家族でふらふら出かけていました。自分の足でゆっくり進むと、自動車で通りすぎるのとは全く違う気づきを得られます。自分で足を回さないとゴールできないところも好きです。
岡田随象外部理事
東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学教授理化学研究所生命医科学研究センターシステム遺伝学チームチームディレクター
を見張るものがあります。同時に、どんなに医療が進んでも新たな謎が次々と現れてくる生命や人体の奥深さにも驚くばかりです。基礎医学者の立場から、日本皮膚科学会の発展に少しでも寄与できるよう努めてまいります。ご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
この度、外部理事を拝命いたしました。私は遺伝統計学を専門とする基礎医学研究者として、ゲノム配列の個人差やオミクス情報の多様性が、疾患の病態や発症メカニズムに与える影響を研究しております。情報解析を活動の中心とする、いわゆるDryの研究者です。皮膚疾患には、個人の遺伝的背景が発症や進展に関わるものが多く、遺伝統計学を通じた病態解明や個別化医療、ゲノム創薬などの面で微力ながら貢献できればと考えております。初期臨床研修以降、臨床現場からは離れておりますが、近年の医学の進歩には目
趣味
これといった趣味はないのですが、強いて言えば地図を眺めるのが好きです。グーグルマップで画面越しに世界各地を訪問できるなんて、良い時代になったなぁと感じています。いつか訪れたいお気に入り箇所が見つかると嬉しくなります。思い出に残っているのは、バイオバンク参画医療施設への表敬訪問で赴いた喜界島と与論島でしょうか。サンゴ礁に囲まれた綺麗な島に、独自の文化が受け継がれていました。私たちを旅へと誘う「行ったことのない所に行ってみたい」という思いは、「見たことのないものを見てみたい」という研究の探求心に通じているのかもしれません。皮膚科学の先生方とのご縁も、旅先での貴重な出会いとして、大事にさせて頂きたいと思います。

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No.69 2026 October
境変化です。生命の歴史を振り返ると、環境の激変の後に繁栄を手に入れる
秀道広監事
広島市立病院機構理事長
のは、前の時代の覇者ではなく、むしろひ弱で、隅に追いやられながら厳しい環境に耐え、かつ環境に応じた進化を受け入れていた者達であることに気づきます。人類の間では、個々の個体は弱くても、そのアイデンティティを保ちながらより多くの人と社会との連携を持ち得たことが、もう一つの発展の要因と思われます。皮膚科には、自身を守り、競争に勝ち抜くことと共に、他科を活かし、伸ばす役割の視点も必要でしょう。
この間、大きく発展、普及したAIは、その賢さ、便利さに驚嘆しますが、これからはAIの種類、性能ではなく、それ使いこなす力が新しい時代の人の価値を決めることでしょう。後世の人達から、この激変の時代に、皮膚科学
監事を拝命しました。 4 年前に理事会を去ってから、学会本部事務室は広くなり、日皮会誌はオンラインジャーナルに舵を切るなど、様々な変化があ
があったればこそ医学が大きな役割を果たし、人類が繁栄した、と言われることを考えながら役割を果たしたいと思います。
りました。個人的には、大学を辞して総合病院の病院長、市立 4 病院を管理・統括する機構理事長を経る中で、社会における医療、病院経営の視点で様々なことを考えてきました。少子高齢化による生産人口の相対的・絶対的減少、医療費の上昇、働き方改革と呼ばれる法令による働き方の制約は、個人ではいかんともしがたい環
最近買ってよかったもの
手動コーヒーミルを買いました。その都度自分で豆を挽きますが、スタバはもちろん、ローソンのマチカフェにもかなわない気がするのはなぜだろう?と思いつつ、今日も試行錯誤を続けています。
鈴木真外部監事
真法律会計事務所代表弁護士(日本・米国 CA 州)、公認会計士
近年、社会環境は大きく変化し、組織にはこれまで以上に高い透明性と説明責任、そして適切な運営が求められています。そのような中、本会がこれからも会員の皆様や社会から信頼され、着実に歩みを進めていくためには、これまで築かれてきた信頼を礎として、時代の変化に柔軟に対応していくことが重要であると考えております。私はこれまで、企業法務や顧問業務を通じて、組織運営に関する助言や提案に携わってまいりました。そうした経験を踏まえ、外部監事として独立した立場から組織を客観的に見つめ、実効性のある監査を通じて、本会の健全な運営に寄与していく所存です。
このたび、日本皮膚科学会の外部監事を拝命いたしました。本会は、長年にわたり社会に大きく貢献され、多くの方々から信頼を寄せられてきました。その運営に携わる機会をいただき、大変光栄に存じますと
微力ではございますが、理事・監事の皆様と連携を図りながら、広く信頼される組織づくりの一助となれるよう、尽力いたします。ご指導、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
ともに、責任の重さを改めて感じております。外部監事として、これまで培ってきた弁護士、公認会計士としての経験を生かし、客観的かつ公正な視点を大切にしながら、責任ある監査に努めてまいります。
もし弁護士になっていなかったら
画家という道を選んでいたかもしれません。子どもの頃から絵が好きで、お絵かき教室に通い、時間を忘れて絵を描いていました。学会 Information 2027 年度日本皮膚科学会の各学会賞の公募について 2027 年度日本皮膚科学会の各学会賞の公募について、次のとおりお知らせします。
【受付期間】 2026 年 10 月下旬~2027 年 1 月 29 日(金)必着各学会賞公募案内【公募数】皆見省吾記念賞…………………………… 1 名(論文 1 編) Master of Dermatology(Maruho)………………… 1 名基礎医学研究費(資生堂寄付)………………………… 6 件炎症性皮膚疾患研究費(アッヴィ助成)……………… 1 件皮膚医学研究基金(ロート製薬寄付)………………… 2 件※皮膚医学研究基金(ロート製薬寄付)は、 2025 年度公募から55 歳以下を対象とし、教授職でも応募いただけることとなりました。
【応募要項】学会 HPおよび日本皮膚科学会雑誌第 136 巻第 10 号~第 137 巻第 1 号をご確認ください。多くの皆さまからの応募をお待ちしております。■担当:学術チーム

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07 特集 1
第 11 回皮膚科サマースクール 2026 を終えて
サマースクール 2026 について
7 月 19 日、 20 日の2 日にわたり、札幌の地で、第 11 回皮膚科サマースクール2026が開催されました。皮膚科の多様な分野のエキスパートが集結し、皮膚科専攻を考える初期研修の先生方に、 2 日間、皮膚科の魅力を目いっぱいこれでもかと見せつけ続ける会です。目的はもちろん、一人でも多くの先生に皮膚科を知ってもらい皮膚科の道を選んでもらうことです。今回は、現地で88 名、オンラインで21 名が参加くださいました。早い段階から実際の皮膚科の魅力を知ってもらいたく、オンラインでは、医学部 5 、 6 年生の学生さんにも参加いただきました。参加者は、皮膚科専攻をほぼ決めている人から、参考程度に皮膚科を覗き見したい人まで、気持ちにかなり幅があります。一方で、皆さん、その先生に皮膚科を選んでもらいたいという熱い気持ちの先生の推薦をもって参加されるわけで、サマースクールに集結する運営一同には、大きな責任を感じる2 日間となります。 1 日目
緊張した面持ちの参加者がそろったところで、原田キャリア支援委員会委員長からの挨拶で開会しました。 Robin Cookの言葉をもじり、“Surgeons know nothing but do everything. Internists know everything but do nothing. Dermatologists know everything and do everything.”と、皮膚科学が幅広く奥深い学問であることを実に端的に美しく宣伝してくださいました。そして、グループ毎のアイスブレイキングタイムを経て、怒涛の講義と実習が始まりました。ダーモスコピーの講義、実習から、メラノーマ、爪、レーザーの講義、キャリアパスの講義、乾癬と化膿性汗腺炎の共催セミナーと重ねていくと、次第に参加者も打ち解けてくれました。各講義にはその場での質疑応答もありますが、 Slidoを用いた匿名可のオンライン質問もどんどん受け付け、チューター、講師、実行委員がリアルタイムで回答していきます。手を挙げられない参加者も、オンライン参加者も、多くの質問を投稿してくれ、現地もオンラインも一体感をもって活性化されました。そして、会場では毎年恒例の「皮膚科症例クイズ」が始まりました。なつかしのクイズダービー方式です。回答者はとにかくヒヤヒヤなのですが、参加者は「●●先生に●●点!」とグループ毎に持ち点を賭ける回答者を決め、大いに盛り上がってくれました。今回は、過去にサマースクールに参加し現在皮膚科分野で活躍しているOB/OG の先生方にもご講演いただきました。より具体的な近い将来像を示してくださり、参加者の動機づけにつながったようです。そして、私たち実行委員は、 OB/OGの先生方の頼もしさに感嘆し、皮膚科の未来が明るいことを実感しました。
1 日目の最後には、 Q&Aセッションを設けています。主に皮膚科の学び方、働き方に関する様々な質問が寄せられました。チューター、講師、実行委員が実体験に基づ
き明確に回答し、参加者の疑問、不安が解消されたことを期待しています。私自身にとっても、このQ&Aでの先生方の回答には納得したりびっくりしたり、とても良い振り返りの機会になりました。 2 日目も朝はやくから怒涛の講義と実習です。皮膚病理、皮 2 日目膚アレルギーの講義、リフレッシュに外用実習の共催セミナー、そして皮膚科研究、自己免疫性水疱症の講義と続きました。私自身も皮膚科の幅広さ、奥深さを再認識しながら、先生方のお話に聞き入っていました。 2 日目の目玉は皮膚外科ワークショップです。現地組もオンライン組も楽しく皮弁や縫合を学びました。現地の縫合選手権では、 12 針縫合した優勝者がサマースクール前にトレーニングをしていたとのこと。会の浸透を嬉しく思いました。続く皮膚科専門医制度についての講演では、参加者の実際的な心配の多くが解消されたようです。そして、目先のことばかりでなく長い皮膚科医人生を見据えて将来の自分像を描こう、というメッセージに、参加者のみならず私も背筋が伸びる思いがしました。最後に、皮膚科の魅力を総括した講演で、素晴らしいサマースクールのプログラムが終了しました。
最後に
実行委員長として会に携わり、実感したことがあります。それは、運営に関わる全員が皮膚科大好きなこと、その大好きを皆と分かち合いたいと思っていることです。そんな人たちが集結するわけですから、実に密度の高い、素晴らしい、暑苦しい会になるに決まっています。この暑苦しい皮膚科愛を浴びた若い先生方が、数年後に、皮膚科の魅力をさらに若い先生方と楽しく暑苦しく分かち合っている様子を思い浮かべました。その様子が実現することをとても楽しみにしています。最後になりましたが、本会を支えてくださった藤本理事長、原田キャリア支援委員会委員長、チューター、実行委員、講師、オブザーバーの先生方、日本皮膚科学会事務局の皆さま、全国の皮膚科教室の皆さまに、深謝申し上げます。
執筆者
第 11 回皮膚科サマースクール 2026 実行委員長
渡邉玲
順天堂大学医学部・大学院医学研究科皮膚科学講座主任教授
外用実習では、自分自身の体に保湿剤を塗って適量を学びます
縫合選手権で優勝した先生はサマースクール前にトレーニングをして臨んでくれたそうです
ダーモスコピーに触れ、じっくりと皮膚を観察
名物コーナー !
皮膚科症例クイズ安部先生が会場を縦横無尽に駆け回ります!
皮膚科症例クイズを制したのは「角層の集い」チーム! 2 日目の目玉、皮膚外科ワークショップ。チューターや講師、実行委員の全員が会場を回り、先生方にアドバイスをする場面も見られました参加された皆さま、お疲れ様でした !

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No.69 2026 October 特集 2 WCD2027 開催に向けて WCD2027 へようこそ
―グアダラハラで待つ、皮膚科学の未来―
夜の Guadalajara 大聖堂に投影されるプロジェクションマッピング
藤本学日本皮膚科学会理事長
ホルヘ・オカンポ・カンディアニ WCD2027 会長
2027 年 6 月、第 26 回世界皮膚科学会(WCD2027)がメキシコ・グアダラハラで開催されます。大会を前に、 WCD2027 会長のホルヘ・オカンポ・カンディアニ先生と、学術プログラム委員会副委員長を務める藤本学先生(日本皮膚科学会(日皮会)理事長)に、大会の見どころや注目ポイント、さらにグアダラハラの魅力についても語っていただきました。
科学的卓越性・イノベーション・多様性・包摂性が融合する大会に藤本 WCD2027のテーマは「多様で包摂的な未来に向けた、皮膚科学エコシステムの探究(Discover the Dermatology Ecosystem. For a Diverse and Inclusive Future)」ですね。このテーマに込めた思いや、大会のビジョンを教えてください。オカンポこのテーマには、皮膚科学の未来を切り拓くためには、さまざまな立場の人々が協働することが重要だという思いが込められています。ここでいう「皮膚科学エコシステム」とは、皮膚の健康に関わるさまざまな人や組織が、相互に支え合うネットワークを意味します。皮膚科学は、皮膚科医と患者だけで成り立つものではありません。研究者や教育者、看護師、プライマリケア医、患者団体、企業、政策決定者など、多くの人々がそれぞれの立場から、人々の皮膚の健康向上に取り組んでいます。 WCD2027では、科学的卓越性とイノベーションの追求と同時に、多様性と包摂性を大切にしたいと考えています。国際的なリーダーから初めてWCDに参加する若手まで、すべての参加者がこのエコシステムの一員であると実感できる大会を目指しています。藤本本大会では何を楽しみにされていますか。オカンポ何より、ラース・フレンチ先生と藤本先生のリーダーシップのもと、国際的な学術プログラム委員会が企画を進めている素晴らしい学術プログラムです。さまざまなディスカッション、最先端の研究発表、実践的なワークショップ、 AIをはじめとする新しいテクノロジーを取り上げた企画、臨床と基礎研究の双方にまたがる多分野連携セッションなど、現代皮膚科学を幅広く網羅するプログラムを予定しています。藤本先生、このプログラムを構成する上で特にどのような点に力を入れてこられたのですか。藤本科学的な先端性を保ちながら、日々の臨床実践にも直結する内容となるよう意識しています。皮膚科学が急速に進歩する中、新たな知見や革新的な治療法を取り上げると同時に、世界各地の皮膚科医が臨床現場で直面
している課題にも目を向けることが重要だと考えています。また、経験豊富な専門家からキャリア初期にある皮膚科医・研究者まで、多様な背景を持つ参加者が互いに学び合える機会を作ることにも力を入れてきました。本大会を通じて、新しい知識や視点を得るとともに、今後につながる出会いを持ち帰っていただければと思っています。オカンポ WCDの大きな魅力の一つは、親しい仲間との再会や、国境を越えた新たな出会いです。本大会でもウェルカムレセプションをはじめ、交流会や企業関連イベントなど、参加者同士がリラックスして語り合える機会を用意しています。藤本参加を検討している若手皮膚科医には、どのような支援をお考えでしょうか。オカンポ世界中の才能ある若手医師が参加できるよう、研修医や専攻医、若手研究者、そして低・中所得国出身の医師を対象とした奨学金制度を用意しています。さらに、学術プログラムには専用の教育セッション、研究発表の機会、国際的な専門家との対話の場、メンターシップや長期的な国際協力につながる交流の機会を数多く盛り込んでいます。
世界の皮膚科学コミュニティとの連携を深め、“Legacy”として未来へつなぐ
藤本本大会の重要なテーマの一つである多様性は、プログラムや講演者にどのように反映されているのでしょうか。オカンポ地域や専門分野、キャリアステージ、立場などのバランスを取りつつ、皮膚科学の多様性をプログラムに反映したいと考えています。 WCD は、世界の皮膚科学コミュニティのための大会です。学術プログラム委員会では、あらゆる地域の専門家を招いています。藤本ラテンアメリカの皮膚科学会にとって、またオカンポ先生ご自身にとって、 WCDがメキシコで開催されることには、どのような意味があるのでしょうか。オカンポ私にとって、 WCDをメキシコで開催できることは大変な名誉です。

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トラケパケの街会場 Expo Guadalajara ILDS 理事の現地視察
ライトアップされたグアダラハラ大聖堂と夜景
深い感慨を覚えると同時に、大きな責任も感じています。ラテンアメリカは、研究、教育、臨床の分野で皮膚科学に多大な貢献をしてきましたが、 WCDを開催する機会はこれまでほとんどありませんでした。今回のグアダラハラでの開催は、これまでのラテンアメリカの皮膚科医たちの功績が認められた証しだと考えています。そして、本大会がラテンアメリカの若手医師たちの刺激となり、国際的な連携の強化、研究機会の拡張につながるとともに、 2027 年 6 月の1 週間にとどまらず、この地域に長く受け継がれる遺産(legacy)となることを願っています。藤本先生は日皮会理事長として、本大会でどのようなことを楽しみにされているのでしょうか。藤本本大会を機に、日本と世界、そしてメキシコを含むラテンアメリカの皮膚科学コミュニティとの結び付きを、さらに強めていきたいと考えています。日本の皮膚科学は、臨床と研究の両面で豊かな伝統を築いてきました。本大会では、特に若手会員が自身の研究成果を世界に発信し、長期的な国際協力関係を築いていく機会を多く作りたいですね。また日本国内でも、質の高い患者中心の皮膚科診療を支え続けながら、日皮会として皮膚科学の急速な進歩に対応していけるよう力を注いでいきたいと思っています。
メキシコ文化の中心地・グアダラハラの魅力
藤本本大会への参加が初めてのメキシコ訪問になる日本の皮膚科医も多いと思います。グアダラハラの魅力について、教えていただけますか。オカンポグアダラハラはマリアッチ音楽とテキーラ発祥の地であり、メキシコの伝統や歴史、そして活気を満喫できると思います。グアダラハラ近郊のテキーラの街やチャパラ湖はもちろん、メキシコまで来るのだから、日程が許せばカンクン、プエルト・バヤルタ、ロス・カボスといった美しいビーチリゾートや、ユカタン半島に残るマヤ文明の遺跡、メキシコシティの美術館や劇場など、メキシコ各地の魅力にも触れていただきたいですね。しかし、グアダラハラを本当に特別な場所にしているのは、そこに住む「人」だと思います。メキシコのホスピタリティは世界的にも知られており、グアダラハラはそうした交流にも最適な場所です。参加される皆さんを、単なる「訪問者」ではなく、「私たちの大切なゲスト」としてお迎えしたいと思っています。日本の先生方にも、 WCDの学術的な質の高さだけでなく、現地で出会う人々の温かさにも感動していただけると思います。藤本安全面について、参加者が滞在中に注意が必要な点はありますか。オカンポ他の大都市と同様、グアダラハラにも避けたほうがよい地域はありますが、市街地は比較的安全です。また、主要ホテルと会場の Expo Guadalajara 、トラケパケなどの主要観光地を直接結ぶシャトルバスの運行を計画しており、警察や医療関係者ともすでに協議を始めています。市内の移動には公共交通機関も利用できますが、混雑することが多いため、安全性が高く料金も手頃なUber Taxiか、ホテルや会場周辺のタクシーを利用するのがよいでしょう。ただし、夜間、特に 22 時以降は、観光地であっても外出を控えることをお勧めします。藤本日本からのアクセスについてもお伺いできますか。オカンポ成田からメキシコシティへの直行便があり、そこから1 時間程度のフライトでグアダラハラに到着します。あるいは、ロサンゼルスやニューヨークなどのアメリカの主要都市を経由してグアダラハラへの直行便を利用するなど、いくつか選択肢があります。藤本想像よりもずっとアクセスしやすいですね。 WCD2027 への参加を検討している先生方へのメッセージ藤本 WCD2027は、皮膚科学の幅広い領域における最新の知見に触れ、世界中の皮膚科医と意見を交わし、将来の臨床や研究の方向性を形作る関係を築く貴重な機会となるでしょう。また、メキシコならではの温かな文化やホスピタリティに触れられることも、大きな魅力です。日本からは長旅になりますが、長い旅の先には、これまでにない視野の広がりが待っています。グアダラハラに足を運ぶ価値は十分にあると信じています。特に若手皮膚科医の皆さんには、ぜひ一歩踏み出してご参加いただきたいですね。オカンポ日本には「一期一会」という美しい言葉がありますね。 WCD2027 が、心に残る時間や長く続く友情、そして世界の皮膚科学の発展につながる新たな連携を生み出す場となり、一期一会の精神を体現できることを願っています。そして、私がもう一つ好きな日本の言葉が「改善」です。よりよいものを絶えず追求する姿勢は、私たちの仕事にも通じるものがあります。学び続け、革新を続け、力を合わせて患者さんによりよい医療を届けていく――。その姿勢を、私たちも大切にしたいと思っています。メキシコには、「 Mi casa es su casa(私の家はあなたの家です)」という言葉があります。私たちは皆さんを心から歓迎します。そして帰国された後も、素晴らしい学会だったという思い出だけでなく、そこで生まれた友情やメキシコの人々の温かさを覚えていていただけたらうれしいです。 2027 年、グアダラハラで皆さんをお迎えできることを心から楽しみにしています。
World Congress of Dermatology 2027(WCD2027)
トラケパケの街を歩くオカンポ会長
概要
会期:2027 年 6 月 21 日(月)~26 日(土)会場:Expo Guadalajara(メキシコ・グアダラハラ)公式動画:https://www.youtube.com/watch?v=3vddJefCfUU 公式サイト:https://www.wcd2027guadalajara.org/
公式動画公式サイト
雑貨店を巡る視察団(トラケパケ地区)

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No.69 2026 October 特集 3
第 125 回日本皮膚科学会総会を終えて
はじめに京都での交流とハイブリッド開催
2026 年 6 月 11 日(木)から14 日(日)までの4 日間、国立京都国際会館において第 125 回日本皮膚科学会総会を開催しました。現地とオンラインを合わせて約 8,700 名の皆様にご参加いただき、盛会裡に全日程を終えることができました。全国各地、そして海外からご参加くださった皆様に、会頭として心より御礼申し上げます。
国立京都国際会館では、講演後にも議論が続き、久しぶりの再会や新たな共同研究・連携の契機となる場面が随所に見られました。対面での偶然の出会いが生む力を実感する一方、時間や距離の制約を越えて参加できるオンラインの利点も大きく、ハイブリッド開催により多くの皆様に学びの機会を提供できたことを嬉しく思います。
学術プログラムを振り返って総会を支えてくださった皆様へ
日本皮膚科学会総会は、基礎研究の成果を病態理解や診断・治療へ橋渡しし、日常診療で得られた問いを再び研究へと還元する、わが国最大の皮膚科学の学術交流の場です。本総会では、皮膚免疫、腫瘍、遺伝性疾患、アレルギー、感染症をはじめとする幅広い領域について、講演、シンポジウム、教育企画、一般演題を構成し、最新の知見と今後の課題を共有しました。各会場で活発な討論が行われ、専門領域や世代、所属施設を越えて議論が深まる様子に、総会を開催する意義を改めて実感いたしました。土肥記念国際交換講座には、 Yale 大学のJean Bolognia 先生をお迎えし、「 Dermal melanocytoses and melanocytomas 」と題して講演いただきました。太田母斑や伊藤母斑を含む真皮メラノサイトーシス、青色母斑をはじめとするメラノサイトーマについて、臨床像、分類、鑑別診断、合併症を体系的に整理された講演は、皮膚科診断学の奥深さと国際的な知識共有の重要性を再認識させるものでした。特別講演では、藤堂具紀先生、野田哲生先生、大津敦先生、松本吉郎日本医師会会長、山本雅之先生をお迎えしました。がんウイルス療法、がんに対する大規模な遺伝子解析、創薬・臨床開発研究のパラダイムシフト、医療政策と診療報酬、環境ストレス応答研究など、基礎科学、トランスレーショナルリサーチ、臨床開発、医療制度を横断する内容は、皮膚科学が医学・生命科学・社会の広い領域と結びついて発展する学問であることを示しました。さらに、藤原正彦先生による文化講演「論理と情緒アメリカと日本」では、科学を支える論理性と、人間や社会を捉える情緒・文化的視点について考える貴重な機会を得ました。
本総会は、主催校のみの力で成し遂げられたものではありません。日本皮膚科学会の役員、代議員、事務局、大会運営部の皆様、座長、演者、査読者、企画に携わった先生方には、長期間にわたり多大なご支援を賜りました。協賛企業、展示関係者、運営会社、会場・配信スタッフの皆様の緻密な準備と迅速な対応にも、深く感謝申し上げます。信州大学医学部皮膚科学教室の同門、教室員、医療スタッフ、関係部署の皆様には、日常の診療、教育、研究と並行して、総会準備と運営に力を尽くしていただきました。ご家族を含め、陰で支えてくださった皆様にも厚く御礼申し上げます。
おわりに
そして何より、会場やオンラインで学び、発表し、討論を重ねてくださった参加者の皆様の存在が、本総会を活気あるものにしてくださいました。第 125 回総会で得られた知見と交流が、明日からの診療、研究、教育へとつながり、わが国の皮膚科学と皮膚科医療のさらなる発展に寄与することを願っております。結びに、本総会に関わってくださったすべての皆様に、改めて心から感謝申し上げます。
主催校企画と次世代への継承
主催校企画では、基礎研究と臨床研究の双方から「研究公正」を取り上げ、研究倫理、原資料の管理、規制要件など、信頼される医学研究の基盤を改めて確認しました。また、「皮膚科学を未来へつなぐ―退官教授から若き皮膚科医へ―」では、長年にわたり皮膚科学を牽引された先生方から、研究テーマとの出会い、病態解明への道程、診療と研究に向き合う姿勢を次世代へ伝えていただきました。知識や技術のみならず、問いを持ち続ける姿勢と学問の精神を継承することが、皮膚科学の持続的な発展につながると感じています。
執筆者
第 125 回日本皮膚科学会総会会頭
奥山隆平
信州大学医学部皮膚科学教室教授
記念写真撮影
会頭講演「皮膚科学を楽しむ」

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第 125 回日本皮膚科学会総会参加者
声
からの
▶2026 年 6 月 11 日木~6 月 14 日日▶国立京都国際会館
▶ハイブリッド開催会期中に WEB からアンケートを実施しておりました。皆様のお声を一部ご紹介いたします。アンケートにご協力いただきました先生方、誠にありがとうございました。
開催形式について、ご意見があれば記載ください。
コロナをきっかけに始まった web 配信であるがかなりの学会が現地開催のみとなった。もちろん現地参加が望ましいが開業医にとって日曜以外は現地参加は負担が大きい。今後も可能な限りハイブリッド開催を続けてほしい/WEBもある事はとても便利。是非とも続けていただきたい/ライブ配信の会場は、もう少し増やしても良いとは思う。座長、演者も緊張感を持って参加できる。出展企業スタッフが聴講するのが多すぎて、皮膚科学会員が座れない、というケースが何箇所か見受けられた/オンラインで見れる講演を増やして欲しい/リモート開催のメリットはわかるが、他施設や他医師の手法・取り組みを学ぶなど、若手にとってのデメリットが大きくなってきている
総会に参加してよかったか?
▼非常に悪かった 0.7%
悪かった
2.9%
普通
12.5%
良かった
50.0%
非常に良かった
33.8% Web 開催のみでよい
5.9%
有意義だったプログラムは何ですか。
初日の朝のメインホールの公演と岩城製薬のスポンサ演者の選定はどうでしたか ?
▼ードシンポジウム。お話がお上手な先生を選択されていた印象/教育講演 35の重症薬疹の研究内容が非常に勉強になった。若い方も命に関わることがある疾患であり、現在は薬疹を予防することは出来ないので、個人に合わない薬を調べる手段が将来的に確立されたらいい
非常に悪かった
1.5% 悪かった 0.7%
普通
19.1%
非常に良かった
27.2%
良かった
なと思いながら聞いた/主催校企画 8の先生の公演がと
51.5%
ても良かった。普段聞くことが出来ないけど、日々の診
療と関係なくない話が聴けることが総会の醍醐味!大変勉強になった/文化講演。亜
鉛欠乏と金属アレルギー、レーザーの教育講演/教育講演 31 、行政出向者のセッショ
ン:キャリアについて考えるきっかけになった。講演 50 、 54:乾癬の知識アップデー
トができた/討論形式のプログラムは先生方の生の意見が聞けて勉強になった
今後、聞きたいテーマ、企画して欲しいプログラムがあれば挙げてください。
ガイドラインの変更があったものを中心に最新の情報を聞きたい/在宅医療訪問診療/女性医師が仕事と子育てを両立するための秘訣を教えていただきたい/ ai 系/全国の皮膚科一人、二人医長の声を聞いて欲しい/もっともっと関連した他科の内容も含め基本的なことをやってほしい/自由診療的、美容系のセッションが増えてるのは良いが、法的な解釈が必要なので、是非とも、厚生労働省の研究開発政策課再生室職員や、法曹関係者を集めたプログラムが必要と考える/若手
開催形式について
▼ハイブリッド開催がよい
86.0%
現地開催のみでよい
8.1% トピックの選択はどうでしたか ?
▼非常に悪かった
0.7% 悪かった 2.9%
普通
19.1%
良かった
48.5%
非常に良かった
28.7%
講師、大学医局の「これに取り組んでいる」/患者会のガイドライン策定参画などが他領域では進んでいるが、そういったセッションがあれば拝聴したい/薬剤の使い分けに関するディスカッション等/美容、実技(中堅以降でも初心者の企画に参加したい) Live 配信システムで、これができるともっと良いというものがあれば挙げてください。 Live 配信の講演を増やしてもらいたい/聞きたい!と思った講演がLive 配信ではなかったのが残念/オンデマンド配信。リアルタイムで見られるに越したことはない。しかし仕事中はみることができないので夜中に見たい。オンデマンドで見た分については点数がつかなくてもいいのでぜひ/同時通訳を音声にして配信してほしい(字が小さくて読めないのとタイムラグがあって追えないため)/オンライン参加だと拍手ができないので、演者の先生への感謝を伝えるために、いいねボタンがあるといいなと思った/聴講している先生の数をリアルに示す
その他、お気づきになった点、総会に求めることがあれば挙げてください。
信州大学頑張っていると思った/Web 開催のみの講演があっても面白いのではないかと思った/横浜・京都以外での開催も検討してもらえると嬉しい/運営の皆様に感謝、事務局も大学も/自動翻訳アプリはいいのだが、翻訳が画面の下にあると、前の人の頭で全く見えない。よくわからない英語や聞きのがしたときに、翻訳を見ようとして、見えにくくて、余計にわからなくなってしまった。翻訳は画面の上の方に入れて欲しい/冊子(プログラム)がないと、学会を俯瞰でみることができない/初心者向け、と書いてあっても前実績の単位にできないのであれば参加意欲が削がれてしまう/コングレスバッグを毎日先着にして欲しい。土午後からの参加で手に入らない/参加者が多く混み合っていた/メルカリに多数転売されるような状況があるので、試供品提供はやめさせるべき。モラル低下がひどい/人気なランチョンは並んでも立ち見や締め切られることがあるので、そのあたりのシステムの改善もいただけたらありがたい/e-learningのサイトが使いにくい。見たい講演を探しにくい
スタンプラリーの企画はどうでしたか?
▼存在を知らなかった 5.1%
参加していない
60.3%
面白かった
17.6%
普通
13.2%
つまらなかった 3.7%
ポケトーク(指定演題セッションでの自動翻訳アプリ)の使い心地はどうでしたか?
▼存在を知らなかった
非常に良かった 7.4% 10.3% 良かった
14.7%
利用していない
56.6%
非常に悪かった 0.7%
普通
9.6%
悪かった
0.7%
全演題、口演発表のほうがよい 5.9%
一般演題は査読の上一部のみを口演としたことについて
▼どちらでもよい 27.2%
良かった
52.9%
全演題、ポスター発表のみ(討論あり)
14.0%
ポスターの形式について
▼紙ポスターだけでよい(討論あり) 11.8%
どちらでもよい 26.5%
紙ポスターとデジタルポスターの併用がよい
48.5%
デジタルポスターだけでよい(討論なし)
13.2%
プログラム・抄録集の紙(冊子)が希望者のみとなり、電子媒体での閲覧が基本となりましたが使い心地はどうでしたか
▼電子媒体で十分だった
64.7%
紙(冊子)の方が良かった
35.3%

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No.69 2026 October 特集 4
診療ガイドライン紹介
「限局性強皮症診療ガイドライン 2026(第 2 版)」のポイント
限局性強皮症は、限局した領域の皮膚およびその下床組織に生じる炎症と、それに続く線維化を特徴とする慢性炎症性疾患です。皮膚病変のみで経過する症例がある一方、病変が脂肪組織、筋、腱、骨まで及び、関節拘縮や成長障害をきたすことがあります。また、頭部・顔面のlinear sclerodermaでは脳病変や眼症状を伴う場合もあり、病変の広がりと疾患活動性を適切に評価することが重要です。
約 10 年ぶりとなるガイドラインの改訂本邦では2016 年に日本皮膚科学会より第 1 版が公表され、標準的診療の指針として活用されてきました。その後約 10 年間に、病態理解、診断・病勢評価、治療に関する知見が蓄積され、特に小児期発症例では成長や機能予後、長期的なQOLを見据えた診療の重要性が改めて認識されています。そこで今回、厚生労働省難治性疾患政策研究事業強皮症研究班の研究者および協力者を中心に、第 2 版への改訂を行いました。改訂にあたっては、 Minds 診療ガイドライン作成マニュアルを参考に文献検索とエビデンス評価を行いました。また、すべてのCQについて修正 Delphi 法に準じた無記名独立投票を行い、推奨とともに専門家間の合意度も示しました。
「何を治療するのか」を明確に第 2 版の大きな特徴は、限局性強皮症の診療を「疾患活動性」に基づいて考えることを、より明確にした点です。第 1 版では病型分類、診断、血液検査、画像検査、鑑別診断などもCQとして扱っていましたが、第 2 版ではこれらを「診療概要」に整理し、 20のCQは治療上の意思決定を中心に構成しました。その考え方を象徴するのがCQ1です。活動性のある皮膚病変には局所療法または全身療法を行い、活動性のある関節病変には全身療法を行うことを推奨しています。一方、活動性が消失した病変では、残存する機能障害や整容的問題に対して理学療法や外科的治療を検討します。つまり、単に「皮膚が硬いか」ではなく、「現在も病変が活動しているか」を見極めて治療目標を設定することが重要です(図)。
全身療法の位置づけをアップデート
治療に関するエビデンスも大きく更新しました。全身療法の適応がある皮膚病変に対して、メトトレキサートとグルココルチコイド全身療法の併用療法を1Bで推奨し、メトトレキサート単独療法は2Cで選択肢として提案しました。特に活動性の高いlinear sclerodermaやgeneralized morpheaでは、これらが全身療法の中心となります。また、メトトレキサート不応例などで使用経験が蓄積しているミコフェノール酸モフェチルについても1Dで推奨し、セカンドライン治療としての位置づけを明確にしました(表)。さらに、近年報告が増えているJAK 阻害薬、トシリズマブ、リツキシマブ、アバタセプトなどについても CQを設けました。これらは難治例に対する治療選択肢として期待されますが、現時点では症例集積や症例報告が中心で、エビデンスは限定的です。また、多くは本症に対して保険適用外であるため、実臨床では既存治療の反応性、合併症、感染症リスクを踏まえて慎重に検討する必要があります。第 2 版では、難治例に対して「現在どのような選択肢があり、どこまでエビデンスがあるのか」を整理したことに加え、疾患活動性が落ち着いた後の機能障害や整容的問題への対応も診療の重要な要素として位置づけました。この点は、長期にわたり患者さんを診ることの多い皮膚科診療において実用的な改訂点と考えています。
「活動性」と「病変の深さ」を意識した診療へ
限局性強皮症は「皮膚だけの病気」と捉えると、その病態を見誤る可能性があります。 linear sclerodermaやdeep morpheaなどでは深部組織まで病変が及ぶことがあり、造影 MRIはsubclinicalな病変を含めた評価に有用です。本ガイドラインが、日常診療において「この病変は今、活動しているのか」「どの深さまで病変が及んでいるのか」「局所療法でよいのか、全身療法を開始すべきなのか」を考える際の一助となり、患者さんの長期的な機能予後とQOLの改善につながることを期待しています。
執筆者
限局性強皮症診療ガイドライン策定委員会
浅野善英
東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野教授
図限局性強皮症診療ガイドライン(第 2 版)における治療の基本的な考え方表限局性強皮症診療ガイドライン(第 2 版)における主な全身療法の推奨
治療
第 2 版での位置づけ
推奨度/エビデンスレベル
実臨床でのポイント
グルココルチコイド全身療法( CQ6)
全身療法の適応がある皮膚病変
1C
早期の活動性制御を目的に用いる。単独では中止後の再燃率が高く、メトトレキサート等の併用が望ましい。
メトトレキサート+グルココルチコイド全身療法( CQ7)
第一選択となる全身療法
1B
活動性の高い linear scleroderma ・ generalized morphea で中心となる。血液モニタリングと葉酸補充を行う。
メトトレキサート単独(CQ7)
治療選択肢の一つ
2C
グルココルチコイドが適さない場合などに検討する。
ミコフェノール酸モフェチル( CQ9)
主にセカンドライン
1D
メトトレキサート不応・不耐例で考慮する。特有の副作用が少なく管理しやすい。本症に保険適用なし。
シクロスポリン( CQ8)
治療選択肢の一つ
2D
グルココルチコイド全身療法が無効・不適な症例で検討する。本症に保険適用なし。
JAK 阻害薬(CQ10)
難治例の選択肢
2D
トファシチニブ、バリシチニブの報告があるが症例報告が中心。感染症リスクに留意する。生物学的製剤(CQ13–16)
難治例の選択肢
2D
インフリキシマブ、トシリズマブ、リツキシマブ、アバタセプト。いずれも本症に保険適用なし。カルシトリオール(CQ11)インターフェロンγ(CQ12)
全身投与は用いないことを推奨
1C/1A
いずれも比較対照試験で無効であることが示されている。
推奨度は「 1:推奨する/2:提案する(弱い推奨)」、エビデンスレベルは A~D の 4 段階(A:効果の推定値に強く確信がある~D:ほとんど確信がない)を示す。実際の治療選択にあたっては、保険適用、病型、疾患活動性、年齢、副作用リスクを考慮する。

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「好酸球性筋膜炎診療ガイドライン 2026(第 2 版)」のポイント
好酸球性筋膜炎は、 1974 年にShulmanが末梢血好酸球増多、四肢を中心とする深在性皮膚硬化、関節拘縮を呈する症例をdiffuse fasciitis with eosinophiliaとして報告して以来、約半世紀にわたり疾患概念が形成されてきました。現在では、主として四肢の筋膜を病変の主座とし、炎症とそれに続く線維化によって皮膚・皮下組織の硬化や関節可動域制限をきたす疾患として理解されています。通常、生命予後は良好ですが、治療介入が遅れると関節拘縮などの機能障害を残すことがあり、早期診断と適切な治療介入が重要です。本邦では2016 年に「好酸球性筋膜炎診断基準・重症度分類・診療ガイドライン」が公表されました。その後約 10 年間に、画像診断、治療反応性、再燃、長期予後に関する知見に加え、免疫抑制薬や分子標的薬など新たな治療選択肢に関する報告が蓄積しました。今回の第 2 版では、診断や鑑別診断について「診療概要」として体系的に整理するとともに、 CQを治療上の意思決定を中心とする9 項目に再構成しました。推奨の決定にあたっては、体系的な文献検索とエビデンス評価を行い、修正 Delphi 法に準じた無記名独立投票により専門家間の合意度も評価しています。筋膜病変を的確に評価し、早期に治療へつなげる本症の診療では、四肢の対称性板状硬化、 orange peel-like appearance 、 groove signなどの臨床所見に加えて、病変の主座である筋膜を適切に評価することが重要です。 MRIは筋膜の浮腫・炎症を非侵襲的に描出でき、診断に加えて生検部位の決定や病勢・治療反応性の評価にも有用です。また、病理診断では皮膚から筋膜・筋肉表層までを含むen bloc 生検が重要です。これらの診断過程で活動性病変を的確に捉え、不可逆的な線維化や拘縮が進行する前に治療を開始することが、本症の長期予後を考えるうえで重要となります。グルココルチコイドを中心とした治療体系を再整理治療の第一選択は、現在もグルココルチコイド全身療法です。第 2 版ではグルココルチコイド内服を1D 、メチルプレドニゾロンパルス療法を1Cで推奨しました。ランダム化比較試験は存在しないものの、多数の症例報告や後ろ向き研究によって、とくに活動期における有用性が支持されています(図)。一方、グルココルチコイド抵抗例や長期投与を回避するための治療選択肢についても整理しました。メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリ
ン、アザチオプリン、シクロホスファミドを2Dで提案しています。なかでもメトトレキサートは他の免疫抑制薬と比較して臨床報告が多く、ミコフェノール酸モフェチルについてもグルココルチコイド減量効果を示唆する報告が蓄積しています(表)。
難治例と長期管理までを視野に
近年の治療選択肢の広がりを反映し、第 2 版では分子標的薬とJAK 阻害薬について新たに独立したCQを設けました。インフリキシマブ、エタネルセプト、リツキシマブ、トシリズマブ、メポリズマブ、さらに JAK 阻害薬について、難治例に対する補助療法としての可能性を示しています。ただし、その根拠は主として症例報告・症例集積であり、適応については慎重な判断が必要です。さらに、寛解後の治療中止とリハビリテーションについてもCQを設けました。治療中止が可能な症例が存在する一方、減量・中止後の再燃も少なくありません。十分な病勢評価と長期的な経過観察が必要です。また、残存する関節拘縮に対してはリハビリテーションも重要な治療の一部となります。本ガイドラインが、早期の炎症性筋膜病変を的確に捉え、適切な治療導入から難治例への対応、さらに寛解後の長期管理までを一貫して考えるための診療指針として、日常診療に広く活用されることを期待しています。
執筆者
好酸球性筋膜炎診療ガイドライン策定委員会
浅野善英
東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野教授
図好酸球性筋膜炎診療ガイドライン(第 2 版)における治療の基本的な考え方
表
好酸球性筋膜炎診療ガイドライン(第 2 版)における好酸球性筋膜炎の治療・長期管理の推奨
治療・管理
第 2 版での位置づけ
推奨度/エビデンスレベル
実臨床でのポイント
グルココルチコイド内服(CQ1)
第一選択 1D
活動期治療の基本。病勢を確認しながら漸減する。
メチルプレドニゾロンパルス療法( CQ1)
第一選択となり得る全身療法
1C
完全寛解率が高い傾向、免疫抑制薬の併用率が低いとの後ろ向き報告がある。
免疫抑制薬( CQ3)
グルココルチコイド抵抗例・グルココルチコイド減量目的の追加治療
2D
メトトレキサートの報告が最も多く、ミコフェノール酸モフェチルはグルココルチコイド減量効果を示唆。ほかシクロスポリン、アザチオプリン、シクロホスファミド。
外用薬( CQ2)補助療法 2D
単独での効果は期待できず、全身療法との併用が前提となる。
不可逆的な線維化・関節拘縮が進行する前に開始する
光線療法(CQ4)補助療法 2D UVA-1 の報告が中心。全身療法との併用で用いられ、単独の効果は明確でない。分子標的薬(CQ5)
難治例の補助療法
2D
インフリキシマブ、エタネルセプト、リツキシマブ、トシリズマブ、メポリズマブ。
JAK 阻害薬(CQ6)
難治例の補助療法
2D
症例報告が中心。感染症を含む有害事象に留意する。
MTX ・ MMF ・シクロスポリン・ AZA ・ CPA(MTX の報告が最も多い)その他の治療(CQ7)
難治例の補助療法
2D
ダプゾン、ケトチフェン、シメチジン、ヒドロキシクロロキン、コルヒチン、スルファサラジン、免疫グロブリン大量静注療法。治療の中止(CQ8)
十分な病勢沈静化後に検討
2D
減量・中止後の再燃は少なくない。中止が可能とする十分な根拠はまだない。
全経過を通じて関節拘縮・機能障害:リハビリテーション(CQ9|2D)を薬物療法と並行して考慮※過度の運動は病勢悪化の契機となり得るため、症状・炎症所見を確認しながら慎重に実施する
リハビリテーション(CQ9)
拘縮・機能障害への介入
2D
薬物療法と並行して考慮。過度の運動は病勢悪化の契機となり得るため慎重に。
推奨度は「 1:推奨する/2:提案する(弱い推奨)」、エビデンスレベルは A~D の 4 段階(A:効果の推定値に強く確信がある~D:ほとんど確信がない)を示す。

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No.69 2026 October
新教授紹介
名
名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学教授
たけいち
武市
たく拓
や也
先生
古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学教授を2026 年 7 月 1 日付で拝命いたしました。私
略歴 2004 年 3 月滋賀医科大学医学部卒業 2004 年 5 月愛知県厚生連昭和病院(現:江南厚生病院)
研修医 2006 年 4 月名古屋大学医学部附属病院 2007 年 9 月豊橋市民病院 2010 年 9 月名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学
は2004 年に滋賀医科大学を卒業し、 2006 年に名古屋大学皮膚科学教室に入局いたしました。大学院では、富田靖先生、杉浦一充先生をはじめとする諸先生方のご指導のもと、皮膚科学研究の基礎を学びました。大学院修了後は、秋山真志先生のご指導のもと、先天性魚鱗癬をはじめとする角化症の研究に本格的に取り組みました。 2013 年からは英国 King’s College Londonに留学し、遺伝学的解析研究に従事いたしました。帰国後は、遺伝性皮膚疾患、角化症、自己炎症性角化症を中心に、診療と研究を続けてまいりました。私は、患者さんの診療から得られる疑問を出発点に、遺伝学的解析、機能解析、疾患モデル、オミクス解析を組み合わせ、病態解明と新しい診断法・治博士課程修了 2011 年 4 月稲沢市民病院 2013 年 3 月英国 King′s College London 2016 年 4 月名古屋大学医学部附属病院皮膚科助教 2019 年 10 月名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学講師
療法の開発を目指してまいりました。稀少難治性皮膚疾患の研究は、患者さんに直接貢献するだけでなく、皮膚科学の発展にもつながるものと考えております。名古屋大学皮膚科学教室には、遺伝性皮膚疾患・角化症に加え、膠原病、皮膚腫瘍など、多様な領域において培われてきた伝統があります。今後は、これらの強みをさらに発展させ、基礎研究と臨床を結び、患者さんに還元できる成果を生み出すことを目指してまいります。また、次世代の皮膚科医・研究者の育成に尽力し、日本皮膚科学会の発展と皮膚科学の進歩に少しでも貢献できるよう、誠心誠意取り組んでまいります。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2022 年 4 月名古屋大学高等研究院兼務 2023 年 4 月名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学准教授 2026 年 7 月名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学教授
慶
應義塾大学医学部皮膚科学教室の教授を、
2026 年 4 月 20 日付をもちまして拝命いたしました。 1994 年に慶應義塾大学医学部を卒業後、同教室で研修し、静岡赤十字病院形成外科、清水市立病院(現静岡市立清水病院)皮膚科で臨床経験を積んでまいりました。 2001 年慶應に帰室し、学位取得後の2005 年、米国 NIH Dermatology Branchに留学し、ランゲルハンス細胞を中心に皮膚免疫を学びました。 2008 年に慶應へ戻ってからは、自身の研究グループを立ち上げ、毛嚢免疫や皮膚免疫の恒常性に関する研究を進めるとともに、薬疹・アレルギー外来を開設し、基礎研究で得た知見と論理を臨床に還略歴 1994 年慶應義塾大学医学部研修医 1996 年静岡赤十字病院形成外科 1997 年清水市立病院皮膚科 2001 年慶應義塾大学助手
元するよう努めてまいりました。 2014 年にはNIH で研究室を持つ機会に恵まれ、皮膚が常在微生物と相互作用しながら、どのように免疫恒常性を保つのかを研究するとともに、 NIH Clinical Center で皮膚科医として難治・希少疾患の診療に従事してまいりました。今後は、慶應皮膚科の伝統を継承しつつ、診療と研究を有機的につなぎ、患者さんに還元できる皮膚科学を発展させたいと考えております。また、若い医師・研究者が国内外で挑戦できる環境づくりにも力を尽くし、本学会と皮膚科学の発展に微力ながら貢献してまいります。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしく
2005 年 Visiting Fellow, Dermatology Branch,
National Institutes of Health (NIH) 2008 年慶應義塾大学助教 2010 年慶應義塾大学専任講師
慶應義塾大学医学部皮膚科学教室教授
ながお永尾
けいすけ
圭介
先生
お願い申し上げます。
2014 年 Earl Stadtman Investigator, Dermatology Branch, NIH
2020 年 Senior Investigator Dermatology Branch, NIH 2026 年慶應義塾大学教授
安全使用マニュアルバリシチニブ 2026 年改訂版(販売名:オルミエント錠 2mg 、オルミエント錠 4mg 、オルミエント内用懸濁液 2mg/mL)に関するお知らせ
2022 年 6 月にJAK1/2 阻害薬(バリシチニブ)が、続いて2023 年 9 月にはJAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬(リトレシチニブ)が重症円形脱毛症に保険適用の新規薬剤として販売開始となり、日本皮膚科学会脱毛症治療安全性検討委員会は安全使用マニュアルを作成・公開しました。この度、バリシチニブ(販売名:オルミエント)の適応年齢の拡大(12 歳以上)および新規剤型追加(内用懸濁液)をうけ、 2026 年 6 月に安全使用マニュアルバリシチニブ 2026 年改訂版が新たに公開されました。本剤の対象となる用法および用量として、「成人及び 12 歳以上かつ体重 30kg 以上の小児にはバリシチニブとして4mgを1 日 1 回経口投与する」と記載が変更されています。また、マニュアルの対象医薬品として従来のオルミエント錠 2mg 、 4mgに加えてオルミエント内用懸濁液(2mg/mL)が追記されました。適応拡大の根拠となった12 歳以上 18 歳未満かつ体重 30kg 以上の日本人を含む重症円形脱毛症コホートを対象にした国際共同第Ⅲ相試験(BRAVE-AA-PEDS[JAIO]試験)の結果も新たに記載されています。本薬剤を適正かつ安全に使用いただくため、ぜひ改訂版安全マニュアルをご活用いただければ幸いです。
執筆者
脱毛症治療安全性検討委員会委員長
大山学
杏林大学医学部皮膚科学教室教授

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ダイアリのー日2 冊常で感じたことなどを4コマ漫画ブログにアップしている。ブログ発の漫画本、医師・漫画ブロガー。外来診療の皮膚科あるあるやハプニング、皮膚科医としてデルぽん既刊。最近はもっぱら趣味のマラソンネタなど。ゆるいファンランナー。Japanese Dermatological Association News Letter
No.69 2026 October 15
デルぽんDr.
ーDr.
執筆者
開業医のつぶやき
持田和伸持田皮フ科院長
開業して 32 年目になる。いまだに当院は紙カルテである。
最近、「 2030 年には電子カルテが原則義務化されるらしい」と聞くたびに、私の心電図は少し乱れる。医療 DX の必要性はよく分かっている。診療情報の共有、業務の効率化、災害時の備えなど、利点を挙げれば反論の余地は少ない。
しかし紙カルテにも、それなりの味がある。患者さんとの会話を聞きながら、余白に家族のこと、仕事のこと、少し気になった表情などを書き込む。数年前のカルテをめくると、「ああ、この時は息子さんの受験で大変だったな」などと、
診療内容以外の記憶までよみがえる。これはもう、私にとって単なる記録ではなく、半分は患者さんとの交換日記である。とはいえ、時代は待ってくれない。電子カルテに移行すれば、私はまずログイン画面でつまずき、スタッフに「先生、そこはクリックです」としかられる姿が目に浮かぶ。いちばん不安なのが、現在のように1 時間に20 人程度診られるかどうかである。完全予約制にしようかなどと今から悩んでいる。「いつかはDX」と思いながら、「今日だけは紙で」とつぶやく。そんな私の4 色ボールペンは、今日も静かにカルテの上を走っている。
Dermatologist’s
テーマ❸皮膚科医だけど〇〇しています!したいです!
皮膚科医だけどラーメンをスープとチャーシューから作ります。
投稿者より
名店の味を真似できないかと煮干醤油、ちゃん系、濃厚豚骨など色々作ります。原価計算、キッチンのオペレーション等色々工夫しているとクリニックの仕事と似てるな!と思います。クリニックの経営もラーメン店も個人店とチェーンの競争という意味では似ているので、これからクリニックもラーメン店のように生存競争が激しくなるのかなぁ、なんていろんなお店のラーメンをすすりながら想像しています。
(婿駄院漆黒斎)
募集概要
みなさまからのご応募をお待ちしております !
今回ご投稿いただいたテーマ以外にも、さまざまな投稿企画をご用意しております。応募数に制限はございませんので、右記のフォームより奮ってご応募ください!
地元のプチ自慢
テーマ●❶
〈例〉私の地元○○県は喫茶店のモーニングが豪華で、ドリンク一杯でランチ並の食事がつきます!〈文字数:100 字程度〉
テーマ●❷
皮膚科医川柳お題「皮膚科医あるある」〈例〉塗りぐすり注文多いが塗ってない〈文字数:17 字(5・7・5)〉
応募フォーム https://bit.ly/34BBiBb
テーマ●❸
皮膚科医だけど○○しています!したいです!
〈例〉皮膚科医だけどフラダンスやってます! SNS の発信を頑張りたいです!など〈文字数:100 字程度〉
採用された方には、日本皮膚科学会オリジナルカード型 USB メモリ・ステンレスボトルのいずれか(ボトルは白か青が選べます)をプレゼント!
〈ご応募期限〉 2026 年 11 月 5 日(木)

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No.69 2026 October
Topic 2026 年度「皮膚の日」行事開催にあたって
※この記事は 9 月 8 日に日本皮膚科学会 HP に掲載されたものの再掲です●「皮膚の日」とは日本臨床皮膚科医会(以下、日臨皮)は1989 年に11 月 12 日(いいひふ)を「皮膚の日」と定め、日本皮膚科学会と協力し、皮膚についての正しい知識の普及と皮膚科専門医療への理解を深めるための啓発活動を続けています。毎年「皮膚の日」の前後には、全国各地で講演会や皮膚相談会、市民公開講座などが開催され、多くの皆さまにご参加いただいています。昨年度も全国で「皮膚の日」行事が開催されました。対面開催に加え、 Web 配信やハイブリッド開催も定着し、地域の実情に応じたさまざまな取り組みが行われています。テーマもアトピー性皮膚炎、帯状疱疹、にきび、乾癬、多汗症、フットケア、皮膚がんなど多岐にわたり、市民公開講座だけでなく、無料相談会やQ&Aセッション、新聞やYouTubeを活用した情報発信など、地域の特色を生かした啓発活動が全国に広がっています。● 2026 年皮膚の日・市民公開講座 2026 年度の市民公開講座は、日本皮膚科学会および日本経済新聞社との共催、花王株式会社の協賛のもと、 10 月 4 日に日経ホールでハイブリッド開催いたします。今年のテーマは「顔の皮膚トラブルの“なぜ?”~赤み・できもの・かぶれから、正しいスキンケアまで~」です。顔は人目につきやすく、小さな皮膚トラブルでも日常生活やQOLに大きく影響します。本講座では、赤み、よく相談のある小さな結節、かぶれなど身近な症状について、その原因や適切な対処法、日常のスキンケアのポイントを皮膚科専門医がわかりやすく解説します。また、聴講者より寄せられる質問にお答えする総合討論も予定しています。
さらに、昨年好評をいただいた「ハンドケア・フットケア体験会」を今年も開催いたします。講演を聴くだけでなく、実際にスキンケアを体験していただくことで、毎日のセルフケアをより身近に感じていただける機会となれば幸いです。また、昨年からは皮膚疾患ケア看護師にも講演会にご参加いただいています。医師による診断や治療だけでなく、日常生活に欠かせないスキンケアの実践について、患者さまに最も近い立場で支援している看護師から、すぐに役立つセルフケアのポイントをお伝えしています。皮膚疾患の予防や治療には、多職種がそれぞれの専門性を生かして関わることが大切であり、「皮膚の日」でもその取り組みを市民の皆さまにお伝えしていきたいと考えています。皮膚に関する情報は、 SNSなどを通じて数多く発信されています。そのような時代だからこそ、「皮膚の日」を通じて専門家が繰り返し正しい知識をお伝えし、皮膚の健康を守るための基本を広く社会へ発信し続けることが重要であると考えています。●最後に
今後も全国各地の先生方とともに、「皮膚の日」が地域に根ざした活動として発展し、国民の皆さまの皮膚の健康づくりに役立つことを願っています。引き続き、多くの先生方のご協力をよろしくお願い申し上げます。
執筆者
日本臨床皮膚科医会会長
江藤隆史
あたご皮フ科副院長東京逓信病院皮膚科客員部長
執筆者
日本臨床皮膚科医会常任理事
高山かおる
済生会川口総合病院皮膚科主任部長
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JDA LETTER をお読みいただきありがとうございました。今後の制作の参考のためにご意見をお寄せください。
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理事の先生方によるコラムをリレー形式でお届けします!
皮膚科は奥深い
執筆者
朝比奈昭彦東京慈恵会医科大学皮膚科学講座主任教授
皮膚科専門医試験委員会の役割を担う立場から、皮膚科専門医である意義を考える機会が多くなりました。皮膚は人体最大の臓器であり、皮膚を学ぶことは“more than skin deep”です。皮膚科を志す若い先生方には、目に見える現象を表面的に捉えるだけでなく、その背後に潜む謎を解き明かすことを楽しみ、知識と経験を積み重ねながら診断と治療の道筋を見極め、患者さんと向き合い、喜びを分かち合える医師になってほしいと思います。そのためには、皮膚科を深く学び、確かな基礎知識を身につけることが大切です。一見、無味乾燥に思える知識も、診療において思わぬヒントとなり、病態を系統的に考える手掛かりとなります。学びの中で心
惹かれる領域に出会えば、そのsubspecialtyを究める道も開かれていきます。専門医試験では、ぜひ身につけてほしい知識を網羅するよう努めています。受験のために積み重ねた学びは決して無駄にはならず、いつか必ず診療のどこかで皆さんを支えてくれるはずです。皮膚科は、ともすれば「目に見えるから分かりやすい、浅い学問」と捉えられがちですが、その実像はまったく異なります。広く、深く、尽きることのない世界が広がっています。その奥深さと魅力を、次の世代へ、そして社会へ伝えていきたいと思います。私自身もなお学びの途上にあり、その奥深さを折に触れて思い知らされていますが、そこに学ぶ楽しさとやりがいを感じています。
No.69
2026 年 10 月 20 日発行
発行:公益社団法人日本皮膚科学会理事長:藤本学〒113-0033 東京都文京区本郷 4-1-4 TEL:03-3811-5099 FA X:03-3812-6790 URL:https://www.dermatol.or.jp E-mail:gakkai@dermatol.or.jp 編集委員長:室田浩之デザイン・制作:株式会社エフスタイル・株式会社ローヤル企画印刷:株式会社杏林舎本誌掲載記事、写真等の無断複写・複製・転載を固く禁じます。©The Japanese Dermatological Association

デジタルカタログのeBook5
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