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# PLATINUM STREET TIMES  11号

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ContentsP02-05知を結集した総力戦!次世代ワクチン研究より効果的なワクチンを創り出すために基礎研究の視点から深掘り新型コロナを機に築かれたワクチン開発研究の新体制感染・免疫部門長｜附属国際ワクチンデザインセンター長石井健教授効きやすさに関わる遺伝子は?バイオデータから疾患リスクを調査附属ヒトゲノム解析センター｜シークエンス技術開発分野バイオバンク・ジャパン代表松田浩一特任教授マラリアは複雑な感染症免疫回避の謎を追う感染・免疫部門｜マラリア免疫学分野チョバン・ジェヴァイア教授感染予防の要は粘膜のIgAワクチンで効率よく誘導するには附属感染症国際研究センター｜感染制御系ウイルス学分野一戸猛志准教授ワクチンの効き目を高める鍵単剤での創薬も視野に感染・免疫部門長｜附属国際ワクチンデザインセンター長石井健教授奄美大島で120年余亜熱帯地域の感染症研究奄美医科学研究施設川合覚特任研究員奄美島民とともに歩んだハブ研究40年島の宝はハブとヒト服部正策先生P06-07IMSUT-HLCセルプロセッシング施設P08医科研のみんなに聞いてみました!大学受験の時の思い出めしP09医科研の大学院生たち生命の普遍的なルールに少しでも迫りたい西村栄美研究室所属聶嘉良さんP10医科研のすごい＆おもしろ研究最前線Wntシグナルの基礎研究から肝がんの病態解明に迫る附属先端医療研究センター｜臨床ゲノム腫瘍学分野中川沙弥助教MDSなど血液疾患にも関わるポリコーム抑制複合体に焦点附属幹細胞治療研究センター｜幹細胞分子医学分野中島やえ子助教P11インサイド国際共・共拠点生命現象を「細胞の色」で読み解く新規モデル動物Ratbowが描く新しい脳地図東京都医学総合研究所｜脳神経回路形成プロジェクト隈元拓馬博士P12イベント報告小・中学生対象の実験教室開催!＠Plus医科研トリビア医科研ものがたり│11│細胞の「顔」を見つけた研究者―山川民夫が拓いた、糖鎖の世界受賞者紹介読者アンケート＆プレゼント2025年12月Vol.11知を結集した総力戦!次世代ワクチン研究特集東京大学医科学研究所の魅力を伝える医科学研究所のWebサイトにアクセスして、電子ブックでも読むことができます!新型コロナによるパンデミックは、感染症予防の要であるワクチンの開発の重要性を改めて浮き彫りにしました。感染症がいまだ世界的な脅威である今、その開発は喫緊の課題。産学官が一体となり、革新的な次世代ワクチンの研究が進行中です。ここ東京大学医科学研究所（医科研）は、国内のワクチン研究をリードする存在。専門の垣根を越え、多くの研究者が次なるブレイクスルーを目指しています。ワクチン開発は多くの研究者たちの叡智の集積です

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2知を結集した総力戦!次世代ワクチン研究より効果的なワクチンを創り出すために基礎研究の視点から深掘りインフルエンザ、新型コロナなどさまざまな感染症に対するワクチンの研究が行われています。今回は、「新型コロナ」「マラリア」の2つの感染症に関するワクチン、そして次世代ワクチンに関わる技術である「経鼻ワクチン」「アジュバント」の研究者を取材。東京の医科研から遠く離れた南の島にある感染症・ワクチン研究の重要拠点も紹介します。北里柴三郎博士らにより、医科研の前身となる大日本私立設衛生会附属伝染病研究所（伝研）が設立されたのは1892年。ワクチンや抗血清など細菌学的製剤の製造所として、また、伝染病に関する医師や衛生行政関係者の教育、製剤の検定・認可を担う機関として、伝染病研究と医療のあらゆる面に貢献していました。設立から130年以上が経過した2025年現在も、感染症やワクチンに関する研究は医科研で精力的に進められており、国内の主要研究機関としてその分野を牽引しています。感染症・免疫以外の専門家と化学反応を起こせ2020年初頭に突如として世界を襲い、深刻な影響をもたらした新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）のパンデミック。主要研究拠点の1つとされた東大や医科研は、数多くの研究成果を発表してきました。感染・免疫部門ワクチン科学分野、附属国際ワクチンデザインセンターのセンター長の石井健教授は、「このパンデミックは医科研の感染症・ワクチン研究において大きな転機となりました。感染症や免疫以外の分野との、垣根を超えた連携により、研究が加速したことは特筆すべき成果です」と、この数年を振り返ります。「SARS-CoV-2が猛威を振るい始めた当初、感染症・免疫学の研究者を中核に、AIビッグデータ解析やゲノム編集技術など異分野のスペシャリストが、「この未曾有の難局を乗り越えたい」という熱意のもと、続々と研究に参画。専門分野の垣根を超えた学際的な連携は、従来の枠に囚われない戦略と活発な議論を生み出しました。Zoom画面越しでの専門性共有から始まったこの取り組みは、予想以上の化学反応をもたらし、さまざまな研究成果へと結実しました」新型コロナウイルスワクチンの開発の通り、現代のワクチン開発は、ヒト免疫学、疾患研究、臨床研究を軸に、AIなどの異分野の最新技術を取り込む形で巨大化しています。開発を完遂するには、産学官民連携のワクチンデザインチームが、これら関連研究分野すべてを網羅し、多くの専門家と緊密に連携しながら技術革新を進めることが不可欠。自動車や航空機産業の開発に近い、大きな科学技術の集合体と化しています。附属国際ワクチンデザインセンターワクチン開発研究に欠かせない「抗原」「アジュバント」「デリバリーシステム」の3要素を柔軟に組み合わせることを目指し、異分野の知見を融合したグローバルな研究チームが形成されている。ポストコロナ時代を見据え、「新次元のワクチンデザイン」に取り組んでいる。東大内の研究基盤とSCARDA現代（近未来）のワクチン開発研究は、科学技術の集合体ワクチンの必須3要素重要研究領域連携分野DDS技術粘膜免疫生体イメージングヒト免疫研究レギュラトリーサイエンス現代のワクチン開発研究は大きな科学技術の集合体。自動車や航空機産業の開発に近い。2022年4月、医科研に附属国際ワクチンデザインセンターが、10月には新世代感染症センター（UTOPIA）が東京大学国際高等研開究所の研究機構として開設されました。附属国際ワクチンデザ発インセンターは、感染症に加えてがんなどの非感染症の病気を、研UTOPIAは感染症を対象としていますが、いずれも分野の壁を越究えて力をあわせ、感染症対策、のワクチン開発に挑むための研究機関です。また、両センターは、新2022年3月から国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）体が運営する産学官の連携基盤「SCARDA」事業（※1）を通じて、国が定める重点感染症に対するワクチンの早期実用化を目指す開発研究も行っています。海外を見てみると、米国には（NIH）や米国疾患予防制米国立衛生研究所管理センター（CDC）、新型コロナワクチンを開発したことでも知られるモデルナ社をはじめとする大手製薬企業、英国にはオックスフォード大学など、感染症の基礎研究に力を入れて取り組んでいる機関や企業があります。これら諸外国に比べると日本の感染症・ワクチン研究のスピード感や規模感は見劣りする部分はあるそう。しかし、東大の研究基盤やSCARDAが始動したことは、「日本のワクチン研究力向上に大きく貢献するものです」と石井教授は話します。SCARDAにおいて、石井教授の研究班では、研究シーズの社会実装に向けた支援をしています。「通常、ワクチン開発には莫大な予算と時間を要します。若手研究者やスタートアップのような企業が、人の命に関わるような新規の抗原（免疫反ワクチンデザインチーム（コンソーシアム）生体内デリバリーバイオインフォマティクスフィールド分子疫学ワクチン抗原開発製造臨床試験計算科学スクリーニングアジュバント複雑な開発のプロセスをシンプルかつ迅速に進めるイノベーションが希求されている型コロナを機に築かれたすべき感染症の1つとされてい新疾患研究リバースジェネティクストキシコゲノミクス有機化学合成自然免疫医療経済学近未来のワクチン応を起こすきっかけとなる病原体など）やアジュバント（ワクチンの効き目を高めるはたらきをするもの、P4参照）を見つけたとしてもすぐにワクチン開発に着手できるわけではありません。1日も早く実用化に結び付けるため、専門家や国の機関との橋渡し役を担っています」新たな研究基盤が生きたエムポックスワクチン研究国内に整備された新たなワクチン研究基盤を生かした成果の1つに「エムポックス」（※2）のワクチン研究があります。2022年5月以降に世界的に流行し、同年7月には世界保健機関（WHO）が国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言。2024年には子どもへの家庭内感染が確認され、再び緊急事態が宣言されたほど、国際社会にとって引き続き注視ます。エムポックスの原因であるエムポックスウイルスは、江戸時代の日本では幾度となく流行を繰り返した天然痘と同じオルソポックスウイルス属に分類されます。国内ではすでに天然痘を適応症としたワクチンが承認されていました。このワクチンがエムポックスにも予防効果があると考えられたことから、2022年8月、エムポックスに対しても追加承認されました。一方、このワクチンは1970年代に開発されて以来、詳細な解析がなされておらず、有効性や安全性に不明な点が多く残されたままだったそう。そこで、2024年の2度目の緊急事態宣言を機に、医科研を中心とした国内の専門機関が協働で本格的な研究を開始しました。「有効性評価法の検討や動物モデルでの実験、ワクチン接種者を対象とした臨床研究、その後の詳細な免疫学的解析までを一貫して切れ目なく行い論文発表までわずか数か月で成し遂げることができました。私自身はアジュバント（P4参照）が専門ですし、エムポックスを初めて扱う先生も多くいた研究グループでしたが、専門領域ではない感染症に対する迅速な開発研究を、リアル・プラクティスとして経験するよい機会となりました」同ワクチンはその後、日本政府よりエムポックス流行地のコンゴ共和国に対し万回分が無償提供されています。パンデミック開始から5年が経過した現在も、強固な協力体制は維持され、ポストパンデミック時代を見据えた研究へと発展し続けています。※1SCARDAStrategicCenterofBiomedicalAdvancedVaccineResearchandDevelopmentforPreparednessandResponse：SCARDA。感染症有事に国策としてワクチン開発を迅速に推進するために平時からの開発研究を主導する体制として、2022年3月に設置された。参照/AMED先進的研究開発戦略センターSCARDAWebサイト※2エムポックス以前は「サル痘」と呼ばれた感染症。主な感染経路は接触感染および飛沫感染とされ、発熱、皮疹、リンパ節腫脹などの症状を呈し、重症化すると死亡することもある。参照/国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト臨床研究が近づいているワクチン「季節性インフルエンザ」に対する半生ワクチン研究河岡義裕特任教授代表者（ウイルス感染部門、UTOPIA機構長）感染防御効果と安全性により優れたインフルエンザ（インフル）ワクチンの実用化を目指し、河岡義裕特任教授は「半生ワクチン」の研究開発を進めています。インフルA型2種とB型1種のウイルス株の各遺伝子の一部を欠損させたウイルスを含む経鼻ワクチンで、強力な免疫反応を誘導する一方、感染性ウイルスは産生されない仕組みです。これまでに、インフルA型1種のウイルス株を用いて同手法による経鼻ワクチンが開発され、2歳以上85歳を対象に海外で臨床試験が行われ、有効性が確認されています。「単純ヘルペスウイルス感染症」に対するワクチン研究川口寧教授代表者（感染・免疫部門ウイルス病態制御分野）再発を繰り返す単純ヘルペスウイルス（HSV）感染症には、高い未充足医療ニーズが存在し、ワクチンの開発が長年求められています。ウイルス病態制御分野の川口寧教授らは、独自の基礎研究に基づき、再発を抑制する治療用HSVワクチンを開発しています。AMED創薬ブースターの支援を経て、KMバイオロジクス株式会社と共同で、安全性、生産性、治療効果に優れた弱毒生ワクチン候補品を創製し、特許共願（出願中）の上、企業主導による非臨床試験に進展しています。

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3自然免疫と適応免疫寄生虫に対する反応に関する研究※血清体外に採り出した血液は、血を固まらせる成分が働いて、赤く見える赤血球などの細胞成分と、上澄みにあたる薄黄色の液体成分に分離する。この液体成分が血清で、コレステロール値など多くの検査に血清が使われている。さを遺伝子レベルで明らかにした研究が、東京大学や慶應義塾大学などの研究グループによって行われました。その研究グループの一人が、医科研内にある「バイクチンの効果には個人差があることが知られています。新型コロナワクチンの効きやすワ「今回の研究では、新型コロナワクチンの効きやすさに関わることが特定された遺伝子領域が、どのような病気と関わっているかを詳しく調べるためにBBJのデータが用いられました。敗血症を含む感染症やバセドウ病を含む免疫疾患の罹患リスクを上昇させることも判明しました」BBJは国内最大級のバイオバンクで、患者さんの追跡によるデータのアップデートも行われていますが、現在、新たな患者さんのリクルートは行われていません。一方、ゲノム情報に基づく個別化医療の需要が高まってきている背景から、より大規模なバイオバンクを組織することが検討されています。「国内の主要バイオバンクとの連携を協議中です。一例として、東北大学/岩手医科大学の「東北メディカル・メガバンク」（宮城県・岩手県の住民対象、約15万人）、環境省の「エコチル」（全国15地域、約10万組の親子対オバンク・ジャパン」（BBJ）代表の松田浩一特任教授です。今回の研究では、約2,000人の日本人新効きやすさに関わる遺伝子は?バイオデータから疾患リスクを調査型コロナワクチン（mRNAワクチン）接種者を対象に遺伝子レベルの解析を実施したところ、IgG抗体（血液中にある体を守るために働く抗体の一種）に関わるIGHG1遺伝子や、白血球の血液型であるHLAに関わる遺伝子多型（DNAの塩基配列の個人差）が、免疫獲得能の個人差に関わっていることがわかりました。さらに、これら2つの遺伝子領域に特定の変異が起こると免疫獲得能が低下すること、感染症や免疫疾患へのかかりやすさが上昇することも明らかになりました。バイオバンクとは、血液や組織などの試料とそれに付随する診療情報などを保管象）などと連携することで「100万人規模のゲノム情報連携」を目指しています。研究者の方々からのさまざまなニーズに応えるとともにデータ基盤の強化を図り、新しい診断・治療方法の開発に貢献していきたいです」と、松田特任教授は展望を話しています。附属ヒトゲノム解析センター｜シークエンス技術開発分野松田浩一特任教授バイオバンク・ジャパン代表MATSUDAKoichi大阪府出身。東京大学医学部医学科卒。整形外科医として勤務経験を積んだのち、基礎研究を志す。2023年より現職。趣味は食べ歩き。好きな言葉は“Webecomewhatwethinkabout”（EarlNightingale）。し、医学研究に活用する組織です。BBJは、がんや生活習慣病など51疾患、約27万人の患者さんの協力のもと、DNAおよび血清試料（※）、診療情報を収集しています。試料そのものも保管していますが、詳細な解析によりデータ・情報に変えることで、多くの研究者が共通して使用できるような体制となっています。チョバン教授のマラリア研究の概要図。マラリア感染に対する免疫反応に迫り、治療薬やワクチンなどの新規戦略につなげたい考え。す。マラリア原虫と呼ばれる寄生虫を病ハラ砂漠以南のアフリカ諸国で深刻な社会問題となっている感染症の1つがマラリアでサ原体とする感染症で、マラリア原虫を保有する蚊に刺されることでヒトに感染。血液中の赤血球に寄生します。マラリアは、熱帯熱マラリア、三日熱マラリアなどに区別されますが、中でも熱帯熱マラリアは重篤な症状を引き起こすことがわかっています。マラリアの研究に20年以上取り組んでいるのが、マラリア免疫学マラリアは複雑な感染症免疫回避の謎を追う分野のチョバン・ジェヴァイア教授です。「一番の問題は、マラリアが流行地域に住む人々に繰り返し感染することです。通常、感染症に一度かかると免疫記憶により二度目の感染は防御されますが、マラリアはこの免疫応答を巧みに回避し、連携し、マラリアのモデル動物を用いた研究について相談しています。研究の最終目標である「マラリア撲滅」を達成し、多くの命が救われることを望みます」。マラリアResearchKeywords02感染・免疫部門｜マラリア免疫学分野チョバン・ジェヴァイア教授COBANCevayirトルコ出身。ハジェテペ大学卒。医師。米国ジョンズ・ホプキンズ大学への留学後、大阪大学へ移り、マラリア研究を始める。2019年から現職。趣味はウォーキング。好きな言葉は“Nothinggreatwaseverachievedwithoutenthusiasm”(RalphWaldoEmerson)。情熱が発見につながり、そして粘り強さ（レジリエンス）がそれを完成へと導くと信じています。繰り返し感染を引き起こします。何度も感染することで、骨粗鬆症のような骨量減少を引き起こすことも明らかになっています。治療薬はありますが、薬剤耐性（繰り返し使用することで耐性ができ、薬が効かないあるいは効きにくくなること）の問題が生じており、十分な効果が得られていません」新型コロナのパンデミック以降、マラリアを取り巻く状況はさらに悪化。米国やWHOによるアフリカへの支援などが滞った結果、患者数が増加しました。地球温暖化によりマラリアを媒介する蚊の生息域が拡大しており、近い将来、多くの国で大流行が起こり、さらに多くの人命が奪われることも懸念されています。感染予防のワクチンについて、チョバン教授は次のように話します。「マラリアに対するヒト免疫の仕組みには不明な点が多く、ワクチン開発が難航していました。近年2種類のワクチンが開発され使用が始まったものの、その効果は不十分。現在、蚊に刺され体内へ侵入したマラリア原虫が肝臓へ移動する過程（血液に寄生する前段階）を主要なターゲットとして開発が進められていますが、より効果的なワクチンを実現するには、マラ新型コロナResearchKeywords01全国12の協力医療機関を通じて対象疾患の患者さんから生体試料・診療情報を収集し、保管している疾患バイオバンク。2003年に医科研に設置され、約27万人のDNA試料と臨床情報、約20万人の血清試料を保管している。バイオバンク・ジャパン（BBJ）マラリア感染に対する免疫反応の研究と教育活動を続けている。基礎研究や橋渡し研究を通じて、人々をマラリアから守り、マラリアを根絶させること、長年苦しんできた感染者の負担を軽減させるための治療薬やワクチンなどの新しい戦略を開発することを目標としている。感染・免疫部門｜マラリア免疫学分野AboutCOBANLab.リア原虫が肝臓から循環血液に入る過程もターゲットにしたアプローチが重要だと考えられます」チョバン教授は、医科研の他分野の専門家とディスカッションやコラボレーションを重ね、マラリアの複雑な実態の解明を目指しています。「RNA（遺伝情報の伝達やタンパク質合成に重要な役割を担う核酸分子）に詳しいRNA制御学分野の稲田利文教授、免疫記憶に詳しいUTOPIAの分子免疫システム分野の井上毅教授など、奄美の研究施設とも知を結集した総力戦!次世代ワクチン研究新規抗マラリア薬開発宿主指向治療※＋抗マラリア薬マラリアの免疫病理学の理解ワクチン開発アジュバント探索（例：ヘモゾイン）※宿主指向治療＝病原体ではなく宿主（ヒト）の細胞や免疫反応を標的にする治療法日本人接種者コホート生殖細胞系列変異英国人接種者コホート体細胞変異ゲノムワイド関連解析造血系体細胞モザイク解析BNT162b2ワクチン（Pfizer）N=572名mRNA-127ワクチン（Moderna）N=1,673名液性免疫液性免疫・全ゲノム遺伝子型インピュテーション・HLAインピュテーション・体細胞モザイク検出全ゲノムSNPタイピングLOSSGainCopy-neutralLOH5101501415182022111713101612985742631X細胞性免疫UKバイオバンクN=201,893名抗体価と強い関連を示したIGHG1遺伝子上の特定の変異は東アジア人集団以外ではほぼ存在しないことが判明マラリア免疫学分野私たちの研究アプローチ急性合併症アシドーシス、呼吸困難、貧血脳マラリア慢性合併症リンパ腫になりやすい骨量減少、成長遅延

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4始まりました。このワクチンは、弱毒化したインフルエンザウイルスを鼻にスプレーする「経鼻ワクチン」。呼吸器などの粘膜に存在するIgA抗体が感染予防に重要な役割を果たすことがわかっています。長年インフルエンザの研究を続けてきた24年から多くの病院で新しいインフルエンザワクチン（製20品名：フルミスト）の接種がり、ワクチンの効果を高める因子の総称です。現在、実用化されている多くのワクチンにアジュバントが不可欠な成分として含まれています。ワクチン科学分野の石井健教授は、このアジュバントの研究を20年以上にわたりライフワークとし、ジュバント。この言葉はラテン語で「助ける」を意味するadjuvareに由来し、その名の通アデルマウスを一度回復させ、追加のワクチンとしてスパイクタンパク質というウイルスの一部をモデルマウスに経鼻または筋注で接種。その上で、致死量のガンマ株を感染させる実験を実施しました。一度新型コロナウイルスに感染したことがある人が、追加のワクチン接種を経鼻か筋注かで行い、別の株に感染した場合にどのような状態になるかを想定したものです。その結果、経鼻接種のグループでは粘膜のIgAが誘導されて感染性ウイルスは検出限界以下ですべてのマウスが生存しましたが、筋注接種のグループでは体重が減るなど重症化し、感染2～3日目に多量の感染性ウイルスが検出され、3割のマウスは生存できませんでした。この結果から、新型コロナウイルスの変異株の感染予防に経鼻ワクチンの開発が有望だと考えられました。一戸猛志准教授はこれまでの知見を応用し、新型コロナウイルスの変異株に対する呼吸器粘膜のIgA抗体が持つ感染防御感染予防の要は粘膜のIgAワクチンで効率よく誘導するには能力についてマウスを用いて研究しています。「新型コロナウイルス感染症の重症化予防においては血液中のIgG抗体が重要ですが、感染予防にはIgA抗体のはたらきが重要と考えられています。通常、マウスは新型コロナウイルスに自然感染しませんが、ヒトの病態を再現する疾患モデル動物は、研究の推進において重要です。そこで今回の研究は、新型コロナウイルスをマウスに繰り返し感染させることで、マウスにも感染するオミクロン株を樹立するところから開始しました」樹立したオミクロン株を感染させたモ一戸准教授は、実用化への道筋が見えた結果としながらも、「乗り越えるべき大きな課題がある」と指摘します。「追加接種を想定してマウスに5μgという、動物に対しては大量のスパイクタンパク質を投与しました。これをヒト用ワクチンで再現するにはかなりの高コストになってしまいます。量を減らせばIgA抗体が十分に誘導されないことがわかっています。こ経鼻ワクチンResearchKeywords03感染・免疫部門｜ワクチン科学分野石井健教授附属感染症国際研究センター｜感染制御系ウイルス学分野一戸猛志准教授ICHINOHETakeshi神奈川県出身、東京理科大学基礎工学部卒。専門はウイルス学、インフルエンザウイルス。趣味は実験。好きな言葉は「無知の知」。ISHIIKen福岡県出身、横浜市立大学医学部卒。専門は免疫学、ワクチン学。趣味はアウトドア全般（とくに釣り）、読書（オルハン・パムク）、好きな言葉は「一期一会」。経鼻で追加免疫をして呼吸器粘膜にスパイク特異的なIgA抗体を誘導したグループはすべてのマウスが生存今回の研究の概念図。機械学習によるアジュバント活性・毒性予測の結果は実験で検証された感染症やその他免疫関連疾患における核酸（DNA,RNA）の免疫制御機構とその生理学的意義の解明、核酸を利用したワクチン、アジュバント、代替免疫療法開発を行っている。これらの研究成果をもとに、自身の臨床経験や治験審査の経験などを最大限に生かし、“BenchtoClinic”の具現化を目標にしている。感染・免疫部門｜ワクチン科学分野AboutISHIILab.その可能性を追求し続けています。ワクチンは、病原体であるウイルスや細菌から、免疫応答を引き起こす抗原の成分を精製して作られます。しかし、抗原単体では十分に免疫が活性化しないのワクチンの効き目を高める鍵単剤での創薬も視野にが一般的です。そこで活躍するのがアジュバントです。「古くから使用されているものとしてはアルミニウム塩（百日咳・ジフテリア・破傷風の3種混合ワクチンほか多数に使用）などがあります。近年はその概念が広がり、mRNAワクチンに使用される脂質ナノ粒子（LNP）という物質が、内包するRNA製剤の分解を防ぎ目的の細胞へ正確に運ぶ役割に加え、アジュバント効果を持つことが明らかになりました。また、ワクチンに直接含まれていなくても、接種後に体内で生じる成分の中にアジュバントます。アジュバントの薬としてのポテンシャルは今後一層高まっていくことが期待されます。ご興味のある方はぜひ一緒に研究しましょう」アジュバントResearchKeywords04効果を持つものがあることも判明しています。アジュバントの種類は何百種類にも及ぶと考えられています」石井教授と国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所らの研究グループは、主要25種類のアジュバントに関するデータベースを構築した研究論文を2025年夏に発表しました。「以前からアジュバントの有効性や安全性を効率的に調べることが難しいという課題がありました。今回の研究では、動物（マウス/ラット）を用い、異なる臓器で、アジュバントの量などを変えて実験を行い、遺伝子発現の情報を収集。さらに、そのデータと既存の毒性データベースを統合し、機械学習（※）によってアジュバントの有効性や安全性を予測するモデルを構築しました。その結果、痛風の治療薬として古くから知られるコルヒチンがアジュバントになり得ることなどが判明。研究により開発された評価手法の有効性が示されました」現在は「ワクチンのはたらきを助ける」役割がメインですが、将来的にはアジュバント単体でも薬として開発できる可能性があるそうです。「がんの免疫療法やアレルギーなどに対する免疫応答を高める薬剤としての研究開発が進められていマウスのインフルエンザウイルス感染モデルを用いて、腸内細菌叢によるインフルエンザウイルス特異的な免疫応答の制御機構や、生体によるウイルス認識機構、ウイルスによる病原性発現機構の研究を行い、ウイルスが病気を引き起こすメカニズムの解明や、より良いワクチンを開発することを目標に研究を行う。附属感染症国際研究センター｜感染制御系ウイルス学分野AboutICHINOHELab.の問題に対して、アジュバント（下記記事参照）を用いて量を減らすことにより克服できる可能性は考えられます。また、この経鼻ワクチンは、インフルエンザや新型コロナ以外の呼吸器感染症への応用も可能ではないかと考えています。医科研には基礎から臨床応用へと進むための研究基盤も整っています。いつの日か実用化されるよう研究を継続していきたいと思います」と、話しています。知を結集した総力戦!次世代ワクチン研究※機械学習データからパターンやルールを学習して予測などを行うAI（人工知能）関連技術の一分野。リンパ節、肝臓、脾臓マウスラット25種類のアジュバントOpenTGGATES遺伝子発現解析アジュバントデータベースデータの統合血液学的データ遺伝子発現データ病理データウイルス量経鼻lgGlgA筋注lgG108107106105104103102101100変異株（ガンマ株）感染後の日数ウイルス量（pfu/ml）追加免疫（筋注）追加免疫（経鼻）アジュバント効果予測＆検証毒性予測＆検証23

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知を結集した総力戦!次世代ワクチン研究5ResearchKeywords05感染実験医科研は東京の中心、港区白金台を本拠地としていますが、実は、鹿児島県の奄美大島にも施設を有しています。奄美医科学研究施設は、熱帯・亜熱帯地域の感染症克服を目的とする、国内でも数少ないサルなどの非ヒト霊長類を用いた感染実験も可能な感染症やワクチンの研究拠点です。現在、医科研のほか、九州大学がハブ毒の研究、長崎大学がマラリアの研究で、さらに、東大の大気海洋研究所（大海研）が気候変動の研究でも利用しており、共同利用・共同研究拠点としての役割も大きくなっています。奄美医科学研究施設川合覚KawaiNoboru奄美医科学研究施設特任研究員京都市生まれ。獣医師。獨協医科大学熱帯病寄生虫病室に30年間勤務し、2024年度末に定年退職。専門はマラリアの病態解析、特に非ヒト霊長類疾患モデルを用いた研究に従事。現在の趣味は奄美の自然を楽しむこと。奄美の気候に適応した新世界ザル（南米原産のボリビアリスザルなど）のコロニー（飼育・繁殖させている群れ）を維持し、非ヒト霊長類を用いた感染実験を通して、熱帯・亜熱帯地域の風土病をはじめ世界中の感染症の克服を目指し、国内外の機関と連携して研究活動を行っている。施設の歴史は古く、1902年にまでさかのぼります。奄美大島にはハブが多く生息し、当時は咬まれる美と致死率2割といわ大れたほど、深刻な影響を及ぼしていまし島た。この問題に対応するため、国立伝染で病研究所時代の北島多一らが奄美でハブ1毒に効く血清（毒を中和する抗毒素）の2研究を開始したのがきっかけ。時が過ぎ、0戦後の奄美で、蚊を研年媒介とするフィラリア症（亜熱帯地域に余見られる感染症）も社会問題となり、1955年に本格的な現地調査研究が行われ。「歴代の先生方は、ハブの捕獲方究ました法を含む地域一体となった対策まで、熱帯・亜熱帯地域の風土病との闘いにおいて功績をあげてこられました。こうした先駆的な取り組みと貢献こそが、当施設の礎となっています」。そう話すのは、施設主任を務める川合覚先生。今春まで獨年間勤務し、マラリアの病態生理を研究してきす。次年度は製薬企業とのワクチンに関奄た専門家です。1966年に現在位置する瀬戸内町に施設が開設。1981年から南米原産のボリビアリスザルの室内飼育が開始され、2000年代に入ると、非ヒト霊長類への感染実験が可能な専用施設が整備されました。2023年には病原体を封じ込めながら、媒介蚊を使った感染実験が可能な施設も整備されました。「ボリビアリスザルは、重篤なマラリアを引き起こす熱帯熱マラリアの疾患モデルに適しています。サル類の輸入は規制されているため、研究を継続的に発展さ亜熱帯地域の感染症川合先生と技術補佐員が常駐。施設長は真下知士教授（中央左）。技術補佐員4人が主にサルの飼育を担当。施設があるのは、奄美大島最南端に位置する瀬戸内町。施設の目の前には大島海峡が広がり、加計呂麻島を望む。写真は施設近くの高知山展望台からの景色。奄美の自然を堪能できるスポット。せていくためには、繁殖によって安定的に個体を確保していくことが極めて重要です。飼育環境の見直しや技術補佐員による手厚いケアなどもあり、繁殖は順調に進み、現在は40頭以上を飼育していまする共同研究も動き始める予定です。施設長の真下知士教授と連携しながら、感染症・ワクチン研究の支援とともにサルの繁殖にも力を入れ、医科学の発展に貢献していきたいです」と、川合先生は展望を話しています。医科研・大海研、奄美大島で合同シンポジウム開催月4～8日、東京大学150周年記念事業と11して「2025年度医科学研究所・大気海洋研究所合同奄美シンポジウム」が開催されました。感染症や海洋生物、ハブなど多岐にわたる分野の講演・ポスター105題が発表され、最終日には、高校生や地元島民も参加する合同普及講演会が行われ大盛況となりました。「本シンポジウムがプラネタリーヘルス（地球環境と人間社会の「健康」の関係性を意識し、行動を促進するという考え）へ向けた新しい一歩となることを期待します」と、東京大学の津田敦理事・副学長は述べています。ボリビアリスザルの飼育施設。ゲージ内には小屋やタオルなどを活用したエンリッチメント（動物の飼育環境を豊かにするもの）が設けられている。別のゲージでヨザルも飼育している。奄美島民とともに歩んだハブ研究40年島の宝はハブとヒト80年12月に奄美病害動物研究施設に着任19した。まず、固有種の実験動物としての特性を調べるために、草地に生息する南西諸島の固有種のワタセジネズミの採集を始めた。たまたま、墓の掃除に来たお年寄りに、ネズミ捕りのワナを仕掛けているとの説明を始めたが、奄美の方言が全く分からない。さて、これは大変だぞと思ったが、あっという間に40年が過ぎた。当時行われていたハブの駆除モデル研究は、集落や耕作地を「ハブ侵入防止電気柵」で囲うという大規模な研究事業だった。ポールを打ちエサでハブをおびき寄せる仕掛け。服部先生の前任である林良博先生が考案。込んで柵を作る作業が終わると、夜は旅館や飲食店で黒糖焼酎を酌み交わしながらハブ談議が続く。飲み屋は多くの人が集まる貴重な情報源でもあった。集落の人たちは協力的で、電気柵の設置だけでなく、ハブトラップの誘引餌であるクマネズ匹以上捕獲して飼育してもらったこともある。多くの方々の協力を得て、炎天下での辛く危険な作業を行うことができた。ネットトラップというハブ用の定置網のようなものを耕作地に設置したこともあるし、森の中や海岸にネットフェンスやハブトラップを設置したこともある。無人島の調査では、船を持つ地元の青年が毎週のトラップの点検を行ってくれたこともあった。室内実験でも、ハブはなかなかの頑固者であった。何十年飼育しても、ハブは与えた餌を食べることと、逃げ穴を探すことをくり返すだけのように見えた。これらの研究調査の結果や、多くの失敗談も学校や公民館などでの説明会や勉強会でお話ししてきた。ハブについて考えつくことはほとんど手を出したが、究極のハブ対策は見つからず、「ハブに注意することが一番」と言うしかなかった。このことを島の人も理解していてくれるようで、死亡者はほとんどで出なくなったし、咬傷者数も減少している。ハブは本土のアオダイショウのように木に登ることができ、住家にも入ってくる。同じ奄美の隣人として共に生活していくしかない存在である。20年ほど前、奄美病害動物研究施設に霊長類を使用する感染施設をつくる計画が決まった時のことだ。意を決して町長や新聞記者、地元の人などに、高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染実験棟をたてるという計画を話した。全服部正策先生HATTORIShosaku島根県生まれ。東京大学農学部畜産獣医学科卒。奄美病害動物研究施設（旧名）に2020年3月まで約40年間勤務。専門は実験動物学、医動物学。ハブの生態、咬傷予防などにも精通。服部先生の著書を名に進呈!応募はP12に掲載。員が「それがあんたらの仕事でしょうが」と返してくれた。奄美の人たちは常に頼もしい理解者であった。2020年に郷里の島根県に戻ったが、今もひと月に1回のペースで奄美大島に来ている。世界自然遺産に登録され、多くの観光客でにぎわっているが、島の人たちは「ハゲ～、久しぶりじゃやぁ」と温かく迎えてくれる。奄美の面白さはヒトだと改めて知らされる。（ハゲは、奄美の方言。驚きや、「あら～」「お～！」といったニュアンスで使われる）

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6IMSUT-HLCセルプロセッシング施設臍帯（さいたい、いわゆる「へその緒」のこと）から得られる間葉系細胞には、免疫調整能や組織修復能があり、これらを難病治療などに利用するための研究が進められている。臍帯から取り出した細胞を数週間かけて培養して増やしたものを回収し治験用に提供している。

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8医科研のみんなに聞いてみました！大学受験の時の思い出めし受験勉強をしていたときの思い出の食べ物について、医科研の教員・学生・事務職員に聞いてみました！人事給与チームN.W.さん高校では弓道部でした。狙った的を射抜くという意味を込めて丸く作ってもらったオムライスにケチャップで丸を描き、ど真ん中から食べるというのをやってました。附属先端医療研究センター臨床ゲノム腫瘍学分野附属ヒトゲノム解析センター機能解析イン・シリコ分野中井謙太教授受験前、受験する大学の生協で、一度昼食をとり、次回に来るときは組合員価格で食べてやるぞと誓ったのを覚えているが、そのとき何を食べたかは覚えていない。高根希世子助教受験前3か月ほど朝方に切り替えて勉強していたため、朝は5時に起きてすぐに家を出て5時半から22時まで高校や塾で自習と授業を受けていました。3食塾で食べていたのですが、母が朝と昼はお弁当を持たせてくれ、夜は自分の仕事の合間をぬって塾までお弁当を届けてくれました。自分が子供を持った今になり考えると、母のバイタリティと愛はすごいことだったのだとわかりました。附属システム疾患モデル研究センター細胞制御研究分野ジョン全ヒョ孝ジョン静特任助教海外の大学を受験するため一人で渡航したのですが、寂しさと緊張から、食事はどれも“涙味”でした。今思えば、そのしょっぱい味も含めて大切な思い出めしです。その経験が、結果的には自分への自信につながった気がします。附属疾患プロテオミクスラボラトリー（津本研究室）徳永悠希さん父が糖分補給のためとブラックサンダーを差し入れてくれた。おいしいと伝えたら、箱で買ってきておいてくれるようになった。5kg太った。実験動物研究施設先進動物ゲノム研究分野T.K.さん2年前に母が他界し、父子家庭で迎えた大学受験。父が持たせてくれた拳骨1個分ほどの大きさのおにぎり。慣れないながらも作ってくれた愛が伝わった。附属ヒトゲノム解析センターメタゲノム医学分野藤本康介特任准教授私自身が受験生の時は、普段通りの母のご飯が一番の支えでしたが、私の子どもが中学受験生になった時には、入試直前の最後のお弁当の日に、名刺サイズの卒業証書（塾を卒業するという意味合いです）を奥さんが入れていました！無事合格したので、きっと励みになったと思っています。※エピソードは中学受験のものですが、素敵なエピソードでしたので掲載いたしました（編集より）Question受験勉強に取り組んでいた時、最も食べていたものは？20代～60代までの医科研内の教員・事務員・大学院生などにアンケート。今回のアンケートの回答者の内訳は、20代：9人、30代：8人、40代：12人、50代：4人、60代以上：3人でした。受験に「勝つ」というゲン担ぎでトンカツを食べたという王道エピソードや、夜食づくり（自分で）にまつわる、思い出すとちょっと笑えるエピソードなど、さまざまな「思い出めし」のお話を教えていただきました。ご協力ありがとうございました。Q-1：おやつチョコレート14ガムパン（菓子パン含む）36Q-2：ごはんおにぎりラーメン（カップ麺含む）うどん（カップ麺含む）ラムネ菓子2カレーライス2食べなかった2その他…フルーツ、アイスクリーム、パン2その他9グミなど。その他53816その他…カロリーメイト、とうふ、春雨、（食べものではないけど）コンビニなど

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聶嘉良さんのある1日9：00起床、通学10：00ラボ到着、実験13:00昼食13：30実験17:00夕食18：00実験（顕微鏡）21:00帰宅、趣味2:00就寝9生命の普遍的なルールに少しでも迫りたい大学院生のリアルな日常研究者へのはじめの一歩は、両親から贈られた顕微鏡だったそう。日本で学びはじめて約10年、中国出身の聶嘉良さんにクローズアップ!癌・細胞増殖部門老化再生生物学分野西村栄美研究室所属東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻博士課程3年聶ショウ嘉カ良リョウさん（27歳）NieJialiang中国出身。2017年の春に大学進学をきっかけに来日。日本語の学習は高校1年生の頃から始めたそう。趣味は映画、本、ゲーム。けでも、自分にとって大きな励みになっています。進学前後で、ギャップを感じたことは?入学前、港区での研究生活はもっとFancyかなぁと想像していましたが、実際にはしっかりと基礎研究に専念できるところでした。大学院での学びや研究を将来どのように活かしたい?研究室に所属する前は、生物学の知識は教科書にとどまり、相関関係と因果関係の区別もつかず、正しい仮説と実験計画を考えることもできませんでした。研究室に所属して以降、本当に年々成長できたと実感しており、指導いただいた先生方、先輩方、スタッフの皆さんに感謝QQしています。これまで学んだことを活かし、将来個性のある研究を行い、おもしろい生物学のパズルをもっと多く解きたいと思います。日本への進学について、家族とどのような話をした?東京大学と京都大学は両親もよく耳にしており、とても喜んでくれました。大学や大学院での生活を通じて、自分が興味を持つ研究分野を見つけ、さらに趣味も発展できればいいなぁと言われました。今一番気に入っている日本の場所や食事は?医科研に近い目黒シネマ!たくさんのいい映画を上映するレトロな映画館です。好きな映画監督はエミール・クストリッツァです。QQ好きな言葉は?‘WhatIcannotcreate,Idonotunderstand.’ByRichardFeynman「作品の創作者だけが、そのものの本当の意味が理解できます。」（アメリカの理論物理学者／リチャード・ファインマン）自分が科学論文、映画や小説を見る（読む）時、いつもそう感じますが、それは単に自分の勉強がまだ足りないだけなのかもしれません…。Q幹細胞システムの動作原理の解明とその破綻を軸として、生体組織の再生、老化、がん化のメカニズム解明とその応用を研究している。皮膚や毛髪の健康からフレイルまで疾患改善と生活の質（QOL）向上を目指している。癌・細胞増殖部門｜老化再生生物学分野AboutNISHIMURALab.読み終えた本に、読み終えた日付と感想をつづることがマイルール。「文系の知識が足りていないので、歴史と文学の本も読むようにしています」聶さんが使用する顕微鏡の1つ。「毎回新しい気づきがあって楽しみな時間になっています」中国83韓国5アメリカ3マレーシア310（スイス、ペルーなど）2インドネシア2オーストラリア2カナダ2シンガポール2タイ2台湾その他おもしろい生物学のパズルをもっと多く解きたい!映画を観ることはとてもリラックスできます。是枝裕和監督などの日本映画も大好きです!現在携わっている研究内容は?人の人生にはたくさんの分かれ道があQら贈られた小学生用の顕微鏡で、学校で集めた葉や虫を観察し、一つ一つの生き物の挙動をじっと見ることが好きでした。今は、西村栄美教授の研究室において精度の高い共焦点顕微鏡を用い、皮膚に存在する極少数だが非常に大事な組織幹細胞に焦点を当てています。生体内における一細胞ごとの運命の行方を追跡し、その挙動の生理学的な意義と個体運命の分岐への影響を理解しようと努めています。私はその未知なる世界の一隅を覗きこみ、生命の普遍的なルールに少しでも迫りたいと思います。医科研の大学院に進学しようと思ったきっかけは?学部生の頃は京都大学で出芽酵母を用いて代謝の恒常性維持に関する研究を行い、基礎研究に興味を持ちました。自分はどのような研究をしたいのだろうかと自問自答しながら、医科研の村上善則先生の研究室（当時）に来ました。がん研究を経て、現在は西村研で興味のある老化とがん化における幹細胞の関与について研究を行っています。大学院生活もすでに4年半が経ちましたが、振り返ってみると、医科研は生物学研究に専念できる恵まれた環境であると感じます。どんなことにやりがいを感じるか?研究の中で一番のやりがいを感じるのは、小さな発見が積み重なり、老化とがん化における幹細胞の関与について新しい理解につながる瞬間です。加齢とがんは身近な現象でありながら、その本質についてはまだまだ理解が足りません。近年、幹細胞が老化とがん化において重要な役割を果たすことが明らかになりつつあります。今後新しい発見が得られ、将来人々の健康寿命の延伸や病気の予防・治療に役立つかもしれないと想像するだQQります。その小さな縮図のように、私たちの体内にある幹細胞も日々、運命の選択を迫られ、その一瞬の決断が再生／老化／がん化へたどるのかが決まります。子どもの頃、両親かどんな学生がいるの？留学生の出身国は？学生が学んでおり、中でも中国が一番多く、83人となっています。専攻はさまざまで、メディカル情報生命専攻、病因・病理学専攻、コンピュータ科学専攻など多様な分野にわたります。毎年春頃に、大学院進学希望者を対象とした説明会をオンラインで開催しています。詳細は医科研のWebサイトでご確認ください。科研で学ぶ大学院生は253人（2025年10月現在）。そのうち留学生は116人で、およそ半数を占めています。20か国の医﹇出身国は？﹈（人）﹇学科の内訳は？﹈（人）修士博士合計新領域創成科学研究科6469133医学系研究科34447工学系研究科112334理学系研究科81018情報理工学系研究科31013薬学系研究科134学際情報学府314総計93160253医科研の大学院生たち

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10基礎研究に携わる女性研究者。ミクロの世界の発見から真理を究明がんは日本人の死因の第1位であり、治療法が進歩してきた現代においても、依然としてがんの発生・進展メカニズムを明らかにするために、私たちが特に注目してい/β-catenin（ウィント/ベータカ克服すべき大きな課題の一つです。外科手術や放射線治療、分子標的薬、免疫療法など多様な治療法が開発されてきましたが、がんの種類やがん細胞の遺伝子変異によっては十分な効果が得られないことも多く、再発や転移に苦しむ患者さんも少なくありません。また、治療による身体的・精神的な負担も依然として大きいのが現状です。そのため、がんの発生メカニズムをより深く理解し、患者さんひとりひとりに最適化された新しい治療法へとつなげていくことが、今後の医療における重要な課題です。テニン）シグナルです。このシグナルは、大腸がんの約9割、肝がんの約4割で異常に活性化されていることが知られています。Wntシグナルは本来、細胞の増殖や分化を調節するスイッチのような役割を果たしていますが、この仕組みが遺伝子変異により壊れると細胞の増殖が止まらず、がんの発生や進行につながります。つまり、Wntシグナルの異常は“エンジンの暴走”のような現象であり、その働きがどのように細胞の性質を変えているのかは十分に分かっていません。そこで私たちは、このシグナルがどのようにがんの発生や進展に関わっている肝がんWntシグナルのかを研究しています。約40%の肝がんで、異常な活性化は、肝がん細胞の代謝経路を書き換える最近、肝がんにおいてWntシグナルは細遺伝子の変異によりWntシグナルが胞の増殖を促すだけ異常に活性化でなく、肝臓特異的核内発現抑制CEBPAな転写因子の発現を調節することで、アβ-cateninTCFs/LEFFOXA1肝臓特異的な転写因子ミノ酸代謝を変化さアルギニンオルニチンせていることを明らかにしました。具体ARG1CEBPAFOXA1HALアミノ酸代謝酵素的には、ヒスチジンを分解する酵素ヒスヒスチジンウロカニン酸チダーゼ（HAL）や、Wnt/β-cateninシグナルは肝がん特異的にアミノ酸代謝酵素遺伝子の発現を制御し、アルギニンを分解すがん細胞の代謝経路を書き換える。る酵素アルギナーゼ医科研のすごい＆おもしろ研究最前線（ARG1）を抑制して、細胞をつくる材料となるヒスチジンやア肝ルギニン等のアミノが酸を増やしていました。これは、がん細ん胞が栄養を自分に都の合よく利用するために代謝経路を“書き病換えている”ことを態示しています。こうした発見は、解がんを理解するため明の新しい視点になります。基礎研究の積にみ重ねが分子標的薬迫や免疫療法といった画期的な治療につなるがった例があります。私たちの研究も、この代謝の変化ががん細胞のふるまいにどのような影響を与えているかを解き明かし、そこで得られた知見を還元し、一人でも多くの患者さんの助けとなる成果につなげたいと考えています。私は、がんという病の複雑さに向き合いながら、日々の実験の中で小さな発見に出会うたびに、生命の精妙さと研究の魅力を改めて実感しています。研究を支える恵まれた環境と多くの協力に感謝し、これからも新しい発見につながる研究を続けていきます。医学には大きく「臨床研究」と「基礎研究」があり、ともに重要な研究分野です。基礎研究は、病気のメカニズムや生命現象を掘り下げる分野。地道な探求が次世代医療の礎となります。Wntシグナルの基礎研究から附属先端医療研究センター｜臨床ゲノム腫瘍学分野古川洋一研究室中川沙弥助教NAKAGAWASaya愛媛県新居浜市出身。東京薬科大学生命科学部を卒業後、修士課程より現研究室に所属。SnowManのゆるい推し活とマシンピラティスで日々リフレッシュしています。AboutFURUKAWALab.附属先端医療研究センター｜臨床ゲノム腫瘍学分野古川洋一研究室ゲノムからタンパク質・個体まで、さまざまなレベルでがんに関する研究を行っている。最近はWntシグナルやクロマチン制御の解析、胆管がんのモデルマウス作製などで成果をあげている。全ての血液細胞は骨髄内にごく少数存在する造血幹細胞から生み出されます。通常、血液細胞には骨髄球とリンパ球がバランスよく存在（定常造血）しますが、病原体が体内に侵入したりすると骨髄球の割合が附属幹細胞治療研究センター｜幹細胞分子医学分野岩間厚志研究室中島やえ子助教NAKAJIMAYaeko茨城県出身。学部から博士号取得まで筑波大学で過ごす。3人の歳の差兄妹（大学生、中学生、保育園児）と日々格闘中。趣味は韓国ドラマ鑑賞（しばらくお休み中）。患にも関わ点る急速に高まります。これをストレス造血といいます。骨髄球には侵入した病原体定常造血恒常性維持ストレス造血を素早く察知し、排除する自然免疫細胞が多く含まれ、この仕組みにより生体はポリコームポリコーム病原体の侵入から身を守り、再び定常状抑制複合体1.1（PRC1.1）造血幹細胞抑制複合体1.1（PRC1.1）造血幹細胞態に戻ります。つまりストレス造血は生抑制抑制解除体の恒常性維持のための大切な仕組みと骨髄球系リンパ球系骨髄球系リンパ球系いえます。私たちはポリコーム抑制複合体というMエピジェネティックD因子（DNAの配列を変えずに遺伝子のSON/OFFを調節する仕組みに関わる因子）なについて研究していどます。この複合体は細胞が「ON」にすべ血きでない遺伝子を液DNA周囲にあるヒス疾顆粒球赤血球B細胞B細胞顆粒球赤血球T細胞マクロファージ血小板T細胞血小板マクロファージポリコーム抑制複合体1.1は定常造血とストレス造血の切り替えを制御する態では骨髄球の産生を抑制していますが、います。PRC1.1の構成因子BCORは骨髄異緊急時にはこの抑制機能を解除すること形成症候群（MDS）などの血液疾患で遺でストレス造血をもたらすという、定常伝子変異が多く見つかっており、PRC1.1います。ポリコーム複合体のうち、「PRC1.1」という複合体に注目し私たちは解析を行っ非常に厳密に制御されていると考えられますが、全貌は未解明です。炎症はさまざまな疾患の共通基盤にあるとも言われ、炎症と疾患との関わりは注目の分野となっています。興味深いことに、PRC1.1がAboutIWAMALab.附属幹細胞治療研究センター｜幹細胞分子医学分野岩間厚志研究室造血幹細胞の自己複製機構の分子基盤を明らかにすることを主題とし、「幹細胞生物学」の真髄となる真理の探究を進めている。血液を専門とトンタンパク質に修飾をつけて「OFF」状態に保つ機能を持ち、血液細胞の維持、産生に重要な役割を果たすことが知られて「ポリコーム抑制複合体1.1は定常造血とストレス造血の切り替えを制御する」造血とストレス造血の切り替えを制御すの機能不全と炎症制御の破綻、疾患とのることを明らかにしました。ストレス造関連に関して解析を進めているところで血は持続しすぎると慢性炎症や組織障害す。これらが明らかになるとMDSなどのなどをもたらすとともに、骨髄球増殖性炎症を基盤とした疾患発症への理解と治腫瘍との関連も言われており、生体に悪療法開発につながると考えています。影響を及ぼします。ゆえに、その調節はてきました。その結機能しなくなると炎症下で骨髄球が非常するMDと幹細胞に関心のあるPhDの学生が学んでいる。果、PRC1.1は定常状に死にやすくなるという現象も見出してポリコーム抑制複合体に焦

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生命現象を「細胞の色」で読み解く新規モデル動物Ratbowが描く新しい脳地図国際共・共拠点の国内共同研究の1つ、「多重標識モデルラットRatbowの樹立とドライバーラインの拡充」をご紹介します。研究代表者は東京都医学総合研究所の隈元拓馬先生。医科研の先進動物ゲノム研究分野の真下知士研究室が共同で推進しています。東京都医学総合研究所脳神経回路形成プロジェクト主席研究員隈元拓馬博士KUMAMOTOTakuma鹿児島県鹿児島市出身。鹿児島大学教育学部、同大学連合農学研究科にて博士号取得。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター、InstitutdelaVision/SorbonneUniversitéを経て現職。趣味は楽器演奏。インサイド国際共・共拠点Thy1-Cre×EF1α-Ratbowの海馬における細胞可視化の例guideRNA-1+guideRNA-2+guideCas9RNA-1+guideRNA-2+Cas9guideRNA-1+guideRNA-2+Cas9マイクロインジェクションマイクロインジェクションG0ラットのアストロサイト標識マイクロインジェクションguideRNA-1+guideRNA-2インジェクション+Cas9G0ラットの産出産出系統化G0アストロサイト標識Ratbowラットの産出の作出アストロアストロサイトgenomegenomeマイクロインジェクションG0ラットの産出アストロサイト標識genometargettargettarget系統化G0ラットの産出アストロサイト標識genometarget系統化RatbowRatbow系統化の作出RatbowRatbowRatbowの作出アストロRatbowアストロのRa系統化RatbowRatbowの作出アストロRatbowtargetingvectortargetingvectortargetingvectortargetingvectorKnock-insequenceKnock-insequenceKnock-insequenceKnock-insequenceHomologyarmHomologyarmHomologyarmHomologyarmHomologyRatbowarm配列HomologyarmRatbowRatbow配列配列Ratbow配列Thy1-CrexEF1-Ratbowの海馬における染色例Thy1-CreThy1-CrexEF1-RatbowxEF1-RatbowThy1-Creの海馬における染色例の海馬における染色例xEF1-Ratbowの海馬における染色例神経細胞の標識マイクロ個々の神経細胞が、赤（RFP）、緑（YFP）、青（CFP）と、その組み合わせの色で標識され、多色標識で可視化された海馬の神経細胞を観察することができる。海馬は特に神経細胞が密に配置されているため、可視化細胞の観察が容易である。神経細胞の標識神経細胞の標識馬における染色例Thy1-CrexEF1-Ratbowの海神経細胞の標識神経細胞の標識11生命科学研究では、現象を細胞レベルで観察することが欠かせません。顕微鏡技術の発達により、それまで見ることができなかった微小な構造まで捉えられるようになり、蛍光顕微鏡の登場により細胞を多色に識別して観察することが可能となりました。私は脳の発生および進化の研究をしています。脳神経細胞の観察にはマウスが広く用いられますが、未標識の組織をそのまま覗いても輪郭程度しか分かりません。私の留学先のチームリーダーは「Brainbow（ブレインボー）」と呼ばれる、神経細胞を虹のように多色で可視化し、細胞の由来やつながり、移動様式、相互作用までを一望できる画期的な技術を開発し、2007年に論文発表しました。初めて論文を読んだときの衝撃はいまも忘れられません。Brainbowは生体内で標的細胞を色分けすることで、新しい脳神経回路の地図づくりを切り拓いてきた一方、遺伝子改変（DNA配列の中から特定の場所を狙って切断し、その後の修復過程を利用して遺伝子情報を改変する技術）個体が整備された生物種（マウス、ショウジョ細胞の正体に迫る!ウバエ、ゼブラフィッシュなど）での利用に限られるという課題があります。現在、私たちが先進動物ゲノム研究分野の真下知士研究室と共同で進めている「Ratbow（ラットボー）」の開発は、その課題に応えるレポーターラット（特定の条件下で細胞を光らせることが可能なラット）で、Brainbowの仕組みをラットに最適化したものとなります。ラットは、同じげっ歯類でもマウスより脳が大きく、行動解析がしやすい利点もあります。より精密な細胞解析に適し、マウスと並行して検証することで哺乳類に共通する仕組みやヒトとの共通性もより明確にすることができます。Ratbowが樹立できた際には、脳内の神経細胞やアストロサイト（脳の情報処理を支え調節するグリア細胞の1つ）を虹色に標識でき、発生の軌跡や神経回路のつながりを精密に追うことが可能になります。また、真下研究室は国内の遺伝子改変ラットの作製拠点として、Creドライバーラットを整備し、国内外の研究を牽引しています。Creドライバーラットとは、脳神経、肝臓など組織・細胞特虹Ratbowで色に脳神経回路を描く異的に遺伝子発現を誘導することが可能なラットのことです。RatbowはCreドライバーラットと相性が極めて良く、留学時に培った知見を活かして改良型Brainbowシステムを設計し、同研究室と協力して全身で特定の遺伝子を高発現させる作製に取り組んでいます。多様なCreドライバーと組み合わせることが可能なRatbowが確立されれば、脳科学はもちろん、ラットを用いる幅広い生命科学研究の基盤を押し上げることが期待され、さまざまな疾患研究への応用も加速すると考えられます。Ratbow開発と支援基盤から広がるラット研究私たちは特に、世界的に研究が急速に進むアストロサイトに注目しています。アストロサイト選択的Creドライバーラットを新たに作製し、Ratbowを組み合わせ、星状の形態をもつこれらの細胞をマルチカラーで可視化することにより、その発生原理と多様性に迫ります。中でも、私は有羊膜類（爬虫類、鳥類、哺乳類の総称、胚が羊膜を持つ脊椎動物の一群）全体の脳の発生・進化とアストロサイト研究を進めており、Ratbowがその謎を解く強力なツールとなることを期待しています。色で描く新しい脳地図から、次の発見を生み出していきたいと思います。ットはマウスに比べて脳が大きく、行動の研究室が中心となって動物作製支援を行ってラ実験や高解像度イメージングに適していいます。加えて、本研究で得られるレポーターることから、神経科学や発生生物学の分野で有ラットや関連リソースは、当研究室が担うナシ用性が高いモデル動物です。しかし、遺伝子改ョナルバイオリソースプロジェクトラット変ラットの整備はまだ十分ではありません。本（NBRP-Rat）を通じて収集・保存・提供され、広研究では、細胞を多色で標識できるBrainbow技く国内外の研究者に活用される体制を整えてい術を応用し、世界初となる「Ratbow」系統を樹ます。立することを目指してきました。本課題は、拠点事業が掲げる「先進的ゲノムこれまでに神経細胞特異的や全身性のプロモ編集技術を活用した疾患モデル創出」に直結すーターを用いたCreドライバーラットを作製し、るものであり、ラットを用いた神経科学や疾患Ratbowとの交配で海馬における多重標識を確認研究に新たな展開をもたらすことが期待されましました。さらに現在は、より高発現が期待です。今後も隈元先生との緊密な連携を通じ、基きる全身性発現型Ratbowや、アストロサイト特盤的資源の提供と学際的研究の推進に貢献して異的発現型ラットの確立も進めています。これまいります。らの動物作製は、医科研が展開する先端モデル（東京大学医科学研究所動物支援AdAMS（アダムス）事業を通じて、我々先進動物ゲノム研究分野教授真下知士）国際共同利用・共同研究拠点とは共同利用・共同研究拠点とは、全国の研究者が個々の大学の枠を超えて大型研究設備や試料・データを共同利用し、共同研究を行えるよう文部科学省が整備してきたシステムです。医科研は文部科学大臣より2010年に共同利用・共同研究拠点、2018年には生命科学系では唯一の国際共同利用・共同研究拠点として認定を受け、国際レベルでの基礎・応用医科学の推進と先端医療の実現を目指しています。培った国内外研究機関とのネットワークを基盤に、研究者が有機的に連携し長期的かつ安定的に協同できるよう、本拠点が共同研究のハブとしてその支援を行っています。拠点では年間約100件の共同研究が進行しており、その成果や最新知見を共有する成果報告会を毎年度開催しています。体制図臨床プロジェクト医療現場のニーズに応える先端医療開発・橋渡し研究［医科学研究所附属病院］●幹細胞治療研究センター●遺伝子・細胞治療センター●先端医療研究センター国外の大学・研究機関基礎・応用医科学の推進と先端医療の実現を目指した医科学国際共同研究拠点先端医療研究開発重点強化課題❸連携連携基盤を活用した感染症制御にむけた最先端研究・次世代人材育成［感染症国際研究センター］連携3つのコア共同研究領域感染症・免疫［国際・国内共同利用・共同研究の加速・推進］知の地平の拡張・イノベーション重点強課題➊人知とAIの融合による新次元ゲノム医療創出の基盤研究［ヒトゲノム解析センター］●システム疾患モデル研究センターゲノム・がん・疾患システム連携重点強化課題❷ポストコロナ時代を見据えた新次元ワクチン研究基盤構築［国際ワクチンデザインセンター］国内の大学・研究機関活動実績拠点における採択共同研究件数の推移100国際採択件数国内採択件数806040200201020112012201320142015201620172018201920202021中期目標第2期第3期第4期共・共拠点国際共・共拠点2022202320242025

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12イベント報告小・中学生対象の実験教室開催！夏休み期間中に開催された2つのイベントをレポート。実際の研究さながらに「DNAを取り出す」実験で、子どもたちは目を輝かせていました。親のお酒の強さを唾液DNAで調べる小中学生対象の「親子で学ぶ夏休み遺伝子実験教室」が7月26日に開催されました。臨床ゲノム腫瘍学分野の古川洋一教授と健康医療インテリジェンス分野の井元清哉教授の研究室が主催。一日がかりで遺伝子やゲノム、DNAについて楽しく学ぶ機会となりました。メインの企画は、親の唾液からDNAを抽出し、アルコールの代謝に関わるALDH2（2型アルデヒド脱水素酵素のこと。主に肝臓に多く発現）の遺伝子のタイプを調べる実験です。ALDH2の遺伝子のタイプの違いはお酒に強い人、弱い人、全く飲めない人の違いをもたらす主な要因となっています。実験に加え、DNAや遺伝子についてのやさしい解説やスーパーコンピューター「SHIROKANE」の見学もあり、子どもたちから「DNAのことがよくわかった」「実験が楽しくておもしろかった」などの感想が寄せられました。子どもたちは親がお酒を飲む姿を見たことがあったので、実験の結果は予想通りだったようです。「ゲノムの中にはアルコールという物質に対する反応性に関わるALDH2のタイプだけでなく、ほかにも多くの多様性があることを知ってほしいです。また、生物を含む生命科学に興味がある人になってほしいと思います」と、古川教授は期待を寄せています。左：研究室で使うピペットの使い方を教わり、実験を行う様子。右：PCR装置でALDH2遺伝子相当部分のDNAを増幅。身近な材料と食材を用いたDNA抽出実験8月9日、「バイオバンク・ジャパン夏休み体験学習会2025」が開催されました。200人ほどの応募から抽選で選ばれた小中学生13人が参加。バイオバンク・ジャパン（以下BBJ）の大型生体試料保管庫などの施設と研究室の見学、実験教室「DNAをとりだそう」、ミニレクチャー（座学）などを通して、遺伝やバイオバンク※について学びました。実験では台所用洗剤や塩、アルコールといった身近な材料を使い、2人一組で、バナナ、ブロッコリー、トウモロコシ、鶏ひき肉からそれぞれのDNAを抽出。参加者の一人は「遺伝子について全く知らなかったけれど、今回やってみて詳しくなれたのでよかった。実際にやることで記憶にも残って楽しかった。またやりたい」と感想を寄せてくれました。イベントを主催したBBJの森崎隆幸客員教授は、「見守る保護者も興味がつきなかったようでした。こうしたイベントが、BBJならびに医科研の社会との接点強化につながることを期待しています」と、話しています。※バイオバンク＝患者さんや一般の方から提供された血液や組織などの生体試料と情報を研究用資源として保管・管理し、医学研究のために利活用する仕組みのこと医科研ものがたり｜11｜細胞の「顔」を見つけた研究者―山川民夫が拓いた、糖鎖の世界私型、B型、O型と違うのはなぜでしょうか?その答えは赤血球の表面にある「顔」つきの違いにあります。かつてその正体は、生命の設計図を担うタンパク質だと多くの科学者が信じていました。この常識に挑んだのが、東京大学名誉教授の山川民夫先生です。先生は医学部年間在籍し、前身の伝染病研究所が改組の際に「医科学研究所」の名を提案した名付け親でもあります。また研究室の同僚であった惠津子夫人と結婚されるなど、公私にわたり医科研と深い縁がありました。先生の信条は、「誰もやったことがない、教科書に載るような仕事がしたい」。その宝物は意外な場所に眠っていました。医科研では、研究用に飼育していた馬から血清を採った後、大量の血の塊（血餅）が廃棄されていました。先生は「このガラクタの山にこそ宝がある」と信じ、廃棄血餅から気の遠くなるような作業で、血液型の「顔」を探し続けたのです。そして1953年ついにその正体を突き止めます。それはタンパク質ではなく、砂糖（糖）と油（脂質）が結合した物質でした。先生はこれを「糖脂質」と名付けました。細胞の個性、つまり血液型を決める「顔」の正体佐藤佳教授2024年度日本微生物学連盟「野本賞」新型コロナウイルスに関する基礎ウイルス学研究@Plus医科研トリビアが明らかになった、世紀の大発見です。この発見は、単に血液型の謎を解いただけではありません。細胞の表面は「糖鎖」という無数のアンテナで覆われ、それが自分と他人を見分ける「名札」として機能している、という全く新しい生命観の扉を開いたのです。この「細胞の顔」という考え方は、現代医療のさまざまな場面で命を支えています。がん細胞の特殊な顔つきを診断に用いる腫瘍マーカーや、iPS細胞の「顔」を調べて品質管理する再生医療技術など、応用は多岐にわたります。一人の研究者の飽くなき探求心と、常識にとらわれない着眼点。山川先生が掘り当てた宝物は、半世紀以上の時を経て、今もなお世界中の医療現場で、力強く輝き続けているのです。（国際健康医療推進社会連携研究部門附属病院血液腫瘍内科特任准教授湯地晃一郎）脊山洋右：山川民夫（1921-2018）̶先天性代謝異常を化学の目から解き明かす.生体の科学70（5）：408-409,2019より受賞者紹介柴田龍弘教授日本癌学会第15回JCA-永山賞FGFR2融合遺伝子の発見を起点とした胆道癌におけるFGFR阻害剤Tasurgratinib（E7090）の臨床開発研究左：白く「もやっと」したDNAが観察されると「見えた!見えた!!」の歓声が。右：大学院生による最新の研究機器を使っての説明を熱心に聞く子どもたち。伊東潤平准教授2025年OxfordJournals-JapaneseSocietyforBioinformaticsPrizeウイルス感染症の制御に向けたバイオインフォマティクス藤堂具紀教授日本癌学会第30回長與又郎賞遺伝子組換えヘルペスウイルスを用いたがんのウイルス療法の開発と実用化植松智特任教授第61回小島三郎記念文化賞腸内細菌制御による革新的な疾患治療法の研究開発「未来医療開発基金」へのご支援のお願い医科学研究所では、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬開発、ワクチンなどの予防薬開発だけでなく、AIを用いた基礎研究やがん医療、再生医療による難病克服など、未来医療を目指した研究開発を進めています。また附属病院を通じた新たな医療の提供も推進してゆく所存です。是非ともウィズコロナ、ポストコロナ時代に向けた当研究所の未来医療開発研究の取り組みに一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。詳しくはwebで!［ご寄付いただいた方への特典］ご芳名を医科研講堂前の銘板に提示（10万円以上の場合）医科研の大学院教育博士・修士課程への入学希望者対象毎年4月に進学説明会を開催医科研は独自の大学院組織を持たず、各分野の教員が、東京大学のさまざまな大学院研究科の協力教員として大学院教育を担当しています。大学院生として希望する教員の研究指導を受けるためには、その教員が所属する大学院・専攻を受験し入学する必要があります。詳しくはwebで!［8つの研究科］・新領域創成科学研究科・薬学系研究科・医学系研究科・情報理工学系研究科・理学系研究科・工学系研究科・農学生命科学研究科・学際情報学府PLATINUMSTREETTIMES第11号2025/12発行｜東京大学医科学研究所東京都港区白金台4-6-1責任編集企画｜武川睦寛教授東京大学医科学研究所「広報・図書・情報処理委員会」委員長、真下知士教授同委員長、渋谷哲朗教授同委員会広報紙ワーキンググループ長取材／編集｜岡真理子、坂本怜子、中川清美アートディレクション｜細山田光宣（細山田デザイン）デザイン｜木寺梓（細山田デザイン）撮影｜貝塚純一（P3,4,6,7,9,10）、イラスト｜平田利之（P1）、細山田曜（P8）印刷｜勝美印刷株式会社発行｜2025年12月1日［読者アンケート&プレゼント］回答を寄せていただいた方の中から23名に、特集に登場した石井先生、服部先生の書籍をプレゼント!応募締め切り：2026年3月31日©清水茜／講談社・アニプレックス・davidproduction応募はこちらから※本紙へのご意見・ご感想はkoho@ims.u-tokyo.ac.jpまでお寄せください。

