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# PLATINUM STREET TIMES 06号

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第2弾ContentsP01患者に寄り沿う医科研病院P02-03患者に寄り沿う医科研病院│注目の実践①がん治療のつらさを多職種で支え抗がん剤の副作用や生活不安を軽減医科研病院│腫瘍・総合内科朴成和教授×医科研病院MCST患者の立場に立った医療を行って参ります医科研病院藤堂具紀新病院長P04患者に寄り沿う医科研病院│注目の実践②最も困っていて、つらいことは何か苦痛に耳を傾け、共感する医療を提供したい医科研病院│アレルギー免疫科山本元久准教授P05医科研のすごい＆おもしろ研究最前線新型コロナ無症候性感染者100万人分の大規模データを分析社会連携研究部門｜ゲノム予防医学社会連携研究部門鈴木亨特任教授マインドフルネス瞑想の心拍パターンスマートウォッチを利用して測定附属ヒトゲノム解析センター│ゲノム医科学分野新井田厚司講師P06-07医科研病院の病室P08医科研の大学院生たち中西真研究室所属川上聖司さんP09先生たちの本棚教えて！愛読書！医科研教員おすすめ本紹介P10イベント報告IMSUTNYSeminar2023が開催野口英世博士のお墓参りに行ってきました医科研最新Topic＆ニュース│１│医科研病院の災害時トリアージ訓練│2│日本相撲協会と協同で作った小冊子『足のケア方法』が好評P11インサイド国際共・共拠点タンパク質合成の過程で起きる異常を防ぐ仕組みを解明しています受賞者紹介2022年IEEEOutstandingPaperAward山本章人さん、渋谷哲朗教授山本章人さんは2022年「東京大学総長賞」も受賞!2022年秋の叙勲医科研病院中森博子元副看護部長2022年第19回日本学術振興会賞佐藤佳教授2023年度文部科学大臣表彰2022年日本野球機構「NPB特別功労賞」Jリーグ「功労賞」井元清哉教授P12＠Plus医科研トリビア最高のパフォーマンスを発揮できる環境を東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野教授中西真新所長医科研ものがたり│Vol.6│野口英世からの年賀状過去と未来の風景│1│2023年6月Vol.6患者に寄り沿う医科研病院東京大学医科学研究所の魅力を伝える特集東京大学医科学研究所ウェブサイトhttps://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/SNS（ツイッター、フェイスブック）でも発信中（東大医科研ウェブサイトトップページ一番下からGo!）患者さんが人生を心地よく走れるようにサポートするのが私たちの仕事です。個人のニーズに合った、きめ細やかな医療が求められています。東京大学医科学研究所附属病院（医科研病院）では、患者さん、そのご家族の声に耳を傾け、治療だけではない、精神的な支援を含めた人間味のある医療をめざしています。今号は、こうした医科研病院の取り組みを、ご紹介します。

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2患者に寄り沿う医科研病院│注目の実践①がん治療のつらさを多職種で支え抗がん剤の副作用や生活不安を軽減消化器がんの専門医である朴成和教授を科長とする医科研病院腫瘍・総合内科では2022年5月、MCSTと呼ばれる、がん治療多職種連携チームをスタートさせました。東京大学では初となる、先進的な試みを紹介します。Multidisciplinary-collaboratedCancerSupportTeam医科研病院MCST（がん治療多職種連携チーム）MCSTMemberMedicalleaderCo-medicalleaderメンバー朴成和（医師）飯村洋平（薬剤師）馬場啓介（医師）中澤光子（看護師）冨樫仁美（管理栄養士）都留由香里（看護師）本田友絵（管理栄養士）古川直樹（薬剤師）石橋正祥（薬剤師）流石智恵子（薬剤師）医科研病院│腫瘍・総合内科朴成和教授大阪市生まれ。1987年東京大学医学部卒。国立がん研究センター東病院、静岡がんセンター、聖マリアンナ医科大学、国立がん研究センター中央病院を経て、2021年7月医科研教授に。専門は消化器がん化学療法。趣味は映画鑑賞。2人に1人が罹患し、3人に1人が死亡するといわれる、がん。がん細胞の増殖を抑える抗がん剤治療は、私たちに身近な存在です。一方で、抗がん剤治療を実際に受ける患者は、治療に伴い、吐き気やだるさ、脱毛などに代表される副作用に苦しめられることになります。加えて、将来への不安や喪失感、家族や仕事、経済的なことなど、さまざまな悩みや不安が押し寄せ、戸惑います。がん患者の悩みは以上のように深刻で複雑ですが、医師だけでは対応しきれず、十分な対策がとられているとはいえないのが実情です。このように、医療現場で、いまだ光が当てられていない患者の潜在的な医療的要求は、「アンメット・ニーズ（unmetneeds）」と呼ばれ、近年注目されています。朴教授が率いるMCST（がん治療多職種連携チーム）は、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士で構成されるチームです（左上囲み「MCSTMember」参照）。がん患者の多様なアンメット・ニーズに対応し、抗がん剤の副作用のみならず、がん患者とその家族を総合的に支援するためチーム医療を進めています。朴教授は、消化器がんの専門医として、国立がん研究センター中央病院勤務など年7月に医科研病院に腫瘍・総合内科を設置。2022年5月からこの多職種連携による医療体制をスタートさせました。Beyondエビデンスを積み重ねる朴教授によると、多職種が連携してがん治療を進めるメリットは、現場の工夫が経験値として積み重なっていく部分にあります。一般的な抗がん剤治療では、副作用を抑えるためのガイドラインがあり、医師がそれに沿っアた処方をします。しかし、患者ンさんの副作用が完全になくなるメわけではありません。「ガイドラインにのっていないところは、ッ工夫になります。医師以外の専ト門性は貴重です。多くの職種に多様なアイデアを提案してもら・うことで、確立されたエビデンニス以外のBeyondエビデンスとしーての工夫を積み重ねていくことが大切です」（朴教授）ズMCSTでは、こうした専門職による工夫を行うための手順書をに作成し、その工夫が具体的にど応のような結果に至ったかを評価しています。新しい工夫が提案えされるたびに、手順書をバージョンアップし、再度、結果を評る価していく。このような“現場発”の工夫のPDCAサイクルを積み進めています。それによって患者さんの副作用が少し和らいだり、生活上の悩みが軽くなったり、より細かなニーズに対応できるようになるといいます。「全国の病院が真似をしたいと思えるような、さすが東大ですね、といわれるチームに成長していけたらと思っていまBOKUNarikazuす」と朴教授は話します。がん治療に多職種のチーム医療を取り入れる試みは、10年以上前から全国で少しずつ進められてきました。しかし、東京大学医科学研究所附属病院には、こうした仕組みはありませんでした。朴教授は「東大医学部は、優秀な医師や研究者が活躍し、いいところがたくさんあります。しかし現場においては医師を頂点とする古い文化が残っています。がん治療に多職種の知見を積極的に生かしていこうとする取り組みは世界的な流れですから、より現代的でフラットな方向に変わっていかないければいけないと思います」と、語ります。東大に限らず、これまでの伝統的な医療では、医師が司令塔として主導し、専門職に指示を出すという形がスタンダードでした。一方、医科研病院腫瘍・総合内科のMCSTは、医師は多職種と同じ目線で働く仲間です。朴教授はMCSTを、それぞれの専門家が自分の役割を果たすことによって、より良いがん医療を構築するための試みだと捉えています。薬剤師がまずカウンセリングこのような朴教授の考えから、医科研病院腫瘍・総合内科では、抗がん剤を受けることになった患者は薬の専門家である薬剤師のカウンセリングを受けます。そこでリスクなどが評価さAboutDepartmentofOncologyandGeneralMedicine医科研病院│腫瘍・総合内科2021年7月に新設され、医科研病院の総合診療を担当しています。固形腫瘍に対する化学療法を中心とした内科的治療や診断の探索臨床研究を行い、医科研病院での全人的医療を実践しています。https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/lab/transreclink/section04.html医師だけで対応しきれない

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患者に寄り沿う医科研病院│注目の実践①3れた後に、医師の診察と処方に進みます。治療に関する不安や悩みがある場合は、看護師が相談を受けます。治療中に食欲不振などが出てきた場合は、管理栄養士につなぎ、適切な栄養指導を受けられる体制が整えられます（右上図「薬剤師外来を例にとったサポートの流れ」参照）。患者は診察前に採血を行いますが、結果が出るまでの間に待ち時間があります。また治療で点滴をしている間にも、空白の時間ができます。MCSTは、こうした時間を有効に活用し、患者とコミュニケーションをとります。患者をできるだけ理解し、困っていること、悩んでいること、望むことは何かを会話から引き出し、支援に結びつけています。「私たちは、治療だけのことを考えて抗がん剤治療を行っているわけではありません。『患者さんの心身の痛みを支え、できるだけ普段に近い時間を少しでも長くする』という思いを共有してチームで協力していくことが大事だと思っています」（朴教授）患者さんの気持ちを質問でナビゲートする朴教授が治療で大事にしている視点があります。それは、抗がん剤の投与を迷う患者さん自らが、どのような治療をしていきたいのかの意思を引き出せるようナビゲートしていくことです。患者がより幅の広い視点に立って考え、選択していけるような質問を大事にしています。例えば、抗がん剤の投与をするか、しないかで迷っている患者がいたとします。その場合は、このように問いかけます。「抗がん剤をはじめても、途中でやめることはできますし、いろんな工夫を加えることはできます。まずはやってから判断してみたら、どうですか?」「やってみて、思ったより副作用が軽かったらいいでしょうし、思ったより重かったら、やめることはできるんですよ」一方で、治療の途中で副作用がつらく、あるいはお金が続かずに抗がん剤治療をやめたいという患者がいたとします。そのような時は、こう問いかけます。「じゃあ今日は、休みましょう。来週、もう一度、考えてきてください。そして次の受診時に、まだ続けるか、やめるかを迷っていたら、判断を私に任せて下さい。私の判断では継続した方がいいと思います。でも本当にあなたがやめたいのなら、言ってください。そうしたら必ずやめますからね」と、少しずつ患者の意思が明確化するように促します。するとたいていの患者は次の週は、続けるか、やめるか、どちらかの答えがはっきりするといいます。「患者さん自身が、考えを整理し、治療の方向性を筋道たてて考えられることが大切です。患者さんが、自立に向かっていけるような支援をしているつもりです」と、朴教授は話します。普段に近い時間を少しでも長くする患者さんの心身の痛みを支のための道具です」と説明する「薬剤師外来を例にとったサポートの流れ例）大腸がん術後補助化学療法を受ける患者さんの場合患者さん薬剤師看護相談薬剤師外来●初回説明●副作用確認●医師への支持治療法提案●臨床試験事務局薬剤部栄養相談「あなたのこれからの時間をどのように作っていくか、お手伝いさせて下さい」残念ながら、現在の医療の力では多くのがんは抗がん剤だけで治すことができません。「がんは、命を取りにくる怖い病気ですが、今あなたはお元気で、自分のことを考える力を持っておられます。残された大切な時間をどのように作っていくか考えてください。あなたが主役であって、抗がん剤治療はそ」TODOTomokiそうです。とはいえ、痛い、いやだ、つらい、死にたくないという感情は、すべて消すことはできないものです。一方で、こうした患者の思いにすべて、医療関係者が寄り沿えるかといえば、そのようなことは物理的にできないといいます。看護師看護相談●専門的ケア指導●心理的サポート看護相談室管理栄養士処方提案栄養指導●食思不振に対する栄養指導●がん悪液質の栄養指導栄養管理部医師●診察●処方医師「患者さんのことを家族や生活面も含めてすべて分かるというのは、医師の驕りだと思います」という朴教授。だからこそ、多職種チームとの協力で、患者さんの残された時間を充実して過ごすためのサポートのほうに、全力を注ぎます。理性と情熱を併せ持つ朴教授が、がんの臨床医をめざしたきっかけは、大学5年生の時に当時45歳の実母をがんで亡くした経験だったといいます。健康だった母に突然がんが見つかり、半年後に他界しました。膵臓がんでした。「医師になった最初の頃は、患者さんの命を自分が背負うみたいなプレッシャーはありましたけどね。でもそんなこと思っていたら、医師は、やっていられません。だんだん自分の中で、良い医療がどのようなものかを見る幅は広がっていったと思います。これからも、多様な視点から患者さんやその家族を支えていけたらと思っています」と、朴教授は話します。えMCSTの会議の様子。海外における先進的な取り組みを紹介する薬剤師の飯村洋平さん（右の説明者）。MCSTのイメージ管理栄養士●栄養指導●食事メニューのアドバイス●がん悪液質への対応医師看護師●がん看護ケア指導●社会・心理的サポートミッション●コメディカル同士の連携を主軸としたがんサポーティブケアの発展●がんサポーティブケアのエビデンスの創出患者サポートにおいて、医師の許可を得る前に、コメディカル（薬剤師、看護師、管理栄養士）同士でのコンサルテーションが可能薬剤師●薬学的ケア●支持医療の処方提案●薬剤師外来コンサルテーション本年4月より医科研病院病院長に就任しました患者の立場に立った医療を行って参ります医科研病院は現在、国内唯一の国立大学の研究所附属病院であり、そのミッションは、最先端の科学技術を用いて革新的医療を開発することです。古くは明治・大正時代の血清療法や国産ワクチン製造に始まり、腎臓移植、骨髄移植、がんの遺伝子治療、エイズ治療、そして現在はがんのウイルス療法と、常に時代の先端の医療開発を担って参りました。革新的医療開発を推進するには、通常の、あるいは標準とされる医療の技術にも長けている必要があり、当院は高い医療水準を維持し続けております。そのような中、当院独自の腫瘍・総合内科においては、朴教授をリーダーとして、抗がん薬の副作用対応とがん患者のQOLの維持をチーム医療で実践しています。今後も研究所附属病院だからこそ推進できる先端的医療と地域医療の両輪体制で、患者の立場に立った医療を行って参ります。医科研病院新病院長藤堂具紀教授1960年、名古屋生まれ。東京大学医学部卒。専門は、悪性脳腫瘍の手術、脳神経腫瘍学、ウイルス療法、遺伝子治療。趣味は映画鑑賞、好きな言葉は「成せば成る」。

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4最も困っていて、つらいことは何か苦痛に耳を傾け、共感する医療を提供したい臨床と研究を同時並行で行中には、るのが、相互の信頼関係です。語ります。医科研病院アレルギー免疫科では、主に関節リウマチや膠原病などの自己免疫疾患の治療を行っています。目科長の山本元久准教授は、コミュニケーションを大切に、患者の苦痛に耳を傾け、共感する医療を提供しています。の間の中で、いろいろな事を話し前てもらうような環境づくりを心のがけているそうです。とくに初診や症状の悪化がみられる場合患には、より十分な時間をかけるようにしています。者「患者さんは、つらい、全身がだるいなどと訴えて受診されまさす。いろいろお話を聞いていると長くなりますが、患者さんはん全部言い終わると、すっきりしにて、つらさがだいぶ軽減するということも実際あるんです。で還すからこちらから声をかけて、いろいろお話してもらって気持元ちを吐き出していただくことは結構あります」す「例えば、『来月旅行に行ってきます』などといった話を聞くと、る『あ、調子がいいんだな』『ここまでできるように回復してきた」北海道から飛行機で通ってくる「方もいるそうです。「『ここに来て元気になりました』とか、『よかったです』と言ってくれる言葉が、逆に嬉しくて。そして本当に励まされます」一方で、山本准教授は、難病関連疾患（右下囲み「IgG4関連疾患とは?」を参照）を発見した先駆けの研究者でもあります。IgG4関連疾患は、全国に約数万人の患者がいます。しかしまだ専門の外来は少ないことから、インターネットなどを通じて全国から患者が訪れます。現在はIgG4関連疾患をより簡便に診断できる方法について、AI技術を活用しながら研究に取り組んでいます。「患者さんと接しないで研究生活に籠るのはちょっと自分のイメージと違うかなというのがありまして、臨床医を続けてきました。一方で臨床的な疑問点は、日常の診療でいっぱい湧いてきんだな』ということもわかり、ます。臨床と研究を同時並行でまた次の時の話のきっかけにしたりします」「患者さんの言葉に励まされます」最も大事にしていることは、医学的なそのデータだけを客観的に見て伝えるだけではなく、患者さんの声に耳を傾け、苦痛を察し、共感を大事に一緒に病気を乗り越えていくことです。「最も困っていて、つらいこと患者さんの声に耳を澄ませる山本准教授。は何か。苦痛に耳を傾ける努力改善には、患者と医師とが二人三脚で、が必要だと思うんです」行い、目の前にいる患者さんに還元でき粘り強く治療を継続していくことが必要山本准教授の患者は、400-500人ほどいること見つけられたらいいなという思いになります。治療の継続に最も重要になます。長く信頼関係を築いてきた患者ので、毎日やっています」と山本准教授はYAMAMOTOMotohisa「患者さん自身がこの病気の特性を十分医科研病院│アレルギー免疫科山本元久准教授福井県出身、札幌医科大学卒。専門はリウマチ・膠原病内科学、臨床免疫学。趣味はゆっくり温泉につかることと、のんびり旅行。家族と過ごす時間を大切にするようにしています。関節リウマチや膠原病などの自己免疫疾患は、自己免疫の異常によって全身の組織に炎症が起こる難病です。しかし原因はまだよくわからず、この治療をすれば完治する病気ではないのが実情です。山本准教授は、「治療が長期戦になるということを前提に、患者さんとのコミュニケーションに重きを置く治療を行っています」と、話します。治癒や症状のAboutDepartmentofRheumatologyandAllergy医科研病院│アレルギー免疫科関節リウマチをはじめとするリウマチ性疾患・膠原病の診療を行っています。最新の情報を取り入れ、患者に最適な治療を提供しています。研究では、IgG4関連疾患の病態解明と治療の最適化に取り組んでいます。https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/lab/transreclink/section03.html患者に寄り沿う医科研病院│注目の実践②理解いただけるように、何回も何回もお話しながら、お薬を使い、限りなく日常生活に近い形で過ごしていただけるように、安心を提供したいと思っています」と、山本准教授は笑顔をみせます。膠原病は、重度になると命にかかわる深刻な症状を招きます。例えば肺に炎症を起こせば呼吸困難になり、酸素をつけながら入院生活を送ることになります。また腎臓に炎症が出れば、尿がでなくなり、場合によっては人工透析が必要になるなど、入院と在宅生活を行き来しながらの生活になります。山本准教授によると、そうした重症化したケースでも、やはりコミュニケーションによる信頼の構築が回復のカギを握るといいます。一方で、長時間待ったにもかかわらず、診療は数分で終わる「3分診療」という言葉が、医療現場ではよく聞かれます。大学病院である医科研病院でも、どうしても1人の患者にかける診療時間は短くならざるをえません。しかし山本准教授は、限られた診療時IgG4関連疾患とは?関連疾患は、今世紀に入り、わがIgG4国で疾患概念が形成された新しい全身性、慢性炎症性の疾患です。IgG4という免疫グロブリンの1つが増加し、さまざまな臓器（涙腺、唾液腺、膵臓、胆管、肺、腎臓、後腹膜など）にIgG4を産生する細胞が多く浸潤し、炎症を起こします。このため臓器が腫れ、最終的には炎症を起こした臓器の機能障害を呈します。複数の疫学調査から、わが国には数万人の患者がいると考えられています。この疾患の概念ができる以前は、他の疾患として診断、治療されていました。しかし近年、この疾患の認知度が上昇し、IgG4関連疾患の患者の数は徐々に増えてきています。症状は、炎症を起こした臓器により異なります。例えば、涙腺・唾液腺炎ですと上瞼や顎の下にしこりを感じるようになります。また時間経過とともに涙や唾液が出づらくなります。膵臓に炎症（自己免疫性膵炎ともいいます）が起こると、上腹部痛があらわれます。背部痛から悪化すると黄疸が出現します。また膵臓でつくられるインスリン分泌が低下するため、糖尿病を発症し、悪化することもあります。診断に関しては、現在、厚生労働省が作成した、IgG4関連疾患包括診断基準（2020年改訂）、または個々の臓器別診断基準に従って診断されます。一般的には、血液検査、画像検査、組織検査が行われます。IgG4関連疾患では、複数の臓器に同時に炎症が惹起されることがあるため、丁寧な診断時の評価が求められます。またこの疾患には悪性腫瘍の合併もやや高いことが知られており、がんのスクリーニングの重要性も認知されています。治療には、ステロイドを使います。涙腺・唾液腺炎であれば、治療開始数日で、上瞼や顎下部のしこりは改善します。そのほかの臓器の炎症も数週間で徐々に改善を示します。しかし現時点では、完治する患者はまだ少なく、少量のステロイドで治療を継続していきます。ステロイドの副作用にも気をつけなければならないため、専門の施設で治療することが望ましいとされています。医科研においても、ステロイドを減量・休薬できるような新しい治療法の研究開発に取り組んでいます。IgG4関連疾患に対するオミックス解析により新しい治療標的となる分子の探索が行われています。

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医科研のすごい&おもしろ研究最前線もっと知りたい企業共同研究生活の役に立つ、身近な実用的研究を紹介します社会連携研究部門｜ゲノム予防医学社会連携研究部門鈴木亨特任教授SUZUKIToru神奈川県・鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業。日本や英国で臨床・ヘルスケア領域のデータサイエンスや生体情報の解析の研究に従事。趣味はスポーツ全般。自分はいつどのような病気にかかる可能性があるのか？それを知りたい人は多いのではないでしょうか。少しでもこれらの解明ができればと、データサイエンス手法を用いて研究しています。臨床医として、主に心臓や血管の循環器疾患の治療に従事してきました。これらの病気は長年にわたる慢性的な経過をたどり、高齢者に多く見られますが、こうした加齢性の慢性病を予防できるようにしたいと考えています。そのために病今号は、企業との共同研究を紹介します。いずれも新型コロナ無症候性感染者や陽性者数2021100806040200マインドフルネス瞑想など、私たちの暮らしに直結する話題です。3/22-3/283/29-4/44/5-4/11気の患者さんのカルテ、病歴等のデータを集めて分析し、どのような経過から病気にたどるのかを研究してきました。また、ゲノム等を含む生体情報を加えた分析を行ってきました。例えば、血液内の物質（蛋白質や代謝物）を最新の分析手法で測定して、病気の経過等との関連や、に影響することを明らかにしました。将来的には診療で使える血液検査になることを目指しています。これらの病歴情報や生体情報を分析するのは、統計解析手法やコンピューターサイエンス（機械学習等）を組み合わせたデータサイエンスです。最近実施したデータサイエンス研究として、内閣府が実施した新型コロナ無症候性感染者100万人分の全国調査の大規模データの分析を担当しました。第3回緊急事態宣言第4波東京オリンピック4/12-4/184/19-3/254/26-5/25/3-5/95/10-5/165/17-5/235/24-5/305/31-6/66/7-6/136/14-6/206/21-6/276/28-7/47/5-7/11有症状のコロナ感染患者は行政検査を実施し、無症状の場合は、主に民間機関等で検査が実施され、感染の実態が把握されていませんでした。しかし私たちの調査では、実際の無症候性感染は少なく、また有症状患者とほぼ同じような動向を示すことがわかりました（有症状患者数、腸内の細菌が心臓病が増える時は無症状感染者が増え、逆に析研究の一例として前者が減ると後者も減りました）。一方で、日本のPCR検査の基準は一部の外国よりも厳しく、例えば英国のPCRの陽性基準を当てはめると、日本の感染率はさらに10分の一以上低いことがわかり、感染の実態把握（リアルワールドエビデンス）につながりました。第4回緊急事態宣言第5波7/12-7/187/19-7/257/26-8/18/2-8/88/9-8/158/16-8/228/23-8/298/30-9/5また共同研究企業の経時的な健診データ20万人分を一緒に解析しています。病気でない健康な状態からどのように病気になるのかを明らかにすることで、生涯9/6-9/129/13-9/199/20-9/269/27-10/3（AUCは曲線下面積）Ct≤40（AUC,100%）Ct≤35（AUC,62.6%）Ct≤30（AUC,29.9%）Ct≤25（AUC,8.3%）PCR陽性基準値（Ct値）による新型コロナ無症候感染者の動向の違い（Ct値40は日本の基準値、Ct25は英国の基準値）（JAMANetwOpen.2022;5（12）:e2247704より）にわたる病気の発症リスクや確率を、最新のデータ分析や可視化の手法を用いて明らかにしたいと考えています。病気になる前から予防策を講じて、健康長寿社会を実現していくことを目指しています。社会連携研究部門｜100万人新分の型コ大ロ規ナ模無デ症ー候タ性を感分染者ゲノム予防医学社会連携研究部門ゲノム情報、経時的医療情報（健診等）のデータに基づく疾患リスク因子の解明と効率的な疾患予防法の社会実装に向けた共同研究をNTTと進めています。個人に適した予防法を探索することなどを目的としています。5AboutProjectDivisionofGenomicMedicineandDiseasePreventionマありのままに気づいている心理過程のことを言います。マインドフルネスを育むマインドフルネス瞑想（以下瞑想）は、伝統的な仏教の宗教実践から宗教色を排して、現代的なメンタルトレーニングとして再編集されたものです。瞑想は心理的ストレスや不安の緩和、それによる健康増進、ウェルビーイングの促進に有用であるとされ、近年、その効果についての科学的証明も蓄積されて瞑想群マインドフルネス瞑想熟練者スマートウォッチ（3週間）インドフルネスとは、今この瞬間に生じている出来事や経験に評価や判断を手放して、運動群ランニング愛好家3群の研究参加者スマホアプリによるアンケート（3週間、1日3回）3通りのデータ取得方法対照群瞑想未経験かつ非運動愛好家WEBによるアンケート（終了時点）きています。それとともに、欧米社会においてはビジネス、教育、スポーツ、医療等さまざまな分野での導入が爆発的に進み、一大ブームとなっています。一方、日本においては仏教の長い歴史があるがゆえに宗教的な匂いのする瞑想への抵抗感も大きく、欧米社会と比べて十分普及している状況にはありません。私はがんの生物情報学・ゲノム科学の分野で研究を行なってきましたが、ここ数年大きな病気をする機会があり、その際、瞑想により精神的に助けられた個人的な経験から、日本においても科学研究の推進により瞑想の社会的普及に貢献できないかという思いを抱くようになりました。現在その第一歩として、ガーミン社製のスマートウォッチを利用して継続的に瞑想を心拍パターンを取得、それに基づきストレス状態を測定するという研究を進めています。スマートウォッチからは睡眠やストレスから解放される健康で幸福な社会に！定実践している瞑想熟練者より日常生活のインドフルネス瞑想の心拍パターンようになるということは、一マスマートウォッチを利用して測般によく言われることです。より多くの人が瞑想を実践し、ストレスから解放された健康で幸福な社会を夢見て日々研究に精進しています。歩数の情報も収集し、さらにスマホアプリを活用したリアルタイムでのアンケート調査、事後アンケート調査による情報収集も行い、それらデータの統合的な解析を行う予定です。またこの研究では、一般から参加者を広く募る市民参加型研究として行われ、瞑想熟練者に加えて、比較対象の瞑想未経験者を募集しています。さらには、ランニング愛好者のデータも取得し、精神面のトレーニングと身体面のトレーニングがストレス状態に与える影響の違いも検討する予定です。現代社会の健康問題の多くはストレスに起因していると考えられます。また、病気になった際も心の持ち方一つで回復が早まったり、病気との付き合いかたがうまくできる附属ヒトゲノム解析センター│ゲノム医科学分野新井田厚司講師NIIDAAtsushi宮城県石巻生まれ、横浜育ち。東京大学理学部出身。臨床瞑想法指導者。趣味は旅行、温泉、登山、瞑想。最近の興味は催眠療法、ヨガニドラ、唯識論、ウィトゲンシュタイン、麹菌。AboutLaboratoryofMolecularMedicine附属ヒトゲノム解析センター│ゲノム医科学分野がんの発生・悪化機構の理解、並びに治療戦略の模索のためにゲノム解析や進化シミュレーションを行っています。また、がんや炎症性疾患の早期発見のためのリキッドバイオプシー技術の開発にも力を入れています。

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6医科研病院の病室大きな窓から差し込む朝の光が、病室内を明るく照らします。

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8博士課程学生のリアル博士課程の学生は、日々どのような思いで研究を頑張っているのでしょうか。今号は、老化細胞の研究者をめざす川上聖司さんのリアルな生活をクローズアップします。私をスタートしました。深田研究室は光受容と体内時計について研究しており、私は体内時計の変調と個体老化について研究しました。体内時計は全身の様々な臓器の機能に影響を与えていて、複雑で難しくはありましたが多くの生理現象について学ぶことができました。修士課程修了までの3年間、深田研究室にて研究を行ったのち、博士課程進学のタイミングで医科研・中西真研究室へ進学しました。私は小さいころから、なぜヒトは老いて死んでゆくのかと漠然とした疑問を持っていました(これだけ聞くとちょっと変わった子どもですね)。成長するにつれ、老化の研究を通してより長く健康に生きられる世の中を作りたいと思うようになり、今の私の進路を選ぶ原動力となっています。学部時代に中西先生の授業を聞いて、加齢とともに体内に蓄積する特殊な細胞である老化細胞に興味を持ち、進学後は特に中枢神経系における細胞老化についての研究を進めています。全身の健康、ひいては生命の維持に不可欠な中枢神経系の老化機構の解明を通して、全身を健康に保って長生きする方法の発見を目指しています。今後、学位を取得した後もアカデミアに残って研究活動を継続し、研究をより発展させていきたいと考えています。研究が予想通りには進まず、あまりの結果の出なさに落ち込むこともしばしばです。そんな時は、美味しいものを食べたり、周りの人たちと会話をしたりして、気分転換しています。研究室の皆さんはとても優しく、美味しいお菓子をいただき、気さくに色々な話をしていただけるので、自然と前向きな気持ちになることができます。は理学部生物化学科4年次より深田吉孝研究室に所属し、浅野キャンパスにて研究生活中西研究室を含め、医科研には留学生や医師の方など、様々な背景を持つ方が多く在籍されています。コロナ禍で少な老化の克服を目指しています！くなってしまいましたが、研究室間の交流もあり、多くの方との交流を通して沢山の刺激を受け、時に協働して研究を推進することができます。また、医科研は研究設備も豊富で、充実した研究活動が医科研の大学院生たちできます。今後、進路を選択される方は、医科研を選択肢の一つとして検討してはいかがでしょうか。時折、友人とテニスで気分転換。川上聖司さんのある1日6:30起床9:00研究室に到着12:00昼食13:00実験19:00帰宅24:00就寝癌・細胞増殖部門癌防御シグナル分野中西真研究室所属東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻博士課程3年論文チェック・実験等川上聖司さん（26歳）KAWAKAMI良い論文を出せるように、日々勉強中。Satoshi最近ハマっているハーブティー。実験で扱う老齢マウスの脳サンプルです。AboutNAKANISHILab.癌・細胞増殖部門癌防御シグナル分野中西真研究室横浜出身。美味しいものを食べ、温泉に行くのが好き。コロナ前はよく、城跡巡りにも行った。努力は裏切らないと信じて精進中。細胞老化を中心に、加齢に伴う生理機能の低下や発がんメカニズムの解明を目指しています。モデルマウスや培養細胞、無細胞系などを駆使し、複雑な生命現象をエピゲノム、転写、細胞機能など多くの視点から解析しています。医学系、理学系を含め多様な専門性を持つ学生が所属しており、留学生も多く、刺激的な毎日です。そんな疑問から研究者の道に老化研究をめざすなぜヒトは老いて死んでゆくのか詳しくは、大学院パンフレット2020https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/content/000002423.pdf所属教員一覧https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/education/supervisor/医科研で研究・教育を受けることができる大学院は、8つの研究科です。https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/admission/link_dep/index.html医科研で大学院生活を送るためには医科学研究所は独自の大学院組織を持たず、各分野の教員が、東京大学の様々な大学院研究科の協力教員として大学院教育を担当しています。大学院生として希望する教員の研究指導を受けるためには、その教員が所属する大学院・専攻を受験し入学する必要があります。詳細は大学院進学説明会で知ることができます。

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教えて！愛読書！第2弾先生たちの本棚医科研教員おすすめ本紹介前号で好評を博した「医科研教員おすすめ本紹介」コーナーの第2弾。今号も新たに６人の先生たちの本棚を、覗きます。9ウイルス病態制御分野川口寧教授先端医療開発推進分野長村文孝教授『世界のニュースを日本人は何も知らない』谷本真由美（ワニブックスPLUS新書）しばらく海外に行けなかったぶん、余計印象的でした30年前にアメリカに留学していた頃に、海外約で日本人がどのように捉えられているかを知った際の思いが蘇ってくるようで面白かったです。ジャイアンみたいな国が出てくると打つ手がない、実は町内会的な国連の中で、日本はまじめな優等生なのだということ。他国が煙たがるくらい超倹約主義の〇イ〇人、勤務時の服装に関して同調圧力の強いヨーロッパ系企業、実は○○○○○○好きな英国人など、ネタ本的な意味合いが強いですが。日本のほとんどの小学校にプールがあること、高速道路のサービスエリアは家族が遊べる安全な場所となっていること、駅などの公共施設の清掃が行き届いていることなど、日本の良さを改めて実感しました。日本人は自己肯定感が低いといいますが、この本を読むと、もっと自国に自信を持ってもいいんじゃないかな？と感じました。『重大事件に学ぶ「危機管理」』佐々淳行（文春文庫）様々な危機管理がどのようになされてきたのか地震等の自然災害、パンデミック、軍事紛争大と危機発生は絶え間ないです。我が国ではどのように対応してきたのでしょうか。筆者は警察官僚として安田講堂事件、あさま山荘事件等の指揮を執り、初代内閣官房安全保障室長を務めました。「危機管理」の言葉を作り出し多くの著書を出しています。危機管理の経験をコンパクトで読み易くまとめたのが『重大事件に学ぶ「危機管理」』です。この一冊で「危機管理」が理解できますが、オムニバス的でやや体系的でないと感じた方には「危機管理のノウハウpart1～part3」がお勧めです。いや、もっと気楽に読みたいという方には「目黒警察署物語－佐々警部補パトロール日記」もあります。天災を忘れる前にどうでしょう。業務等での「まさか」にも役立つかも。公共政策研究分野井上悠輔准教授シークエンスデータ情報処理分野片山琴絵准教授集団の遺伝的特徴と「健常」・社会を考える万能感と嫉妬の先につながるもの『みんなが手話で話した島』ノーラ・エレン・グロース（早川書房）西洋に浮かぶヴィンヤード島が本書の舞台で大す。今でこそ観光地として知られますが、昔はまさに絶海の孤島。遺伝学的な創始者効果によって、先天性の聴覚障害（遺伝性ろう）を持つ人が多くいたため、「ヴィンヤード言語」という独特の手話が公用された時代がありました。著者は、人々の記憶を辿り、ろう者を「あっさり」と包含した当時の社会に驚き、一方で、この独特な社会が終焉した過程にも迫ります。医学・行政の用語としての「障害」「配慮」に慣れつつある我々に、「共生」について視点をずらして考える機会をくれる本です。記録にないだけで、この島のような話は、各地にあったのかもしれません。さて、次のデフリンピックの開催地は東京です。パラリンピックにどうしてデフ種目がないのか。こうしたことも考える機会になれば。『アオイホノオ』島本和彦（小学館）画家を目指す大学1年生のホノオモユルを描漫いたコミックです。「この物語はフィクションである」と1ページ目にありますが、同級生にエヴァンゲリオンでお馴染みの庵野監督などが登場しドラマ化もされました。ホノオモユルは大気圏超えの上から目線で人気漫画「めぞん一刻」を批評したかと思えば、同級生庵野の作品に衝撃を受けダンゴムシのように丸まってウジウジと嫉妬し意気消沈したりもします。しかし彼の本当の凄さは、超謎理論による自己肯定を用いた負の感情から浮上する力と漫画家デビューの目標軸がブレないことにあると思います。漫画を1ページも書いていないにも関わらず「漫画家になれる心の準備ができた」と言うことのできる一見無謀な勇気、目標を持ち続ける強さに痺れます。なお、本作品はコメディです。健康医療インテリジェンス分野佐藤憲明助教医科研病院│関節外科大野久美子助教幕末の人々に思いを馳せる笑いながら、落っこちてやる『新選組三部作新選組遺聞』子母澤寛（中公文庫）選組は様々な資料で語られていますが、この新本は実際に幕末に新選組と関連があった人物への取材を基にまとめられています。取材から描写される新選組や幕末に活躍した人物・事件はリアリティに溢れ、150年前の出来事が現代の新聞を読むかのように鮮やかに感じられます。以前京都に住んでいた時にこの本で描かれている場所を通っては当時の人々の生き様に思いを馳せていました。例えば通勤時に通っていた三条木屋町には、「象山の倅」に書かれている佐久間象山が暗殺された場所があり、まるで事件現場に足を踏み入れてしまったような緊張感を覚えました。日本の歴史的な事件が、案外自分が生活している場所で起こっていたことは、驚くと共に感慨深い気持ちになります。こういった感情が歴史を学ぶ原動力になるのかもしれません。『パラソルでパラシュート』一穂ミチ（講談社）つも心のどこかに崖っぷち感がある。締め切いり近い申請書類が未完成、データ解析のまとまった時間が必要だけど、病棟から呼ばれている、共同研究が期限内に進んでいないなど。私はアラフィフ近くのいい大人だが、規模の大小あれ後回しにできないものが増えると、焦る。落ち着かない。本歳、契約社員として退職まであと1年を迎えた日、売れないお笑い芸人に出会う。できること、やりたいことが何もないと思っていた美雨だが、大阪を舞台に仲間の芸人たちが繰り広げるコントや職場の人との交流は社会の圧力を笑いに変え、美雨の人生を彩る。崖の底から這い上がるんじゃなくて、笑いながら落っこちてやる、傘を広げて誰かとつながったり離れたりしながら。シンプルな美雨の言葉は私に穏やかな勇気をくれる。

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10セミナー風景医（当時）のビデオメッセージで始まり、NYオフィス開設からこれまでの経緯や今後の目標、医科研についての紹介がありました。科研がニューヨークでイベントを行うのは4年ぶりのこと。セミナーは、山梨裕司所長セミナー前半には、先進動物ゲノム研イベント報告IMSUTNYSeminar2023が開催医科研主催の「IMSUTNYSeminar2023」が2月17日、米国ニューヨーク（NY）にある東京大学NYオフィスで開催されました。テーマは「医科学研究の最先端と広がる臨床応用（FrontiersinMedicalSciencesandtheirExplodingClinicalApplications）」。雨の天候にも関わらず、在米の大学・研究機関、様々な分野の企業・団体等から約20名の方々が参加しました。講演された先生方究分野の真下知士教授による、最近開発したCRISPR-Cas3システムを利用したゲノム編集ツールについての講演が、またコロンビア大学のSamuelSternberg博士によるCRISPRを利用したDNA統合の新しい方法についてのスピーチが行われました。続いて第5回ニューヨーク野口英世記念奨学金受賞者の金井麻里子さん（コロンビア大博士課程学生）による、抗マラリア薬の薬剤耐性に関連する新規遺伝子の同定についての発表がありました。後半では、癌防御シグナル分野の中西真教授による老化細胞を標的とした加齢疾患の改善についての講演が、続いて臨床ゲノム腫瘍学分野の古川洋一教授によるWntシグナル伝達経路を標的とした抗がん剤の開発についてのスピーチが行われました。ラストには、ニューヨークのSloanKetteringInstituteのScottLowe博士によるがんと老化における老化細胞の役割についてのスピーチがありました。司会は、NYオフィス副理事長で鉄門野口英世博士と夫人の墓碑でもある桑間雄一郎先生により行われました。医師としての見地から説明や質問を加えていただき、参加者の興味を引き付け、一般聴衆の理解が深まるセミナーとなりました。いずれの内容も参加者にとって興味深い内容だったようで、質疑応答時間が不足するほど、活発なディスカッションが交わされました。最後に中西教授から閉会のお言葉をいただきセミナーは盛会のうちに終了しました。野口英世博士のお墓参りに行ってきました科研からのIMSUTNYSeminar参加者医一行は、セミナー前日にニューヨーク野口英世記念会の加納良雄副代表の案内で、ニューヨーク郊外のウッドローン墓地にある野口英世博士のお墓にお参りしました。野口英世博士は、1900年に研究のため渡米し、蛇毒の研究や梅毒スピロヘータの研究などの多くの功績を残しました。しかし1928年、黄熱病ワクチン開発のために訪れていた西アフリカのアクラにてその病に罹患し、その生涯を閉じました。死後、博士の亡骸は、ロックフェラー医学研究所から「米国の地に戻して埋葬したい」との強い希望があり、搬送の特別許可を取り、特別認医科研からの供花と野口英世博士墓石可を受けたチャーター船によってニューヨークに運ばれ、同研究所が博士のために購入したこの墓地の一角に埋葬されました。今もメリー夫人とともに静かに眠っています。法定伝染病である黄熱病による博士の遺体の国外搬送は、法律で厳しく禁じられていたこともあり、博士の遺体がこの墓地に葬られているという事実は、日本人の間でも、殆ど知られていないようです。加納副代表や墓地の職員から、博士の埋葬の経緯などのお話を伺うことができ貴重な体験となりました。（プロジェクトコーディネーター室三宅綾子）最先端の医科学研究について活発なディスカッ（東大医学部）同窓生ション医科研病院は、東京都の災害医療支援病院として専門医療、慢性疾患の対応、港区の地域防災計画に定める医療救護活動を行うことが求められています。2月16日、医科研病院の敷地内において、大規模災害が発生したことを想定したトリアージ訓練が実施されました。トリアージとは、傷病者の緊急度や重症度に応じ、応急処置の優先度や搬送順位を決定することで、災害現場で最も重要な役割の一つです。この日の訓練には、医科研病院の医療従事者約20人が参加し、協力しながら訓練が行われました。トリアージテントを1号館前の東出入口に設営することからスタート。負傷者を受け付ける机、患者数や傷病の程度を記録するホワイトボードや筆記用具などが迅速に設置されました。その後、患者役（軽症、中等症、重症）、救護所担当、患者搬送・誘導係など、事前に決定された役割分担に沿って、救護訓練が実施されました。後半には、車いすやストレッチャーなどを使って本番さながらの訓練が繰り広げられました（写真）。トリアージ訓練は、今後も定期的に開催される予定です。医科研最新Topic＆ニュース｜1｜医科研病院の災害時トリアージ訓練｜2｜日本相撲協会と協同で作った小冊子『足のケア方法』が好評公益財団法人日本相撲協会が発行し、医科研病院が制作・監修した小冊子「足のケア方法」が、好評を博しています。医科研病院では、糖尿病で足の病変がある方に、フットケア（足の手入れ）方法を提供しています。糖尿病になると、指の先などの末梢神経障害が起こり、足にも感染や血流障がいなどの症状が起こりやすくなります。一方、素足で競技を行う力士には足のケアが欠かせません。そこで日本相撲協会と医科研病院が協力し、一般の方への足のケアの重要性を啓発する意味も込めて、小冊子を作成しました。小冊子には、①毎日のチェック②洗い方③拭き方④保湿方法など、足ケアの基本が分かりやすく紹介されています。また角質が厚くなったときに使うレデューサーと呼ばれる角質ケア用やすりの使用法、上手な爪の切り方、白癬（水虫）の原因や治療法、薬の塗り方などもあります。小冊子は無料で、日本相撲協会のホームぺージからダウンロードできます。https://www.sumo.or.jp/IrohaShidoFukyubu/footcare/フットケアの基本を知ることができる小冊子「足のケア方法」。

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インサイド国際共・共拠点Vol.3タンパク質合成の過程で起きる異常を防ぐ仕組みを解明しています国際共・共拠点の国際共同研究から、「翻訳品質管理機構の仕組みの解明プロジェクト」極低温電子顕微鏡で決定された衝突リボソームの構造（Structuralbasisofribosomeassociatedqualitycontrolproject）をご紹介します。研究代表者は、ミュンヘン大学のローランド・ベックマン教授です。紹介文をいただきました。インサイド国際共・共拠点極11ミュンヘン大学遺伝子センター生化学部ローランド・ベックマン教授ベルリン自由大学卒。ノーベル賞受賞者であるBlobel博士の研究室・博士研究員、フンボルト大学ベルリン・グループリーダーを経て、現職。稲田教授との共同研究は8年目。現在5件のプロジェクトが進行中。家庭では毎日の料理担当で、自宅のハーブを使った肉料理は秀逸。夫婦でNYマラソン参加。毎年来日しており、お酒はサントリー響が好き。時計は日本製。昨年から盆栽を始めました。リボソームによるタンパク質合成は遺伝子発現の基盤です。様々なストレス条件下では、翻訳が停滞しリボソームの交通渋滞が蓄積し、細胞死や炎症応答等が誘導されます。一方で過剰なストレス応答を防ぐために、細胞はリボソームの交通渋滞を解消する品質管理機構RQC（Ribosome-associatedQualityControl）を備えています。品質管理因子がリボソームの衝突を識別し、異常翻訳の目印としてユビキチンを付加します。このユビキチン化が目印となり、RQT（RibosomeQualitycontrolTrigger）複合体が停滞リボソームを強制的にサブユニット解離させることで交通渋滞を解消します。本共同研究では、生化学的アプローチと極低温電子顕微鏡を用いて、これらの段階を構造的に解析します。特に、衝突リボソームセンサーが衝突リボソームを識別する分子機構や、RQT複合体によって停滞リボソームを強制的に解離させるメカニズムを分子的に理解することを目的としています。これらの研究によって、特に哺乳類細胞において、これらの重要な経路の根底にある分子メカニズムを深く理解できるようになり、ALSや自閉症などの関連疾患の治療法に関する新しいアプローチが可能となることが期待されます。異常翻訳BECKMANNRoland中のリボソームを直接観察！低温電子顕微鏡を用いて3つのリボソームが衝突したトライホームMatsuoetal.,NSMB2020稲田研究室との最近の研究成果を紹介します。まず哺乳類における衝突リボソームへのユビキチン修飾を目印として衝突リボソームのサブユニット解離が誘導されることを明らかにしました。さらに、超極低温電子顕微鏡を用いた構造解析により、ヒトの衝突リボソーム構造を初めて決定しました。クライオ電子顕微鏡を用いて衝突リボソーム解消複合体（RQT複合体）と衝突リボソームの可視化に成功しました。その結果、RQT複合体がmRNAに引っ張り力を加え、リボソームの小さ翻訳異常を解消する品質管理の本質的な理解に国際共同研究が重要な役割胞内では一定の頻度で異常なmRNA細が産生されます。リボソームが異常なmRNAを翻訳すると、タンパク質が正しく合成されず、細胞に悪影響を示します。しかし、我々の体に異常が見られないのは、翻訳品質管理機構が異常性を認識・解消しているからです。品質管理機構の一つであ（Ribosome-associatedQualityControl）は、リボソームの異常な翻訳停滞を認識し、合成途中の新生ペプチド鎖の分解を誘導するためです。神経疾患患者においてRQC関連因子の異常が複数確認されており、疾患2つのリボソームが衝突したダイソホームIkeuchietal.,EMBOJ.2019Matsuoetal.,NatCommun2023なサブユニットの構造変化を不安定化させ、最終的にサブユニットを解離させることを、世界で初めて明らかにしました。また異常タンパク質に特殊なタグ配列を付加して効率よく分解する反応を解析し、mRNAを必要とせずにペプチド合成反応を行う仕組みを明らかにし、翻訳が活発な神経系、特に筋肉の運動に必須な神経筋の異常が原因とされる経筋疾患の発症機構の解明や創薬基盤となりました。さらに膵臓の生理機能や老化、ウイルス増殖での役割も示唆されています。発症との関連を解析しています。また老化過程で品質管理が低下することが明らかになりつつあり、老化予防への応用が期待されています。我々は、このコラムでご紹介しているミュンヘン大学（ドイツ）との国際共同研究により、翻訳異常を解消する品質管理における分子機構の本質的な理解を目指しています。医科学研究所のミッションである医学応用を目指した基礎研究の発展に、国際共同研究が重要な役割を担っています。（東京大学医科学研究所RNA制御学分野教授稲田利文）受賞者紹介山本章人さん・渋谷哲朗教授2022年IEEEOutstandingPaperAward佐藤佳教授2022年第19回日本学術振興会賞医療データ情報学分野修士課程2年の山本章人さんと、同分野の渋谷哲朗教授が、第21回IEEEInternationalConferenceonTrust,SecurityandPrivacyinComputingandCommunications（IEEETrustCom2022）において、「IEEEOutstandingPaperAward」を受賞しました。論文は、ゲノム統計量公開における差分プライバシー技術によるプライバシー保護に関する内容です。中森博子元副看護部長2022年秋の叙勲瑞宝単光章山本章人さんは2022年「東京大学総長賞」も受賞！山本さんは、修士課程で行った「差分プライバシー理論を用いた大規模ゲノム統計解析および医療データマイニングのための効率的かつ高精度なプライバシー保護技術の開発」で「東京大学総長賞」も受賞しました。医科研病院の元副看護部長の中森（旧姓：佐藤）博子さんが瑞宝単光章を受章いたしました。長年にわたる看護業務功労が認められての受章となります。医科研病院職員からは、2021年秋に瑞宝双光章を受章された鳥内恵子さんに続いての叙勲受章となります。システムウイルス学分野の佐藤佳教授が、「ウイルスと宿主の攻防と共生の原理を紐解くシステムウイルス学の創成」において、第19回日本学術振興会賞を受賞し井元清哉教授2023年度文部科学大臣表彰2022年日本野球機構「NPB特別功労賞」・Jリーグ「功労賞」附属ヒトゲノム解析センターの井元清哉教授が代表を務める「MAssgatheringRiskCOntrolandCommunication」（MARCO）が、「COVID-19禍における大規模集会の開催に関する貢献」において、2023年度文部科学大臣表彰（科学技術賞科学技術振興ました。実験科学的なアプローチでは見出すことができなかったウイルス学的事象を解析することを可能にしたことなどが評価されました。部門）を受賞しました。また2020年のシーズン以降、コロナ感染対策のため、Jリーグとプロ野球が共同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」において専門的助言を行い感染防止に協力し、貢献したことが評価されました。

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12＠Plus医科研トリビア最高のパフォーマンスを発揮できる環境を東年に初代北里柴三郎先生が設立された伝染病研究所を起源とする日本で最も歴史のある国立大学法人附置研究所です。その名誉ある東京大学医科学研究所の第29代所長を拝命いたしました中西真です。昨年12月の教授総会の場において次期所長に選出されて以来、日々その責任の重さを痛感して身の引き締まる思いでおります。ここに謹んで就任のご挨拶を申し上げます。初めに、医科学研究所を取り巻く環境が刻々と変化している状況において、藤井輝夫総長が掲げCompassの3つの視点である「知をきわめる」「人をはぐくむ」「場をつくる」を指針として所の発展に寄与させていただく所存です。「知をきわめる」は医科学研究所の最も重要かつ変わることのないミッションである研究力の強化を意味していると考え、所に所属するすべての研究者や大学院生が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を構築します。「人をはぐくむ」は医科研における大学院生や若手研究者育成の強化を意味していると考え、所属する研究科や研究グループの垣根を超えて医科研独自の大学院生、若手研究者育成システムを作ります。最後に「場をつくる」はまさに国際共同利用・共同研究拠点を中核とする教育研究環境の強化を意味していると考え、これまで以上に多様な分野において世界一流の国際研究機関と連携を強めていきます。医科研の持つ大きな特徴として附属病院の存在があげられます。創立者である北里柴三郎先生の実学重視の考えは今でも医科研の基本方針の1つであり、これを実現化するには附属病院の存在は必要不可欠です。アンメット・メディカル・ニーズに応えることは医科研の持つ使命のひとつです。附属病院がますます発展し、ひとつでも多くの医科研発の先進医療が社会実装されるよう支援していきます。東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野教授中西真新所長NAKANISHIMakoto名古屋生まれ、名古屋市立大学医学部出身。専門は、老化・がん化研究。趣味は、登山・クライミング日本の百高山はほとんど制覇。好きな言葉は「思いやり」。最後になりましたが、医科研が世界に冠たる生命医科学の研究拠点として発展し、医学や医療、生命科学を力強く牽引していくためには、教員、研究者、大学院生、技術職員、医療従事者、事務部・URAの皆様が主役となって活躍できる場を作っていくことが最も重要であると考えております。可能な限り所員お一人お一人の声に耳を傾け、医科研のためになる改革を所員の皆様と共に着実に進めていく所存です。どうぞよろしくご協力のほどお願い申し上げます。過去と未来の風景｜1｜医科研ものがたり｜Vol.6｜野口英世からの年賀状野口英世といえば千円札の顔でもありアメリカに渡って活躍した世界的にも有名な細菌学者である。西アフリカでの研究中に黄熱病に罹り亡くなったくらいのことは、私も小学生のころに伝記を読んで知っていた。しかし彼の渡米前の活動については、恥ずかしながら何も知らなかった。医科研近代医科学記念館には、野口英世が書いた直筆の年賀状が保存されている。薄っぺらな清国（中国）のハガキに「慶賀新春明治三十三年元旦清國牛荘野口英世」とだけ大きな文字で書かれたこの年賀状は、医科研の前身である伝染病研究所（伝研）の浅川範彦博士に宛てたものである。表には勢いのある筆記体で“Dr.N.AsakawaProf.DrKitasato’sInstitutTokioJapan”と書かれ、3枚の切手に5つのスタンプが押されている。スタンプの1つは“NEWCHWANG10JAN00”で、他に「武蔵東京卅三年一月二十九日ニ便」とある。明治33年（西暦1900年）の1月10日前に清国の牛荘（NEWCHWANG）で投函され、1月末ごろに医科研に届いたのであろう。野口が伝研の助手補（見習い）になったのは明治31年10月1日*1、彼が21歳の時である。指導に当たったのが当時33歳の浅川博士であった*2。翌年、北里柴三郎の命で国際衛生局の一員となり、明治32年10月27日に清国遼東半島西の遼河河口の港町の牛荘（現在の営口）に到着している*3。牛荘は明治28年の日清戦争で激戦の末に占領した町であるが、仏・独・露の干渉により清国に返還されていた。野口からの手紙によると、明治32年7月に始まった同地のペスト流行は収束しつつあったが、死者の埋葬、下水の処理、飲料水の供給、食品の管理など衛生状態の改善と、感染者のための病院整備に奔走していたようである*3。、知らない日本人はいないであろう。幼いころに負った火傷による手の障害を乗り越えて医師・研究者となり、この簡素な年賀状で野口の気持ちを推し量るのは難しいが、恩師の浅川博士に自分の無事を伝えたかったのではないだろうか。この賀状は、彼の最初の海外活動の記録の一つであるとともに、伝研で結ばれた師弟の絆を示す資料である。（附属先端医療研究センター臨床ゲノム腫瘍学分野/医科研病院ゲノム診療科古川洋一教授）*1野口英世直筆の履歴書(東大医科学研究所所蔵)*2済生学舎出身の細菌学者・浅川範彦について（日本医史学雑誌第50巻第1号p102-103,2004）*3野口英世書簡集1（財団法人野口英世記念会創立五十周年記念）カール・ツァイス社の顕微鏡。北里柴三郎の師であり、結核やコレラを引き起こす細菌を発見したロベルト・コッホは、「成功の多くはツァイスの顕微鏡のおかげです」という言葉を残している＝近代医科学記念館（写真上）伝研に届いた野口英世からの年賀状の表書き（写真下左）同年賀状の裏書き（写真下右）野口英世の履歴書PLATINUMSTREETTIMES第6号2023/06発行｜東京大学医科学研究所東京都港区白金台4-6-1https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/責任編集企画｜武川睦寛教授東京大学医科学研究所「広報・図書・情報処理委員会」委員長、井元清哉教授（支援系副所長）委員長、渋谷哲朗教授東京大学医科学研究所「広報・図書・情報処理委員会」広報誌ワーキンググループ長取材／編集｜清水麻子、鈴木麻純、坂本怜子アートディレクション｜細山田光宣（細山田デザイン）デザイン｜グスクマ・クリスチャン（細山田デザイン）撮影｜貝塚純一（P4,6,7,8,12）、鈴木愛子（P2,3,5,9）イラスト｜平田利之（P1）、細山田曜（P9）印刷｜株式会社テンプリント発行｜2023年6月1日※本誌へのご意見・ご感想はkoho@ims.u-tokyo.ac.jpまでお寄せください。

