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レトルトソーセージインスタント食品カフェメニューややまで!、食料安全保障とCO2排出量削減という2つの課題の解決策──それが、環境負荷を減らしながら生産するサステナブルフード(持続可能な食)。その旗手ともいえるのが「大豆ミート」だ。健康に欠かせないたんぱく源の一つである家畜は、飼育に大量の餌や水が必要なうえ、ゲップなどから排出されるCO2量が多いという問題もある。その点、大豆ミートは肉に替わるたんぱく源となるだけでなく、生産時に排出されるCO2量が牛肉に比べて12分の1という(左ページグラフ)ヘルシーでサステナブルな食材だ。日本でも、近年「大豆ミート」市場に大手食品メーカーや外食産業が次々参入し、スーパーやコンビニ、カフェなどで大豆ミートを目にする機会が増えてきた。温めるだけで食べられるハンバーグ、肉の替わりに調理に使えるレトルトや乾燥素材、インスタント食品の具材など、利用範囲は多方面に及ぶ。大手ファストフードのハンバーガーメニューのほか、大豆ミートを売りにするカフェも登場している(下写真)。日本の大豆ミートブームは、環境意識優先の欧米とは異なり、健康志向が先行しているようだ。大豆は高たんぱくで、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富。女性ホルモン同様の働きをするイソフラボンなどの機能性成分も多い。そして、大豆ミー全世界が抱える2大問題の解決策それが「大豆ミート」日本の「大豆ミート」人気は健康志向からトには「イソフラボンも含めて、大豆の栄養成分の多くが残っている」と話すのは、国内の大豆たんぱく原料の約50%を提供する不二製油グループたん白素材開発室の中村靖さん。大豆を丸ごと食べるのに近い栄養がとれるのだ(左ページ表)。また、加工技術の向上と、独特の大豆臭がなく、肉と同レベルまで「おいしくなった」ことも、このブームを後押ししている。一般的な大豆ミートは、大豆から油を搾った脱脂大豆を原料とした「粒状大豆たんぱく」から作られる。大豆ミートが使われ始めた1960年代から「畜肉加工品の機能材として使われる“黒子”だった」と不二製↖︎時代の求めで、大豆ミートは黒子から主役に変貌不二製油グループが「大豆で世界が変わる」を旗印に2019年9月にオープンした「UPGRADEPlantbasedkitchen大丸心斎橋店」(大阪市中央区心斎橋筋1-7-1)。大豆ミートを使った「油淋鶏からあげ」(写真上)や大豆から作る豆乳チーズを使った「ラザニア」(写真右)など、オリジナルメニューが楽しめる。「お客様の中心はヘルシー志向の高い方、トレンドに敏感な方など。年配の方からは、あっさりしているが、満腹感があるなどの感想が寄せられています」(不二製油・広報担当)。写真左から/具材に大豆ビーフ(大豆たんぱく加工品)を使用した「日清のどん兵衛・肉だしうどん」/大豆ミートハンバーグを使ったドトールコーヒーショップの「全粒粉サンド大豆ミート」/肉の替わりに調理に使えるマルコメの「ダイズラボ大豆のお肉」シリーズ。レトルト、乾燥、冷凍タイプなどがある/温めて食べるハンバーグ、ソーセージのほか、そのまま使えるハムも。大塚食品の「ZEROMEAT」シリーズ。「大豆ミート」ブームが日本に到来!サステナブルフード(持続可能な食)の旗手世界の人口は2050年に97億人に達するとの予測もあり、食料安全保障の問題が深刻化しつつある。と同時に、地球温暖化対策としてのCO2排出量の削減も急務とされる。こうした中で、今、世界中の注目を集めているのが大豆ミートだ。

油事業統括部門の河合俊彦さんは話す。また、日清食品は、71年の「カップヌードル」発売当初から、豚肉に大豆などを合わせた具材を使ってきた。日清食品ホールディングス食品開発部の吉田和樹さんは「お湯をかけるだけで湯戻りするフリーズドライ製法に最も適した素材だった」と大豆を選んだ理由を説明する。大豆ミートは、2015年頃までは、肉と比べた場合のコスト面での優位性が主に注目されてきた。だが近年、この流れが大きく変わった。日清食品は、16年から新たに「環境」と「健康」というサステナブルな取り組みの一環として、100%大豆ミートを製品に使い始めた。この頃、欧米、特に米国を中心に、環境意識の高まりから、動物性から植物性へとシフトする動きがあり、「大豆を使うことがサステナブルであると、ポジティブに受け取られる時代が来ていた」と吉田さん。大豆ミートは時代の流れとともに、品質の安定化とコストダウンという生産者側の論理を満たす黒子から、健康面からも環境面からも、消費者側のニーズに応える“主役”に変貌を遂げたのだ。日本でも徐々に、環境意識への高まりが見られるなか、大豆ミートが定着するためには「食感と風味が肝心。肉同等ではなく、肉を超えるおいしさの追求が求められる」と中村さん。吉田さんも「環境に良くてもおいしくないとダメ。今後も味の追求を続ける」と話す。大豆たんぱくからはすでに、ツナフレークなどの「水産資源の代替品」も製造されている。大豆たんぱくが世界の食に果たす役割は、今後ますます大きくなるに違いない。おいしさがブーム定着のカギ水産資源の代替にも期待「お肉を休む日を、つくろう。」を提案するコメダが2020年7月にオープンした「KOMEDAis□東銀座店」(東京都中央区築地1-13-1)。読み方はコメダイズで、□には利用者が「健康的」「環境にやさしい」など自由なワードを入れて楽しんでほしいという。「メニューはすべて植物由来の原料にこだわり、店内は地球と一緒に“くつろぎ”を楽しめる場所を目指して(写真右上)、コーヒー粕の壁、フロアタイルにはエコマーク認定の廃ガラスなどを使用しています」(コメダ・広報担当)。人気ナンバーワンメニューは大豆ミートを使った「べっぴんベーガー“アボ照り”」(写真上)。サステナブルなコーヒー豆を使った「コメダブレンド」も好評。食品生産で排出されるCO2を、大豆ミートを1として、原料別に比較したもの。グラフ内の数値は日清食品ホールディングスの試算による。国産の乾燥・黄大豆と粒状大豆たんぱくの主要な栄養成分を比較した。(データ:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」追補2018年)大豆ミートが注目されるわけ大豆ミートに注目が集まったのには、サステナブルフードとしての「環境面」と、ヘルシー食材としての「健康面」の2つの側面がある。家畜の飼育には大量の餌や水、土地が必要。大豆利用は環境負荷を減らすことにつながる。家畜飼育に必要な餌や水などを削減できる食品生産で排出されるCO2は大豆ミートを1とすると牛肉は12倍にも上る。CO2の削減に貢献できる環境面たんぱく質以外にも、食物繊維、ビタミン・ミネラルなど、大豆の栄養成分が含まれる。大豆の栄養成分をほぼ損失なくとれる大豆は「畑の肉」といわれるほど高たんぱくで、アミノ酸バランスもよい。肉に替わるたんぱく源になる健康面大豆たんぱくには大豆に近い栄養成分が含まれる(100g中)原料別のCO2排出量1281064201大豆肉1.7鶏肉2.8豚肉12牛肉大豆(国産・黄大豆・乾)たんぱく質33.8g46.3g食物繊維21.5g17.8gビタミンB10.71mg0.67mg葉酸260μg370μg鉄6.8mg7.7mg亜鉛3.1mg4.5mg粒状大豆たんぱく日本で増殖中!「大豆ミート」食品&メニュー「大豆ミート」と銘打った商品やメニューが、日本中で見られるようになってきた。特に表に記載がなくても、総菜パンやインスタント麺、レトルト食品や冷凍食品、肉まんや餃子の具材など、実は多くの食品に使用されている。食品表示に「大豆たんぱく加工品」などと書かれていれば、それは大豆ミートだ。

サステナブルフード市場への参入と同時に、企業各社に求められるのが、大豆など原材料のサステナブル調達だ。サステナブル調達とは、原材料の調達から、生産、配送、販売に至るまでの一連の流れを通して社会的配慮を行うことにより、持続可能な調達を目指す取り組みだ。企業はすべてのプロセスで社会的責任を果たすことが求められるようになってきた。こうした動きのなかで、従来の品質・コストなどの調達の基本要件に加え、環境・人権・労働環境など、サステナビリティ要素への配慮を組み込んだ新たな「調達方針」を作り出そうと、各社は対応に取り組んでいる。大豆は、畜産に比べて生産の環境負荷は小さいものの、一部の国では農場開拓による森林破壊や生物多様性の減少など、負の側面もある。だからこそ、環境や人権に配慮したサステナブルな農法で生産される大豆の調達が求められる。日本の輸入大豆の多くを占めるアメリカ大豆では、アメリカ大豆輸出協会(USSEC)による「SSAP(サステナビリティ認証プロトコル)」が進んでいて(詳しくは次ページ)、近年その認証を受けた大豆の輸入量が急増している(左グラフ)。これも、日本企業側のサステナブルな原材料調達への意識の高まりを表しているといえるだろう。大豆にも求められるサステナブルな原料調達日本向けのSSAP認証付き大豆の出荷量は急増植物性油脂や業務用チョコレート、大豆加工素材などを扱う食品素材メーカーという事業活動を通じて、「社会の持続可能な発展への貢献」と「自社の持続的な成長・社会への価値創造」をともに実現すべく、「ESG(※)経営の重点テーマ」を定めています。そのために重要な「サステナブル調達」に関しては、当社事業の主原料であるパーム油、カカオで重点的に取り組んでおり、大豆でも取り組みを開始しています。大豆は、品質マネジメントの観点から、非遺伝子組み換え大豆のみを使用しています。さらにIP(分別)システムによりトレーサビリティ(追跡可能性)を追求しつつ、原材料から流通まで一貫した情報管理を行っています。日清食品グループは、2020年4月に環境戦略「EARTHFOODCHALLENGE(アースフードチャレンジ)2030」を立ち上げ、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指して様々な取り組みを始めました。例えば、原料調達では「持続可能な調達方針」を掲げ、グループ全体で、地球環境や人権に配慮された原材料の調達を進めています。特にインスタントラーメンの原料として使用量の多いパーム油はRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)(※)認証油を、油揚げの原料の大豆も、2020年からすべてSSAP認証大豆を使用するなど、サステナビリティに配慮された認証原料を使っています。大豆の調達元は、北米・中国・日本ですが、グローバルな調達基準に沿っていることを内外に示していく必要性を感じています。大豆たんぱくの原料となる大豆の油を搾った後の粕は米国から輸入しています。今後、SSAP認証大豆の取り扱いを始めていきたいと考えています。おいしさの追求は当然ですが、同時に地球環境の問題に積極的に取り組むことが、企業としての責任と考えています。今後もグループをあげて、環境・人権問題に取り組みます。非遺伝子組み換え大豆にこだわり、今後、SSAP認証大豆を導入していきたいグループ全体で、環境・人権問題に取り組み、サステナブルな原料調達を目指します不二製油事業統括部門原料部長大橋達夫さん日清食品ホールディングス食品開発部吉田和樹さん不二製油グループのサステナブル調達の取り組み2015/16は、2015年産の大豆を収穫後、15年9月1日から16年10月31日の14カ月間に出荷された大豆を指す(以下も同様)。昨期(2018/09)に出荷量は急増し、2015/06期の約34倍。今期(2019年9月1日から2020年8月31日までの1年間の出荷量)はさらに増え、日本のアメリカ大豆の8割を占めている。(データ:アメリカ大豆輸出協会)各社が独自の工夫を凝らす原料の「サステナブル調達」Interview2Interview1※「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字をとったもの。※WWFなど7つの関係団体が中心となって設立された国際的な非営利組織で、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することを目的とする。日清食品グループのサステナブル調達の取り組み20000001500000100000050000002015/1621,9902016/1737,0682017/18210,1922018/19740,6502019/201,954,531(MT)

協力/アメリカ大豆輸出協会(USSEC)☎️03-6205-4971URL:http://ussoybean.jp/USSECは米国農務省と生産者の資金を得、世界90カ国でアメリカ大豆の輸出促進と大豆製品の需要喚起活動を行っているマーケティング機関です。特に大豆食消費の多い日本では、SSAP認証に関する普及活動を最重要ミッションの一つとして位置づけて取り組んでいます。健康で美容にもよく、しかも地球を守る大豆。そんな大豆を意識してもっと食べ、SDGsへの貢献につなげてみようと思う方は、ぜひ店頭でSSAP認証マーク付きの製品を探してみてください!アメリカ大豆輸出協会(USSEC)日本副代表立石雅子さん日本人の食生活に欠かせない大豆は、現在約93%を輸入に頼っており、その約7割がアメリカ大豆だ。そのなかでも、サステナブルな農法で生産される「認証大豆」が注目される。て、トレーサビリティを伴う「分別生産流通管理(IPハンドリング)」も導入。日本にいる大豆加工業者にも、米国の大豆生産者の顔が見えるシステムを構築し、安心・安全の確保に努めている。こうした努力が実を結び、2013年からアメリカ大豆輸出協会(USSEC)による「SSAP(サステナビリティ認証プロトコル)」がスタートした。これはサステナブルな農法で生産・管理された大豆であることを認証する制度。日本企業のサステナブル調達への意識の高まりとSSAPの認知度の向上に日本は現在、米国、ブラジル、カナダ、中国などから大豆を輸入しているが、ソイオイル(大豆油)用を含む日本の輸入大豆の約7割は「アメリカ大豆」だ。そのうち食品大豆はすべて、30年以上前から日本の商社・食品会社と米国の大豆農家や輸出業者などが手を組んで、日本向けに品種改良・開発が進められてきた「分別生産流通管理(IPハンドリング)」のもと、徹底管理されているトレーサブルな大豆だ。米国では、80年以上前から、サステナブルで安心・安全な大豆の生産に取り組んできた。米国農務省が実施する、自然環境や土地利用変化に関する責任に配慮してサステナブルな農業を続けるための「農業保全プログラム」には現在、大豆生産者の95%が参加し、遵守しているかをチェックするための年1回の内部監査を受けている。また、生産・流通管理の一環とし日本の輸入大豆の約7割はアメリカ大豆80年以上前からの取り組みが実を結んだSSAP伴い、「認証付き大豆」の日本への出荷量は急増している。最近では、SSAP認証を受けたことを示す認証マーク(下図)を、日本の店頭でも見かけるようになってきた。大豆ミートが注目を集めるなか、SSAP認証付き大豆の需要は今後ますます増えることが予想される。米国ウィスコンシン州で、日本向けの食品大豆生産を行うナンシーさん(左)と夫。「日本との長年の関係は私たちの誇りです」と語る。アメリカ大豆輸出協会が発行する「サステナブルなルールを守って生産された大豆」であることを証明する認証マーク。日本で販売されている納豆や豆腐でも見かける機会が増えてきた。安心・安全・サステナブルな大豆が一目でわかる認証マークSSAP認証の4つのルール生産地域を制限して、森林を伐採せずに、土壌侵食が弱い農地や野生生物の生息に不可欠な農地、生態を守りながら生産する生物多様性と生態系の維持1「保全耕起法」他の法律に基づき、輪作やGPS技術などを活用した精密農業を取り入れ、環境を守りながら生産活動を行うサステナブルな生産活動2労働者の健康と福祉、人権に留意し、サステナブルな手法(無駄なエネルギーを使わない、肥料・農薬は最小限に正しく使う、水質を守る)で生産管理する生産農家の労働環境改善3継続的な生産活動の改善と、環境保護の向上を目指す。これらの実現のために技術やデータを利用する生産活動と環境保護の継続的改善4日本の大豆ミートブームを支える「アメリカ大豆」SSAP(サステナビリティ認証プロトコル)の認知で安心・安全な「認証大豆」の出荷量が急増中

大手企業も続々参入。日本で進む「なんでも大豆化」「大豆ブーム」と言われて久しい日本だが、今や、肉の代わりの大豆ミートだけでなく、飲料やデザートなど「なんでも大豆化」といえる状況だ(上写真)。大手を含む食品メーカーが続々と大豆食品市場に参入している。世界の動きを見るとすでに数年前から、欧米を中心に大豆をはじめとする「プラントベースフード」(※1)が注目されている。「その背景には、気候変動と森林破壊という地球環境問題がある」と語るのは、サステナビリティに詳しいニューラルCEOの夫馬賢治さん。「欧米では20年以上前からベジタリアンなど消費者の動きがあったが、ここ数年の動きの背景には、企業、つまり製品供給側の事情がある。企業にはこれまでと同じやり方では、環境負荷を減らしながらサステナビリティ経営・ESG投資コンサルタント。ニュースサイト「SustainableJapan」編集長。環境省、農林水産省、厚生労働省や国際会議での委員を歴任。メディア出演・講演も多数。著書に『超入門カーボンニュートラル』『ESG思考』(以上、講談社)『データでわかる2030年地球のすがた』(日本経済新聞出版)ほか。アメリカ大豆日本の大豆ブームを支える最近、スーパーやコンビニなどの食品売場で、「大豆」から作られた商品が急増している。その背景には、地球環境問題という世界が取り組むべき大きな課題がある。そして、大豆を輸入に頼っている日本の「大豆ブーム」を中心的に支えているのが、安全・安心・サステナビリティに配慮した「アメリカ大豆」だという。たんぱく質は「動物性」から「植物性」へがトレンドニューラルCEO夫馬賢治さん【右から時計回りに】GREENCALPIS(アサヒ飲料)、SoyBodyココア(キッコーマン)、SOYBIO豆乳ヨーグルト(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)、植物生まれのプッチンプリン(グリコ)、ゼロミートお肉不使用ソーセージタイプ・同ハンバーグ〈チーズインデミグラスタイプ〉(大塚食品)、大豆がパスタになりました(ハウス食品)、ダイズラボ大豆のお肉ミンチタイプ〈乾燥〉(マルコメ)、大豆で作ったヨーグルト(フジッコ)U.S.SOYBEAN米国オハイオ州にあるSSAP認証大豆畑。2000エーカー(東京ドーム約173個分)を超える大豆畑も少なくない。

協力/アメリカ大豆輸出協会(USSEC)☎03-6205-4971URL:http://ussoybean.jp/持続可能性を高めることはできないという強い危機感がある」。世界の人口増加を考えれば、ますますたんぱく質が必要になるが、たんぱく源の一つである家畜は、飼育に大量の水や餌が必要なうえ、家畜が排出する温室効果ガス問題もある。肉や乳製品に代えて大豆を使えば、環境負荷と持続性の両面から問題解決に寄与できる。「たんぱく質は動物性から植物性へ」。これが今、世界の企業共通の認識となり、「日本企業も事業を転換しつつある」(夫馬さん)わけだ。サステナビリティ経営が企業に求められる時代大豆は高たんぱくで、イソフラボンなどの機能性成分や栄養が豊富な食材として知られ、日本の大豆ブームは長い間、消費者の健康志向に支えられてきた。そこに環境面からの世界トレンドが加わり、「環境志向」という新たな潮流が生まれている。実際、日本で大豆ミートが使われ始めた1960年代当時、大豆は高価な肉の代替品としてコストダウン目的で使われる「裏方」だったが、いまは企業が積極的に大豆を原料に使用していることを発信するなど、大豆が「主役」に変身している。「変化の背景には、投資家や取引先企業への説明責任がある」と夫馬さん。「積極的にサステナビリティ経営を実践し、安定環境への負荷が少なく、サステナブルな方法で生産された大豆とサプライチェーン業者に対し、出荷先の要望に応じて、輸出時に証明書を発行する制度。アメリカ大豆輸出協会(USSEC)が下の4つのルールに基づき認証し、「サステナブルなルールを守って生産された大豆」であることを証明する認証マーク(右下写真のマーク)も発行される。的な原料調達を実現していることが、ESG投資(※2)において、投資家から評価を受けるうえで重要な指標となっている」。輸入大豆の約7割はサステナブルなアメリカ大豆日本の「なんでも大豆化」を支えているのは輸入大豆。なかでも、ソイオイル(大豆油)用を含む日本の輸入大豆の約7割を占めるのが「アメリカ大豆」だ。97%が家族経営の米国の大豆農家は、80年以上前から安心・安全でサステナブルな大豆生産を目指してきた。それが、2013年から始まった「SSAP」(詳しくは左上コラム)によって“見える化”された。「大豆の生産地の状況を細かく把握するのは難しい。その点、一定のルールを守って生産していることが担保されている『SSAP認証』のアメリカ産大豆なら、日本の企業が安心して使える利点がある」と夫馬さん。実際、SSAP認証大豆は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が策定した「持続可能性に配慮した調達コード」をクリア、公式サプライヤーに選定されている。このような日本企業のサステナブルな取り組みやSSAP認証大豆の認知度向上もあり、21年4月時点で、日本に輸入されているアメリカ大豆のほぼ100%がSSAP認証大豆だ。「アメリカ大豆サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)」とはSSAP認証の4つのルール生産地域を制限して、森林を伐採せずに、土壌侵食が弱い農地や野生生物の生息に不可欠な農地、生態系を守りながら生産する生物多様性と生態系の維持1「保全耕起法」他の法律に基づき、輪作やGPS技術などを活用した精密農業を取り入れ、環境を守りながら生産活動を行うサステナブルな生産活動2労働者の健康と福祉、人権に留意し、サステナブルな手法(無駄なエネルギーを使わない、肥料・農薬は最小限に正しく使う、水質を守る)で生産管理する生産農家の労働環境改善3継続的な生産活動の改善と、環境保護の向上を目指す。これらの実現のために技術やデータを利用する生産活動と環境保護の継続的改善4安全な水とトイレを世界中につくる責任つかう責任飢餓をゼロに気候変動に具体的な対策を陸の豊かさも守ろうパートナーシップで目標を達成しよう6151321712国連提唱のSDGsに積極的に取り組んでいる※1:植物性由来の食品のこと※2:企業の財務状況だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことSSAP認証大豆は、左の6つの最優先項目にフォーカスしてSDGsに取り組んでいる。「土壌の健康、水の有効利用、CO₂の削減、生物多様性、エネルギー使用削減、土地利用が目標達成のために重要と考えています」(アメリカ大豆輸出協会USSEC日本副代表・立石雅子さん)。動物性たんぱく質から植物性への移行の動きだけでなく、小麦粉を大豆粉で代用するなど、健康面を意識した商品でもアイテムが広がっている日本の大豆ブーム※写真は「アメリカ産大豆」のほか、カナダ産などを原料とする商品も含んでいます。

欧米を中心に、大豆をはじめとするプラントベースフード(※1)への注目が高まっている。「その背景には、気候変動と森林破壊という地球環境への危機感がある」と語るのは、サステナビリティに詳しいニューラルCEOの夫馬賢治さんだ。世界の人口増加を考えれば、今後ますますたんぱく質が必要になる。近年、たんぱく源となる家畜が排出する温室効果ガスの問題が指摘されているが、大豆であれば、同じたんぱく源でも、その心配はない。「例えば、牛肉1gを作るのに、牛に大豆飼料20gを食べさせなくてはならない。大豆ミートなら20gの大豆で20g食べられる」と夫馬さん。つまり、肉や乳製品に替えて大豆を使うことで、環境負荷を減らしながら持続性も維持できる。これが今、企業を取り巻くビジネス世界共通の認識になりつつある。その結果が「たんぱく質は動物性から植物性へ」というトレンドだ。日本でも昨年ごろから、各種食品メーカーが続々と、大豆食世界中で注目を集める「プラントベースフード」健康面でも環境面でも大豆は優秀な食材【右上から】ダイズラボ大豆のお肉ミンチタイプ<乾燥>(マルコメ)、GREENCALPIS(アサヒ飲料)、ゼロミートお肉不使用ハンバーグ<デミグラスタイプ>(大塚食品)、植物生まれのプッチンプリン(グリコ)、SOYBIO豆乳ヨーグルト(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)、SoyBodyオリジナル(キッコーマン)、大豆で作ったヨーグルト(フジッコ)、大豆がパスタになりました(ハウス食品)※写真の商品がすべて「アメリカ大豆」を原料としているわけではありません。日本独自の「なんでも大豆化」は、〝たんぱく質は「動物性」から「植物性」へ〟に加えて、小麦粉を大豆粉で代用するなど、健康面を意識した商品も登場最近、スーパーやコンビニの食品売場などで、「大豆」から作られた商品が増えていることにお気づきだろうか。大豆ミートにヨーグルト、パスタからデザートまで、いまや、あらゆる食品が「大豆化」しつつある。輸入大豆に頼らざるをえない日本の「大豆化」を支えているのが、安全・安心・サステナビリティに配慮した「アメリカ大豆」だという。アメリカ大豆日本の食卓に加速する「なんでも大豆化」を支えるU.S.SOYBEAN

レンドが追い風となって加わり、大豆は消費者ニーズにも企業の環境負荷削減ニーズにも応えられる優秀な食材と認知され、日本独自の「なんでも大豆化」の流れになった。日本の「なんでも大豆化」を支えているのは輸入大豆。なかでも、ソイオイル(大豆油)用を含む日本の輸入大豆の約7割を占めるのが「アメリカ大豆」だ。「米国は世界第2位の大豆生産国で、日本への最大サプライヤーとしての調達責任を果たすためにも、サステナブル(持続可能)で安心・安全な大豆の安定供給に取り組んでいる」とアメリカ大豆輸出協会(USSEC)日本副代表の立石雅子さんは話す。2013年からはUSSECによる「SSAP(サステナビリティ認証プロトコル)」がスタートした。これは、「サステナブルな農法で生産・管理された大豆であることを認証する」(立石さん)もの。日本企業のサステナブルな原料調達への意識とSSAPの認知度の向上に伴い、認証を受けた大豆の輸入量が急増。「21年4月時点で、日本に輸入されているアメリカ大豆のほぼ100%がSSAP認証付き大豆になった」(立石さん)。SSAP認証大豆は、国連が定めるSDGsの6つの最優先項目(※2)にフォーカスして取り組んでいる。「土壌の健康、水の有効利用、CO2の削減、生物多様性、エネルギー使用削減、土地利用が目標達成のために重要と考えている」(立石さん)。また、SSAP認証大豆は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が策定した、物品やサービスなどに対する「持続可能性に配慮した調達コード」をクリア。厳しい審査を経て、公式サプライヤーに選定されている。品市場に参入している。それも、肉の代替品である大豆ミートだけでなく、飲料やヨーグルト、デザートまで、「なんでも大豆化」の状況だ(右下写真)。海外の大豆(植物性)ブームは環境面から始まったが、日本の大豆ブームはまず、消費者の健康志向の高まりから始まった。大豆は、イソフラボンをはじめとする、女性にとってうれしい機能性成分や栄養が豊富(上囲み)で、ダイエットや肌、更年期対策が気になる女性たちに、積極的に取り入れられてきた。最近では高齢者の運動機能の低下や骨の対策としても注目株だ。そこに環境面からの世界のト国連提唱のSDGsにも積極的に取り組んでいるSSAP認証の4つのルール生産地域を制限して、森林を伐採せずに、土壌侵食が弱い農地や野生生物の生息に不可欠な農地、生態を守りながら生産する生物多様性と生態系の維持1「保全耕起法」他の法律に基づき、輪作やGPS技術などを活用した精密農業を取り入れ、環境を守りながら生産活動を行うサステナブルな生産活動2労働者の健康と福祉、人権に留意し、サステナブルな手法(無駄なエネルギーを使わない、肥料・農薬は最小限に正しく使う、水質を守る)で生産管理する生産農家の労働環境改善3継続的な生産活動の改善と、環境保護の向上を目指す。これらの実現のために技術やデータを利用する生産活動と環境保護の継続的改善4※1:植物性由来の食品のこと。※2:「飢餓をゼロに」「安全な水とトイレを世界中に」「つくる責任つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「陸の豊かさも守ろう」「パートナーシップで目標を達成しよう」の6項目。アメリカ大豆輸出協会(USSEC)日本副代表立石雅子さんサステナブルなアメリカ大豆を使った料理教室が、全国のABCクッキングスタジオで開催されます。下の写真は当日ご紹介するレシピのひとつです。詳細はホームページをチェックしてください。https://odl.abc-cooking.co.jp/one/協力/アメリカ大豆輸出協会(USSEC)☎️03-6205-4971URL:http://ussoybean.jp/〈ABCクッキングスタジオ1dayレッスン〉サステナビリティ認証「アメリカ大豆」で美肌を目指そう!ニューラルCEO夫馬賢治さん大豆には女性にうれしい成分がいっぱい◉大豆イソフラボンが女性のつらさを減らし健康を維持◉大豆たんぱく質の主成分β-コングリシニンが肥満対策に◉食物繊維や大豆オリゴ糖がおなかにうれしい◉たんぱく質、各種ビタミン・ミネラルが豊富で、手軽なバランス栄養の補給源に安心・安全・サステナビリティを目指す「アメリカ大豆」フルーツ豆花8月全国で開催!植物性たんぱく質が豊富な豆乳とゼラチンを使った豆花。ビタミンCを補うフルーツと一緒に、華やかに仕上げます。写真提供:株式会社ABCCookingStudio(7月10日より申込受付開始)

ヘルスSHIFT100米国産大豆のサステナビリティと大豆消費大国・日本との関わり日本で消費される大豆の約7割を米国産が占め、米国産大豆と日本との関わりは極めて深い。アメリカ大豆輸出協会(USSEC)で日本を含む北アジア地区を統括するロズ・リーク氏が、米国産大豆のサステナビリティへの取り組みに加え、日本との関係、そしてSDGsへの思いを語った。アメリカ大豆輸出協会シニアディレクター(市場アクセス)&地域ディレクター(北アジア)ロズ・リーク氏USSECは100社以上の企業会員で構成された非営利団体だ。主な目的は国際的なマーケティングと販促活動で、米国産大豆の価値を広めるために情報発信を行っている。農業従事者から農産物輸出業者まで大豆バリューチェーン全体とつながっており、米国農務省も加盟している。世界90カ国で活動しているが、中でも日本支部の歴史は最も古く、1956年に設立された。日本は世界5位の大豆輸入国だが、大豆市場全体に占める米国産%を超えており、関係の深さがわかる。用途別で見ると、主に味噌、納豆、豆腐に使われ、それぞれの米、70、41%と、米国の大豆は日本の伝統食品を支えている。この数年、大豆市場ではサステナビリティへの関心が急速に高まっている。米国では、1930年代に大平原地帯の農地を耕し続けていたことが原因で大規模な砂嵐が発生した。これがきっかけとなり、農業生産において環境に配慮する新たな機運が生まれ、政府が設立した自然資源保護局のもとで農業従事者は作物の生産方法を変えていった。環境保護は農業の要であり、農家の最重要資源である農地を次世代に継承するにはサステナビリティが重要になる。加えて、農地を適切に手入れすることで生物多様性も促される。これらすべてを考え、USSECが2014年に策定したのが「大豆サステナビリティ認証プロトコル」(SSAP)だ。認証をもとに継続的改善を進めSDGsの目標達成に寄与するSSAPは生産・管理方法について「生物多様性及び高炭素貯留」「生産慣行」「公衆衛生の安全と従業員の安全」「継続的改善」の4分野を対象に規制を指令している。SSAP認証では、米国法規で農業生産に適用される全ての規制をもとにした基準を使って調査を行う。全要件を満たして生産された大豆の量を算定するほか、監査手続きも定めている。USSECの大豆生産量は過去35年間で55%増加したが、同時期の土地使用面積や土壌流出量、農業用水利用料、電力使用量、温室効果ガス排出量はいずれも大きく減少している。このことを誇りに思い、今後も継続的改善に努めていく。SSAPを立ち上げた当初、サステナビリティ認証付き大豆のシェアはごく小さく、6845トンに過ぎなかった。しかしその後は増加の一途をたどり、2019年は2200万トンに達した。これは米国産大豆の総輸出量の40%弱を占めている。日本も当初は認証付き大豆への関心があまり高くなかったが、2018/19年か日本向けのサステナビリティ認証付き大豆の出荷は急増単位:MT(トン)219937072015/162016/172017/182018/192019/20(データ:アメリカ大豆輸出協会、2020年7月7日現在)ら増加し、2019/20年は需要が急増している。この理由の一つに、東京オリンピック組織委員会が大胆なサステナビリティ目標を掲げたことがある。オリンピックで使用される全製品に対する調達基準が設定されたことを受け、USSECはSSAP認証を組織委員会に提示し、承認された。これにより、日本でもサステナブルな大豆の認知度と関心が高まった。最後に、米国産大豆とSDGsの関係についてお話ししたい。USSECは米国の大豆生産者が影響を及ぼすことのできる主要な目標を6つ割り出した。その結果、単にSDGsの目標に協調できるというだけでなく、「USSECはこの6つの目標に寄与できる」と表明することが可能となった。今後も目標達成に向けた取り組みを進めていく。2万1019お問い合わせアメリカ大豆輸出協会(USSEC)URL◦http://ussoybean.jp/74万650173万8174

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